天明屋尚
天明屋 尚 | |
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誕生日 | 1966年2月10日(58歳) |
出生地 | 日本・埼玉県 |
運動・動向 | BASARA |
芸術分野 | 現代美術 |
ウェブサイト |
tenmyouya |
天明屋尚(てんみょうや ひさし、1966年2月10日 - )は、日本の現代美術家。
レコード会社のアートディレクターなど様々な職業を経たのち、現代美術家として活動している。
南北朝期の婆娑羅、戦国末期の傾奇者といった華美にして反骨精神溢れる覇格な美の系譜をローマ字で「BASARA」と総称し、日本の文化軸と歴史軸を直結させ美術史をダイナミックに改変する独自のコンセプトにより作品を制作している。[1]。「画聖」雪舟、「画狂」葛飾北斎、「画鬼」河鍋暁斎に続くべく、自ら「画強」と名乗る[2]。絵画、インスタレーション、雑誌、新聞、ポスター、映画美術など多様な形態で作品を発表している。
2006年サッカーW杯ドイツ大会FIFAワールドカップ公式アートポスターでは、日本代表作家として唯一選出された[3][4]。
2008年に「RX-78-2 傾奇者 2005 Version」が、香港で開催されたクリスティーズのオークションで競売に掛けられ481万香港ドル(約6400万円)で落札された[5]。
2010年8月に書籍『BASARA』と合わせてBASARA展を開催し、初の主催・企画・キュレーションをする[6]。
2012年7月〜コマーシャル・ギャラリー「TENGAI GALLERY」をプロデュース(2013年8月で閉廊)[7]。
2014年1月~TENGAIプロジェクト始動[8]。
BASARA
『BASARA』(ばさら)は、天明屋尚が2010年に提唱した美術概念。
南北朝期の婆娑羅、戦国末期の傾奇者、幕末の浮世絵師、現代のデコ文化やヤンキー文化といった華美にして革新的な覇格の美の系譜を『BASARA』と総称している。侘び・寂びや禅の対極にあり、オタク文化とも相容れない、粋で男伊達な美学と位置づけた。日本の文化軸と歴史軸を直結させ、美術史をダイナミックに改変する狙いがある。
日本の近代私小説における問題点と同様に、マイクロな個人の内面の吐露に終始しがちな日本の現代美術の弱点とは一線を画して、日本の歴史の文脈を美術に積極的に導入しようという試みがなされている。そのため、「縄文式火焔土器」から始まり「祭りの山車」「変わり兜」「織部茶碗」「浮世絵」「劇画」、現代の「刺青」「グラフィティ」「デコトラ」までをも網羅。縄文土器が象徴する豪快な生命力を原点としつつ、戦国期に生まれた華美で覇格の美の系譜は、王朝文化が復権した江戸期には「悪所」に封じ込まれて抑圧されたが、時代が下るにつれ、「男伊達」な幕末の浮世絵師たちによって再び華開いたといった見解が骨子となっている。
岡本太郎や橋本治らが提唱した「弥生的」・「縄文的」と言われる日本美術(文化)の2分法を継承しつつ、この「縄文的」なるものを発展的に拡充し、古代から現代までをつなぐ試みが『BASARA』と言える。その根本には、繊細・優美な「弥生的」に対し、豪快で斬新な「縄文的」が下位に置かれがちという、伝統的な日本美術の歪んだ美意識に対する問題提起がある。そのため、「詫び・寂び」と「BASARA」、「記号」と「線描」、「漫画」と「劇画」、「オタク文化」と「ヤンキー文化」などが対置されて語られている[9]。
主な活動
- 雑誌「BURST(コアマガジン)」に「誌上芸術」連載 (2000年4月〜2003年7月) 全38回
- 雑誌「D.D.D(メディアワークス)」に「誌上芸術」連載 (2000年8月〜2001年1月) 全3回
- 雑誌「GETON(学研)」に「誌上芸術」連載 (2001年8月〜2005年6月) 全39回
- 雑誌「TATTOO BURST(コアマガジン)」に「誌上芸術」連載 (2004年4月〜2005年6月) 全6回
- 雑誌「GQ JAPAN(コンデナスト・ジャパン)」に福田和也の挿画連載 (2004年5月〜2005年9月) 全14回
