大型ゾイド

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大型ゾイド(おおがたゾイド)は、トミー(現タカラトミー)より発売されている『ゾイド』シリーズに登場する架空の兵器。主に中型の電動モーター駆動キットのもの、およびこれに類する大きさのものを指す。

エレファンダー

エレファンダー
ELEPHANDER
番号 EZ-038
所属 ガイロス帝国
バックドラフト団/チーム・エレファンダー(スラッシュゼロ)
ディガルド討伐軍/エレファンダー遊撃隊(ジェネシス)
分類 エレファント型
全長 21.6m
全高 10.8m
12.8m(コマンダータイプ))[1]
12.4(スカウタータイプ))[2]
重量 180.0t
182t(コマンダータイプ)[1]
181t(スカウタータイプ)[2]
最高速度 130.0km/h
乗員人数 2名
主な搭乗者 ヒンター・ハルトマン大尉
チーム・エレファンダー(スラッシュゼロ)
 ストラ・スフィグマ
 サンダース
ハック(ジェネシス)
武装 ツインクラッシャータスク×2
ストライクアイアンクロー(鼻部先端)
AZ60mmハイパーレーザーガン×2(鼻部先端)
2連装45mmビームガン(鼻部付け根)
Eシールドジェネレーター×2(耳)
AZ105mmビームガン(背部砲塔)
AZ115mmパルスレーザーガン(背部砲塔)
45mmビームガン×2(背部側面)
AZ144mmレールガン(腹部)
AZ105mmリニアガン×2(腹部)
45mmマシンガン(尾部)
交換装備 「コマンダータイプ」
・強化型ツインクラッシャータスク×2
・強化型Eシールドジェネレーター×2
「ファイタータイプ」
・ESCSユニット
「スカウタータイプ」
・地磁気レーダー
・GPS3Dレーダー×2
・マルチレーダービークル

ゲリラ戦、対城塞攻略戦を想定して開発されたガイロス帝国軍のエレファント型大型ゾイド。敵の奇襲に耐え得る重装甲と敵陣を引き裂くパワーを誇り、任務に応じて装備の換装が容易に行えるという特徴から「換装機獣」の異名を持つ。

エレファンダーの換装形態は、ノーマルタイプ(スタンダードタイプ[3])を基本形に、ツインクラッシャータスクとEシールドジェネレーターを強化[3]し頭部形状も変更したコマンダータイプ(指揮官型、通称「ガネーシャ[3])、鼻部先端をエネルギーソード[4]、キャノン、シールドを兼ねる[3]ESCS(エスクス)ユニット(Energy Sword with Cannon Shieldの略)[3][5]に変更したファイタータイプ(格闘・防御型)、鼻部先端を対地レーダーに、耳をレーダーイヤーに、背部砲塔をレーダービークルに変更したスカウタータイプ(索敵・探査型)である。また、背部砲塔をカスタマイズパーツCアサルトガトリングユニットに変更したエレファンダーAGはアタッカータイプ、通称アサルトエレファンダーとも呼称され[3]、最も攻撃力の高い仕様とされる。 このエレファンダーの換装システムは、後にライガーゼロおよびバーサークフューラーに採用されるCAS(チェンジングアーマーシステム)の雛形となっている[6]


キット

元は学年誌のアイデアコンテストで採用された読者投稿ゾイド。漫画ゾイドバトラー雷牙2巻にその際の投稿葉書と開発秘話コミックが掲載されている。

作中での活躍

バトルストーリー
初登場はゾイド公式ファンブック3巻。西方大陸東端に追い詰めたヘリック共和国軍に止めを刺すべく開発が進められていたが、ロールアウトした時には形勢が逆転しており、味方の撤退を助けるべく殿軍(しんがり)としての役割が与えられた。暗黒大陸での戦いでは目立ったエピソードは無いが、各換装形態が機甲師団下の各部隊に配属されている[7]
アニメ
ゾイド新世紀スラッシュゼロ』ではバックドラフト団の擁するチーム・エレファンダーの機体として第6・9・12・19話に登場。
第6話では、サンダース軍曹が音声認識による操縦でチームブリッツを圧倒するも、最後はライガーゼロイエーガーに敗れる。
第9話ではチームモルドが使用し、チームチャンプに勝利している。
第12話では、ストラ・スフィグマが搭乗しビットと1対1のバックドラフト団の仕掛けたファイヤーデスバトルで対戦。ライガーゼロをあと1歩まで追い込むも、止めを躊躇しライガーを逃がすのだった。最後はライガーゼロシュナーダーと痛み分けの結果に終わる。
第19話においてバックドラフト団から離反したストラとの再戦では、コマンダータイプにESCSユニットとアサルトガトリングユニットを装備した形態でゼロシュナイダーを完封し窮地に追い込むが、初陣を飾るライガーゼロパンツァーに圧倒され、バトル自体もバックドラフト団の横槍により無効となった。
ゾイドジェネシス』ではハック率いるエレファンダー遊撃隊の機体としてブラウン系のカラーリング(頭部はコマンダー仕様)で登場。初登場した第2話ではザイリンの駆るバイオメガラプトルに一蹴されてしまうが、後に再編成されディガルド討伐軍に参加。数を減らしつつも最終決戦まで活躍する。また野良ゾイドの群れとしても登場している。
アニメでは2作ともにバトルストーリー版の設定よりも巨大な機体として描かれている。
漫画
学年誌『小学二年生』2000年12月号掲載漫画『ゾイドバトルストーリー』に登場。バン・フライハイトの派遣先に配備されていたガーディアンフォースの新戦力とされる。

ゲーム

ゲームキューブ用ソフト『ZOIDS VS.シリーズ』ではⅠから登場。攻撃力に優れるが、機動力は低い。「ZOIDS VS2」ではバリエーションとしてストラ・スティグマ専用機の「エレファンダーSS」も登場。耳部から「サンダーストーム」と呼ばれる強制放電攻撃を可能としている。 ゲームキューブ用ソフト『ゾイドフルメタルクラッシュ』において使用機体として登場。鼻のリーチや装備換装を活かして猛威を振るった。

