命の別名/糸

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命の別名/糸
中島みゆきシングル
初出アルバム『わたしの子供になりなさい(#1)
EAST ASIA(#2)』
A面 命の別名、糸
リリース
ジャンル J-POP
レーベル ポニーキャニオン
作詞・作曲 中島みゆき
プロデュース 中島みゆき、瀬尾一三
チャート最高順位
  • 週間12位(オリコン
  • 2014年度年間13位(レコチョク)
  • 2015年度カラオケランキング年間3位(オリコン)
中島みゆき シングル 年表
愛情物語
1997年
命の別名/糸
(1998年)
瞬きもせず
(1998年)
収録アルバムわたしの子供になりなさい
下町の上、山の手の下
(2)
命の別名
(Album Version)
(3)
清流
(4)
収録アルバムEAST ASIA
ニ隻の舟
(8)

(9)
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命の別名/糸』(いのちのべつめい/いと)は、日本シンガーソングライター中島みゆきの35枚目の両A面シングルである。1998年2月4日に発売された。

シングルCDに収録された2曲は、いずれもTBSテレビドラマ聖者の行進』の主題歌に起用された。当初はすでに発表済みだった「糸」が起用され、シングルがリリースされた5話以降は新曲の「命の別名」に差し替えられた。ドラマの終盤では「糸」がふたたびテーマ曲となっている。

家なき子』のために書き下ろされた1994年の「空と君のあいだに」、ならびにその続編に起用された翌年の「旅人のうた」がチャートの首位を獲得し、どちらも100万枚を超えるセールスを記録したのに対し、同じく野島伸司の脚本によるドラマのテーマ曲であるこのシングルはトップ10入りを逃し、商業的な成果は前2作には遥かに及ばなかった[1]。それでも、このシングルは20万枚以上を出荷し、日本レコード協会によってゴールドディスクに認定されている[2]

楽曲

命の別名
「命の別名」は、中島みゆきがドラマ『聖者の行進』のために書き下ろした新曲であり、日本のスタジオミュージシャンとともに国内でレコーディングが行われた。1980年代前半の中島のアルバム『生きていてもいいですか』や『miss M.』などで編曲・プロデュースなどに携わり、80年代後半以降はソングライティング・チームを組んで工藤静香に多数の楽曲を提供したベース奏者の後藤次利とは、このシングルが2014年時点で最後の共演となっている。また、1983年のアルバム『予感』の後半のアレンジを手がけた井上堯之が、15年ぶりに中島の作品に参加してギターを弾いている。
シングルの翌月に発表された25枚目のオリジナル・アルバム『わたしの子供になりなさい』には、アメリカロサンゼルスで録音された別のヴァージョンが収められている。リメイク版はオリジナルとはアレンジが大きく異なり、より低いキーで攻撃的に歌いあげる中島のヴォーカルと、マイケル・トンプソンによるディストーションのかかったエレクトリックギターを前面にフィーチャーしたハードロック調のアプローチで表現されている。[3] 映画やドラマのテーマ曲をまとめた10曲入りのベスト盤『大銀幕』が同年秋に発売された際には、実際にドラマでは流されなかったアルバム・ヴァージョンが収められた。したがってシングル・ヴァージョンは、1994年から2000年までに発表されたシングル7枚のA面・B面曲を集めた2002年リリースのコンピレーション・アルバム『Singles 2000』でようやくアルバムの一部として入手可能になった。しかしながら、このシングルコレクション所収のトラックも、当初発売されたオリジナルよりフェイドアウトが30秒ほど早い短縮版である。
落合真司は著書[要文献特定詳細情報]で、この曲の歌詞と神戸連続児童殺傷事件の関連性を指摘している。
「糸」は元来、天理教の現真柱・中山善司の結婚を祝して1992年に作られた楽曲であった[4]。中島はほどなくしてこのパワー・バラードをレコーディングし、通算20作目となるスタジオ録音作『EAST ASIA』を締めくくるナンバーとして同年の10月に公式に発表した。このアルバムに収録された曲のベーシック・トラックは全般的に日本国内で録音されたものだが、のちにコーラスとストリングスがハリウッドキャピトル・スタジオ英語版で追加されている[5]。この曲のコーラスも海外で録音されており、『EAST ASIA』の表題曲の弦編曲を担当したデヴィッド・キャンベルの配偶者だったレイヴァン・ケーン、1970年代からセッション・シンガーとして活動しているザ・ウォーターズによって歌われている[6]
この曲は2004年に、Mr. Childrenのフロントマン櫻井和寿とプロデューサーの小林武史が結成したチャリティ・プロジェクト、Bank Bandのカヴァー・アルバム『沿志奏逢』でとりあげられた。彼等のカヴァーはシングルとしてリリースされなかったものの、翌年に住友生命のコマーシャルに使用され[7]、これを機に楽曲そのものの存在が広く認知されるようになった。さらに世間一般に知られるようになったのは2013年頃、バラエティー番組でBGMやカバーされたりすることがきっかけとなったようだ[8]
2014年現在、のべ20組以上のアーティストによって相次いでカヴァー・ヴァージョンが商品化され、中島によるオリジナルも複数のテレビドラマやコマーシャル、イベントなどで幾度に渡って使用されている[9]

