国道411号

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一般国道
国道411号標識
国道411号
総延長 120.6 km
実延長 120.5 km
現道 116.3 km
制定年 1982年
起点 東京都八王子市
左入町交差点(北緯35度41分7.94秒 東経139度20分49.54秒
主な
経由都市
東京都あきる野市青梅市
西多摩郡奥多摩町
山梨県北都留郡丹波山村甲州市
終点 山梨県甲府市
甲府警察署前交差点(北緯35度39分42.01秒 東経138度34分3.06秒
接続する
主な道路
記法
国道16号
首都圏中央連絡自動車道
国道139号
国道140号
国道52号国道358号
テンプレート(ノート 使い方) PJ道路
全ての座標を示した地図 - OSM
全座標を出力 - KML
国道411号 起点
東京都八王子市 左入町交差点
国道411号 終点
山梨県甲府市 甲府警察署前交差点
(国道52号 終点)

国道411号(こくどう411ごう)は、東京都八王子市から西多摩郡奥多摩町を経て、山梨県甲府市に至る一般国道である。

概要

起点の八王子市から、国道20号甲州街道)の北側を並走するような経路を取り、東京都多摩地域北西部にある奥多摩町や、山梨県の北東部を経由し、終点の甲府市に至る路線である。

途中の青梅市からになるが、青梅街道を踏襲するルートをたどる。青梅街道の踏襲区間では甲州裏街道と呼ばれることがある[1]

路線データ

一般国道の路線を指定する政令[2][注釈 1]に基づく起終点および重要な経過地は次のとおり。

路線状況

東京都側

東京都西多摩郡奥多摩町
深山橋交差点付近
(国道139号 終点)

八王子市左入町交差点で国道16号から分かれると、首都圏中央連絡自動車道あきる野インターチェンジ付近まで西進する。この区間は地域高規格道路として整備された新滝山街道と並行する。あきる野ICからは進路を北にとり、途中あきる野市街を通過する。沿線には郊外型店舗が連なるが、しばらくすると市街地を抜け、新満地トンネル満地峠を越える。ここからは青梅市に入る。

青梅市に入ると、多摩川に沿って東京都道45号奥多摩青梅線(吉野街道)および東日本旅客鉄道(JR東日本)青梅線と並行して西進することになる。車線数は2車線だが、拡張が終わった一部区間では停車帯が加わる。万年橋で多摩川北岸に渡ると、進行方向前面(山梨県方面)に奥多摩の山々が目の前に迫る。青梅市街を抜ける辺りから上り勾配が始まる。途中、吉野梅郷御岳渓谷などの景勝地付近を通過するため、土休日を中心に渋滞することが多い。

御嶽駅を過ぎて西多摩郡奥多摩町に入ると谷沿いを進むようになる。鳩ノ巣駅を過ぎると、しばらく(山梨県境付近まで)狭いトンネルが連続するようになる。新氷川トンネルを抜け、奥多摩の玄関口である奥多摩駅を過ぎると、道幅が狭くなり、勾配がさらに急になる。この区間は「奥多摩むかし道」や、奥多摩湖建設のために敷かれた鉄道「水根貨物線」跡と並行しながら奥多摩湖へ至る。湖畔の北側を西進し、しばらくの間は比較的平坦な道となる。深山橋交差点で国道139号と接続し、程なくして山梨県に入る。

山梨県側

愛称「大菩薩ライン」の標識
山梨県北都留郡丹波山村鴨沢

小袖川を渡ると、山梨県北都留郡丹波山村に入る。さらにアップダウンとカーブが続く。所々、丹波川沿いの集落へ続く下り坂がある。左手に丹波山温泉「のめこい湯」が見えると、山梨県道18号上野原丹波山線との交差点に至る。青梅街道の宿場町として栄えた中心部と、左眼下にみえる住宅街を過ぎると、丹波山村を抜けるまで集落がなく、しばらく山間部に入る。一時、右手に川が見えるが、再び左手に川を見ながら並走する。羽根戸トンネル、丹波山トンネル、大常木トンネルを抜けると甲州市に入る。続くおいらん淵付近にある一之瀬高橋トンネルを抜けると、いくつかの急坂のヘアピンカーブを通り過ぎ、柳沢峠から先は甲州市街まで長い下り坂が続く。愛称「大菩薩ライン」とよばれる山岳道路区間の一部は、12月中旬から4月中旬まで冬季閉鎖のため通行できなくなる[4]。山間部区間を下り終えると、甲州市街(旧塩山市街)の東側を塩山バイパスで通過し、市内勝沼町の等々力交差点で右折し旧甲州街道笛吹市石和町を経て終点の甲府市中心部まで西進する。甲府市内の身延線善光寺駅付近、金手駅付近では昔の城下町時代の名残でクランク状に線形が折れ曲がっているところがある[5]