機体バリエーション

エレファンダーR(共和国仕様)
電撃ホビーマガジン2002年12月号にて掲載された機体。機体色は白と青。
西方大陸戦争にて殿としてデストロイヤー兵団を5時間に渡り足止めしたエレファンダーの性能に目を付けた共和国軍が残骸を回収し復元したもの。ほとんどの機体が中破止まりだったこともあって完全な形で修復することに成功し、同時に帝国基地跡から機体のデータの復元にも成功。
1号機がバスターキャノンを搭載したゴジュラスギガの運用試験に使用され、闘争本能に目覚めたゴジュラスギガによって接近戦を挑まれ大破し試験自体は失敗だったが、搭乗していたパイロットが無事生還したことで本機体の有用性が実証され、正式に配備されることとなった。
ネオゼネバスとの最終決戦である首都奪還戦にも出撃しており、セイスモサウルスのゼネバス砲を無力化する凱龍輝を撃破せんと襲い掛かってくる敵をことごとく返り討ちにし、セイスモサウルス撃破に大きく貢献した。[要出典]
ゾイドフルメタルクラッシュ』では、エレファンダーのカラーバリエーションとして登場。「RZ-038」の形式番号が与えられている。
パワードエレファンダー
ゾイドバトルカードゲームのプロモカードにて登場した改造エレファンダー。
元々はホビージャパン誌2001年4月号に掲載された攻城戦を表現したジオラマ作品で、外見上は頭部パイプ接続方式の変化や背面等へのディティールアップが加えられたESCSユニット装備型のエレファンダー・コマンダータイプである。
カードではストロングノーズという複数敵への攻撃能力を持つゾイドとして扱われていた。
ミサイルエレファンダー
漫画『ゾイドバトラー雷牙』、ゾイドバトルカードゲームのプロモカードにて登場した改造エレファンダー。
その名の通り背面に大型対空迎撃用・対地攻撃用ミサイルとその発射台を持ち、更にはビームガトリングガン(CP-15 アサルトガトリングユニット付属)や大口径ビームキャノンによる重武装化がなされている。
学年誌ムック「ZOIDS改造マニュアル」に作例が掲載されており、同書解説によると帝国領内からの共和国基地への遠距離攻撃、侵入した敵の爆撃ゾイドやミサイルの迎撃を狙った戦略攻撃ゾイドとのこと。
エレファンダーTSS(サンダーストームスペシャル)
学年誌ムック「ZOIDS改造マニュアル」に掲載。エレファンダーの耳部分をファン状のサンダーストーム発生装置に交換し、強力な電磁放電で攻撃する事を可能としている。背部はアサルトガトリングやキャノリーユニットによって火力を増強し、後方の敵陣への攻撃も考慮されている。


ガンブラスター

ガンブラスター
GUNBLUSTER
番号 RPZ-11(旧)
RZ-052(新)
所属 ヘリック共和国
分類 アンキロサウルス型
全長 19.0m
全高 8.1m
全幅 9.3m
重量 125.0t
最高速度 120.0km/h
乗員人数 1名
設計者 トミー・ミューラー大佐
主な搭乗者 ロイ・ジー・クルーガ少尉(旧)
グラハム大尉(旧)
エクス・プロイト大尉(新)
バディター・ロウエン伍長(新)
ZEP 本体
 攻撃力:18 防御力:15 合計:33
砲塔
 攻撃力:19 防御力:1 合計:20
シールド
 攻撃力:1 防御力:13 合計:14
総合力:67
武装
装備
(旧)
ハイパーローリングキャノン(ブレーザーキャノン×2/パルスガン×2/サンダーキャノン×1/連装加速ビーム砲×1/電磁砲×1/プラズマキャノン×1/連装パルスビーム砲×1/ビームキャノン×1/レールキャノン×1/ショットガン×1/加速衝撃砲×1/ビームライフル×2/3連速射砲×1)×1
超電磁シールドホーン×24
エネルギーチャージャー×1
3Dレーダー×1
冷却用放熱口×4
後方警戒レーダー×1
武装
装備
(新)
エレクトロンバイトファング
ハイパーローリングキャノン(ブレーザーキャノン×2/パルスガン×2/サンダーキャノン×1/連装加速ビーム砲×1/電磁砲×1/プラズマキャノン×1/連装パルスビーム砲×1/ビームキャノン×1/レールキャノン×1/ショットガン×1/加速衝撃砲×1/ビームライフル×2/3連速射砲×1)×1
超電磁シールドホーン×24
エネルギーチャージャー×1
3Dレーダー×1
冷却用放熱口×4
後方警戒レーダー×1

ヘリック共和国軍がガイロス帝国(暗黒軍)の繰り出す強力なゾイドに対抗するために開発したアンキロサウルス型重砲ゾイド。四肢の重心がそれまでの共和国大型ゾイドに比べて極端に低く、その低い姿勢ゆえに反動が少ない安定した砲撃用プラットフォームゾイドとして活躍する事になり、背部に砲撃用機体である事を象徴する十数種類ものタイプの違う砲を全て組み合わせたハイパーローリングキャノンを装備し、さらに機体側面から突き出る24本の角から超電磁シールドを発生させる事で敵の攻撃を防ぐ攻、防ともに優れた能力を持つ。

「史上最強の砲撃ゾイド」とも云われ、その由来である3基の3連式回転砲などの合計20門からなるハイパーローリングキャノンの砲撃は、各ビームの周波数を変更する事でいかなるEシールドをもすり抜け、敵ゾイドの装甲を一瞬で穴だらけにしてしまう程の絶大な威力を持つ。旧大戦では当時砲身全てが金色である事と、砲身の輝きに加えて、そこから放たれる各種ビームの眩さと強烈な砲撃力から「黄金砲」とも呼ばれ、その3000連発の威力の前に当時耐えられた暗黒ゾイドはいなかった。

第一次大陸間戦争における共和国軍の第一次暗黒大陸上陸作戦での失敗を教訓に、第二次暗黒大陸上陸作戦の際に新戦力として実戦投入され、暗黒大陸上陸に貢献。その後も共和国主力機としてZAC2056年の惑星Zi大異変による戦争終結まで活躍した。第二次大陸間戦争ではエレファンダーとの戦闘を教訓に、共和国技術部の手によって復活し、再び戦線に加わった[6]

超電磁シールドはジェノザウラー級の荷電粒子砲の直撃に10秒以上耐えれるほどの防御性[6]を持ち、グランチャーのジャミングウェーブに干渉する事でその効果を半減させる事も可能[6]



キット

キットは、単三電池1本で駆動される。動力部は、歩行ギミック用の1軸のほか、上方に連動ギミック用の出力軸1つを持つ。歩行ギミックは、後脚のみが直接駆動され、前脚はこれに追随して往復運動をするゼンマイゾイドに近い形式で、その歩行に連動して背部ローリングキャノンの回転(上部の3軸のみ)及び左前脚からのリンクにより駆動される(よって歩行と同周期の)下顎の開閉。手動ギミックは、頭部コクピットハッチの開閉のみ。

キットのカラーリングは、旧モデル(RPZ-11)では本体外装部が青と白、角と四肢の爪が銀、砲身が「黄金砲」の名の通り金めっきであったのに対し、新モデル(RZ-052)では本体外装部が濃淡二色の青、角と四肢の爪が金、砲身がジャーマングレイカラーになり、バッテリーのカバーもネジ止め式に変更されている。

尚、コトブキヤ製プラキットHMMシリーズの「ガンスナイパーリノン仕様」の取扱説明書内のミニストーリーにおいてディバイソンを破壊されたリノン・トロス(チーム・ブリッツ所属)の新しい機体として候補に挙がるも、この時代では超レアゾイドらしく(他のゾイドとは金額が2ケタ違うとのこと)却下されている。

