大島町

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おおしままち ウィキデータを編集
大島町
大島町旗 大島町章
大島町旗 大島町章
1957年昭和32年)制定
日本の旗 日本
地方 関東地方
都道府県 東京都大島支庁
なし
市町村コード 13361-2
法人番号 2000020133612 ウィキデータを編集
面積 90.76km2
総人口 6,616[編集]
推計人口、2024年3月1日)
人口密度 72.9人/km2
隣接自治体 (海上を隔ててのみ隣接)
利島村静岡県下田市千葉県館山市東海汽船の高速船の航路が出ている)
町の木 つばき
町の花 つばき
大島町役場
町長 坂上長一
所在地 100-0101
東京都大島町元町1丁目1番14号
北緯34度45分01秒 東経139度21分20秒 / 北緯34.75014度 東経139.3555度 / 34.75014; 139.3555座標: 北緯34度45分01秒 東経139度21分20秒 / 北緯34.75014度 東経139.3555度 / 34.75014; 139.3555
外部リンク 公式ウェブサイト

大島町位置図

― 区 / ― 市 / ― 町・村

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大島町(おおしままち)は、東京都島嶼部に位置する

伊豆諸島の北端にある伊豆大島全域を町域とし、所属するはなく「東京都大島町」が正式な表記である。

三原山椿、あんこさんで知られる。気候は温暖であり、 年間平均気温は摂氏15.8度。

地理[編集]

歴史[編集]

年表[編集]

行政区域変遷[編集]

  • 変遷の年表
大島町町域の変遷(年表)
月日 現大島町町域に関連する行政区域変遷
1908年(明治41年) 4月1日 島嶼町村制施行。以下の村がそれぞれ発足[1][2]
1926年(大正15年) 大島島庁から大島支庁になる。
1940年(昭和15年) 4月1日 伊豆諸島の島嶼町村制が普通町村制に移行。
1955年(昭和30年) 4月1日 岡田村・元村・泉津村・野増村・差木地村・波浮港村が合併し大島町が発足[3]
  • 変遷表
大島町町域の変遷表
1908年
以前
明治41年
4月1日
明治41年 - 昭和19年 昭和20年 - 昭和64年 平成元年 - 現在 現在
岡田村 岡田村 岡田村 昭和30年4月1日
大島町
大島町 大島町
元村 元村 元村
泉津村 泉津村 泉津村
野増村 野増村 野増村
差木地村 差木地村 差木地村
波浮港村 波浮港村 波浮港村

人口[編集]

大島町と全国の年齢別人口分布(2005年) 大島町の年齢・男女別人口分布(2005年)
紫色 ― 大島町
緑色 ― 日本全国
青色 ― 男性
赤色 ― 女性

大島町(に相当する地域)の人口の推移
総務省統計局 国勢調査より
  • 大島町役場と元町港がある元町が1番人口が多く、2番目が差木地である。

行政[編集]

歴代町長[編集]

特記なき場合「大島小史」などによる[8]

氏名 就任 退任 備考
1 藤井豊乃輔 1955年4月
2 石井松利 1967年4月
3 鈴木三郎 1975年4月
4 植村秀正 1983年4月
5 清水長治 1991年4月
6 藤井静男 1999年4月
7 川島理史 2011年4月30日 2015年4月30日
8 三辻利弘 2015年4月30日 2023年4月30日

都の行政機関[編集]

国の行政機関[編集]

立法[編集]

議会[編集]

  • 議長:中村佳一[9]
  • 副議長:小池 渉
  • 定数:14人(任期満了日 : 2027年4月29日[10]
  • 党派:日本共産党3人、公明党2人、自由民主党2人、無所属7人
  • 常任委員会:総務文教経済常任委員会、住民福祉環境常任委員会

都政[編集]

大島町が属する島部選挙区から選出される東京都議会議員の定数は1議席である。

国政[編集]

衆議院
議員名 党派名 当選回数 備考
松原仁 立憲民主党 8 選挙区
石原宏高 自由民主党 5 比例復活
参議院

東京都選挙区に属する。選出議員についての詳細は、東京都選挙区の項を参照のこと。

司法[編集]

地域[編集]

大島町は北から泉津せんづ岡田おかた元町もとまち野増のまし差木地さしきち波浮港はぶみなと、の六集落からなるが、北の山きたのやま(元町字北の山を中心とした一帯、岡田と元町の中間)、間伏まぶし(野増字間伏とその周辺、野増と差木地の中間)、クダッチ(差木地字クダッチ、差木地と波浮港の中間)を一つの地域と見なすこともある。また、島内を南部と北部に二分する表現が用いられることもある。その場合、差木地より南が南部に入ることは間違いないが、間伏地区がどちらに入るかは明確ではない。

カルデラ式火山である三原山の外輪山から内側がどの集落に属するのかは明確にされていない。外輪山にある大島温泉ホテルは泉津字木積場きつんば、バス停終点付近にある歌乃茶屋付近は正式には元町字二阡坪山にせんつぼやまだが、俗称元町字鏡端かねはた(「かがみばた」とも読む)が使われることもある。しかし、その付近の一部区域は野増に属するところもある。

教育[編集]

小学校
中学校
高等学校

医療[編集]

交通[編集]

元町港
岡田港
波浮港

航空[編集]

かつては全日本空輸東京国際空港(羽田空港)とを結ぶ便を運航していた。YS-11の退役による小型ジェット機への機材転換が必要となり、2002年に小型ジェット機が離着陸可能な滑走路長1,800メートルに延長された(当初の計画としてB737-500が1日3往復。大島空港拡張事業環境影響評価書より)。しかし、観光客の減少、高速船の運航等により乗客数を確保できなくなり、2009年10月からは、ボンバルディアDash 8 Q300型機での1日1便運航となった。その後同機材の退役により、2014年3月30日から再度、ボーイング737-700によるジェット化がなされたが、2015年10月24日をもって廃止された。

