名古屋市営地下鉄
名古屋市営地下鉄 | |
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シンボルマーク | |
基本情報 | |
国 | 日本 |
所在地 | 愛知県名古屋市、日進市 |
種類 | 地下鉄 |
開業 | 1957年11月15日 |
運営者 | 名古屋市交通局 |
公式サイト | 名古屋市交通局公式ウェブサイト |
詳細情報 | |
総延長距離 | 93.3 km |
路線数 | 6路線 |
駅数 | 87駅 |
軌間 |
1,435 mm(東山線・名城線・名港線) 1,067 mm(鶴舞線・桜通線・上飯田線) |
電化方式 |
直流 600 V 第三軌条方式(東山線・名城線・名港線) 直流 1,500 V 架空電車線方式(鶴舞線・桜通線・上飯田線) |
最高速度 |
65 km/h(東山線・名城線・名港線) 75 km/h(鶴舞線・桜通線・上飯田線) |
路線図 | |
名古屋市営地下鉄(なごやしえいちかてつ)は、名古屋市交通局が運営する地下鉄である。現在は6路線で営業中で守山区を除く名古屋市15区と日進市に路線を持ち[注釈 1]営業キロ数は93.3km、駅数は87駅(以上2011年3月27日現在)。車両数は782両(2017年9月現在)を数える[PR 1]。一日あたりの乗車人員は約134万人(2018年度現在)。なお、名古屋市の例規上の正式名は、名古屋市高速度鉄道である。
路線
営業路線
全6路線中3路線が標準軌で、一方の3路線が狭軌である。また、狭軌路線のうち桜通線以外の2路線は、下記の通り名古屋鉄道(名鉄)と相互直通運転を行っている。
名古屋市営地下鉄の駅や車内に掲示されている路線図には、名古屋市営地下鉄の路線以外にも、直通先の名鉄線やゆとりーとライン(高架区間)、あおなみ線、リニモも掲載されている。
色 | 記号 | 路線番号 | 路線名 | 区間 | キロ程 | 駅数 | 色名 | 軌間 | 電化方式 |
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1号線 | 東山線 | 高畑駅 (H-01) - 藤が丘駅 (H-22) | 20.6 km | 22 駅 | 黄 | 1,435 mm | 直流600 V 第三軌条方式 | ||
2号線 | 名城線 (環状線) |
金山駅 (M-01) - 栄駅 (M-05) - 大曽根駅 (M-12) (4号線とともに相互直通運転) |
26.4 km | 28 駅 | 紫 | ||||
4号線 | 大曽根駅 (M-12) - 八事駅 (M-20) - 金山駅 (M-01) (2号線とともに相互直通運転) | ||||||||
2号線 | 名港線 | 金山駅 (E-01) - 名古屋港駅 (E-07) | 6.0 km | 7 駅 | 紫 + 白 | ||||
3号線 | 鶴舞線 | 上小田井駅 (T-01) - 赤池駅 (T-20) | 20.4 km | 20 駅 | 青 | 1,067 mm | 直流1,500 V 架空電車線方式 | ||
6号線 | 桜通線 | 中村区役所駅 (S-01) - 徳重駅 (S-21) | 19.1 km | 21 駅 | 赤 | ||||
7号線 | 上飯田線 | 上飯田駅 (K-01) - 平安通駅 (K-02) | 0.8 km | 2 駅 | 桃 |
- 路線番号は、1972年の都市交通審議会昭和47年答申第14号において1号線から9号線まで存在していたが、同答申が1992年の運輸政策審議会平成4年答申第12号で見直された際、すでに地下鉄として開業または着工済みの路線以外は路線番号を引き継がなかったため、5号線は欠番である。
- ラインカラーは1977年3月の鶴舞線開業に合わせて定められたものである[1]。
- 2号線と4号線から形成される名城線は環状になっており、1つの路線として相互直通運転が行われている。また、環状線という性質上、「上り・下り」や、一般的に使用されている「内回り・外回り」という呼称ではなく、「左回り・右回り」という独自の呼称が使用されている。
- 名城線と名港線を直通運転する列車がある。また、直通の有無にかかわらず名城線・名港線の全車両の側面には「名城線・名港線」と表示されている。
- 鶴舞線は、上小田井駅より犬山線犬山駅まで、赤池駅より豊田線を経て三河線豊田市駅まで相互直通運転を行っている。
- 上飯田線は、上飯田駅より小牧線犬山駅まで相互直通運転を行っている。上飯田線は第三セクター会社上飯田連絡線株式会社が第三種鉄道事業者として施設を保有しており、交通局が第二種鉄道事業者として施設を同社から借り受け運営している。ただし、列車の運行は同線に乗り入れる小牧線を運営する名鉄に委託している。
- 色の選別は、桜通線開業以降、案内時に伝えやすいよう、似た色や複雑な色を避け、鶴舞線の「青」や桜通線の「赤」と単純な色名で表現できる色が選別されており、今後新規路線が開業する際のための予備用に緑や橙も用意されている。
計画上の路線
1992年(平成4年)の運輸政策審議会答申第12号で示されて以降、新たな整備計画は出されておらず、現在、新規路線の具体的な整備計画はない[PR 2]。
運行形態
営業列車による運行時間は、午前5時30分から翌日午前0時30分までの19時間である。これは、夜間に施設の保守時間を確保するためである。このため、名城線を除き基本的に区間運転を行わない名古屋市営地下鉄でも、初電・終電は途中駅発着の列車がある[注釈 2]。
2014年の7月以降、東山線で金曜日と祝日前日(年末年始やお盆を除く)に限り終電を45分間延長した。「補助金カットを防ぎたい」という局長と、「サービスを向上させたい」という河村たかし名古屋市長の意向で、2013年12月20日と27日に試行実施を行い、2014年7月4日以降、上下各2本[注釈 3]の臨時列車を運行している。