バトルストーリー

ヘリック共和国とガイロス帝国による二度に亘る大陸間戦争時に於いて、二度とも暗黒大陸を舞台にした戦いの中で登場する事になった奇妙な因果を持つ機体でもある。

ZAC2052年6月の第一次大陸間戦争で、暗黒大陸ニクスに上陸したものの、慣れぬ土地と強力ゾイドの攻撃に苦戦する共和国戦線を支えるためにロールアウト。クルーガ少尉の操縦する本機は、暗黒大陸でハイパーローリングキャノンを駆使して、初戦で10台ものデッドボーダー小隊を瞬時に撃破して初陣を飾り、更に次々と襲いかかるガイロスゾイドを蜂の巣にして共和国軍の進路を開き、暗黒軍秘密基地での戦闘では超電磁シールドを破壊されながらも、ブラックコングが放つビームスマッシャーを防ぎ、ブラックコングを撃破する。

だが、ギルベイダーの共和国空襲では、クルーガの上官であるグラハム大尉が乗り込んでいたものの、クルーガ搭乗のサラマンダーF² を援護しようとして、ギルベイダーのビームスマッシャーに両断され、グラハム大尉は戦死する。それでもガンブラスターはその後の大陸間戦争でもZAC2056年の惑星Zi大異変時まで戦った。

ZAC2101年8月、ニクス大陸ウィグリド平原において鉄竜騎兵団(アイゼンドラグーン)と遭遇し危機に陥った閃光師団(レイフォース)の増援のためサラマンダー・カーゴに運搬されて駆けつける。そしてバーサークフューラーのEシールドをハイパーローリングキャノンで無力化し、バーサークフューラー本体にダメージを与える事で逆転のきっかけを作った[6]

しかし、鉄竜騎兵団の中央大陸進出では、防衛戦に出たものの、ダークスパイナーのジャミングウェーブと、シュトゥルムフューラーによって敗北する[7]

アルトブラスター

新ゾイドバトルストーリーの改造機。二足歩行に改造されて機動性を上げてかつ、砲撃角度を大幅に変え、更に前足にゴジュラスの両腕を移植して格闘戦性能も向上。ギルベイダーに撃破されるものの、共和国首都空襲の際には執拗に砲撃して護衛のレドラーを全機撃ち落とし、ギルベイダーに回避運動を強要させてエネルギー切れを誘い、暗黒大陸帰還へと追い込んだ。

都市守備隊仕様

電撃ホビーマガジン2001年12月号に掲載された改造ガンブラスター。ハイパーローリングキャノン部に簡易装甲としても機能する偽装カバーを取り付け、装甲に都市迷彩を施したタイプ。共和国本土に配備されている。

グスタフ

グスタフ
GUSTAV
番号 RPZ-02(旧)
Zi-025(グスタフMS)
所属 ヘリック共和国
ゼネバス帝国
ガイロス帝国
中立(グスタフMS)
チーム・マッハストーム(フューザーズ
ディガルド武国ジェネシス
ディガルド討伐軍(ジェネシス)
分類 昆虫型
全長 14.76m(本体)
7.29m(トレーラー一基)
全高 9.36m(本体)
2.5m(トレーラー一基)
全幅 8.28m
重量 68t(本体)
21t(トレーラー一基)
最大牽引力 250t
最高速度 135km/h(本体)
50km/h(最大重量積載時)
乗員人数 1名
主な搭乗者 ムンベイ(機獣新世紀ゾイド -ZOIDS-
ハルド(フューザーズ)
スイート(フューザーズ)
ヤクゥ(ジェネシス)
ジンゴ(ジェネシス)
武装
装備
(旧)
全方位レーダー
爆発物探知センサー
武装
装備
(新)
GPS複合センサー
耐衝撃シェルアーマー
ランドマインディテクター×2
トラクションプラットホーム(トレーラー)×2
(以下トラクションプラットホーム上に設置)
オペレーションアーム
ウェルドアーム
リフュエルタワー
エレベータービークル
キャリア

頑丈な装甲と強力な牽引力を兼ね備えた昆虫型の大型ゾイド。昆虫型と設定されている通りコクピット左右に触角のようなセンサーのランドマインディテクターを持つが、より正確にはダンゴムシ型。[要出典]

機動力が低く、性格も大人しい事から戦闘には向かないゾイドとされて来たが、分厚い外殻による高い生存性と強靭な馬力を有する事を実証したため、両軍双方において物資輸送用ゾイドとして運用される事になった。

台車には小型ゾイドなら数体、大型ゾイド一体を乗せて運搬出来る他、クレーンなどの設備が設けられている事からも判るとおり、簡易修理やメンテナンスもこなす機能もあり、戦場後方での支援に於いても欠かせない存在である。

汎用性の高さから、様々な勢力や民間まで幅広く使用されている。設定では後部台車に大型砲を装備した長距離支援戦闘用ゾイドへの改良も検討されていたらしいが、実際にはそのような機体はいまだ登場していない。

キット

レッドホーンと同型の単三電池1本で稼働する動力部を持ち、タイヤで走行する。連動ギミックは、前輪のカムから駆動される外殻の伸縮及び触角の上下動、並びに動力部上面の出力軸によるアンテナの旋回。新シリーズのキットではムンベイ仕様としてカラーリングを変更したもののみ発売されている。旧シリーズのキットではトレーラーのみ付属していたが、新シリーズではかつてDZ-02 ディオラマベース(ファクトリーベース)用パーツとして付属していた各種メンテナンスアームが新たに追加されている、さらに、当時はアニメに合わせてかパイロットのムンベイの他、バン、フィーネ、ジークと言った各種アニメキャラのフィギュアも同梱されていた。