- 「FIFA公式アートポスター Official Art Poster 2006 FIFA World Cup Germany」制作 (2005年)
- 雑誌「Bien(美庵)」に「誌上芸術」連載 (2006年4月〜2007年1月) 全5回
- 雑誌「華音(美研インターナショナル)」表紙画 (2006年12月〜2007年9月) 全4回
- 「≒天明屋尚」ドキュメンタリー映画の主演 (2006年)
- 「大日本人」松本人志・監督作品映画の大日本人デザイン (2007年)
- 「Seven Stars」日本たばこ産業(JT)広告出演(2007年)
- 日本経済新聞の朝刊連載小説 北方謙三作「望郷の道」の挿画 (2007年8月6日〜2008年9月29日) 全409回
- 「鈍獣」細野ひで晃・監督作品映画の劇中画 (2009年)
- 「BASARA展」を主催・企画・キュレーション(2010年)
- ダンヒル × JFA(日本サッカー協会) × 天明屋尚のコラボレーション(2011年)
- コマーシャル・ギャラリー「TENGAI GALLERY」プロデュース(2012年7月〜2013年8月)
- 雑誌「SENSE(株式会社センス)」に「誌上芸術」連載 (2013年4月〜連載中)
- フジテレビ × 天明屋尚のコラボレーション広告(2014年)
主な展覧会
個展
- 「Japanese Spirit」HARAJUKU GALLERY (東京 2000年)
- 「天明屋尚展」PROGETTO (東京 2001年)
- 「ネオ日本画」depot (東京 2002年)
- 「画強」ナディフ (東京 2003年)
- 「傾く(かぶく)」ミヅマアートギャラリー (東京 2003年)
- 「TENMYOUYA HISASHI」the reed space. (ニューヨーク 2003年)
- 「魑魅魍魎」ミヅマアートギャラリー (東京 2004年)
- 「分身」ミヅマアートギャラリー (東京 2005年)
- 「MADE IN JAPAN」ミヅマアートギャラリー(東京 2006年)
- 「闘魂」ミヅマアートギャラリー(東京 2008年)
- 「風流(ふりゅう)」ミヅマアートギャラリー(東京 2009年)
- 「韻」ミヅマアートギャラリー(東京 2012年)
- 「一筆入魂」パルコミュージアム(東京 2014年)
グループ展
- 「One Planet under a Groove」ブロンクス美術館 (ニューヨーク,他を巡回 2001年)
- 「天明屋尚と暁斎展」河鍋暁斎記念美術館 (埼玉 2002年)
- 「第6回岡本太郎記念現代芸術大賞展」川崎市岡本太郎美術館 (神奈川 2003年)
- 「アメリカン・エフェクト:アメリカについてのグローバル的視点 1990-2003」ホイットニー美術館 (ニューヨーク 2003年)
- 「Japan Rising」Palm Beach Institute of Contemporary Art (フロリダ 2003年)
- 「Asian Invitational」Frey Norris Gallery (サンフランシスコ 2004年)
- 「ガンダム展 GUNDAM―来たるべき未来のために―」サントリーミュージアム (大坂,他を巡回 2005年 )
- 「MOTアニュアル NO BORDER-「日本画」から/「日本画」へ展」東京都現代美術館(東京 2006年)
- 「ベルリン - 東京展」ベルリン新国立美術館 (ベルリン 2006年)
- 「武者絵の世界展」長野県信濃美術館・東山魁偉夷館 (長野 2007年)
- 「ネオテニー・ジャパン - 高橋コレクション展」鹿児島県霧島アートの森 (鹿児島,他を巡回 2008年)
- 「シドニー・ビエンナーレ」 (シドニー 2010年)
- 「BASARA展」スパイラル (東京 2010年)
- 「SugiPOP!展」Portsmouth Museum of Art (ニューハンプシャー 2010年)
- 「バイバイキティ!!!天国と地獄の狭間で -日本現代アートの今-」ジャパン・ソサエティー (ニューヨーク 2011年)
- 「タグチ・アートコレクション GLOBAL NEW ART展」損保ジャパン東郷青児美術館 (東京 2011年)