なお、曜日ダイヤ区分のうち、東山線は原則として夏休み・冬休み(12月29日 - 1月3日を除く)・春休み期間中の平日は「学校休校期ダイヤ」を設定する。また年末年始の12月29日 - 1月3日は土休日ダイヤで運行するが、東山線については12月31日から1月3日は土休日ダイヤではなく、専用特別ダイヤ(12月31日が「大晦日ダイヤ」、正月3が日は「正月ダイヤ」)を適用する。1975年以降、毎年12月31日深夜から1月1日までの間、上飯田線以外の全路線(2003年と2004年に限り上飯田線も)で終夜運転を行っている。沿線に熱田神宮がある名城線は初詣客で混雑するため、正月3が日は大曽根 - 八事 - 新瑞橋 - 金山の区間も一部時間帯で5分間隔で運行していたが、2012年以降は通常ダイヤでの運行となっている。
沿線にイベントがある時は、臨時列車が運行されることがある。ナゴヤドームのイベントや名古屋港の花火大会の関連で、名城線・名港線で運行されることがほとんどである。
歴史
建設の経緯
名古屋市による市営地下鉄の建設計画は、人口が100万人を突破した1936年(昭和11年)に発表されたものが最初である。この計画によれば、以下の7路線約52kmを2期に渡って建設する予定であった。この計画は、地下線での計画を基本にしながら、田端 - 市役所や桜山 - 柴田などでは高架線での建設も予定されていた。
- 一期
-
- 中村 - 覚王山
- 現在の中村公園駅付近 - 覚王山駅付近
- 田端 - 市役所 - 内田橋
- 現在の黒川駅付近 - 伝馬町駅付近
- 中村 - 覚王山
- 二期
-
- 桜山 - 篠原町 - 押切
- 現在の桜山駅付近 - あおなみ線 荒子駅東部? - 浅間町駅付近
- 覚王山 - 新池
- 現在の覚王山駅付近 - 東山公園駅付近
- 本山橋 - 八事
- 現在の本山駅付近 - 八事駅付近
- 押切 - 田端 - 大幸町
- 現在の浅間町駅付近 - 黒川駅付近 - 砂田橋駅付近
- 桜山 - 笠寺 - 鳴尾 - 柴田
- 現在の桜山駅付近 - 名鉄 本笠寺駅付近 - 名鉄 本星崎駅南部 - 名鉄 柴田駅付近
- 桜山 - 篠原町 - 押切
その後、1937年(昭和12年)に名古屋駅が笹島から現在の位置に移転すると、1938年(昭和13年)6月、その跡地に関西急行電鉄の名古屋乗り入れにあたって地下に関急名古屋駅(現:近鉄名古屋駅)が建設され、名古屋で初の地下線による鉄道が開業した。
日中戦争の長期化により、名古屋市の財政が悪化する一方で、軍需産業都市としての発展もあり、1939年(昭和14年)に臨時名古屋市並近郊交通調査会が発足し、地下鉄計画を再検討した結果、以下の基本4路線約29kmが発表された。この基本計画のほかに将来計画として大規模な地下鉄整備計画も発表されており、実際にボーリング調査の準備まで行われたものの、第二次世界大戦開戦の影響により、具体的な着工までは至らなかった。
- 名古屋駅 - 覚王山
- 現在の東山線の中央部に相当。
- 市役所 - 熱田
- 現在の名城線の西部に相当。
- 名古屋駅 - 高辻
- 大部分が現在の鶴舞線の一部に相当。
- 大曽根駅 - 熱田
- 現在の名城線(4号線)とは全く別の路線。
戦後になるとまず、1946年(昭和21年)1月、高速鉄道網検討用基礎案として以下の4路線約43Kmが立案された。これは、戦災復興のため将来人口を200万人と想定した都市計画として立案されたため、鉄道着工よりも鉄道用地を先行確保するのが主目的の計画であった。この計画では、平田橋、上飯田、守山、八事などで既存の鉄道との相互乗り入れが重視されていたため、現在の地下鉄路線とはかなり違う経路を通っているものが多い。
- 八田 - 栄町 - 覚王山 - 守山
- 平田橋 - 栄町 - 八事
- 上飯田 - 栄町 - 八事
- 覚王山 - 総合運動公園
9月には名古屋市高速度鉄道協議会が設置され、これには名古屋市のほか、運輸省、内務省、戦災復興院、名鉄、近鉄も参加し、1947年(昭和22年)10月に以下の6路線約55kmの路線網を定めた。
1950年(昭和25年)1月19日には建設省告示第9号でこれらのうち約48.4kmが名古屋復興都市計画高速度鉄道路線網として都市計画決定された[2]。この都市計画決定は、日本国有鉄道(国鉄)名古屋駅0番ホームを借り受け、そこに地下鉄を乗り入れ、栄生まで延長して名鉄名古屋本線と相互直通運転をする計画のほか、名古屋市、名鉄、近鉄の三者の協定により、新川橋、八田、大曽根、水分橋でも相互直通運転をすることが予定されていた。
- 覚王山線(1号線):(八田 - )名古屋駅 - 栄町 - 田代 - 石川町
- 城北線(2号線):新川 - 市役所裏
- 熱田線(2号線):市役所裏 - 栄町 - 金山 - 石川町
- 東山線(3号線):田代 - 東山
- 大曽根線(4号線):市役所裏 - 大曽根 - 水分橋
- 中根線(5号線):石川町 - 名市大薬学部前
- 築港線(6号線):金山 - 名古屋港
その後、建設資金分担や国鉄ホームの使用を巡る問題などにより、上記計画は頓挫した。名古屋市は独自に相互直通を前提とせずに地下鉄を建設することになり、第三軌条方式を採用し、すでに免許を取っていた名古屋 - 田代間及び市役所裏 - 金山間の早期開業を図った。1954年(昭和29年)8月には名古屋 - 栄町間について着工し[2]、1956年(昭和31年)には名古屋市電下之一色線での試作車による運行テストを開始した。
1957年(昭和32年)11月15日、名古屋市営の最初の地下鉄として、名古屋 - 栄町(現:栄)間2.4kmが開業した[9]。当初の料金は名古屋 - 栄町間で大人15円・小児8円の均一制。名古屋市内の1世帯に1枚ずつ試乗券が配布された。
年表
開業日の営業開始時刻は、日付に*印を付したものは14時、**印を付したものは12時、無印は始発からである[10]。
- 1957年(昭和32年)11月15日* - 1号線(現:東山線)名古屋 - 栄町間が開業[9]。
- 1960年(昭和35年)6月15日 - 1号線栄町 - 池下間が開業[9]。
- 1963年(昭和38年)4月1日 - 1号線池下 - 東山公園間が開業[9]。
- 1965年(昭和40年)10月15日* - 2号線(現:名城線)栄町 - 市役所間が開業。
- 1966年(昭和41年)6月1日 - 駅名変更(栄町→栄、伏見町→伏見)。
- 1967年(昭和42年)3月30日* - 1号線東山公園 - 星ヶ丘間、2号線栄 - 金山間が開業[9]。
- 1969年(昭和44年)