キットはタイヤで走行しているため、非常に牽引力が強い。付属の台車に乗せればウルトラザウルスでも運ぶことができる。手動ギミックは頭部キャノピーの開閉のみ。

作中での活躍

バトルストーリー
バトルストーリーではもっぱらゾイドを輸送する縁の下の力持ち扱いであり、戦闘用ゾイドではない事から、活躍の機会は殆ど無いが、それでもゾイドの輸送の他にも、資材や弾薬などの補給物資を運ぶ重要な任務をこなしている。ゼネバス帝国滅亡時には、帝国グスタフがゼネバス専用デスザウラーを運搬するシーンがある。
新シリーズではアニメのムンベイ機が登場。公式ファンブック2では西方大陸戦争中期、共和国の逆襲が始まった中でムンベイは帝国側に、補給線が共和国空爆の危険の中にあり、そこを命拾いしながら只一人補給物資を運び終えた事を伝えるものの、定額しか貰えなかった事で、報酬金を上乗せするよう不満を述べていた。
アニメ
アニメ『ゾイド -ZOIDS-』では女運び屋ムンベイが赤い装甲のグスタフMS(ムンベイスペシャル)に搭乗。コックピットが複座、再生能力の強化、ビーム砲らしきものを装備したりと、独自の改造が加えられている。このグスタフMSは体当たりでレブラプターを撃破するシーンもあったが、第44話でジェノザウラーRの荷電粒子砲を真横から受け、装甲を損壊。しかし、強固な装甲と、直撃箇所がゾイドコアをそれていたことが奏功し、大破を免れた。第47話以降は修復され、一部装甲がホワイトとなっている。このホワイトとなっている箇所は、荷電粒子砲に貫かれていた箇所である。第52話ではドクター・ディが開発した試作型ブースターを装着した事もあった。(この状態をムンベイは「グスタフエボリューション」と命名。)ただし、ブースターの馬力が大きすぎたためか制御不能に陥り、崖に衝突している。ムンベイ機以外には白やダークグリーンカラーなどが登場。
以降のアニメでも運送用ゾイドとしてグスタフが多く登場し、『ゾイドフューザーズ』ではヒロインのスイートが使用。『ゾイドジェネシス』では討伐軍、ディガルド軍両方が使用する機体が登場。ソラノヒトのヤクゥとゾイド修理屋のジンゴが使用し、前者は討伐軍に様々な武器を提供し、後者は最終決戦でラ・カンのソードウルフを決戦地へと運んだ。
漫画
機獣新世紀ZOIDS』では、同じくムンベイの運用する「タルタル」と呼ばれる個体が登場、スクラップ寸前だった物をムンベイ自身が復活させたもの。


改造バリエーション

移動トーチカ
旧シリーズパッケージ裏に掲載された改造バリエーション。ボディに大小様々な砲を装備している。
ゲーム『ゾイド -ZOIDS- 邪神復活!〜ジェノブレイカー編〜』においても「移動トーチカ(グスタフ 移動トーチカ)」の名称で登場している。
戦闘回収車仕様
旧シリーズパッケージ裏に掲載された改造バリエーション。頭部にドーザー、背部にクレーンを装備し、前線で陣地構築や味方の回収にあたるタイプ。
ディヴュステドラケン
電撃ホビーマガジン2001年10月号に掲載された改造バリエーション。ヤゴ(メガヌロン)をモチーフにしており、頭部以外のボディ部は6足の新型に変更されている。ノーマルグスタフ同様トレーラーを牽引する事が可能で、稼働時間の短いSSゾイドの輸送と作戦拠点として作られた機体で、大型の輸送ゾイドにプランがシフトしたため量産化されることはなかったとされる。

クァッドライガー

型式番号RZ-XXX。2002年にトミー・ゾイド公式サイト「ゾイド妄想ファイル」にて公開されていたオリジナルデザインゾイド。ゾイドコレクションにおいて2003年にラインナップされている。
戦闘ゾイドは主に機体外装は人工物に置き換えられており、その技術の成熟度この高い水準に発展していたものの、自然物をベースとしたコアは依然SPOFたり続けていた。
これは戦闘の中でコアがダウンする事も少なくなく、再起動中の機体制御をコンバットシステムのようなソフトウェアのみで賄う事は限界に来ていた。また、第二次暗黒大陸戦争においては外部から強制的にゾイドコアの活動を阻害する技術が導入されていくと、ゾイドコアの耐障害性を確保する事は命題となっていった。
その解答例の一つとして、ブロックスシステムをベースとしたクラスタリング機能「コアプレックス」システムが開発された。これは人工ゾイドコアと通常ゾイドのコアを多重構成し、一つのコアに異常が発生した場合でも、代わりのコアが処理を継続できるというものである。
クアッドライガーには発掘された古代の原始的ライオン型ゾイドコアと人工ゾイドコア3つをクラスタリング構成されており、機体名もこの合計4つのコア(数字のクアッド)と、それによって発電されるエネルギー量(熱量の単位クワド)に因んでいる。
暗黒大陸戦争以降、この機体は搭載されたプラズマディスチャージャーとMHDマニューバベントを駆使し、東方大陸などに発見された強電磁波域の探索にあてられたとされる。

ケーニッヒウルフ

シールドライガー

ジェノザウラー

ジェノブレイカー

セイバータイガー

ダークスパイナー

ダークスパイナー
DARK SPINER
番号 EZ-060(ネオゼネバス帝国)
所属 ガイロス帝国軍・鉄竜騎兵団
ネオゼネバス帝国
チーム・ドラールス(フューザーズ
分類 スピノサウルス型
全長 22.3m
全高 16.6m
重量 118.0t
最高速度 240.0km/h
乗員人数 1名
主な搭乗者 マロイ(フューザーズ)
ジーニアス・デルタロス(ZBCG)
武装
装備
エレクトロンファング
ストライクレーザークロー×2(前脚)
ストライククロー×2(後脚)
ジャミングブレード
AZ144mmマシンガン×2
2連装キャノン(胸部)
2連装キャノン×2(背びれ後端)
ストライクスマッシュテイル
アンカー×2

ネオゼネバス帝国軍のスピノサウルス型電子戦ゾイド。西方大陸産のスピノサウルス型野生体をベースとして開発されたこのゾイドは、元々強力な電子戦用ゾイドである「プロトスピノ」として設計されていた[8]。だが、技術陣は野生体が持つコア出力を索敵用の電子戦装備とするのは相応しく無いと判断[7]。さらにバーサークフューラー開発時のノウハウをも取り入れ[8]鉄竜騎兵団(アイゼンドラグーン)のエースパイロットが搭乗することを前提とした[9]高い戦闘能力と電子攻撃能力を持つゾイドへと仕様変更される。

その最大の兵装は背中の背ビレ(ジャミングブレード)から発するジャミングウェーブで、ゾイドコアから発せられる強力なエネルギーを電磁波へと変換し放射する[7]。ゾイドに搭載された近代電子機器を攻撃するその威力は、機体前方に磁場の壁を発生させるほどの高出力を有し[9]グランチャーに搭載されたそれのように操縦系統を狂わせるだけに留まらず、ダミーの制御データを送り込む事によって敵ゾイドを自機の支配下に置く事さえ可能としている。ジャミングエリアに入るだけで高速ゾイドはその機動性を失い[10]、ライガーゼロやケーニッヒウルフのような完全野生体ゾイドを持ってしても防ぐ事が困難なこのジャミングウェーブには当時の共和国軍では対抗手段が無く、ジャミングウェーブを遮断する能力を持つゴジュラスギガの誕生や、さらなる妨害電波によってジャミングウェーブを無効化するゴルヘックスの再就役がなされるまでの3年間、無敵時代を作り上げたほどである。このジャミングウェーブ発射のため、ジャミングブレード、対衝撃用アンカー[11]、放熱スリットを展開するジャミングモード[12]を備える。

