半紙

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半紙(はんし)とは、和紙寸法事実上の標準規格であり、現在では横25cm程度、縦35cm程度に裁断されている。もともとは大判の杉原紙(全紙)を半分に切って用いた事から、この名がある。

平安時代の「延喜式」の細則に和紙の規格の記載があり、その寸法は、横二(70cm)、縦一尺三寸(39cm)でありそれを半分に切って使ったことからこのように呼ぶようになった。江戸時代には専ら包装用に用いられ、明治時代から習字に用いるようになった。これを更に半分に裁ち(半裁。全紙の1/4になる)、二つ折りにしたものが、力水を吐き出す際に使う「力紙」。

現在では、毛筆習字用に文房具として大量生産されており、最初からこの大きさで漉かれている。もっとも最初からこの大きさ=半紙規格で作られるのは半紙の極々一部「手漉半紙うちの一枚漉き」だけである。この一枚漉き手漉半紙が通常の半紙販路で流通することは稀、と言うよりほとんどない。これ以外の半紙のまず全てが、それが手漉であれば「4丁とり」「6丁とり」等と呼ばれる半紙「4枚」、「6枚」大の寸法で製紙され、製紙の後半紙判に裁断される。機械で漉く半紙は巾も1800mmと広いロール状で製紙され半紙に裁断する。同一性質の半紙でも需要等の状況により製紙されるロールの太さ=半紙の枚数は異なるが、文具ルートや書道ルートの販路に流通する半紙は平均で40万枚程度が一回の製紙で作られる。

B版も元が和紙の規格であるため、B4用紙(257×364)は半紙と同じ大きさである。(⇒B4判は書で通常用いられる半紙の規格ではない。書道で使用される半紙は243×333mmであり、この規格が書道・習字の半紙のほぼ全てを占める。B4判257×364mmに近い規格の紙で書で使用するものに「半懐紙 約250×360mm」がある。半懐紙は一般的に多用される書の半紙とは一線を引き「仮名書道」を主対象として作られる料紙の規格のひとつである。

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