- 1970年(昭和45年)12月10日 - 東山線上社駅新設[9]。
- 1971年(昭和46年)
- 1974年(昭和49年)3月30日** - 4号線金山 - 新瑞橋間が開業[9]。
- 1975年(昭和50年)12月31日 - 大晦日から元旦の終夜運転開始。
- 1977年(昭和52年)3月18日** - 鶴舞線伏見 - 八事間が開業[9]。
- 1978年(昭和53年)10月1日 - 鶴舞線八事 - 赤池間が開業[9]。
- 1979年(昭和54年)7月29日 - 鶴舞線と名鉄豊田線の相互乗り入れ開始[9]。
- 1981年(昭和56年)11月27日 - 鶴舞線浄心 - 伏見間が開業[9]。
- 1982年(昭和57年)9月21日 - 東山線中村公園 - 高畑間が開業(東山線全通)[9]。
- 1984年(昭和59年)9月6日 - 鶴舞線庄内緑地公園 - 浄心間が開業[9]。
- 1989年(平成元年)9月10日 - 桜通線中村区役所 - 今池間が開業[11]。名城線久屋大通駅新設。
- 1993年(平成5年)8月12日 - 鶴舞線上小田井 - 庄内緑地公園間が開業(鶴舞線全通)。名鉄犬山線と相互乗り入れ開始。
- 1994年(平成6年)3月30日 - 桜通線今池 - 野並間が開業。
- 2000年(平成12年)1月19日 - 4号線大曽根 - 砂田橋間が開業。
- 2003年(平成15年)
- 2004年(平成16年)10月6日 - 名城線名古屋大学 - 新瑞橋間が開業(名城線全通)。4号線の愛称を名城線に変更、名城線環状運転開始。
- 名城線金山 - 名古屋港間の愛称を名港線に変更。駅名変更(藤ヶ丘→藤が丘、瑞穂運動場→瑞穂運動場西)。
- 2011年(平成23年)2月11日 - ICカード乗車券manacaを導入[PR 3]。
- 2011年(平成23年)3月27日 - 桜通線野並 - 徳重間が開業[12][PR 4]。
- 2012年(平成24年)4月21日 - manacaがTOICAと相互利用開始。
- 2013年(平成25年)3月23日 - IC乗車カード全国相互利用開始で、Kitaca、PASMO、Suica、ICOCA、PiTaPa、nimoca、はやかけん、SUGOCAが利用可能になる。
- 2014年(平成26年)7月4日 - 東山線にて、金曜日及び祝休日前日の最終列車延長運転開始。
- 2015年(平成27年)4月1日 - 東山線の女性専用車の時刻を終日に変更。
料金
交通局では運賃を「料金」と呼んでおり[13]、記事内でもそれに従い表記する。
大人片道普通料金。小児は半額(10円未満切り捨て)2019年10月1日改定[PR 5]。
区数 | 営業キロ数 | 料金(円) |
---|---|---|
1区 | 1 - 3km | 210 |
2区 | 4 - 7km | 240 |
3区 | 8 - 11km | 270 |
4区 | 12 - 15km | 310 |
5区 | 15 - km | 340 |
障害者手帳や証明書を所持する身体障害者・知的障害者・精神障害者[PR 6]・養護児童・戦傷病者・被爆者および特別支援学校の生徒は割引料金[PR 7]。
普通料金は経由駅にかかわらず最短距離の料金を適用する(東京・大阪・神戸・福岡のような改札外乗り換えの駅はない)。定期券は指定経路で計算され、指定区間外では途中下車できない。
当局では入場券・往復乗車券・回数乗車券は発売されていない。また、プレミアム(特典額)つきの磁気ストアードフェアプリペイドカード「ユリカ」(後述)が発売されていたが、2011年2月11日にIC乗車カードmanacaが導入されたことで、前日の同年2月10日に発売を終了した。
名古屋鉄道の犬山・小牧・豊田の各線に上小田井・上飯田・赤池の各駅連絡で乗車する場合、連絡駅を挟んだ併算により特に割高となる一部の近隣区間においては別に定める乗継割引料金(大人20円引・小児10円引)が適用される[PR 8]。
他に名称が類似する駅がある駅の場合、以下のように乗車券上の駅名表記が、かな書き表記や文字の大きさの変更など、一見して発行駅が判別できるよう工夫されている。
- 名古屋駅のなごや(名古屋港駅・名古屋大学駅との区別。名古屋市営バスの方向幕は反対に、名古屋駅は漢字表記、名古屋港は「なごや港」と表記している。なお、名古屋大学は漢字表記である)
- 鶴里駅のつる里(鶴舞駅との区別)
- 中村公園駅のなかむら公園(中村日赤駅・中村区役所駅との区別)
- 本郷駅のほんごう(本陣駅・本山駅との区別)
- 藤が丘駅の藤が丘(星ヶ丘駅との区別、「藤」の字が大きい)
- 星ヶ丘駅の星ヶ丘(藤が丘駅との区別、「丘」の字が大きい)
企画乗車券
- バス・地下鉄全線一日乗車券(大人870円・小児430円)
- 地下鉄全線一日乗車券(大人740円・小児370円)
- 後述する「24時間乗車券」の導入により、2019年(令和元年)5月26日をもって発売終了。
- 地下鉄全線24時間乗車券(大人760円・小児380円)
- ドニチエコきっぷ(大人620円・小児310円)
- 土・日・祝日(お盆や年末年始などの休日ダイヤ運行日を含む)と毎月8日の一日のみ有効のバス・地下鉄一日乗車券。地下鉄駅改札窓口・駅長室、市バス営業所・車内、交通局サービスセンター定期券売り場、一部の乗車券委託販売所で発売。尚、当日券のみ、黄色い(manaca対応)券売機でも発売。
乗車カード
乗車カードとして、従来の回数券や連続割引サービスを含めた乗車券として、トランパス対応で、同局の地下鉄・バス路線や名古屋鉄道などの提携他社において使用できるプリペイドカード式乗車券を「ユリカ」という名称で発売していた。
ユリカが1998年に導入される前には、1988年4月1日から自動券売機・自動精算機できっぷの購入や運賃精算ができる(自動改札機に直接投入はできない)プリペイドカード「リリーカード」が発売されていたが、2003年3月27日に利用停止、2006年3月31日で交換終了となり、現在は無効となっている。また、同じ頃から、自動改札機に直接投入できる回数券カードが発売されていた。回数券カードには地下鉄・バス乗継回数カードも存在した。これは地下鉄(1区 - 5区)券10枚と市バス200円券10枚が1枚のカードにセットされたものである。現在はユリカに乗継割引機能があるため、いずれも発売を終了した。
