吉本印天然素材
吉本印天然素材(よしもとじるしてんねんそざい)は、1991年9月に吉本興業所属の若手芸人たちで結成された、ダンスとお笑いをミックスしたユニット。略称「天然素材」「天素」(てんそ)。1999年に解散したが、出身芸人たちのブレイクから、近年[いつ?]再び注目を集めている。
かつてのメンバー
- 雨上がり決死隊(宮迫博之・蛍原徹) - 1996年まで参加
- ナインティナイン(岡村隆史・矢部浩之) - 1994年まで参加
- FUJIWARA(藤本敏史・原西孝幸)
- バッファロー吾郎(木村明浩・竹若元博)
- チュパチャップス(星田英利・宮川大輔) - 現在は解散
- へびいちご(島川学・高橋智)
初期に脱退
概要
- 何をやっても客が笑わない心斎橋筋2丁目劇場にてぜんじろうが「こんなにおもろいのに笑わない、客は死ね!」と楽屋で毒づく芸人ユニットとして「しねしね団」を結成。『怒涛のくるくるシアター』でテレビデビューし、番組内で集団コントを披露した。だが、ひたすらおもしろい事を追求したいメンバーと、アイドル芸人として売り出したい吉本興業との間に軋轢もあり、ぜんじろうは脱退させられ、ダンスもできるアイドル芸人ユニット「吉本印天然素材」として売りだされる。
- 初期段階でTEAM-0と石野が脱退し、6組12人のグループとして活動。現在「元天然素材メンバー」として扱われるのがこの12人である。
- しねしね団の傘下には「アパッチ予備軍」という集団も存在した[1]。
- 大阪芸人でありながら主に東京で活動。日本テレビと中京テレビでは、火曜深夜に『吉本印天然素材』という同名の冠番組が放送されていた。これは1993年3月に一旦終了したが、それから半年後に日曜夕方枠で復活し、ナインティナインの冠番組『ぐるぐるナインティナイン』の前身となった。イベントで後楽園ホールを満員にするなど、若い女性を中心にアイドル的人気があった。当時世界的にヒットしたテクノユニット・2 アンリミテッドの曲「No Limit」がテーマ曲のように使われていた。また、この番組には吉本の地方事務所所属芸人の出演コーナーもあり、現・スピードワゴンの井戸田潤が当時組んでいたマグニチュードも名古屋吉本代表として出演していた。
- 主に振り付けを担当していたのは、後にモーニング娘。ほかハロー!プロジェクトの楽曲の振り付けを担当して有名になった夏まゆみである。
- ダンスでは、ブレイクダンス経験のある岡村の実力が突出していた。その次にダンスの上手かった宮迫、宮川、竹若の3人が岡村とともにセンターメンバーを務め、他のメンバーはバックダンサー扱いであった。しかし、お笑い芸人として吉本に所属するメンバーとしては、ダンスを踊るアイドルユニットの方針に抵抗を示した者も多く、岡村は私情による反抗心で夏に接しており、矢部に至ってはダンスの才能もなければやる気もなく、さらに稽古中に他のメンバーにちょっかいを出したりと、最悪の問題児であった。そんな矢部に耐えられなくなった夏は、「私のために踊ってよ!」と怒りを表すが、矢部は「お前のために踊っとるんちゃうわボケ!!」と罵倒、号泣した夏は稽古場から帰ってしまった。その後矢部は、周りのメンバーからこってり絞られた。その後、2001年の『めちゃ×2イケてるッ!』の特番において、ナインティナインと夏は和解を果たした。
- 当時は、雨上がり決死隊やFUJIWARAの人気が高かった。しかし、ナインティナインが単独で仕事する機会が増えるにつれて、活動は縮小。1994年にナイナイが、1996年には雨上がりがそれぞれ脱退。雨上がりの脱退後は、ユニット名を「天然劇場」に改名するも、人気が下降したため、1999年に解散。なお、過去の活動や解散などについて紹介されるときは、「天然劇場」ではなく「天然素材」の名称が使われている。
- 1999年の解散から年月を経ているが、コンビ解散はあるものの、引退したメンバーは軌保(元TEAM-0)のみという珍しいケースである(軌保は一応ではあるが、芸能界に復帰している)。
その後
- 雨上がり決死隊
- 脱退後も東京で活動するが、愛知のテレビ番組へ出演が増え、宮迫曰く「どん底の生活」を過ごす。
- 2000年頃から『エブナイ』など全国ネットの番組に出演するようになり、現在では冠番組『アメトーーク!』を持つなど、売れっ子となる。
- また、宮迫は俳優業でも活躍している。蛍原もローカルで長年単独のレギュラー番組をいくつか持っていた。
- ナインティナイン
- 脱退後も『ねるとん紅鯨団』『ジャングルTV 〜タモリの法則〜』出演を皮切りに急速に全国ネットの番組に多数出演し、ゴールデンタイムのレギュラー番組を多数持つ売れっ子となる。
- FUJIWARAの2人は、「天素で売れて浮かれていた自分たちと比べて、ナインティナインの2人はすごく冷静に自分たちを客観視できていた」などと述べている。