バス[編集]

タクシー[編集]

  • あいタクシー
  • 大島交通
  • 長岡交通
  • 花交通タクシー
  • 三原観光自動車

レンタカー[編集]

海上航路[編集]

道路[編集]

※町内に国道はない。

都道

港湾[編集]

経済[編集]

七島信用組合本店

産業[編集]

観光業農業漁業畜産が柱であるが、高齢化や人口減少のため何れも衰退傾向にある。

  • 観光業は古くからの主産業である。ジェット船の投入などアクセス改善が図られたものの観光整備の遅れから観光客は減り続けており、2005年の観光客数は1973年の3割弱にまで落ち込んでいる(大島町の資料より)。伝統的に釣り客が多く、多様化した観光客に対応し切れていないことも減少の理由とされる。
  • 農業は気候を活かした花き類とサヤエンドウが中心である。こちらも離島ゆえの物流コストの高さや輸送時間の問題から生産量の減少に歯止めがかかっていない。
  • 畜産は搾乳が中心で、かつては高品質の「大島バター」で知られ、前は北海道産バターを大島バターの箱に詰め替えた偽物まで出るほどであった。戦後は輸入品に押され、牛乳消費の低迷もあって運営会社が経営難に陥り2007年2月にバター生産を断念した。元従業員らがブランド復活を目指している。

郵便局・金融機関[編集]

特記の無い店舗は、店舗名と同名の住所(大字)に所在。

郵便局(日本郵便

(※2013年10月現在)

  • 大島郵便局 - 元町に所在。
  • 岡田(おかた)郵便局
  • 泉津(せんづ)郵便局
  • 波浮港(はぶみなと)郵便局
  • 差木地(さしきぢ)郵便局
  • 野増(のまし)郵便局
  • 大島北の山簡易郵便局 - 元町に所在。
その他の金融機関
  • みずほ銀行 - 当町の指定金融機関となっている。
    • 大島特別出張所 - 元町に所在。築地支店を母店とする出張所。
  • 七島信用組合
    • 本部・本店 - 元町に所在。
    • 波浮港(はぶみなと)出張所 - 差木地に所在。

姉妹都市・友好都市[編集]

名所・旧跡・観光スポット・祭事・催事[編集]

地層切断面
椿の散歩道
郷土資料館の敷地にある伝統的な民家
伊豆大島火山博物館
大島公園動物園
  • 三原山
普段から火口から湯気の立つのが見られる。外輪山には三原山温泉がある。
野増地区の都道208号(大島一周道路)沿いの崖面に長い距離にわたり地層が露出している。
  • 都立大島公園
泉津地区にある都立公園で、広大な敷地の中に動物園、世界最大級の椿園、椿資料館などがある。椿まつりの会場でもある。
  • 椿花ガーデン・リス村
放し飼いにされたリスにエサを与える事ができる。
  • 椿トンネル
泉津、差木地など島内数ヶ所にある。ヤブツバキの大木が道沿いに連なり、トンネルを形作っている。ヤブツバキなので花は小さいが、多数の花を見上げながら通り抜けられる。
  • 波浮港
9世紀の火口跡で江戸時代末期に秋廣平六により整備された港。かつては利島行の連絡船が出ていたが、現在は漁港。円形を描く入江が美しい。また、港の集落には大正時代に立てられた木造三階建の建造物が残っている。新民謡「波浮の港」で有名。
  • 椿まつり
毎年1月末から3月末まで都立大島公園などで開催される催事。様々な種類の椿が一斉に咲くさまは圧巻である。全島で様々なイベントも開催される。
  • 大島桜
山桜の一種である大島桜は、3月に島内で一斉に白い花を咲かせる。集落を外れた都道沿いや山の中腹などに、遠目にもそれと分かるような大木がある。

ゆかりの作品[編集]

ご当地ソング[編集]

1928年(昭和3年)に発表された新民謡の曲。大島町では午後5時になると、この曲が流れる。波浮港には記念碑がある。ただし、野口雨情は大島に来島することなく作詞したという。
波浮港を見下ろす高台に歌詞碑がある。
1950年(昭和25年)にSP盤で発売、長い間忘れられていたが2023年(令和5年)に配信にて復刻された。

ロケ地となった作品[編集]

著名な出身者[編集]

脚注[編集]

  1. ^ a b 角川日本地名大辞典編纂委員会『角川日本地名大辞典 13 東京都』、角川書店、1978年、ISBN 4040011309より
  2. ^ a b 日本加除出版株式会社編集部『全国市町村名変遷総覧』、日本加除出版、2006年、ISBN 4817813180より
  3. ^ a b 1955年(昭和30年)3月31日総理府告示第993号「町村の廃置分合」
  4. ^ 土中から次々遺体 バスの三体も確認『朝日新聞』1978年(昭和53年)1月17日朝刊、13版、23面
  5. ^ 大島のニセ医者逮捕『朝日新聞』1979年(昭和54年)7月5日夕刊、3版 15面
  6. ^ 全島一万人、史上最大の脱出作戦
  7. ^ 【台風26号】「風呂桶ひっくり返したような雨」「山崩れ漁港埋めた」おののく伊豆大島の住民”. msn産経ニュース. 2013年10月16日閲覧。
  8. ^ 大島小史”. 大島町. 2021年9月14日閲覧。
  9. ^ 大島町議会議員名簿”. 大島町議会. 2023年9月29日閲覧。
  10. ^ 令和5年(2023年) 選挙執行一覧”. 東京都選挙管理委員会. 2023年9月24日閲覧。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]