さらには大型火器搭載ゾイドのロングレンジ攻撃さえもジャミングによって無効化し[13]、キメラブロックスの司令機として運用できるなど[14][15]、その電子戦能力は攻撃用に留まらず多用途に運用できる。

機体そのものの戦闘力も高く、こと格闘能力においてはジェノザウラーと同等の水準を誇り、装備が同一であればバーサークフューラーと互角に戦う事も可能なスペックを持つ。ボディに装備したAZ144mmマシンガンはガンブラスター級のゾイドを貫通できるほどの威力を有し[11]、ジャミングブレード後端に装備された2連装キャノンによって対空攻撃も可能[11]

また、機体背部のウェポンラックはCZS(コンビネーションゾイドシステム)と呼ばれる[8]SSゾイドとの合体機構を持ち、これによってキラードームと連動する事も可能となっている。

※機体諸元はトミー 「ダークスパイナー」パッケージ解説、小学館「ゾイド公式ファンブック4」より抜粋。


キット

単四電池2本で稼働、腹部にネジ付きのバッテリーボックスがある。

キットは歩行と背ビレのアクションがメインで、手を上下に動かし、口を開閉し、尾を左右に振りながら歩行するが、脚の関節部分に切り替えスイッチが入っており、一端電源を切り脚の股関節を回転させると足の動力がカットされ、背ビレだけを動かすジャミングモードに変形可能。尾・脚部の放熱装置も展開可能となっている。

しかし、ディメトロドンと違い背ビレの動きが独立していても干渉してぶつかる場合が多い。

キラードームと合体し、キラースパイナーになった際には、キラードームのレドームを回転させ、左右の鋏の開閉を行うアクションを見せる。

脚の関節スイッチによって動作を変えるというギミックは、本機の無敵時代を終わらせたゴジュラスギガに受け継がれた。

キットはEZ版のほか、『ゾイドフューザーズ』での登場に際し、ダークスパイナー、キラードーム、新規シールを同梱した「FZ-011 キラースパイナー」が発売された。

作中での活躍

バトルストーリー
ZAC2101年暮れのプロイツェンの叛乱が陽動となり、鉄竜騎兵団(アイゼンドラグーン)と共に中央大陸に渡り、2102年の上陸後に共和国ゾイドをジャミングウェーブで狂わせてコントロール不能にしてしまい、その力によって中央大陸にネオゼネバス帝国を建国させた。
立ち向かう共和国ゾイドは殆どがジャミングウェーブの前に機体のコントロールが出来なくなり、一度操られてしまったが最後、機体を棄てなければならない程だった。キラードームと合体したキラースパイナーの砲撃の前にも一方的に敗れ去った。
4年後の2105年に7機のスパイナーがステルススティンガーサックスティンガーと共にゴジュラスギガの建造場所を襲撃したが、防衛に現れたゴジュラスジ・オーガに阻まれ、パイロットとの精神リンクでのみ動くオーガにはジャミングウェーブも効かず、襲撃したスパイナー全てが破壊された。
その後はゴジュラスギガとゴルヘックスの台頭により優位性はことごとく崩れ去り、以後の戦いでの出番はめっきり減っていった。
ゾイドフューザーズ
アニメ『ゾイドフューザーズ』においてはチーム・ドラールス所属のユニゾンゾイドとして第1話から登場。マロイの搭乗するダークスパイナーとラトルの搭乗するキラードームとがZiユニゾン(合体)を果たすことでその姿を現す。
初戦では三体のブレードライガーBIを単機で圧倒し、数と知略で攻めるマッハストームのRD達も追い詰めたがユニゾンの制限時間という弱点を突かれて引き分けになった。しかし、第7話ではセイバータイガーホロテックになす術もなく倒されると言う意外な敗北を喫する事もあった。第23話では新市長リヒターの意向で新たに治安局に導入されたキメラブロックスゾイドのデモンストレーションのために破壊されたダークスパイナーも居たが、この機体がドラールス兄弟のものであったかは不明。
漫画
WEBコミック『バックスvsマヤ』では、マッドサンダーを共和国・帝国の両部隊もろとも抹殺しようと企むプロイツェンの秘密兵器として登場。
ジャミングウェーブによって両軍のゾイドの動きを封じ、機体内部に強力な「ギガフォント爆弾」を内蔵し自爆を目論む。無人制御ながらも高い戦闘能力を発揮し、バックスのケーニッヒウルフとマヤのライガーゼロイクスを苦しめたが、二人の共闘により撃破。ギガフォント爆弾による自爆もマッドサンダーが盾となった事により、自機だけが爆散した。
ヘビーアームズケーニッヒウルフ付属妄想戦記では黒と赤を基調にした機体がヘビーアームズケーニッヒウルフやデザートライガーらと交戦。コアとジャミングウェーブの威力に個体差が存在する事が語られている。
ZOIDS惑星Zi』ではプラチが搭乗。ジャミングウェーブによってケーニッヒウルフとライガーゼロイクスを苦しめるが、ライガーゼロイクスの精密射撃によって撃破された。本作では、頭部コックピット部分が自走式の脱出装置としての機能を有していた。

ゲーム

ゲームでは『ゾイド2 ヘリック共和国VSガイロス帝国』に初登場。兄弟機であるバーサークフューラーと共通のモーションが多く、攻防共に優れたゾイドだったが、ジャミングウェーブの能力は無い(電子ゾイドとして機能しない)。

また帝国側のルートでは、体力増加パーツ無装備の状態で体力が通常機の2.5倍もの強化改造がなされたボス機体が登場する。因みに体力増加パーツ全装備する事で一応それらしい物が再現可能。

ZOIDS VS.シリーズ』では第一作から登場。VS.IIではオープニングムービーに登場し、バーサークフューラー、ライガーゼロイクスと肩を並べ、スナイプマスター部隊と交戦。ゲーム中では他のジェノ系・フューラー系の機体同様にホバリングで移動していた。VS.IIIでは自らの足で走るようになった。本シリーズでは、ジャミングウェーブはただのビーム兵器として扱われている。

ZOIDS SAGA』では『ダークスパイナーDCS』と呼ばれる機体のZiデータが収録。だが、ゲーム中に開発ベースとなるダークスパイナーのZiデータと、専用ゾイドコアが入っていないためにこの機体は作る事が出来ない幻のゾイドとなってしまっている。『ダークスパイナーDCS』の外観は後述するスピノスパイナーのデザインを踏襲している。

ゾイドバトルカードゲーム』ではRZ版キット付属カードとブースターパック収録カードで登場。キット付属版カードは「ジャミングウォール」と呼ばれる敵の命中判定を低下させる効果を有していた。ブースターパック付属版カードでは「ジャミングウェーブ」は敵命中率の低下と行動を麻痺させる能力として再現されている。