2011年2月11日より非接触型ICカード「manaca(マナカ)」が導入された。これに伴い、ユリカ(バス・地下鉄共通ユリカ、バス昼間割引専用ユリカ、地下鉄昼間割引専用ユリカ)及び大人3800円で地下鉄1区間を22回利用できる「地下鉄1区特別きっぷ」の発売は前日の同年2月10日で終了した。利用についても2012年2月29日をもって終了した。
車両
非冷房車については車齢25年を目安に冷房車、非VVVF車については車齢25年を目安にVVVF車へと置き換え、2000年に冷房化率、2023年にVVVF化率100%を達成する予定[注釈 4]。一方、非IGBT車については車齢25年を目安にIGBTへと更新する模様であったが、鶴舞線3159編成については非VVVF車との混成編成のため、2019年9月26日付で廃車された。
車両横に貼ってあるラインカラー標示は従来ラインカラーの横線を縦に5本、長方形に並べたもので、その下に英語表記付きで路線名が入っていた。名城線・名港線用の車両は名城線のみ書かれていた。7000形以降の増備車からはラインカラーに塗られた地下鉄のシンボルマーク(右側に英語表記付きの路線名が入る)に変更されている。在来車は名城線・名港線用車両以外変更はなかったが、2015年夏頃から順次貼り替えが進んでいる。
車両規格は東山線・名城線・名港線が標準軌(1435 mm軌間)・第三軌条集電式(直流600 V)の15.5 m級3扉車なのに対して、鶴舞線・桜通線・上飯田線が狭軌(1067 mm軌間)・架線集電式(直流1500 V)の20 m級4扉車と大きな差がある。
編成は上飯田線7000形が4両、桜通線6000形・6050形が5両、その他の4路線が6両であり、座席は上飯田線7000形がセミクロスシート、その他がオールロングシートとなっている。
製造会社は日本車輌製造と日立製作所の2社であるが、2007年度末から2015年度にかけて導入された東山線N1000形や2009年度末から2010年度にかけて導入された桜通線6050形や2012年度から2022年度末にかけて導入される鶴舞線N3000形N3102編成以降はステンレス鋼車両の製造技術「日車式ブロック工法」を採用するなど、ここ数年は日本車輌製造でのステンレス鋼車両の製造が主流になりつつあった。一方、2011年度末に導入された鶴舞線N3000形N3101編成はアルミニウム合金車両の製造技術「A-train」を採用した。
台車は基本的に東山線・名城線・名港線の車両が日車製、鶴舞線・桜通線・上飯田線の車両が住友→新日鐵→日鉄製となっている。
車両の形式は都営地下鉄などと同様、「系」ではなく「形」と表記し、読みも「がた」である。また、車両内に鏡を設置しているのも特徴である[16]。
2007年度末から2022年度末にかけて導入されるVVVF車から非VVVF車の老朽置き換え用車両の形式に付くようになった「N」はNewやNextやNagoyaの頭文字から取られている。
現有車両
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5050形
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N1000形
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2000形
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3000形
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3050形
-
N3000形
-
6000形
-
6050形
-
7000形
過去の車両
車両基地・工場
駅
名古屋市において、守山区以外の各区内に駅がある[注釈 5]。路線ごとに駅務区を設置(名城線は駅務区を南北でそれぞれ1つずつ設置、名港線は名城線南部駅務区管轄下、上飯田線は全駅が名城線南部駅務区管轄または名鉄管轄であるため駅務区が設置されていない)、さらに駅務区の下に管区を1つないし2つ設け、各管区ごとに複数の駅を管理している。駅務区には駅務区長、管区には管区駅長がそれぞれを統括する役職として配置されている。なお、各駅に配置されている駅長は利用者にその駅の責任者であることをわかりやすく伝えるための対外的な呼称であり、役職上は助役である。
車両基地や折り返し設備のある駅の一部は、駅務区ではなく乗務員部署である運転区が管轄し、乗務員が駅業務を兼務している。
全駅でバリアフリーのための整備を行っている。韓国・大邱都市鉄道公社での放火による火災によって反対路線に停車した列車に延焼したことを受けて、対向式ホーム中央の柱間にガラス及び鉄製の防火壁の取り付けが順次行われている。
自動券売機で発売される磁気券は、券紙を回数券発行に使用しないため、裏面が茶色の低保磁券を採用している。
各駅の発車案内にはLEDのものが使われている。上飯田線は開通当初からLEDとなっているが、それ以外の5路線は行灯方式を使っていた。1999年に名城線(現名港線部分も含む)から置き換えが始まり、その後東山線・桜通線の順に置き換えられ、2012年の鶴舞線を最後に置き換えが完了した。市役所駅の改札口には行灯方式のものが残っている。なお、2019年より名城線・名港線では発車案内の液晶化が行われ、同年12月までに交換が完了した。
各路線の全駅に駅番号が割り振られている。駅番号は、2004年に名城線が全通したのを機に割り振られた。名城線・名港線以外では、各路線の北ないし西を01番(起点)として付けている。名城線・名港線は分岐点となる金山駅を01番としており、名城線では栄、大曽根方面に向かって右回りの順に付けられている。
駅ホームに設置されている駅名標のデザインは、設置時期により異なっている。相違点は以下のとおり。なお、同じ駅に複数種類の駅名標が使われている場合もある。
- 黒地に白抜き文字のもの。駅ナンバリング併記済み。一部ラインカラーが入っているものもあり。1989年の世界デザイン博開催に合わせて導入された。このタイプは、2013年度中に全駅で、ラインカラーと、駅番号が駅名の左側にはいったものに更新。
