前田耕作

前田 耕作（まえだ こうさく、1933年 - ）は、日本のアジア文化研究者。アフガニスタン文化研究所所長・和光大学名誉教授。三重県出身。

略歴

• 1957年、名古屋大学文学部哲学科卒業。美学・美術史学専攻。
• 1964年、名古屋大学アフガニスタン学術調査団の一員として初めてバーミヤンを訪れる。以後アジア・オリエント諸地域においてフィールドワークを行う。
• 1975年より和光大学教授（アジア文化史・思想史）。
• 2003年3月、和光大学退職し名誉教授。
• 2003年7月に開始された、ユネスコ日本信託基金に基づくバーミヤン遺跡の保存・修復の事業に参加。
• 長年にわたりイラン・アフガニスタン地域（バクトリア）での発掘調査・文化研究を進める。
• 翻訳書も多く出版に関与し、フランスの言語学者エミール・バンヴェニスト『インド＝ヨーロッパ諸制度語彙集』の翻訳監修により、日本翻訳出版文化賞（1987年度・第23回）を受賞した。

役職

• ユネスコ・アフガニスタン文化遺産保護国際調整委員
• 平山郁夫シルクロード美術館理事
• 日本・アフガニスタン協会理事
• 日中文化交流協会理事
• 学校法人和光学園理事
• 古代オリエント博物館評議員

著書

• 『巨像の風景　インド古道に立つ大仏たち』　中公新書　1986年
• 『バクトリア王国の興亡　ヘレニズムと仏教の交流の原点』　第三文明社［レグルス文庫］　1992年
• 『宗祖ゾロアスター』　ちくま新書　1997年／ちくま学芸文庫　2003年
• 『ディアナの森　ユーロアジア歴史紀行』　せりか書房　1998年
• 『アフガニスタンの仏教遺跡バーミヤン』　晶文社　2002年
• 『アジアの原像　歴史はヘロドトスとともに』　日本放送出版協会［NHKブックス］　2003年
• 『玄奘三蔵、シルクロードを行く』　岩波新書　2010年
• 『アフガニスタンを想う　往還半世紀』　明石書店　2010年
• 『パラムナード　知の痕跡を求めて』　せりか書房　2014年

訳書・監修

• エミール・バンヴェニスト　『インド＝ヨーロッパ諸制度語彙集』（監修）、言叢社（全2巻）、1987年
• エミール・バンヴェニスト、ゲラルド・ニョリ　『ゾロアスター教論考』（監訳）、平凡社東洋文庫、1996年、ワイド版2009年
• 『デュメジル・コレクション』（監訳・解説）、ちくま学芸文庫（全4巻）、2001年
• ガストン・バシュラール　『火の精神分析』　せりか書房、新装版刊
• ミルチャ・エリアーデ　『イメージとシンボル』　せりか書房、同上
• ミルチャ・エリアーデ　『宗教の歴史と意味』　せりか書房、同上
• アルフレッド・フーシェ　『ガンダーラ考古游記』（監修・解説）　同朋舎、1988年
• レナード・コットレル　『エーゲ文明への道　シュリーマンとエヴァンズの発掘物語』（監修、暮田愛訳） 原書房、1992年　
• レナード・コットレル 『図説 ツタンカーメン発掘秘史』（監修、暮田愛訳） 原書房、2012年
• ステュワート・ペローン　『ローマ皇帝　ハドリアヌス』（監修、暮田愛訳） 河出書房新社、2001年
• フランシーヌ・ティッソ　『図説 ガンダーラ　異文化交流地域の生活と風俗』（監修） 東京美術、1993年　
• ヴィレム・フォーヘルサング　『アフガニスタンの歴史と文化』（監訳） 明石書店、2005年
• ジャック・ル・ゴフ 『子どもたちに語るヨーロッパ、子どもたちに語る中世』（監修・訳） ちくま学芸文庫、2009年　
• スティグ・ヴィカンデル 『アーリヤの男性結社』（監修・編） 言叢社、1997年
• 監修『東洋美術史　カラー版』　美術出版社、2000年、増補新版2012年
• 監修『世界神話イメージ大百科』　クリストファー・デル、花田知恵訳、東洋書林、2013年
• 監修『イスラーム・シンボル事典』　マレク・シェベル、甲子雅代監訳、明石書店、2014年
• 共著『アフガニスタン史』　山根聡と、河出書房新社、2002年
• 共著『写真集　バーミヤーン遺跡』　越前隆・写真、毎日新聞社、2002年
• 共著『世界美術大全集　東洋編 第15巻　中央アジア』　小学館、1999年
• 共著『NHKスペシャル文明の道 第2巻　ヘレニズムと仏教』　NHK出版、2003年　
• 共著『日本・アフガニスタン関係史』　明石書店、2006年
• 解説 松本文三郎『弥勒浄土論・極楽浄土論』　平凡社東洋文庫、2006年
• 解説『ジェームズ・フレイザー　火の起原の神話』　青江舜二郎訳、ちくま学芸文庫、2009年
• 解説『E・M・フォースター　アレクサンドリア』　中野康司訳、ちくま学芸文庫、2010年
• 解説『アヴェスター　原典訳』　伊藤義教訳、ちくま学芸文庫、2012年

外部リンク

• アフガニスタン文化研究所