現時点では、ジャミングウェーブ能力を完全再現したゲーム作品は無い。

玩具宣伝映像

2001年に店頭放送されたプロモーションビデオに登場。スナイプマスターらと激戦を繰り広げた。尚、このPVにおいてジャミングブレードからシールドの様な物を発生。スナイプマスターの銃撃を屈曲させるシーンが存在する。後にこのPV映像は編集され、TVCMとして放送された。

キラースパイナー

キラースパイナー
KILLER SPINER
番号 FZ-011(フューザーズ)
所属 ネオゼネバス帝国
チーム・ドラールス(フューザーズ)
分類 スピノサウルス/カニ
全長 22.3m
全高 12.6m
重量 148.0t
最高速度 180.0km/h
乗員人数 2名
主な搭乗者 マロイ(フューザーズ)
ラトル(フューザーズ)
武装
装備
エレクトロンファング
ストライクレーザークロー×2(前脚)
ストライククロー×2(後脚)
AZ144mmマシンガン×2
2連装キャノン(胸部)
2連装キャノン×2(尾部付け根)
ストライクスマッシュテイル
アンカー×2
ジャイアントグラブ×2
ガトリング砲×2
レーザーキャノン砲×2
AZパルスレーザー砲×8
3D電子式レーダー
レーザーセンサー×4

ダークスパイナーのジャミングブレードを外してキラードームと合体した形態。本来は小型ゾイドとしての攻撃力しか持たないキラードームの武器だが、ダークスパイナーのエネルギーを受けて大型ゾイドをも破壊する火力を発揮する。これはアニメのみの設定と思われるがユニゾン時にはドームから全方位のEシールドを張ったり、ジャイアントグラブをロケットアンカーのように放つ事が出来る。 VS.IIでは、『ダークスパイナーKD』と言う名称で登場。

アニメ『ゾイドフューザーズ』ではチーム・ドラールスのマロイが搭乗。EZ仕様では背びれ後端に設置されていた2連装キャノンが、こちらでは尾部付け根に移設されている。ラトルの搭乗するキラードームとのZiユニゾン(合体)によってキラースパイナーとなる。ちなみに本作では本体最大の特徴であるジャミングウェーブは一切使用されていない。

ダークスパイナー、キラードーム、新規シールを同梱したキットとして2004年09月下旬頃、定価3150円で発売された。




バリエーション

プロトスパイナー
電撃ホビーマガジン2002年5月号「SMACK ZOIDS」に掲載されたダークスパイナーのバリエーション。その名の通りダークスパイナーの開発において生み出された最初期機体。ディメトロドンの流れを汲む完全な支援用電子戦機であるが、本体に高いポテンシャルを持っていたため、後続のスパイナーでは戦闘用の装備がなされた。
スピノスパイナー
店頭小冊子「ゾイドグラフィックスVol.3」、電撃ホビーマガジン2002年5月号「SMACK ZOIDS」に掲載されたダークスパイナーのバリエーション。背中のウェポンラックには対空砲やレドームといった様々なオプションが用意されていたとされる。画稿では背部に合体するサポート用の翼竜型SSゾイドも描かれている。
プロトスパイナー同様ダークスパイナー完成の過程にある機体であり、この段階では首、腕に伸縮機構を設け、フレームランチャーと呼ばれる装備を搭載していたとされるが、Ver.2以降のスパイナーでは省略されている。
スピノスパイナーVer.2
店頭小冊子「ゾイドグラフィックスVol.3」、電撃ホビーマガジン2002年5月号「SMACK ZOIDS」に掲載されたダークスパイナーのバリエーション。スピノスパイナーに比べ、装甲が直線的なものに変更されている。背部にはSSゾイドが合体し、背ビレひとつひとつが全方位ビーム砲になるとされる。
このVer.2を経た後ウェポンラックと背ビレ形状を除いてほぼ完成形のVer.3が作られ、ダークスパイナーが誕生した。
シュトゥルムスパイナー
電撃ホビーマガジン2002年4月号に掲載された改造ダークスパイナー。配備数の少ないバーサークフューラーの穴を埋めるべく、ダークスパイナーにシュトゥルムユニットを搭載したもの。ダークスパイナー本体の持つポテンシャルも相まって、模擬戦ではバーサークフューラーに勝利する活躍を見せたという。
ダークスパイナーEVO(エボリューション)
店頭小冊子「ゾイドグラフィックスVol.3」、電撃ホビーマガジン2002年5月号「SMACK ZOIDS」に掲載されたバリエーション。シュトゥルムスパイナーのコンセプトをさらに発展させた性能向上機。デザインそのものはプロトスパイナー、スピノスパイナー、ver2とともにダークスパイナーの没案
スラストスパイナー
FZ-011 キラースパイナーのパッケージに掲載されたユニゾンバリエーション。ダークスパイナーとロードゲイルの合体。


ディメトロドン

ディメトロドン
DIMETRODON
番号 EPZ-004(ゼネバス帝国)
EPZ-04(ガイロス帝国)
EZ-065(ネオゼネバス帝国)
所属 ゼネバス帝国
ガイロス帝国
ネオゼネバス帝国
分類 恐竜型(旧)
ディメトロドン型(新)
全長 22.3m
全高 12.6m
全幅 8.42m
重量 156.0t
最高速度 150.0km/h
乗員人数 1名
主な搭乗者 キャプリ・コンラッド曹長
武装
装備
(旧)
接近戦用ビーム砲×2
高速キャノン砲×2
高圧濃硫酸噴射砲
全天候自己誘導ミサイルランチャー
全天候3Dレーダー
超高感度レーダー
MAD磁気探知機
大型赤外線・レーザーサーチライト
爆発物探知センサー
各種探知システム
武装
装備
(新)
全天候3Dレーダー
地対地ミサイルポッド
高圧濃硫酸噴射砲
赤外線レーザーサーチャー
TEZ20mmリニアレーザーガン×2
チャフフレアディスペンサー×2
複合センサーユニット
AEZ20mmリニアレーザーガン×2

中央大陸戦争時代、ゼネバス帝国が暗黒大陸に亡命中に開発したディメトロドン型電子戦ゾイド。背中の巨大な背びれは超高感度レーダーアンテナになっており、そのレーダーとデータリンクした射撃管制装置は極めて正確に敵を狙い撃つことが出来る[16]。また、敵の通信電波を傍受すると自動的にそれを分析し、より強力な妨害電波を発して通信を遮断することも可能[16]。旧大戦では中央大陸戦争末期まで帝国軍電子戦用ゾイドとして活躍し、第一次大陸間戦争では、暗黒軍に吸収された時の漆黒カラーのディメトロドンもデザインされている[17]

新シリーズでも中央大陸をほぼ占領したネオゼネバス帝国によって、ゲリラ活動を行う共和国勢力を発見、駆逐する目的で再就役した。最新鋭型に交換されたレーダーと索敵技術を持って標的を探し出すとともに、第一次大陸間戦争時代同様の電波妨害も行う[18]。さらにはキメラブロックスの司令機としても運用された[19]