- 白地に黒文字で壁のラインカラーと一体化したもの。漢字表記と平仮名表記を交互に設置。桜通線・名城線(ナゴヤドーム前矢田駅 - 瑞穂運動場東駅)・上飯田線といった平成以降に開業した比較的新しい路線で見られる。またピクトグラムは、2005年の愛知万博開催時に合わせてユニバーサルデザインに準拠したものを導入した。
- 2017年のサインシステムの改訂により、同年夏の栄駅を皮切りに新タイプの駅名標と路線図およびサインシステムに更新されている。このため、今後は上記2タイプの駅名標類は順次この新タイプに取り換えられる計画である。
- これらの他、鶴舞線の相対式ホームでは黒地に白抜き文字で赤い矢印で進行方向を表したものも使われており、2008年10月までは白地に黒文字で漢字駅名の下に全部大文字でローマ字を入れたもの(名古屋市営地下鉄の駅名標としては最も古いタイプ。隣の駅は平仮名表記)も使われていた。
乗換駅での乗り換え案内表示にあるラインカラーは、車両の路線表示と同じく、ラインカラーの横線5本から、ラインカラーの地下鉄のマークに変更されているところもある。
経費削減のために、駅構内照明器具の省エネ化を進めており、2013年度まではラピッドスタート式の蛍光灯からHfインバーター式蛍光灯への置き換えを、2014年度からは久屋大通駅を皮切りにラピッドスタート方式蛍光灯からLED照明への置き換えを進めている。また、駅名標や業務案内板などの内照式看板(広告用を除く)の非内照式への改造が進められている。
当交通局独自の規則として、エスカレーター上での歩行を禁止し、手すりに掴まって2列で立ち止まって乗り、急いでいる人は階段を使うよう呼び掛けている。
地上連絡エレベーターは独立した出入口として機能している場合でも番号は付与しておらず、既存の出入口をエレベーター専用出入口に改修した駅では出入口番号に欠番が発生している場合もある。
交通局の外郭団体、名古屋交通開発機構が売店として「Do!」という独自名称のコンビニ形態の店舗をかつては展開していた(実際の店舗運営はサークルケイ・システムサービスに委託)。しかし、順次「サークルKミニ」を経て「ファミリーマート」に改称しており、「Do!」を名乗る売店は無くなっている。なお、既存チェーン店が出店する場合も店舗名の一部にDo!を冠する場合があったため、この形で名残を残している店舗が一部存在する。また、セブン-イレブン(野並駅、徳重駅など)、ローソン(高畑駅、丸の内駅桜通線ホームなど)などのコンビニも出店している。(この他サークルKサンクスとの統合前からファミリーマートは伏見、今池に出店していた。)どの売店でもmanacaは使用可能。(ただしセブン-イレブンはPOSと連動していないほか一般のファミリーマートでは対象の名鉄のミュースターポイントは付かないなど運用が異なる。)交通系以外の電子マネーやクレジットカード、バーコード決済はチェーン全体に準ずる。店舗は改札外に設置されることが多いが、乗り換え駅では改札内コンコースやホームに設置されている場合もある。
2011年3月27日の桜通線延伸開業時より、利用者の少ない桜通線の3駅(鳴子北駅、相生山駅、神沢駅)と名港線の4駅(日比野駅、六番町駅、港区役所駅、築地口駅)の駅業務を日本通運名古屋支店に委託している[PR 9]。委託により年間8400万円の経費が削減されている[17]。当初の委託期間は2016年3月末までであったが、2015年に委託契約を更新し、2026年3月末までとなっている。
2015年の更新契約の結果、東山線の5駅(八田駅、中村公園駅、中村日赤駅、本陣駅、亀島駅)の駅業務に関しても2016年4月1日より縁エキスパートに委託している。委託期間は2023年3月末まで。
2018年4月より、一部の駅では改札口への係員配置を廃止し、インターホンにより駅長室から駆けつける形に変更している。
名古屋市営地下鉄と他社線を直接繋ぐ連絡改札口はどの乗換駅にも存在しない。
経営状況
2016年度は、一日平均の利用者数が約129万人(2010年度は116万人)収入は945億円、支出は784億円、収支は161億円の黒字でその結果、累積欠損金は2,482億円、実質資金不足額は2,298億円となった(2016年度決算[PR 10])。
経常収支は、1994年(平成6年)度に最大445億円の赤字を記録し、累積欠損金は、2004年(平成16年)度には4500億円に迫るところにまで至っていた[PR 11]。 その後、中期経営健全化計画(計画期間:2002年度から2005年度)、経営改革計画(計画期間:2006年度から2010年度)、市営交通事業経営健全化計画(計画期間:2009年度から2016年度)と順次計画を策定し、2010年5月には名古屋市交通事業経営健全化委員会を設置して、市バス事業とともに経営の改善に努め、上記のような決算状況に至っている。名古屋市交通局では、累積欠損金について、2039年度において解消されるとの評価をしている[PR 12]。
路線別収支状況
2007年度決算による[PR 13]。
単位は百万円。▲印は損失・欠損を示す。
路線 | 経常収入 | 経常支出 | 営業損益 | 経常損益 | 累積欠損金 (または剰余金) |
---|---|---|---|---|---|
東山線 | 29,185 | 17,225 | 12,744 | 11,960 | 138,494 |
名城線+名港線 | 21,874 | 19,806 | 1,384 | ▲2,817 | ▲132,760 |
鶴舞線 | 19,164 | 16,213 | 5,237 | 2,951 | ▲87,820 |
桜通線 | 12,002 | 24,912 | ▲3,586 | ▲12,910 | ▲233,466 |
上飯田線 | 409 | 1,214 | ▲949 | ▲805 | ▲4,820 |
以上のように、経常損益においては、東山線、鶴舞線が黒字で、他は赤字である。2017年現在では名城線・名港線も黒字である。桜通線の営業係数も110程度まで改善されている。上飯田線の主な赤字要因は上飯田連絡線株式会社への線路使用料である。[要出典]
駅別乗車人員
令和元年度1日当たり
※名古屋市交通局のオープンデータ
