君のためなら千回でも

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君のためなら千回でも』(きみのためならせんかいでも、: The Kite Runnerペルシア語: کاغذ‌پران‌بازKāğazparān Bāzまたはبادبادک‌باز Bādbādak-bāz)は、アフガニスタンカーブル出身のカーレド・ホッセイニによる小説。及びそれを原作とした2007年アメリカ映画

2003年アメリカで出版され、日本でも2006年に『カイト・ランナー』の題で出版された。2007年に映画化され、映画の邦題が『君のためなら千回でも』となり、小説もこれに合わせて文庫化の際に改題された。なお、この題は劇中のハッサンの台詞から取られている。

概要[編集]

原作小説は2003年に発売され、全世界で800万部以上を売り上げたベストセラー作品。ニューヨーク・タイムズのベストセラーリストでは64週間ランクインという驚異的な記録を樹立した。作者カーレド・ホッセイニはこの作品がデビュー作である。

マーク・フォースター監督により映画化され、2007年に公開(日本では2008年)。第80回アカデミー賞では作曲賞にノミネートされた。

映画[編集]

君のためなら千回でも
The Kite Runner
監督 マーク・フォースター
脚本 デイヴィッド・ベニオフ
原作 カーレド・ホッセイニ
製作 ウィリアム・ホーバーグ
ウォルター・F・パークス
イー・ベネット・ウォルシュ
製作総指揮 シドニー・キンメル
ローリー・マクドナルド
ジェフ・スコール
サム・メンデス
出演者 ハリド・アブダビ
ホマユーン・エルシャディ
ゼキリア・エブラヒミ
アフマド・ハーン・マフムードザダ
音楽 アルベルト・イグレシアス
撮影 ロベルト・シェイファー
編集 マット・チェシー
製作会社 パーティシパント・プロダクションズ
シドニー・キンメル・エンターテイメント
パラマウント・クラシックス
ドリームワークス
配給 アメリカ合衆国の旗 パラマウント・ヴァンテージ
日本の旗 角川映画/角川エンタテインメント
公開 アメリカ合衆国の旗 2007年12月14日
日本の旗 2008年2月9日
上映時間 129分
製作国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
言語 英語
ダリー語
パシュトー語
ウルドゥー語
ロシア語
興行収入 $73,276,047[1]
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あらすじ[編集]

1978年冬、アフガニスタンの首都カブール。12歳のアミール(ゼキリア・エブラヒミ)は、ハザーラ人の親友ハッサン(アフマド・ハーン・マフムードザダ)と仲良く遊ぶ日々を送っていた。アミールは父ババ(ホマユーン・エルシャディ)と共に恵まれた生活を送っており、ハッサンは父アリ(ナビ・ターナ)と共にアミールの家で召使いとして働いていた。

恒例の合戦の日、子供たちは二人一組で糸巻きと糸の操作を分担して、巧みに糸を操り他の凧の糸を切るのを競っていた。街中の人々が勝敗に熱狂するこの凧揚げで、アミールとハッサンは見事優勝する。しかし、凧を拾いに行ったハッサンは、日頃からハザーラ人のハッサンを嫌っているパシュトゥーン人のアセフ(エラーム・エーサス)たちに襲われてしまう。ハッサンを探しに行ったアミールはその現場を目撃するが、何もできずその場を去ってしまう。それを機に二人の間には距離ができたまま、1979年ソ連によるアフガニスタン侵攻が始まり、アミールは父と共にアメリカへと亡命する。

2000年、アメリカ合衆国カリフォルニア州サンフランシスコ。アミール(ハリド・アブダビ)と妻ソラヤ(アトッサ・レオーニ)のもとに、アミールの初めての本が出版社から届く。そこへ電話がかかり、アミールはパキスタンにいるラヒム・ハーン(ショーン・トーブ)を訪れ、パキスタンからタリバン独裁政権下の故郷へ向かうことになる。

キャスト[編集]

※()は日本語吹き替え

キャスティングに関して[編集]

アミール、ハッサン、ソーラブを演じる俳優には、アフガニスタンの文化的背景や歴史を深く理解している人材を、という監督の思いにより、現地でイメージに合う少年探しが1カ月に及び行われた。スタッフは現地の学校の他、孤児院や爆破で荒廃した場所にも足を運んだと言う。

アミール役のゼキリア・エブラヒミはリセで、ハッサン役のアフマド・ハーンとソーラブ役のアリ・ダネシュとはARO(アフガン救援機構)を通じて出会ったという。3人とも今作が俳優デビュー作品である。

受賞[編集]

脚注[編集]

  1. ^ The Kite Runner (2007)”. Box Office Mojo. 2010年1月25日閲覧。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]