- FUJIWARA
- 解散後は主に関西で活動。1997年から出演した『吉本超合金』が人気となり、1999年にはbaseよしもとの主力メンバーに。これらが追い風となって関西を中心に再び人気を集め、2003年頃から再び東京へ進出した。
- 原西は「一発ギャグマシーン」、藤本は「ガヤ芸人」など呼ばれ、バラエティ番組に多数出演している。
- バッファロー吾郎
- 解散後は主に関西で活動。後にbaseよしもとの主力メンバーとして活躍し、数々のイベントをプロデュースする。
- 「バッファローファミリー」と呼ばれる、劇場やテレビで活躍する機会に恵まれない個性的な若手芸人たちを発掘・サポートし、人気芸人に育てる。
- 第1回の『キングオブコント2008』に優勝し、全国ネットの番組に出演する機会も増えている。
- チュパチャップス
- 解散後も東京で活動するが、方向性の違いから1999年にコンビ解散。
- 星田はピン芸人「ほっしゃん。」として活躍、第3回『R-1ぐらんぷり2005』優勝を果たす。
- 宮川は主に舞台役者の仕事をしていたが、2001年の新喜劇出演から芸人復帰。タレント、俳優として、相方以上に活躍している。
- 解散後にそれぞれが全国区のタレントとなったため、2人が共演する機会も多い。
- なお、「ほっしゃん。」は2014年に本名の「星田英利」名義に戻している。
- へびいちご
- 解散後は主に関西で活動。ルミネtheよしもとやうめだ花月のステージ出演を中心に、関西でのローカルな活動に専念しているが、テレビやラジオへの出演はほとんどと言っていいほど無く、天素のメンバーの中ではダントツで知名度が低い。
- 高橋は岡村との親交が深く、全国放送である『ナインティナインのオールナイトニッポン』において、岡村が「一緒に沖縄に行った」などと話題に挙げることがある。
- 全国ネットでの天然素材メンバーの集まる番組には出演していない。『めちゃ²イケてるッ!』のコーナーの「恋のかま騒ぎ」に唯一出演していない天然素材メンバーである。
- ただし、吉本興業の100周年記念イベントの舞台では何度か重要な役を演じており、その結果、関西や東京を含む全国番組に出演する機会が増えていった。高橋は『オールナイトニッポン』の収録に参加したり、上記の舞台の宣伝に訪れたりしていた。
- しかし、『FNS27時間テレビ めちゃ²ピンチってるッ! 1億2500万人の本気になれなきゃテレビじゃないじゃ〜ん!!』のコーナー「テレビのピンチをチャンスに変えるライブ」にて約16年ぶりに天然素材の一員として復活した。
その他
- 同じく吉本興業所属の千原兄弟も天素のオーディションを受けていたが、落選した。千原ジュニア曰く「FUJIWARAがいたから落とされた」とのこと。また、千原せいじは審査員に「お前ら気持ち悪いねん」と言われ、「じゃあ、なんでバッファロー吾郎入ってんねん!」と思ったと語っている。
- 後に吉本興業は「フルーツ大統領」「news」「WEST SIDE」といった複数の若手芸人によるアイドル的ユニットを送り出した。また、天然素材の人気に便乗しようとした松竹芸能は、ますだおかだ、TKO、よゐこ、のイズの4組8名で「松竹印人工素材(略称は『じんそ』)」というユニットを結成させたが、ほとんど知られることもないまま消滅した。同時期には、他に東京のお笑い系事務所4社(M2カンパニー、プライム、太田プロダクション、ワタナベエンターテインメント)が天然素材への対抗策として、「GAHAHA王国」を通じてネプチューン、海砂利水魚(現・くりぃむしちゅー)、底ぬけAIR-LINE、X-GUN、ノンキーズ、ピーピングトム、U-turnの7組16名によるお笑いユニット「東京ギャグファクトリー(略称は『T.G.F』)」を結成している。
- 過去の吉本興業における芸人ユニットには、毎日放送『ヤングおー!おー!』の中で結成された「ザ・パンダ(桂文珍、月亭八方、桂きん枝、4代目林家小染)」や「ビールス7(明石家さんま、ザ・ぼんち、西川のりお・上方よしお、B&B→島田紳助・松本竜介)」などがある。
出演
テレビ番組
- 吉本印天然素材(日本テレビ)
- 火曜 25:10 - 25:40 = 水曜 1:10 - 1:40 (1991年10月1日 - 1993年3月2日)
- 火曜 25:15 - 25:45 = 水曜 1:15 - 1:45 (1993年3月9日 - 1993年3月30日)
- 日曜 16:55 - 17:15 (1993年10月3日 - 1994年3月27日)
- ピッカピカ天然素材! (TBS、1994年10月 - 1995年3月)
- 超天然銀座(テレビ朝日、1994年4月 - 1994年9月)
- 急性吉本炎(TBSテレビ、1995年4月6日 - 1995年9月26日)