駅 名 | 乗車人員 | 駅 名 | 乗車人員 | 駅 名 | 乗車人員 | 駅 名 | 乗車人員 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
高畑駅 | 11,129 | 大曽根駅 | 19,786 | 上小田井経由 | 11,991 | 中村区役所駅 | 6,570 |
八田駅 | 7,239 | 平安通駅 | 6,272 | 上小田井 | 9,091 | 国際センター駅 | 5,982 |
岩塚駅 | 8,861 | 志賀本通駅 | 7,291 | 庄内緑地公園駅 | 4,389 | 高岳駅 | 9,387 |
中村公園駅 | 13,000 | 黒川駅 | 14,574 | 庄内通駅 | 7,440 | 車道駅 | 7,280 |
中村日赤駅 | 4,994 | 名城公園駅 | 5,394 | 浄心駅 | 7,282 | 吹上駅 | 7,630 |
本陣駅 | 8,486 | 市役所駅 | 21,659 | 浅間町駅 | 5,222 | 桜山駅 | 12,690 |
亀島駅 | 4,868 | 久屋大通駅 | 26,319 | 丸の内駅 | 19,723 | 瑞穂区役所駅 | 7,607 |
名古屋駅 | 198,633 | 矢場町駅 | 31,590 | 大須観音駅 | 9,753 | 瑞穂運動場西駅 | 3,701 |
伏見駅 | 49,937 | 上前津駅 | 24,530 | 鶴舞駅 | 14,826 | 桜本町駅 | 4,056 |
栄駅 | 109,901 | 東別院駅 | 7,738 | 荒畑駅 | 4,498 | 鶴里駅 | 3,167 |
新栄町駅 | 15,074 | 金山駅 | 82,211 | 御器所駅 | 11,680 | 野並駅 | 6,764 |
千種駅 | 25,810 | 西高蔵駅 | 3,297 | 川名駅 | 6,100 | 鳴子北駅 | 5,131 |
今池駅 | 23,962 | 神宮西駅 | 4,489 | いりなか駅 | 7,102 | 相生山駅 | 4,433 |
池下駅 | 13,734 | 伝馬町駅 | 7,747 | 塩釜口駅 | 12,158 | 神沢駅 | 3,257 |
覚王山駅 | 9,649 | 堀田駅 | 7,669 | 植田駅 | 8,780 | 徳重駅 | 10,427 |
本山駅 | 15,726 | 妙音通駅 | 2,080 | 原駅 | 10,239 | ||
東山公園駅 | 7,987 | 新瑞橋駅 | 13,439 | 平針駅 | 8,478 | 上飯田経由 | 14,966 |
星ヶ丘駅 | 26,271 | 瑞穂運動場東駅 | 4,876 | 赤池駅 | 10,743 | 上飯田駅 | 2,566 |
一社駅 | 14,275 | 総合リハビリセンター駅 | 3,359 | 赤池経由 | 19,976 | ||
上社駅 | 11,361 | 八事駅 | 17,798 | ||||
本郷駅 | 11,185 | 八事日赤駅 | 6,921 | ||||
藤が丘駅 | 30,666 | 名古屋大学駅 | 10,455 | ||||
自由ヶ丘駅 | 6,735 | ||||||
茶屋ヶ坂駅 | 7,663 | ||||||
砂田橋駅 | 7,636 | ||||||
ナゴヤドーム前矢田駅 | 12,668 | ||||||
日比野駅 | 9,345 | ||||||
六番町駅 | 7,465 | ||||||
東海通駅 | 7,461 | ||||||
港区役所駅 | 5,114 | ||||||
築地口駅 | 4,676 | ||||||
名古屋港駅 | 5,521 | 合 計 | 1,331,611 |
サインシステム
地下鉄シンボルマーク
地下鉄車両などに掲出されているシンボルマークは、画家の杉本健吉がデザインしたもので、名古屋市の市章である「○」の中に「八」を基に、トンネルの中を通る線路に見えるようアレンジした図案である。なお、開業当初は「○」部分が破線になっていた。
上小田井駅と上飯田駅を除く駅の出入口にある駅名サインは現在以下の3種類が存在する。写真は各駅の記事を参照。
- a.昔から使われている白地に青文字のもの。縦書きが多いが、横書きのものもある(鶴舞駅・千種駅など)。最初から駅名には英語表記(全部大文字)もされている。出入口番号は併記されておらず、別にプレートを掲示して表示する。現在はかなり少なくなったが、一部の駅ではまだ使われている。
- b.黒地に白抜き文字。桜通線開業時より広まった。ほとんどが横書きだが、縦書きのものもわずかに存在する(本陣駅など)。この型のものより駅を表す「Sta.」の英語と出入口番号が追加された。赤池駅ではこのタイプが使われており、名鉄の文字も加わっている。
- c.青地に白抜き文字。名城線が名古屋大学まで開通した頃より各線に拡大。この種類のみ地下鉄のマークは小さいものになっており、一般的な電車のピクトグラムが追加されている。
路線カラーと路線シンボル
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名古屋市営地下鉄では、各路線を識別するカラーを設定している。2018年より鶴舞線を除き、従来よりも赤みを帯びた色に路線カラーが変更された。各路線のカラーは以下の通り。なお、DIC色番号は「名古屋市交通局 旅客サインマニュアル」に定められているもので、そのDIC色番号をDICの「COLORGUIDE」アプリで検索した際に表示されるsRGB値(HTML値)を参考として掲載する(尚、このHTML値は公式サイトでは用いられない)。
路線名 | 路線カラー(旧) | 路線カラー(新) | ||||
---|---|---|---|---|---|---|
色 | DIC | sRGB | 色 | DIC | sRGB | |
東山線 | 165 | FFB700 | 2534 | FAB123 | ||
名城線 | 105 | 8F76D6 | 106 | B074D6 | ||
名港線 | 105 | 8F76D6 | 106 | B074D6 | ||
鶴舞線 | 138 | 009BBF | 138 | 009BBF | ||
桜通線 | 199 | BD342C | 2492 | C92F44 | ||
