加瀬亮

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かせ りょう
加瀬 亮
加瀬 亮
生年月日 (1974-11-09) 1974年11月9日(49歳)
出生地 日本の旗 日本神奈川県横浜市
国籍 日本の旗 日本
身長 174 cm
血液型 B型
職業 俳優
ジャンル 映画テレビドラマ
活動期間 2000年 -
著名な家族 父:加瀬豊
事務所 RYO KASE OFFICE
公式サイト RYO KASE OFFICE
主な作品
映画
アンテナ
ハチミツとクローバー
それでもボクはやってない
スカイ・クロラ The Sky Crawlers
重力ピエロ
アウトレイジ』シリーズ
インスタント沼
劇場版 SPEC』シリーズ
旅のおわり世界のはじまり

海外映画
硫黄島からの手紙
ライク・サムワン・イン・ラブ
沈黙 -サイレンス-
MINAMATA-ミナマタ-
テレビドラマ
抱きしめたい
ありふれた奇跡
SPEC〜警視庁公安部公安第五課 未詳事件特別対策係事件簿〜』シリーズ
 
受賞
日本アカデミー賞
優秀主演男優賞
2007年それでもボクはやってない
優秀助演男優賞
2023年
ブルーリボン賞
主演男優賞
2007年『それでもボクはやってない』
その他の賞
日本映画プロフェッショナル大賞
主演男優賞

2004年アンテナ
2007年『それでもボクはやってない』
キネマ旬報ベスト・テン
主演男優賞
2007年『それでもボクはやってない』
報知映画賞
主演男優賞
2007年『それでもボクはやってない』
ヨコハマ映画祭
主演男優賞
2007年『それでもボクはやってない』
高崎映画祭
最優秀助演男優賞
2007年花よりもなほ
毎日映画コンクール
男優助演賞
2012年アウトレイジ ビヨンド
TAMA映画祭
最優秀作品賞
2015年海街diary
特別賞
2013年はじまりのみち
2018年モリのいる場所
アジア・フィルム・アワード
最優秀助演男優賞
2019年旅のおわり世界のはじまり
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加瀬 亮(かせ りょう、1974年11月9日 - )は、日本俳優アノレ所属後、2018年に個人事務所RYO KASE OFFICEを設立。身長174cm

来歴[編集]

生い立ち[編集]

加瀬豊(当時は日商岩井勤務、のちに双日代表取締役社長・会長を歴任)の長男として生まれる[1][2][3]神奈川県横浜市出身だが、父親の仕事の都合により、生後まもなく渡米。7歳までの約7年間をアメリカ合衆国ワシントン州ベルビュー市(City of Bellevue)で過ごす。

中央大学商学部に進学。大学時代は、4年間ボードセイリングウィンドサーフィン)部に所属[4]

先輩の出ている舞台に誘われ、そこで生まれて初めて見た芝居の面白さに惹かれたのをきっかけとして役者を志すようになり、大学卒業前に突然「役者になりたい」と父に告げたところ大反対され、喧嘩になり家を出た[5]。そのため、父とはしばらく疎遠になり、代わりに母が時々電話をしてきたという[5]

俳優として[編集]

映画『PiCNiC』『FRIED DRAGON FISH』を見て俳優・浅野忠信に憧れ、彼の所属事務所であるアノレに手紙を送って、大学を中退後1998年に同事務所所属となった[6][7]

CNNの「まだ世界的に名前は売れていないが、演技力のある日本の俳優7人」の一人に選ばれた[8]

浅野の付き人からスタートし1年間経験後、『バトル・ロワイアル』などの現場に製作スタッフとして参加しながら[9]、2000年に映画『五条霊戦記』(石井聰亙監督)でスクリーンデビュー。以降、映画を中心に活動を続ける。

行定勲監督『ロックンロールミシン』、黒沢清監督『』、森崎東監督『ニワトリはハダシだ』、周防正行監督『それでもボクはやってない』、山田洋次監督『おとうと』、北野武監督の『アウトレイジ』などの日本映画をはじめ、クリント・イーストウッド監督の『硫黄島からの手紙』、ミシェル・ゴンドリー監督『TOKYO! インテリア・デザイン』、ガス・ヴァン・サント監督『永遠の僕たち』、アッバス・キアロスタミ監督の『ライク・サムワン・イン・ラブ』など、海外の監督作品へも積極的に出演している。

出演する映画のジャンルは不特定であるが、本人は「小さな映画」「パーソナルな映画」を大切にしたいと語っている[10]

映画に対する思い入れは強く、「世界感覚」を変えたと語る監督にジョン・カサヴェテスビクトル・エリセ相米慎二を挙げ、映画との「出会い」はカサヴェテスの『こわれゆく女』、エドワード・ヤンの『牯嶺街少年殺人事件』であったという[11]