- 「ZIPANG展」新潟万代島美術館 (新潟,他を巡回 2012年)
- 「ワンダフル・マイ・アート展-高橋コレクションの作家たち-」河口湖美術館 (山梨 2013年)
- 「異形の楽園:池田学・天明屋尚&チームラボ」ジャパン・ソサエティ (ニューヨーク 2014年)
主な受賞歴
- 第11回日本グラフィック展 審査員賞(1990年)
- JACA’97展 特別賞(1997年)
- URBANART#8展 リキテックス賞(1999年)
- 第8回リキテックス・ビエンナーレ展 奨励賞(2001年)
- 第6回岡本太郎記念現代芸術大賞展 優秀賞(2003年)
代表作
- Japanese Spirit シリーズ 全15点(1997年〜2004年)
- 漢字紅葉図具羅富異帝杉戸絵 2連作(2000年)
- 反骨諷刺絵巻、武闘派列伝シリーズ 全22点(2000年〜2002年)
- 現代日本若衆絵図 鎌倉 九人の侍(2001年)
- 白虎(2002年)
- ネオ千手観音(2002年)
- ネオ千手観音[那羅延堅固王、密迹金剛力士](2003年)
- 神風(2003年)
- 新形百物語シリーズ 全10点(2003年〜2004年)
- 新形六怪撰シリーズ 全6点(2004年〜2005年)
- 蹴球之図[2006 FIFAワールドカップ公式アートポスター](2004年)
- BUNSHIN(2005年)
- RX-78-2 傾奇者 2005 Version(2005年)
- イコン伝達装置 −本質の消失によるフォンタナ的考察 2連作(2006年)
- 龍神来迎図(2007年)
- 闘魂(2008年)
- 鎧袖一触 容貌魁偉 英姿颯爽(2008年)
- 思念遊戯(2009年)
- 韻(2012年)
作品集・著書
- ジャパニーズ・スピリット (学習研究社 2003年)
- 傾奇者 (PARCO出版 2004年)
- Tenmyouya Hisashi (河出書房新社 2006年)
- KAMON TENMYOUYA HISASHI (KING OF MOUNTAIN 2007年)
- BASARA 越境する日本美術論ー縄文土器からデコトラまでー TENMYOUYA HISASHI (美術出版社 2010年)
- Masterpiece (青幻社 2014年)
関連項目
脚注
- ^ http://tenmyouya.com/biography/profile.html TENMYOUYA HISASHI OFFICIAL WEB SITE、2014年4月1日閲覧。
- ^ 「天明屋尚作品集 Tenmyouya Hisashi」『河出書房新社』2006年7月10日、2頁。
- ^ 「顔 サッカーW杯の公式アートポスターを描いた 天明屋尚」『読売新聞』2005年8月23日読売新聞社、2面。
- ^ 「CATCH UP 2006年ドイツW杯 知られざる日本代表 天明屋尚」『週刊文春』2005年7月21日、文藝春秋、22頁。
- ^ http://www.christies.com/lotfinder/paintings/hisashi-tenmyouya-5078586-details.aspxCHRISTIE`S HISASHI TENMYOUYA、2014年4月5日閲覧。
- ^ http://tenmyouya.com/biography/profile.htmlTENMYOUYA HISASHI OFFICIAL WEB SITE、2014年4月1日閲覧。
- ^ http://tenmyouya.com/biography/profile.htmlTENMYOUYA HISASHI OFFICIAL WEB SITE、2014年4月1日閲覧。
- ^ http://tenmyouya.com/biography/profile.htmlTENMYOUYA HISASHI OFFICIAL WEB SITE、2014年4月1日閲覧。
- ^ http://tenmyouya.com/biography/profile.htmlTENMYOUYA HISASHI OFFICIAL WEB SITE、2014年4月1日閲覧。