上飯田線 | J702 | E77B9F | F180 | FC78B4 |
路線シンボルは、路線カラーとした地下鉄シンボルマークを使用した1世代前ものと、路線カラーの横5本線を使用した2世代前のものが併用されていたが、新たに「○」の下部を切り欠き、その内部に路線記号を配したものに変更された。
案内サインのデザイン
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2018年より栄駅を皮切りに新型の案内サイン掲示に更新されている。
主な相違点としては、
- 前述の新路線カラー及び路線シンボルへの変更
- 英語フォントを変更 (ヘルベチカからミリアド・セミボールドへ)
- 駅名標を白地に黒文字へ (従来は黒地に白文字)
- 非内照式案内を案内内容によって色分け (ホーム案内等は白地に黒、出口案内等は黄地に黒文字)
- ホーム案内において駅ナンバリング記号を併記、併せて名城線では右・左回りを記号併記で案内
- 路線図デザインの変更 (特に名城・名港線では、観光客等の逆回り列車への誤乗防止の為大幅に変更されている)
- 英語表記の修正 (「改札口」は"Wicket"から"Gate"へ)
などがある。
-
3世代のサインシステムが混在する
2019年現在の案内表示(丸の内駅)
広告
2000年頃から、新たな広告媒体の事業化を目指す目的で「新交通広告表示システム」の計画が開始された。翌2001年に桜通線名古屋駅で実証実験を行った後、2004年12月より東山線の栄駅と伏見駅のホームにて液晶モニタを使ったサービスを開始している。内容は、テレビコマーシャル、オリジナルのアニメーション広告、ニュースなどで、公営の地下鉄駅としては珍しく音声も流している。さらに2006年12月からは名城線久屋大通駅ホームにプロジェクターを使ったシステムが導入されたのを皮切りに、翌2007年4月には同線の栄・本山・金山・上前津の各駅にも設置された。また、同年6月からは東山線名古屋駅、翌年3月から同線伏見駅ホーム軌道内にて液晶モニターを使ったサービスも開始している。
2006年5月頃に名古屋市交通局が地下鉄車両内に掲示したマナー啓発広告に使用した画像に関し、PHS事業者のウィルコムより抗議を受けて謝罪をした[PR 14][PR 15]。
携帯電話・モバイル
2018年現在、全線全駅、および全区間で、4Gおよび3Gの携帯電話ネットワークによるデータ通信および音声通話、WiMAX 2によるデータ通信が可能。ただし走行中の車内での通話自粛要請と、混雑時の優先席付近での電源OFF要請が行われている。
駅コンコース(改札口付近)およびプラットホームでは通信事業者各社およびNAGOYA Free Wi-Fiによる公衆無線LANが利用可能。桜通線車内ではauおよびWi2による車内Wi-Fiが利用可能である。(ソフトバンクのみ、2016年12月より公衆無線LANの提供駅を主要10駅のみに縮小した)
このように現代では都市部で携帯電話が使えることは当たり前であるが、かつては医用電子機器(心臓ペースメーカー等)への無線電波の影響を懸念する根強い意見があり、地下鉄駅構内および路線トンネル内への携帯電話基地局の設置は意図的に見送られていた。
名古屋市営地下鉄では2004年9月頃から、2GHz帯を使用する方式を除いて携帯電話各社についてプラットホームでは圏外になるような対策が行われた(改札口付近では利用可。また、PHSについては設置事業者においても元より改札口付近のみ圏内)。名古屋市交通局は、総務省の「電波の医用機器等への影響に関する調査結果」(2002年7月2日)に基づく処置であるとしていた。
地下鉄利用中は電話の着信もできないことから、名古屋市営地下鉄のこの対応以降、トヨタ自動車や日立製作所、NTTデータ東海などは、一部従業員に対し、業務時間中の移動に地下鉄を利用せず、タクシーやJR・名鉄など地上を走行する交通機関を利用するよう求めていた。
携帯電話技術の進展により、心臓ペースメーカー等への影響が過去のものとなったことや、2011年3月11日の東日本大震災を契機として、地下空間での通信手段の確保の必要性が認知されるようになり、通信不能とするのではなく、優先席付近での利用や車内での通話の自粛要請という形でエリア整備が進められることとなった。
2012年3月27日より、NTTドコモ・au・ソフトバンク・イーモバイル(現在のワイモバイル)の4社は、名古屋 - 今池間の東山線車内で携帯電話のサービスを開始し、2012年10月31日より東山線全線、名城線は市役所 - 金山 - 新瑞橋、桜通線は中村区役所 - 御器所までサービスを広げ、これを皮切りに順次各路線に拡大した[18]。
脚注
注釈
- ^ 路線ではないが、藤が丘工場の一部は長久手市にかかる。
- ^ 開業時は5時30分から23時30分までの運行であった。1968年4月から0時00分まで、1978年8月より0時30分まで延長されている。ただし鶴舞線は1977年の開業時から2003年3月まで0時00分までの運行であった。 - 『開業30周年 地下鉄資料集』名古屋市交通局、1987年 、p162-169(年表)
- ^ 本来の最終である名古屋駅0時07分発星ヶ丘行と、同じく0時20発岩塚行は、それぞれ藤が丘行、高畑行に変更される。この便の後に2本の増便が行われている。
- ^ 鶴舞線3000形は2023年3月を最後に営業運転を終了し、形式消滅する予定。
- ^ 2011年3月26日までは緑区にも駅がなかったが、桜通線が徳重駅まで開業して、緑区内に初めて駅ができた。また、守山区では、いわゆる「地下鉄」というものはないが、名古屋圏高速鉄道に関する1992年の運輸政策審議会答申における志段味線が名古屋ガイドウェイバス(ゆとりーとライン)として整備されたほか、名鉄瀬戸線の栄町乗り入れなどが1972年の都市交通審議会答申において9号線に位置付けられて整備された。
出典
- ^ 大須賀広郷、田川輝紀、小川金治『日本の私鉄 (20) 名古屋市営地下鉄』保育社〈カラーブックス (586)〉、1982年11月1日、65頁。ISBN 9784586505869。
- ^ a b 建設省十五年小史, 建設広報協議会, (1963年10月1日)
- ^ 交通局 1952b, p. 103.