映画監督の李相日は、「草食系」で、はにかみ屋の印象を持たれているが、それらと同時にハプニングを楽しむ破壊衝動をあわせ持つ「肉食系」の二面性を持っていると語る。また、芝居に対しては演出の意図以上の深い解釈を提示し、2010年代に入っては監督との意見の食い違いも取り込める幅の太さを身に付けてきていると評した[12]

テレビドラマ『SPEC〜警視庁公安部公安第五課 未詳事件特別対策係事件簿〜』(2010年 - )に出演した影響から、2020年9月に行われ、300人が投票に参加した「坊主頭が似合う俳優ランキング」では、市川海老蔵市原隼人らを凌ぎ1位を獲得した[13]

略歴[編集]

  • 1997年 - 演技を学び始める。当時は舞台に出演。
  • 1998年 - 映画『白痴』(手塚眞監督)、『孔雀 KUJAKU』(クリストファー・ドイル監督)などの現場に参加。『地雷を踏んだらサヨウナラ』(五十嵐匠監督)ではアシスタントを担当。
  • 2000年 - 映画『五条霊戦記』(石井聰亙監督)でデビュー。
  • 2003年 - 映画『アンテナ』(熊切和嘉監督)で初主演。
  • 2005年 - 映画『about love アバウト・ラブ/関於愛』で初めて日本国外の監督作品に出演。
  • 2006年 - 映画『パッセンジャー』『硫黄島からの手紙』など、国外作品への出演が相次ぐ。
  • 2007年 - 映画『それでもボクはやってない』(周防正行監督)での演技により、ブルーリボン賞キネマ旬報などの映画賞を多数受賞。
  • 2009年 - フジテレビ系ドラマ『ありふれた奇跡』で連続ドラマ初出演。仲間由紀恵とW主演。
  • 2011年 - 映画『永遠の僕たち』(原題:Restless)に出演(制作は2009年)。全編英語での演技による映画出演は初めて。
  • 2012年 - 映画『劇場版 SPEC〜天〜』がそれまでの主演映画としては最大のヒット作となる。5月、映画『ライク・サムワン・イン・ラブ』出品のためカンヌ国際映画祭(第65回)に初の出席を果たす[10]
  • 2013年 - 前年度出演の『アウトレイジ ビヨンド』の石原秀人役で第67回毎日映画コンクール男優助演賞を受賞[14]
  • 2014年 - 主演した韓国映画『自由が丘で』が韓国映画誌cine21で「2014年韓国映画第1位」となり、本人も「今年の俳優」として選出された[15]

受賞[編集]

出演作品[編集]

日本映画[編集]

日本以外の映画[編集]

複数国の合作映画を含む。

テレビドラマ[編集]

CM[編集]

舞台[編集]

ミュージックビデオ[編集]

音楽作品[編集]

ナレーション[編集]

書籍[編集]


脚注[編集]

出典[編集]

