商標
商標(しょうひょう)は、商品や役務を提供される需要者に、提供者を伝達する標識。本記事はおもに商取引上の意味を記す。
概要
トレードマーク(™)、サービスマーク(℠)、などとも略称される。商品や役務を提供される需要者が、商品や役務の提供者を認知するための文字、図形、記号、立体的形状、色彩、音などの標識で、14世紀の法学者バルト―ルスが紋章法と併せて発案した概念である。
商品や役務の提供者が、商品の販売時に商品や包装、役務の提供に使用される物や電磁的な映像面などに商標を付すと、需要者は商標により出所を認識して選択できる。商品や役務の提供を一定以上の質で継続すると、商標は広範の需要者から認知が高まるとともに信用度が向上して財産的価値が生じ、特許権や著作権などと同様に知的財産権として条約や法律で保護され、優れた商標は産業の発展と需要者の利益に有益である。
日本で最初の商標は、化粧品メーカー柳屋本店が登録した。
種類
商品の商標はトレードマーク、役務の商標はサービスマークなどと称される。視覚により伝達される文字、図形、記号など平面的なものや、商品や看板などの特徴的な立体形状のほかに、音響、匂い、味、手触りなど需要者が特徴を覚知すれば機能を発揮する。
機能
出所表示で提供者を明示し、品質保証で一定度の品質を担保し、広告宣伝で多岐から積極的な選択を促進させる[1]。
表記
有形の商品は本体や包装に商標を付すが。役務は無形であるため、役務を提供する店舗、車両などの設備に表示する、ウェブサイトや表示画面などの出力として表示する、役務を提供する為に販売や貸与する有形の商品に商標を示す。表記にはアメリカの国内法に基づくものが多用される。
目的 | 表記 |
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商標 |
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役務商標 |
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登録商標 |
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日本の商標制度は商標法施行規則17条で「登録商標」の文字と「登録番号」で登録商標を表示する、として「登録商標マーク ®」について定めはないが、上記アメリカのマークは中国が2002年8月3日に中華人民共和国商標法実施条例37条2項で公布するなど広く世界で用いられる。 なお、自他商品識別機能ないし出所表示機能を発揮する態様で使用しているものを商標的使用と見なす。ただの説明文やデザイン等の形式的な表示は商標的使用ではない[2]。
制度
出願時の審査、アメリカなどの先使用主義、日本やヨーロッパなどの先願主義、など各国や地域で異なる。商標の保護を求める国に直接出願するか、マドリッド協定議定書による国際出願をしない限り、保護の対象は国内に限定され、国際出願をした場合も、原則として保護を求める国で審査を受ける必要がある。
財産としての商標
- 第二次世界大戦でドイツが敗北したため、戦前に日本でドイツ商社が登録していた商標権は、連合国軍最高司令官総司令部が戦後賠償財産として接収、所有することとなった。1950年、日本の商社がボッシュ社の機械を輸入しようとしたところ、商標法に違反するものとして問題となった[3]。
脚注
- ^ 商標とは | 経済産業省 特許庁
- ^ [1](判例の商標的使用論の例) 参考資料2
- ^ 「ドイツ有名商品 販売は違法 商標権侵害が問題化」『日本経済新聞』昭和25年12月12日3面
関連項目
- 地域団体商標
- 商標の普通名称化
- 普通名称化した商標一覧
- 不正競争防止法
- キャッチコピー
- サウンドロゴ
- 類似
- ドメイン名
- シンボル
- 命名
- ブランド
- 広告
- エコマーク
- グリーンマーク
- プライバシーマーク
- 商標マーク ™ - 商標
- 登録商標マーク® - 登録ずみ商標
- 役務商標マーク ℠ - 役務商標
- ブランディング
- プロダクトプレイスメント
- en:Japanese trademark law