- ^ 交通局 1952b, pp. 97–98.
- ^ 交通局 1952b, p. 98.
- ^ 交通局 1952b, pp. 98–99.
- ^ a b c d 交通局 1952b, p. 99.
- ^ 交通局 1952b, p. 97.
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p 新修名古屋市史 1998.
- ^ 中日新聞各号[要出典]、中日新聞社
- ^ “地下鉄桜通線きょう20周年 記念グッズも販売”. 中日新聞 (中日新聞社). (2009年9月10日)
- ^ “地下鉄桜通線が延伸 野並-徳重間、記念グッズに行列”. 中日新聞 (中日新聞社). (2011年3月28日)
- ^ 高速電車乗車料条例(昭和32年10月19日名古屋市条例第35号)第1条には、「本市の高速電車に乗車する者は、料金を支払い乗車券を受けなければならない。」と定められている。
- ^ “地下鉄全線24時間券の発売開始”. 名古屋市営地下鉄. 2019年6月20日閲覧。
- ^ “地下鉄全線24時間券を発売”. 交通新聞 (交通新聞社): p. 3. (2019年5月17日)
- ^ なぜ電車内に鏡? 実は合理的なその効果 - のりものニュース
- ^ 「民間委託どこまで 駅の業務、ごみ収集… 経費削減で成果/仕事の質下がる」 中日新聞、2013年4月6日付朝刊、*10版 36ページ(社会面)
- ^ キャリア4社、名古屋市営地下鉄の駅間トンネルをエリア化 - +D Mobile(2012年1月12日付)
広報資料・プレスリリースなど一次資料
- ^ 設備・車両ガイド - 名古屋市交通局
- ^ 質問9:【地下鉄建設】市営地下鉄の新たな整備計画には、どのようなものがありますか。(よくあるご質問) - 名古屋市交通局
- ^ https://web.archive.org/web/20101217234300/http://www.kotsu.city.nagoya.jp/info/2007/006523.html ICカード「マナカ(manaca)」のサービス開始日について] - 名古屋市交通局、2010年11月11日付(2010年12月17日時点のアーカイブ)
- ^ 桜通線野並・徳重間の開業について - 名古屋市交通局、2010年10月25日付(2010年11月1日時点のアーカイブ)
- ^ “市バス・地下鉄の料金改定のお知らせ”. 名古屋市交通局 (2019年9月5日). 2019年9月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年10月3日閲覧。
- ^ 2016年4月より適用対象に追加された。精神障害者への割引料金の適用について - 名古屋市交通局
- ^ 割引制度(身体障害者など)について - 名古屋市交通局
- ^ 名鉄連絡特定割引 - 名古屋市交通局
- ^ 経営健全化計画に対する取り組み状況 (PDF) (資料3) P.18 - 名古屋市交通局(2013年2月17日閲覧)
- ^ 平成28年度の決算の決算見込 - 名古屋市交通局
- ^ 計画の総括(名古屋市交通事業経営委員会 第2回資料) (PDF) P.8、P.9- 名古屋市交通局(平成17年度)
- ^ 地下鉄4号線大曽根・新瑞橋間整備事業事後評価(平成20年度) (PDF) - 名古屋市交通局
- ^ 名古屋市交通事業経営健全化検討委員会第3回資料 p.32 - 名古屋市交通局
- ^ 名古屋市交通局広告への抗議について - ウィルコム、2006年5月9日付
- ^ 名古屋市交通局からの回答について - ウィルコム、2006年5月11日付
参考文献
- 名古屋市交通局 編 編『市営三十年史』 後編、名古屋市交通局、1952年。
- 新修名古屋市史編集委員会 編 編『新修名古屋市史』 第7巻、名古屋市、1998年3月31日。全国書誌番号:99042350。
関連項目
- 地下鉄
- 日本の地下鉄
- 名古屋地下鉄道
- なごや地下鉄ガイド - 名古屋市交通局が協力しているタブロイド情報紙。
- SUPER BELL"Z - 走行音やアナウンスをモチーフにした楽曲がCDアルバムに収録されている。
- 中学生日記 - 2000年以降のシリーズで、登場する教諭の名前が名古屋市営地下鉄の駅名にちなんでいた。
外部リンク
- 名古屋市交通局(公式サイト)
- 『プロジェクト紀行 地下鉄が変えた街 -なごや地下鉄建設の物語-』(一社)日本電気協会中部支部