  1. ^ 小谷真生子のKANDA報知映画賞N:双日・加瀬豊社長(後編)”. BSジャパン (2008年9月21日). 2011年9月13日閲覧。
  2. ^ 河野圭祐「シリーズ経営戦記 加瀬豊」『BOSS』、経営塾、2007年6月、82-85頁。 
  3. ^ “〔七転八起〕双日社長加瀬豊氏 経営統合作業に奔走” (日本語). 読売新聞 (読売新聞社): p. 9. (2008年9月1日) 
  4. ^ INLIFE 男の履歴書DX 「加瀬 亮」、2013年6月20日閲覧。
  5. ^ a b “黙って見守ってくれる母…加瀬亮さん”. YOMIURI ONLINE (読売新聞社). (2013年6月4日). https://web.archive.org/web/20160623233042/http://www.yomiuri.co.jp/komachi/special/feature/CO006040/20140530-OYT8T50107.html 2016年5月27日閲覧。 
  6. ^ 金原由佳「特集・加瀬亮 包囲:ロングインタビュー 加瀬亮」『キネマ旬報』第1468号(2006年10月上旬特別号)、キネマ旬報社、30頁。 
  7. ^ 日本経済新聞2012年7月23日夕刊 加瀬豊 あすへの話題
  8. ^ Japanese actors who can actually act”. CNN Travel. CNN (2010年3月25日). 2016年6月27日閲覧。
  9. ^ 横森文「特集・それでもボクはやってない:加瀬亮インタビュー」『キネマ旬報』第1476号(2007年2月上旬号)、キネマ旬報社、33頁。 
  10. ^ a b 高松美由紀 (2012年5月24日). “加瀬亮に初カンヌの地で単独インタビュー! デビューから大切にしてきた「パーソナルな映画」への思い【第65回カンヌ国際映画祭】”. シネマトゥデイ. 2012年5月24日閲覧。
  11. ^ 川口, 敦子「ロングインタビュー 加瀬亮 世界をまるごと捉えたい」『キネマ旬報 2012年1月上旬号』第1601号、キネマ旬報社、2012年、28-35頁、2013年1月31日閲覧 
  12. ^ この段落の出典。久保, 玲子「好奇と探求と インタビュー 李相日」『キネマ旬報 2012年1月上旬号』第1601号、キネマ旬報社、2012年、38-39頁、2013年1月31日閲覧 
  13. ^ 300人に聞いた!坊主頭似合うと思う俳優ランキングベスト14!”. TVマガ (2020年9月6日). 2021年2月19日閲覧。
  14. ^ 鈴木隆; 広瀬登 (2013年1月18日). “毎日映画コンクール:大賞は「終の信託」”. 毎日jp. 毎日新聞社. pp. 1-2. 2013年1月18日閲覧。
  15. ^ “加瀬亮、韓国誌で「今年の俳優」に 外国人初の快挙!”. シネマトゥデイ. (2014年12月25日). https://www.cinematoday.jp/news/N0069385 2014年12月26日閲覧。 
  16. ^ 『第47回 日本アカデミー賞』受賞者・作品発表 授賞式司会は羽鳥慎一、岸井ゆきの【コメント全文】”. ORICON NEWS. oricon ME (2024年1月25日). 2024年1月25日閲覧。
  17. ^ “高畑充希、松居大悟監督作に出演 難役に「なんとか乗り切れた」”. ORICON STYLE. (2016年7月4日). https://www.oricon.co.jp/news/2074473/full/?ref_cd=tw 2016年7月4日閲覧。 
  18. ^ 加瀬亮主演×柄本佑監督『ムーンライト下落合』11月1週間限定公開!、(2017年10月5日)、シネマトゥデイ、2018年1月3日閲覧。
  19. ^ 映画『首』作品情報”. 映画.com. エイガ・ドット・コム (2023年10月19日). 2023年10月19日閲覧。
  20. ^ 加瀬亮主演、ホン・サンス「自由が丘8丁目」ベネチア映画祭オリゾンティ部門出品(2014年7月25日)、映画.com、2014年7月25日閲覧。
  21. ^ 映画『自由が丘で』、2014年9月5日閲覧。
  22. ^ オダギリジョーのおかっぱ頭!?仏が愛した画家・藤田嗣治演じる『FOUJITA』11月に公開”. シネマトゥデイ (2015年6月10日). 2015年10月8日閲覧。
  23. ^ 遠藤周作の「沈黙」を映画化するM・スコセッシ、台湾でクランクアップ”. 映画ナタリー (2015年5月7日). 2015年11月14日閲覧。
  24. ^ “ジュリアン・ムーア、渡辺謙、加瀬亮が夢の競演!「ベル・カント」11月15日公開決定”. 映画.com. (2019年8月21日). https://eiga.com/news/20190821/7/ 2019年8月21日閲覧。 
  25. ^ “ジョニー・デップ主演映画『Minamata』に美波、真田広之、浅野忠信、加瀬亮、國村隼の出演が決定”. THE RIVER. (2019年2月1日). https://theriver.jp/minamata-first-look/ 2019年11月23日閲覧。 
  26. ^ 入倉功一 (2014年4月3日). “小泉今日子、年下の元カレ役に加瀬亮!「最後から二番目の恋」にハセキョーら新キャスト”. シネマトゥデイ. 2014年4月3日閲覧。
  27. ^ 加瀬亮と戸田恵梨香が獣医役で共演、殺処分の現実を描くドラマW「この街の命に」”. 映画ナタリー (2016年2月19日). 2016年2月19日閲覧。
  28. ^ CMギャラリー、明治ヨーグルトR-1ブランドサイト、2015年1月26日閲覧。
  29. ^ 〜「角ハイボール」新TV-CM〜 新イメージキャラクターに井川遥さん『いらっしゃいませ』篇 2月7日(金)オンエア開始 2014.1.29 ニュースリリース(2014年1月29日)、サントリー酒類、2015年1月26日閲覧。
  30. ^ 角ハイボール 角瓶 サントリー、サントリー、2015年1月26日閲覧。
  31. ^ 「日常を変えるのが科学なんだ。」、島津製作所、2015年1月26日閲覧。
  32. ^ ゼニア メイド イン ジャパン メンズウェア リミテッドエディション セレクション、エルメネジルド ゼニア(日本語)、2015年10月8日閲覧。
  33. ^ ホンマタカシや加瀬亮に聞く「エルメネジルド ゼニア」が描く「ニューリーダーシップジェネレーション」像(2015年9月7日)、WWDjapan.com、2015年10月8日閲覧。
  34. ^ OLAibiアルバムに高木正勝、カヒミ、加瀬亮、ハナレグミ(2012年9月21日)、音楽ナタリー、2016年6月14日閲覧。
  35. ^ 松本隆「風街でよむ」に山田孝之、有村架純、小泉今日子、斉藤由貴ら17組(2015年5月22日)、音楽ナタリー、2016年6月14日閲覧。
  36. ^ "シリーズ宮沢賢治 久遠の宇宙に生きる (1)「法華経」との出会い". NHK. 2023年4月23日. 2023年4月16日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年4月16日閲覧

外部リンク[編集]