包帯

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弾性包帯
包帯法の一、麦穂帯を大腿部に施している(古代ギリシャ)
上はアマチュアボクシング用のバンデージ
上はアマチュアボクシング用のバンデージ

包帯(ほうたい、: bandage: Bandage)は、出血などの箇所に、包帯での圧迫によって出血を止めたり、吸水性の高い綿で血や膿などを吸収させたり、あるいは清潔を保つために当てる保護ガーゼを固定するガーゼ生地の布である。繃帯(繃は、つかねる、まく、つつむの意)とも表記される。

用途

包帯には適度の厚みと幅が必要である。や出血箇所を清潔を保つための保護ガーゼを固定したりする他、患部に巻いて固定し、その安静を保ったり、負傷したを吊ったり、あるいは骨折部分に添えられた副子(添え木、シーネ。アルミニウム合金表面を発泡ポリウレタンで覆ったアルミシーネの他、樹脂製シーネ、プラスチック製シーネなど)を固定したりするなどその使用法はさまざまである。また関節部分には、伸縮性のあるネット状のものを使用することもある。これも一見ただのネットのように見えるが、包帯の一種である。これは頭部の負傷にも用いられる。

包帯法

救急医療の場面では、三角巾を巻軸包帯の代わりにさまざまな折りたたみ方で、圧迫止血材、吊り具、頭部の保護などに用いる。その基底にあるべきものとして、創傷捻挫、骨折などの傷病治療のために患部に各種衛生材料、各種器具類を装着する手技、方法を包帯法と呼び、日本赤十字社が救急法の講習で指導しているものが広く普及している。その主な目的は次の2つである。

  1. 患部の被覆、保護、圧迫。すなわち汚染、外力から創部を保護し、腫脹、出血部についてはこれを圧迫する。
  2. 患部の固定、支持、牽引。すなわち捻挫、脱臼、骨折を安定化させ、疼痛を緩和させる。

上記1のための包帯法としては、材料に巻軸帯、布はく帯、弾性巻軸帯、絆創膏帯を用い、手技では四肢に環行帯、蛇行帯、らせん帯(走行帯)、折転帯を、関節部に8字帯を用いる。この特殊型にヒポクラテス帽子帯、眼帯、提乳帯がある。三角巾、四角巾などによる布はく帯は全身に用い、巻軸帯としても応用される。この特殊型には腹帯T字帯、スカルテタス帯、多尾帯がある。

上記2のための代表的な包帯法としてはギプス包帯、副子包帯が挙げられる。この特殊型にコルセット、頚部固定カラー、クラビクルバンドがある[1]

基本包帯法としては、環行帯、螺旋帯、折転帯、亀甲帯、麦穂帯がある。

格闘技での使用

格闘技や激しいぶつかりあいのあるスポーツなどでも、負傷を防いだり、既に軽度の負傷がある場合にも、その部位を保護するために伸縮性のある弾性包帯をバンデージ、ハンドラップとして使用することがある。サポーターテーピングと軌を一にするものである。

プロボクシングの公式試合においては、バンデージには片方の手につき幅2インチ(5.1cm)、長さ10ヤード(9.14m)未満の柔らかい布を使用し、これを控室でインスペクター同席の下に着け、その内部に何も巻きこんではならず、またナックルパート以外であれば、安定させるために片方の手につき幅1インチ(2.5cm)、長さ6フィート(1.83m)の工業用以外の粘着性テープを使用してもよいと規定されている。JBCの定めたこのルールに違反した場合にはサスペンション、罰金などの処分を受ける(JBCルール第2部第15章)。グローブを外した後のバンデージに黒の油性フェルトペンで何か書かれているのを見る事があるが、これはインスペクターによる封印のサインである。一旦巻かれた後で剥がされると書かれたものもずれるのですぐに発覚する。

日本の包帯

ガーゼが少なかった為、代用品としてを元にして作られたのが始まりである。そのため2裂・3裂・4裂など、晒を複数に裂いたものが今でも製品名として使用されている。昨今は安価で目の荒い包帯が使用されているが、固定を主眼にするのであればその効果は薄い。

包帯の種類

  • 巻軸包帯
  • 弾性包帯(伸縮性包帯)
  • 救急絆創膏
  • 三角巾
  • ネット包帯
  • ギプス包帯

関連項目

参考文献

  1. ^ 包帯法関連部分:『南山堂 医学大辞典』 南山堂 2006年3月10日発行 ISBN 978-4-525-01029-4