ただし電子戦に特化したゾイドであるためにディメトロドン自体の戦闘能力は低く、とりわけ格闘能力の貧弱さから同クラスの大型戦闘ゾイド相手の直接戦闘では殆ど勝ち目がない[18]




作中の活躍

バトルストーリー2巻では、ZAC2041年のバレシア湾上陸作戦にて鮮烈な初陣を飾り、電子戦で共和国のゴルドスを凌ぐ威力を発揮。その高性能電子戦能力に共和国軍は一気に劣勢に立たされ、あらゆる帝国ゾイドを探しだす共和国軍の目と耳であるレーダーは完全に塞がれ、逆にディメトロドンの放つ妨害電波に守られた帝国ゾイドの一方的な攻撃に敗れ、後退していった。

中央大陸戦争中期の帝国首都と及び領土奪還に大きく貢献し、帝国の逆襲を成功させたのはディメトロドンによる功績が極めて大きい。デスザウラー建造を隠す目的で共和国特殊部隊を発見、捕捉するために、偵察隊にも配備された。ゼネバス帝国滅亡後はガイロス帝国によって接収され、大異変後に至るまで暗黒軍仕様機が運用された。

ネオゼネバス帝国建国後のZAC2106年、電子装備に近代化改修を施し、第一線に復帰。再び強行偵察隊に配備され、ゲリラ活動を展開するヘリック共和国軍残党の拠点探索に大きく貢献した[18]

2003年に再発売されたキット付属のバトルストーリー紹介ではパイロットのキャプリ・コンラッド曹長が自らの電子装備を駆使して放電を起こし、自身を巨大な電子レンジ状にすることで、自らの犠牲を持ってライガーゼロを倒す活躍もした[18]

キット

動力は単三電池1本で、スイッチを入れるとそれぞれのヒレを独立させながら歩行する。新発売当時はCMにも出演した。装甲部分が赤(いわゆるゼネバスレッドではない)、帝国軍共通武装パーツが銀、その他のパーツが黒、キャップが灰色、カメラアイ部分は透明のダークグリーンの成型であった。装甲などの各部品が、キャップを上手く隠すようなデザインになっている。

ダークスパイナーの発売を機に復刻希望が多かった本機も2003年に再発売されたが、その時はバッテリーボックスにネジが付いている。また、カラーリングが変更され、赤が暗い赤へ、脚部などが灰色、キャップが灰色から紫になった。

2009年7月には暗黒軍仕様が限定発売された。装甲部分が黒、バッテリーボックスがライトグリーン、帝国軍共通武装パーツがダークホーン同様のダークグリーン、その他のパーツがデッド・ボーダー同様のダークグレーとなった。

ダークスパイナーのようなヒレだけの独自のアクションは出来ないものの、ヒレ同士が干渉しあうことはなく、低い姿勢と四つ足歩行のため、安定度ではディメトロドンの方が上。

機体バリエーション

ディメトロドンMk-II
ディメトロドンにアイアンコングMk-IIのビームランチャーを装備させ、火力をアップさせたもの。PSソフトの『ZOIDS2 ヘリック共和国VSガイロス帝国』に登場。
重装仕様
EPZ-004 ディメトロドン箱裏に掲載されたバリエーション。背中のレーダーを多弾頭ミサイルに換装し、尾部にもミサイルランチャーを装備したタイプ。
ゲーム『ゾイド -ZOIDS- 邪神復活!〜ジェノブレイカー編〜』では「グレートロドン」という名称で登場。
地対空ミサイル装備仕様
EPZ-004 ディメトロドン箱裏に掲載されたバリエーション。背中に4基の地対空ミサイルを装備したタイプ。ディメトロドンのレーダーと連動しあらゆる空域の敵(特に中高度以下)を破壊可能。
ゲーム『ゾイド -ZOIDS- 邪神復活!〜ジェノブレイカー編〜』では「ミサイルトロドン」という名称で登場。
ロングレンジライフル装備型
EZ版キット付属オフィシャルファンブックエクストラに掲載されたバリエーション。西方大陸戦争においてゴルドスが長距離砲を搭載し戦果をあげたことから検討された砲撃戦仕様機。
迷彩仕様
電撃ホビーマガジン2003年4月号に掲載された改造ディメトロドン。背ビレに装甲版を貼り付けて迷彩を施している。

デス・キャット

デス・キャット
DESCAT
番号 DPZ-25
所属 ガイロス帝国
分類 パンサー型
全長 18.4m
全高 7.2m
全幅 5.2m
重量 85t
最高速度 420km/h
ZEP 攻撃力:48
防御力:35
総合力:83
武装
装備
超重力弾砲
超電磁場発生アンテナ×2
二連装衝撃砲
エナジープロテクター×2
電磁牙
電磁クロー×4
超高速駆動機構
後方警戒3Dレーダー
パワーコネクター

ガイロス帝国軍(暗黒軍)が開発した首都防衛用パンサー(ヒョウ)型ゾイドで、紅い頭部と手足に、銀色の胴体部に塗り分けたツートンカラーが特徴。

旧シリーズでデザインされた最後のゾイドでもある。背部に格納装備され、射撃時に機体上部に展開する超重力弾砲(ブラックホール砲とも呼ぶ)は小天体ほどの大質量、超密度の弾体を強力な磁気で包み込み発射、敵機の体内にブラックホール化現象を起こし内部から消滅させてしまう恐るべき威力を持つ。デッドボーダーやギルベイダーが装備していたG-カノンの超強化型であり、このクラスのゾイドでは最強の兵器である。

ハヤテライガーと並んで純粋な陸戦用ゾイドでは最速を誇り、最高速度は420km/hに達する。ZAC2056年の惑星Zi大異変は登場しない[20]


作中の活躍

第一次大陸間戦争終盤で登場。暗黒軍団形成を担い、首都防衛用でかつ、ガイロス帝国の皇帝親衛隊が乗り込む強力な決戦ゾイドでもあり、ガイロス首都に迫るキングゴジュラスを迎え撃つべく出撃した。

史上最速の走破力と、強力な超重力弾砲の威力で、暗黒軍首都に向かい、拠点基地を襲う共和国ゾイドを次々と餌食にしていった。だがキングゴジュラスにはその超高速運動も、超重力弾も通用せずに敗北する。

キット

単三電池一本で、口を開きながら歩行するものの、膝が曲がらないので、それまでのネコ科モチーフのゾイドに比べてぎこちない。価格は1980円。

身体の後端にあるパワーコネクターは本体の動力スイッチを兼ねており、動力をグレードアップパーツに伝える機能はない。隣に配置されたスイッチを操作すると背中のめっきパーツが展開し、ゼンマイにより砲が起き上がる。