- 慢性吉本炎(TBSテレビ、1995年10月5日 - 1997年3月27日)
- BANG! BANG! BANG!(フジテレビ、1996年1月 - 9月)ナイナイ、雨上がり脱退後に出演。
- 所のジオ玉(日本テレビ、1996年 - 1997年)ナイナイ、雨上がり脱退後に出演。
- ワイドABCDE〜す(朝日放送) - 初期のみに出演。
ラジオ番組
- 吉本印天然素材のオールナイトニッポン(ニッポン放送) - 1994年3月24日(木曜) 25:00 - 27:00に放送された単発番組。同番組の放送中、あるメンバーが同年4月4日からラジオのレギュラーを担当することを告知し、後に現在まで続く長寿番組『ナインティナインのオールナイトニッポン』がスタートした。
映画
- ごんたくれ - 原作では千原兄弟をモデルにした「千河兄弟」というコンビが登場したが、千原兄弟は天然素材に参加していないため、映画版では「藤原兄弟」に変更され、キャストもFUJIWARAに変更された。現在でも藤本が「なんで同期のジュニアを演じんねん」とトークのネタにしている(正式には千原ジュニアをモデルにした役)。
CM
- マルちゃん ヌー大陸(東洋水産) - ナイナイの岡村がメイン。
- マルちゃん ラーメン横丁(東洋水産) - ナイナイの岡村がメイン。
- レーザーディスクプレーヤー(パイオニア) - メインは飽くまでもナインティナインの2人であり、その他のメンバーはオマケ扱いされていた。15秒、30秒バージョンともに共通で、ナイナイ以外のメンバーは1シーン、約2秒ほどしか出番が無い。
- はいお茶 涼水仕立て(ポッカ) - ナインティナインメインのバージョンとその他のメンバーのバージョンがある。
ビデオ
- てんそ6月号
- てんそ特別号
- てんそ満員御礼
- てんそ8月号
- てんそ○秘大作戦
- てんそ大入満員
- てんそ笑大作戦
- てんそコンビネタ
- てんそ一発逆転
- てんそ爆弾
- てんそ千客万来
- 吉本印天然素材スペシャルライブ in KORAKUEN
- 吉本印天然素材 V1 - V5
CD
写真集
- Forever Friend ship - ナインティナイン脱退後に出版。
- 吉本印天然素材 特別天然危険物
- 吉本印天然素材写真集 てんそもり!吉本印天然劇場冬の巻'94全記録
DVD
- 吉本印天然素材 DVD第一巻(吉本印天然素材スペシャルライブ in KORAKUEN、吉本印天然素材V1、V2を収録)
- 吉本印天然素材 DVD第二巻(吉本印天然素材V3、V4、V5を収録)
解散後
- ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!! (日本テレビ) - 2006年から年に1回ほどのペースで「元天然素材チームと対決しまっしょい」を放送。出演は雨上がり決死隊・FUJIWARA・星田(初期天素メンバーの山崎邦正は番組レギュラー)。
- FNS27時間テレビ (2015年) - 蛍原[4]、宮川大輔[5]、バッファロー吾郎A(木村)[6]以外のメンバー9人が集結しダンスを披露した。(なお、宮川のポジションは夏まゆみの指名で矢部が受け持った。)
スタッフ
- 構成:法島伸雄、鈴木伸幸、保谷大太
- ステージ編成:大工富明
- TD:一ノ瀬健次
- SW:竹内一也
- カメラ:南良郎
- 音声:酒井孝
- 照明:宇野淳子
- VE:三浦錦也
- デザイン:大竹潤一朗
- 美術:大野一、西村眞司、三井ことね
- 音効:今野直秀
- TK:石島加奈子
- 広報:伊藤麻江
- プロデューサー:桜田和之
- 企画・構成:谷口秀一
- ディレクター:伊藤慎一[要曖昧さ回避]、海野裕二、平島泰憲、柳井誠也
- AD:高家宏明、長島一泰、山田直樹、諏訪一三
- デスク:桜井園子
- 制作協力:日本テレビエンタープライズ
- 企画制作:日本テレビ、吉本興業
- 制作著作:日本テレビ
脚注
日本テレビ 火曜25:10枠 → 火曜25:15枠 | ||
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前番組 | 番組名 | 次番組 |
吉本印天然素材
(1991年10月1日 - 1993年3月30日) |
ビックリなべしま大サーカス!
(1993年4月6日 - 1993年9月28日) |
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日本テレビ 日曜16:55枠 | ||
ショージに目あり!
(1992年10月4日 - 1993年9月26日) |
吉本印天然素材
(1993年10月3日 - 1994年3月27日) |
ぐるぐるナインティナイン
(1994年4月10日 - 1997年3月30日) |