別名

滝山街道
東京都八王子市戸吹町
  • 滝山街道
東京都通称道路名。東京都八王子市左入町(国道16号左入町交差点) - 東京都青梅市友田町二丁目(吉野街道・友田町交差点)
東京都通称道路名。東京都青梅市友田町二丁目 - 東京都青梅市畑中一丁目
東京都通称道路名。東京都青梅市青梅(青梅市民会館南交差点) - 山梨県北都留郡丹波山村
  • 大菩薩ライン
山梨県道路愛称名。山梨県丹波山村鴨沢(東京都との県境) - 笛吹市石和町甲運橋[6]。愛称は、甲府盆地の北東部にそびえる大菩薩嶺の西麓を道路が登ってゆくことに由来する[4]
  • 市部本通り
笛吹市
甲府市通称道路名。甲府市笛吹市境界(甲府市川田町) - 甲府警察署交差点(甲府市丸の内)

バイパス道路

城東バイパス
城東大橋(甲府市酒折)

建設・構想中

  • 上萩原III期バイパス
1工区(延長760 m)は、2014年に開通済みである[7]
2工区(延長1200 m)は、一部区間が開通済みである[7]。残りの区間は整備中[7]

道路施設

トンネル

起点から

  • 東京都
    • 新満地トンネル(延長396 m
    • 鳩ノ巣トンネル(延長78 m)
    • 花折トンネル(延長108 m)
    • 白丸トンネル(延長126 m)
    • 新氷川トンネル(延長605 m)
    • 橋詰トンネル(延長238 m)
    • 白髭トンネル(延長359 m)
    • 梅久保トンネル(延長38 m)
    • 惣岳トンネル(延長149 m)
    • 板小屋トンネル(延長115 m)
    • 桃ヶ沢トンネル(延長275 m)
    • 中山トンネル(延長391 m)
    • 大麦代トンネル(延長538 m)
    • 熱海トンネル(延長60 m)
    • 室沢トンネル(延長215 m)
    • 鶴の湯トンネル(延長157 m)
    • 女の湯トンネル(延長124 m)
    • あずまいトンネル(延長96 m)
    • 坂本トンネル(延長260 m)
    • 馬頭トンネル(延長82 m)
    • 川野トンネル(延長140 m)
    • 竹の花トンネル(延長94 m)
  • 山梨県
    • 羽根戸トンネル(延長305.1 m)
    • 丹波山トンネル(延長151 m)
    • 上萩原第一トンネル(延長227 m)
    • 上萩原第二トンネル(延長53.0 m)
    • 雲峰寺第一トンネル(延長74.0 m)
    • 雲峰寺第二トンネル(延長66.0 m)

橋梁

峰谷橋、奥多摩湖
  • 秋留橋 : 秋川
  • 菅瀬橋 : 平井川
  • 万年橋 : 多摩川
  • 南氷川橋 : 多摩川
  • 弁天橋 : 多摩川
  • 笹平橋 : 多摩川
  • 琴浦橋 : 多摩川
  • 檜村橋 : 多摩川
  • 境橋 : 多摩川
  • 峰谷橋 : 奥多摩湖
  • 小田原橋 : 重川
  • 新千野橋 : 重川
  • 西広門田橋 : 重川
  • 笛吹橋 : 笛吹川

道の駅

交通量

平日24時間交通量(平成17年度道路交通センサス)

  • 甲府市酒折二丁目3-11 : 22,008

地理

奥多摩湖から東京都・山梨県境を越えて山梨県側に入ると丹波山村で、多摩川源流地域ののどかな山間風景でカーブも緩やかである[4]。その西側でそびえる鶏冠山(標高1,716 m)を避けるように、山の北麓で迂回するように道路が走る[4]。国道411号の最高地点である柳沢峠付近は森林に囲まれた区間で、峠の南側で甲府盆地へと下る大菩薩嶺(標高2057メートル)の尾根の西麓付近では、急カーブが連続していて川や渓谷をいくつもの橋で越えてゆく[4]

通過する自治体

交差する道路

  • 満地峠(東京都あきる野市 - 青梅市。新満地トンネルで通過)
  • 柳沢峠(山梨県甲州市)

自然

奥多摩奥秩父の多くのがある。

河川

ギャラリー

脚注

注釈

  1. ^ 一般国道の路線を指定する政令の最終改正日である2004年3月19日の政令(平成16年3月19日政令第50号)に基づく表記。
  2. ^ 1995年9月1日に、五日市町と合併して、あきる野市となる。
  3. ^ 2005年11月1日、勝沼町、大和村と合併して、甲州市となる。
  4. ^ 2004年10月12日、東八代郡石和町・御坂町・一宮町・八代町・境川村・東山梨郡春日居町が合併して、笛吹市となる。
  5. ^ a b c d e f 2018年4月1日現在

出典

参考文献

  • 中村淳一編 編『日本の絶景ロード100』枻出版社、2018年4月20日。ISBN 978-4-7779-5088-1 

関連項目

外部リンク