旧ゾイド最後の製品。

デッド・ボーダー

デッド・ボーダー
DEAD BORDER
番号 DPZ-09
所属 ガイロス帝国
分類 タルボサウルス型[21]
全長 19.6m
全高 12.8m
全幅 7.5m
重量 92t
最高速度 140km/h
乗員人数 1名
武装
装備
重力砲(G-カノン)×2
火炎放射器
150mmカノン砲×2
二連ビーム砲
高圧希硝酸噴出口
レーザー砲×2
ミサイルポッド
熱線砲×3
ニードルガン×4
レーダーシールド
フェルチューブ

ガイロス帝国(暗黒軍)の恐竜タルボサウルス[21])型重装機甲ゾイド。ヘルディガンナーと共にニカイドス島の戦いにおいて初登場した。戦場に於ける戦闘工兵的な役割も担っており、暗黒大陸特有の鉱物「ディオハリコン」によって、機体の一部が薄緑色に発光している。

背部に装備した重力砲はデスザウラーの超重装甲を容易く貫き、なおかつ400tもの重量を持つデスザウラーを空高く舞い上げるほどの威力を誇る。これによってゼネバス皇帝搭乗のデスザウラーを撃破、事実上、ゼネバス帝国にとどめをさしたゾイドである。ZAC2056年の惑星Zi大異変は登場しない。

キット

本機専用の動力部を持ち、単三電池1本で稼働する。歩行ギミックは、後脚膝及び足首をリンク機構によって能動的に駆動するもので、連動ギミックとして、前脚の振り及び下顎の開閉を行う。手動ギミックは、頭部キャノピーの開閉と火器の旋回(背部重力砲の基部アームを含む)。ディオハリコン使用部位を再現するため、動力部及び眼は蓄光顔料を含むプラスチックで成型されており、暗所に持ち込むと緑色に光る。

トイズドリームプロジェクトよりキットが復刻、2005年12月22日頃、定価2500円で限定発売された。ただし蓄光素材の発光が旧製品よりも暗くなり、ボックスの蓋が安全のため、ネジ穴が設けられている。

直立している古い考証の肉食恐竜の形状だが、似たような体型のゴジュラスやデスザウラーと違い、尾の下に補助輪は付いていない。

作中での活躍

バトルストーリー
俗に言う「デッド・ボーダー一号機」とは、小学館学年誌に登場した槍を持ったデッド・ボーダーである。瞬間移動を行い、投げた槍は空で重なったサラマンダーとレイノスを貫き、ジャイアントスイングウルトラザウルスを投げ飛ばし、ゴジュラス部隊を壊滅させ、ゼネバス専用デスザウラーを容易く撃破するという恐るべき戦闘力をヘリック、ゼネバス両軍に見せつけた。
しかし、ストーリーが進むにつれてガンブラスターに蜂の巣にされ、マッドフライに蹴散らされ、マッドサンダーには真っ向勝負では敵わず、弱点である露出した動力パイプを破壊されて敗れていった。
ギル・ベイダーが登場して以降も、暗黒軍主力ゾイドとなって幾多の作戦に参加したが、どの機体も一号機のような圧倒的な力は発揮できなかった。
特攻!ゾイド少年隊
漫画『特攻!!ゾイド少年隊』でも、死の商人ギルバート大佐の操るデッド・ボーダーは重力砲(漫画中ではハイパー・ビームキャノン)でマッドサンダーの玉砕覚悟の突進(ローリングサンダーアタック)を軽々と撃破するなど、当時はとんでもないゾイドとして描かれていた。
ゾイドフューザーズ
アニメ『ゾイドフューザーズ』第21話には、全身緑色のデッド・ボーダーが登場している。海外展開の際に発売された成形色変更版のデッド・ボーダー、「バトルレックス」と酷似しているが詳細は不明。

改造バリエーション

フライングボーダー
空中戦にも対応できるように、背部に大型の主翼を装備し、背部Gカノンを両腕に装備。そのため、格闘戦は不利だが、低空飛行時の旋回性に優れ、腕からのビーム砲でギルベイダー墜落を狙うマグネゴジュラスの妨害に成功した。
ファイアーフロッグ
ただ一機しか創られなかった実験的試作機で、特殊兵器開発室で生み出されたカエル型の局地戦用。
口から2万度の高熱火炎を吐き、地面をマグマに変え、ジャンプ力、機動性とも優れている。
頭部と脚に本機改造の名残が見られる。
デッドベイダー
『電撃ホビーマガジン』ZOIDS戦記Specialで紹介された改造例。ギルベイダーの復元を視野に入れて開発された機体で、背部にジョイントパーツを介してザバットと合体している。2体の合体によって出力を補っており、ビームスマッシャーを搭載しているものの、実戦には投入されず計画そのものが断念した。

バーサークフューラー

ブラストルタイガー

ブレードライガー

ムラサメライガー

ライガーゼロ

レイズタイガー

レッドホーン

ワイツタイガー

注釈

  1. ^ a b ゾイドバトルカードゲーム「エレファンダーCT」カードの記述より
  2. ^ a b ゾイドバトルカードゲーム「エレファンダーST」カードの記述より
  3. ^ a b c d e f ホビージャパン2001年1月号「Let's ZOIDS」商品紹介記事より。
  4. ^ ゾイド公式ファンブック3巻の機体解説にEシールドパーツとの記述があることから、Eシールドの技術を応用しビーム刃を発生させているものと推察される。アニメ『ゾイド新世紀スラッシュゼロ』にて、ビーム刃を(所謂ビームサーベル状として)使用している様子が確認できる。
  5. ^ 「小学三年生」(小学館刊)2001年01月号より。
  6. ^ a b c d e 小学館「ゾイド公式ファンブック3」より
  7. ^ a b c d 小学館「ゾイド公式ファンブック4」より
  8. ^ a b c 2002年店頭小冊子「ゾイドグラフィックスVOL.03」より
  9. ^ a b 電撃ホビーマガジン2002年5月号より。
  10. ^ トミー「RZ-064 ゴジュラスギガ」付属冊子ゾイドオフィシャルファンブックEX1より
  11. ^ a b c 月刊コロコロコミック2002年2月号より。
  12. ^ トミー「RZ-060 ダークスパイナー」より
  13. ^ 電撃ホビーマガジン2002年6月号より。
  14. ^ 電撃ホビーマガジン2002年9月号より。
  15. ^ ツインホーン付属月刊ゾイドグラフィックスVOL.5より
  16. ^ a b 小学館「ゾイドバトルストーリー2」より
  17. ^ ゾイドリバースセンチュリー 第0回
  18. ^ a b c d トミー「EZ-65 ディメトロドン」付属オフィシャルファンブックEX vol.2より
  19. ^ 電撃ホビーマガジン2003年2月号より
  20. ^ ゾイドバトルカードには登場
  21. ^ a b タカラトミー「月刊ゾイドグラフィックスVoll.1 ゴドス」付属冊子より