夢は夜ひらく
「夢は夜ひらく」(ゆめはよるひらく)は、曾根幸明が作曲した日本の歌謡曲。
園まりが歌ったものと藤圭子が歌ったものが特に有名である。藤圭子版のタイトルは正確には「圭子の夢は夜ひらく」(JASRAC届出の題名)である。
概要
原曲は、練馬少年鑑別所で歌われていた曲を曾根幸明が採譜・補作したものである。歌詞の異なる様々なバージョンがあり、JASRACには20を超える作詞者による異なるバージョンが登録されている(2006年2月時点)。ナンシー・シナトラとリー・ヘイズルウッドのデュエット曲「サマー・ワイン」との類似が指摘されるが、「サマー・ワイン」が本国アメリカで発売されたのは本作が園まりの歌唱でレコード発売されたのと同じ1966年11月であり、さらに日本発売は翌年1967年になってからであり、偶然であるとする意見が強い。ただし、ヘイズルウッドは1966年2月に別の女性歌手Suzi Jane Hokomとともにこの曲を録音したものを発売しており、この音源が日本で注目されることはなかったが、その当時日本の作曲家の中には輸入盤を航空便でまとめ買いして送ってもらって資料にしていたことにより、この曲を認知できたという説もあった。
レコードでは1966年に園まり(ポリドール)、緑川アコ(クラウンレコード)、藤田功と愛まち子(テイチク)、バーブ佐竹(キングレコード)の競作で発売され、園まりヴァージョンがダントツの売り上げに。その後多くの歌手にカバーされた。
1999年には、藤圭子版の作詞者・石坂まさをの作詞家生活30周年を記念し、藤圭子版のこの曲の歌碑が花園神社(東京都新宿区)に建てられた。
1967年には、この曲をモチーフとした映画も公開されている(主演:園まり 配給:日活)。
この曲を録音・発売した歌手
- 園まり(1966年、作詞:中村泰士、富田清吾)
- 緑川アコ(1966年、作詞:水島哲)
- 藤田功、愛まち子(1966年、藤田功は作曲者の曾根幸明)(作詞:大高ひさを)
- バーブ佐竹(1966年、作詞:藤間哲郎)
- ヘレン・メリル(1967年、アルバム『ボサノヴァ・イン・トーキョー』に収録)
- 藤圭子(1970年、曲名は『圭子の夢は夜ひらく』、作詞:石坂まさを)
- 三上寛(1971年、作詞:三上寛。三上は園まりが歌った歌詞でも歌っている。三上版はかつて放送禁止歌だった)
- 根津甚八(1976年、曲名は『甚八の夢は夜ひらく』、作詞:かぜ耕士)
- ソウル・フラワー・ユニオン(1996年発表。曲名は『(ソウルフラワーの)夢は夜ひらく』。作詞:石坂まさを、中川敬。アルバム『満月の夕〜90's シングルズ』に収録)
- あさみちゆき(2004年、曲名は『ちゆきの夢は夜ひらく』、作詞:吉田旺)
- 三波伸介とてんぷくトリオ(曲名は『わしらの夢は夜ひらく』、作詞は長谷邦夫)
- 梶芽衣子(曲名は『芽衣子の夢は夜ひらく』、作詞:吉田旺)
- 香西かおり(曲名は『かおりの夢は夜ひらく』、作詞:市川睦月)
- 八代亜紀(曲名は『亜紀の夢は夜ひらく』、作詞:高月ことば)
- 門倉有希
- 梅宮辰夫
- 水原弘(曲名は『おミズの夢は夜ひらく』、作詞:浅井英雄)
- クロード・チアリ
- 翔(作詞:翔)
- ちあきなおみ(曲名は『ちあきの夢は夜ひらく』、作詞:西沢爽)
- 田端義夫(曲名は『バタヤンの夢は夜ひらく』、作詞:山野あきら)
- 五木ひろし(曲名は『ひろしの夢は夜ひらく』、作詞:岡田冨美子)
- 牧村三枝子(曲名は『ミーコの夢は夜ひらく』、作詞:山崎ハコ)
- 真木ひでと(曲名は『ひでとの夢は夜ひらく』、作詞:山口洋子)
- 浜村美智子(曲名は『美智子の夢は夜ひらく』、作詞:野村耕三)
- JOJO広重(曲名は『生きてる価値などあるじゃなし~JOJO広重の夢は夜ひらく~』、作詞:三上寛、JOJO広重)
- 加賀城みゆき(曲名は『みゆきの夢は夜ひらく』、作詞:杉たくみ)
- 青江三奈(曲名は『三奈の夢は夜ひらく』)
- 前川清(作詞:山口あかり)
- 藤竜也(作詞:小谷夏(久世光彦))
- 犬神サーカス団(2001年、曲名は『凶子の夢は夜ひらく』)
- 美空ひばり(園まりが歌った歌詞でカバー)
- 西田佐知子(園まりが歌った歌詞でカバー。『西田佐知子歌謡大全集』に収録)
- 大月みやこ(バーブ佐竹が歌った歌詞でカバー)
- 美川憲一(緑川アコが歌った歌詞でカバー)
- 天童よしみ(藤圭子が歌った歌詞でカバー)
- 荒尾正伸とオールスターズ(藤圭子が歌った歌詞でカバー)
- 電車(大槻ケンヂ)(藤圭子が歌った歌詞でカバー)
- 愛川欽也(曲名は『キンキンの夢は夜ひらく』、作詞:石坂まさを)
- 橘麻紀(曲名は『麻紀の夢は夜ひらく』、作詞:石坂まさを)
- 神崎舞(曲名は『舞の夢は夜ひらく』、作詞:石坂まさを)
- 山谷初男(曲名は『山谷の夢は夜ひらく』、三上寛が歌った歌詞でカバー)
- G3 Factor(曲名は『G3の夢は夜ひらく』)
- やや(園まりが歌った歌詞でカバー)
- 大信田礼子(藤圭子が歌った歌詞でカバー)
- 奥村チヨ(園まりが歌った歌詞でカバー)
- 麻生優子(アルバム「鉄格子哀歌」にて 補作詞: 仲田三孝)
- 中森明菜(アルバム「ムード歌謡 〜歌姫昭和名曲集」にて 作詞: 石坂まさを)
- 徳永英明(アルバム「VOCALIST VINTAGE 〜VOCALIST 5〜」にて 藤圭子が歌った歌詞でカバー)
- 大野いと(2012年公開の日本映画『愛と誠』(三池崇史監督、角川・東映)劇中歌として 藤圭子が歌った歌詞でカバー)
- 春日八郎(アルバム「春日八郎演歌百選」にて 園まりが歌った歌詞でカバー)
- 吉井和哉(2013年、アルバム「AT THE SWEET BASIL」にて(2013.10.19 東京・STB 139 スイートベイジルでのライブを収録) 藤圭子が歌った歌詞でカバー)
映画
1967年、日活により映画化。監督は野口晴康。当時のザ・ドリフターズのメンバーがゲスト出演している。