吉田克己

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

吉田 克己(よしだ かつみ、1949年1月1日[1]- )は、日本法学者。専門は民法北海道大学名誉教授。早稲田大学大学院法務研究科教授。学位は、博士(法学)東京大学・1998年)。元民主主義科学者協会法律部会理事[2]

来歴・人物[編集]

茨城県龍ケ崎市出身。東京大学法学部卒。稲本洋之助の弟子。新潟大学法学部助教授、教授、北海道大学教授、北海道大学出版会理事長、北海道大学大学院法学研究科長(法学部長)を歴任。

土地法の研究にはじまり、家族と法,特に高齢化社会における民法理論、現代社会の構造変化に伴う民法理論の変化などについて研究行う。近年では、「公」と「私」を峻別した近代法のパラダイムを批判的に再検討し、公正な競争秩序や良好な自然環境、都市環境を確保するためには行政機関や市町村だけでなく、市民が能動的な役割を果たす「公私協働」が重要であるとし、新たな実定法パラダイムの構築に関する研究を行う。その研究成果の一部は、「環境秩序と公私協働」「競争秩序と公私協働」(北海道大学出版会、2011年)で紐解くことができる。

また、4年間にわたるフランス留学を経ており、フランス法への造詣も深い。そのためフランス語文献の翻訳も多数手掛るほか、パリ第13大学教授のムスタファ・メキとの編著書がある。

経歴[編集]

略歴は以下のとおり[3]

学歴[編集]

職歴[編集]

学界以外の社会的活動[編集]

主要著書[編集]

  • 『フランス住宅法の形成――住宅をめぐる国家・契約・所有権――』(東京大学出版会
  • 『現代市民社会と民法学』(日本評論社
  • 『市場・人格と民法学』(北海道大学出版会
  • 『環境秩序と公私協働』(北海道大学出版会)
  • 『競争秩序と公私協働』(北海道大学出版会)
  • 『人権宣言と日本―フランス革命200年記念』(共編著、勁草書房
  • 『現代の都市法--ドイツ、フランス、イギリス、アメリカ』(共編著、東京大学出版会
  • 『高齢者介護と家族――民法と社会保障法の接点』(共編著、信山社
  • 『効率性と法,損害概念の変容 -- 多元分散型統御を目指してフランスと対話する』(共編著、有斐閣
  • 『財の多様化と民法学』(共編著、商事法務
  • 『環境と契約』(共編著、成文堂

脚注[編集]

  1. ^ 環境秩序と公私協働 大学出版部協会
  2. ^ 民主主義科学者協会法律部会(民科)役員名簿・第24期(2014年11月~2017年10月)
  3. ^ 池田清治「吉田克己教授の経歴と業績」『北大法学論集』第62巻第6号、北海道大学大学院法学研究科、2012年、1503-1549頁、ISSN 0385-5953NAID 40019298937 
  4. ^ 村松法律事務所

外部リンク[編集]