吉岡秀人

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吉岡 秀人(よしおか ひでと、1965年8月12日 - )は、発展途上国で無償の医療活動を続ける日本医師である。専門は小児外科。特定非営利活動法人ジャパンハート・最高顧問/ファウンダー。東北大学特任教授(客員)。

来歴・人物[編集]

大阪府吹田市出身。大阪府立千里高等学校大分医科大学(現大分大学医学部)卒。大阪、神奈川の救急病院などで勤務の後、1995年から1997年までミャンマーで活動。 その後、岡山病院小児外科、川崎医科大学小児外科講師などを経て、2003年から再びミャンマーで医療活動を再開。

2004年、国際医療ボランティア団体「ジャパンハート」設立。ミャンマーカンボジアラオス、日本で医療支援活動を行う。2020年現在も各国と日本を行き来し、途上国の貧しい人々に無償治療を続けている。治療件数は年間2万件以上。

日本帰国時には、依頼を受け講演会を多数行う。2013年より小学生を対象とした「いのちの授業」の講演活動を開始。

同団体で、「国際医療短期ボランティア」システムを確立。医療者が数日の休暇を利用し、途上国で診察・手術等の実際の医療支援を行える仕組みを実現した。現在、このシステムを活用し、ジャパンハートの海外活動地では、日本から年間のべ700人以上が医療ボランティアに参加している。

2011年、3月に発生した東日本大震災では緊急医療支援活動を行い、500名余りの医療者やボランティアを被災地に派遣した。2011年12月~2014年3月宮城県石巻市に「NPO法人ジャパンハートこども・内科クリニック」を開業し、長期にわたり医療支援活動を行った。これは震災後に宮城県が公式に診療許可を出した、ただひとつのNPO法人による診療所である。現在も、被災した子どもの「心のケア」活動及び、医療人材支援を続けている。

医療が行き届いていないアジアの貧困地域で、25年以上にわたり無償の医療支援を行い、コロナ禍の今もみずから最前線で治療を続ける「継続する力」が評価され、2021年「第69回菊池寛賞」受賞。

国際緊急救援[編集]

受賞歴[編集]

  • 2008年10月 - 第一回 自由都市・堺 平和貢献賞 奨励賞受賞
  • 2012年 4月 - 第三十八回 大山健康財団賞受賞
  • 2014年 8月 - 平成26年度 外務大臣表彰 (団体受賞)
  • 2014年 8月 - 第6回 沖縄平和賞 (団体受賞)
  • 2017年 8月-第48回 社会貢献者表彰(団体受賞)
  • 2017年10月-際69回 保健文化賞(団体受賞)
  • 2019年 第7回エクセレントNPO大賞及び市民賞 受賞
  • 2019年 第22回地球倫理推進賞(国際活動部門)、文部科学大臣賞 受賞(いずれも団体受賞)
  • 2020年 国際連合UNIATF Award 2020(2020 United Nations Inter-Agency Task Force on the Prevention and Control of Non-communicable Diseases Award)団体受賞
  • 2021年 第69回菊池寛賞受賞
  • 2021年 第5回ジャパンSDGsアワード SDGs推進副本部長(外務大臣)賞受賞(団体受賞)

出演[編集]

CM[編集]

 ※外部リンク参照

テレビ[編集]

ほか

新聞[編集]

ラジオ[編集]

著書[編集]

  • 飛べない鳥たちへ―無償無給の国際医療ボランティア「ジャパンハート」の挑戦(風媒社、2009年)
  • 死にゆく子どもを救え―途上国医療現場の日記(冨山房インターナショナル、2009年)
  • 命を燃やせ〜いま、世界はあなたの勇気を待っている(講談社、2012年)
  • 1度きりの人生だから絶対に後悔したくない! だけど、まわりの目が怖くて、なかなか動けない。そんな20代の君が1歩を踏み出す50のコトバ (すばる舎リンゲージ、2012年)
  • 救う力〜人のために、自分のために、いまあなたができること(廣済堂出版、2014年)
  • 折れない、迷わない、勇気がわく、タフに生きる言葉(三笠書房王様文庫、2015年)
  • 最後の講義 完全版 𠮷岡秀人 人のために生きることは自分のために生きること( 主婦の友社 、2022年) 

脚注[編集]

外部リンク[編集]