収録曲

#タイトル作詞作曲・編曲英語タイトル[10]時間
1.「命の別名」  Another Name for Life
2.「糸」  Tapestry
3.「命の別名」(TV Mix)  Another Name for Life
合計時間:

タイアップ、メディア使用

命の別名
  • 『聖者の行進』主題歌(第5 – 9話) (1998年)

主なカヴァー

命の別名

クレジット

参加ミュージシャン

それぞれシングル「命の別名/糸」、アルバム『EAST ASIA』『わたしの子供になりなさい』の歌詞カードより[11][5][3]

命の別名 (シングル・ヴァージョン)
命の別名 (アルバム・ヴァージョン)

製作

命の別名 (シングル・ヴァージョン)
  • Recorded, Engineer:Brian Scheuble
  • Mixed:Tad 後藤
  • Mixed (補助役):市川高信, Ray Blair
  • Mixed (補助役):Joe Chiccarelli at Larrabee North(Los AngIes)
  • Mastered:Tom Baker
命の別名 (アルバム・ヴァージョン)
  • Recorded, Engineer:David Thoener
  • Engineer (補助役):Michael Scotella

脚注

  1. ^ 中島みゆきのCDシングルランキング”. oricon.co.jp. オリコン. 2014年5月6日閲覧。
  2. ^ RIAJ: The Record No.461 (1998年4月): GOLD ALBUM他認定作品 1998年2月度”. 一般社団法人 日本レコード協会. 2014年5月4日閲覧。
  3. ^ a b わたしの子供になりなさい (CD booklet). 中島みゆき. ポニーキャニオン / AARD-VARK. 1998.
  4. ^ 天理時報1992年4月12日号
  5. ^ a b EAST ASIA (CD booklet). 中島みゆき. ポニーキャニオン / AARD-VARK. 1992.
  6. ^ 日-WINGS (CD booklet). 中島みゆき. ポニーキャニオン / AARD-VARK. 1999.
  7. ^ CM Episode”. 2005年7月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年4月14日閲覧。
  8. ^ 中島みゆき好きですか? 22年前の曲が今ヒットのワケを徹底追跡”. 2014年10月2日閲覧。
  9. ^ 作品データベース検索サービス”. 日本音楽著作権協会. 2014年4月14日閲覧。
  10. ^ Singles 2000 (CD booklet). 中島みゆき. ヤマハミュージックコミュニケーションズ. 2002.
  11. ^ 命の別名/糸 (CD booklet). 中島みゆき. ポニーキャニオン / AARD-VARK. 1998.