借りぐらしのアリエッティ
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借りぐらしのアリエッティ | |
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The Borrower Arrietty The Secret World of Arrietty | |
監督 | 米林宏昌 |
脚本 |
宮崎駿 丹羽圭子 |
原作 | メアリー・ノートン『床下の小人たち』 |
製作 | 鈴木敏夫 |
出演者 |
志田未来 神木隆之介 大竹しのぶ 竹下景子 藤原竜也 三浦友和 樹木希林 |
音楽 | セシル・コルベル |
主題歌 |
セシル・コルベル 「Arrietty's Song」 |
制作会社 | スタジオジブリ |
製作会社 |
日本テレビ 電通 博報堂DYMP ディズニー 三菱商事 東宝 ワイルドバンチ |
配給 |
東宝 Optimum Releasing ウォルト・ディズニー・ピクチャーズ |
公開 |
2010年7月17日 2011年7月29日 2012年2月17日 |
上映時間 | 94分 |
製作国 | 日本 |
言語 | 日本語 |
興行収入 | 92.5億円[1] |
『借りぐらしのアリエッティ』(かりぐらしのアリエッティ、英:The Borrower Arrietty、北米:The Secret World of Arrietty[2])は、2010年の日本のアニメーション映画である。キャッチコピーは『人間に見られてはいけない。』『それが床下の小人たちの掟だった。』。
ストーリー
この節にあるあらすじは作品内容に比して不十分です。 |
14歳の小人の少女・アリエッティは両親と3人、人間に見られてはいけないという掟の下、郊外にある古い屋敷の床下で人間の生活品を「借り」ながら密かに慎ましく暮らしていた。
彼女が初めての「借り」を夜に控えたある日、人間の少年・翔が療養のため静かなこの屋敷へやってきた。その夜の借りで翔に見つかり、戦利品の角砂糖も逃げる時にうっかり取り落としてしまう。一度翔の出方をみることにした父と彼女だったが、翔は小人との接触を試みるようになる。
これに対しアリエッティは独断で動き網戸越しに気取られてしまうが、家族の安全のため、自分達小人と関わらないよう頼む。そこへイタズラ者のカラスが乱入して、この騒動で家政婦のハル婆は翔を怪しむようになる。その夜、翔は部屋の寝室にあるドールハウスは翔の曽祖父がこの屋敷に住んでいる小人達への贈り物として造らせた物だと知る。
一方引越し先を探しに行っていた父ポッドはスピラーの助けにより無事帰り、スピラーから引越し先のアテやアリエッティ達以外にも小人達が無事でいるとの報せを得る。父ポッドは、生き延びるために家人に見つかったこの家から去る決意を語る。その時彼女らの家は揺れ、歪み、見慣れたキッチンは剥がれ、換わりにドールハウスのキッチンが降って来た。全て翔の善意によるものだったが結果引越しは確定的となってしまう。
別れを告げるため、庭で休む翔の前に隠れることなく現れたアリエッティ。そんな彼女に憎まれ口を叩いてしまう翔だったが、守りたかったがための自分の行いが結果として彼女の住処を壊してしまったことを詫びる。さらに自分は心臓の病で手術を受けるのだが、きっと死ぬのだろうと彼女に告げる。その時、翔の動向を窺っていたハル婆はついに小人の住処を発見し、アリエッティの母ホミリーを誘拐してしまう。部屋に戻った翔はハル婆によって知らぬ間に閉じ込められてしまうが、そこにアリエッティが現れる。
登場人物
小人たち
- アリエッティ
- 声 - 志田未来(英 - シアーシャ・ローナン / 北米 - ブリジット・メンドラー)
- 本作の主人公。貞子達が暮らす屋敷の床下で様々な生活品を借りながら、両親と密かに暮らしている小人の少女。14歳。基本的には明朗快活で人間や家猫、虫に対して物怖じしない性格。冒頭、母親の誕生日のためにローリエとシソの葉、花を採りに出たところを翔に目撃されてしまう。
- ホミリー
- 声 - 大竹しのぶ(英 - Olivia Colman / 北米 - エイミー・ポーラー)
- アリエッティの母親。52歳。借り物を工夫して家庭を切り盛りしている。衣服などサイズの合う既製品が無い場合洋裁等で作成している模様。長年の工夫を重ねた結果である現在の住処での生活を気に入っている。虫は苦手の様子。本物の海を見るのが夢で、ガラス窓を模した物の背景の海の絵は3年間も取り替えていない。
- ポッド
- 声 - 三浦友和(英 - マーク・ストロング / 北米 - ウィル・アーネット)
- アリエッティの父親。61歳。危険な「借り」に出て一家を支える大黒柱。この先自分に何かあったときのためにアリエッティに初めての「借り」を教える。手先は器用な様で劇中借物を用いて半田付け補修・藁カゴ編み等の工作や華麗なロッククライム術を披露した。
- スピラー
- 声 - 藤原竜也(英 - Luke Allen-Gale / 北米 - モイセス・アリアス)
- 小人の少年。12歳。蓑を纏い、赤い弓を持ち歩き、家族は居らず、1人で野性的な生活を送る。屋外を活発に動いている所為か劇中ではモモンガのように滑空し移動する描写も見られた。脚を怪我したポッドを助け家まで送り届けた。初対面のアリエッティ一家に対しぶっきらぼうな物言いで、多少片言気味に喋る。携帯食としてコオロギの脚を獲ってきていて、「食う?」とアリエッティとホミリーに見せたが、2人は気味悪がっていた。
人間
- 翔(しょう)
- 声 - 神木隆之介(英 - トム・ホランド Tom Holland / 北米 - デヴィッド・ヘンリー)
- 12歳。両親は離婚して父親とは別居している。また、外交官の母親・奈津美も仕事柄海外赴任することが多く、家族との交流は薄い。生まれつき心臓が弱く、過度に運動出来ない体である。母から屋敷の小人のことを聞いたことがある。屋敷へ手術直前の療養のため1週間のみ訪れた初日、家猫のニーヤに絡まれ掛けていたアリエッティを目撃する。手術に対して悲観的になっており、別れを告げに来た彼女に対し(多少自棄気味になりつつ)小人は滅び行く運命だと発言した後、「死ぬのは僕の方だ」とも発言している。しかし基本は穏やかで心優しい少年の様で、小人を見たことは秘密にし、彼女が落とした角砂糖を届けに行ったり、病身を押してアリエッティの母親救出に協力している。小人の掟を知らなかったとはいえ、ドールハウスのキッチンの件は亡き曽祖父の願いを叶え、かつ、アリエッティ達のためになると信じての行動だった。最後にはアリエッティから生きる勇気を得て2日後の手術を「頑張る」と彼女と約束し終幕する(冒頭の台詞からその後も存命している事は濃厚)。彼女からいつもつけていた髪留めを託される。少なくとも劇中で小人を見た(とされる)人間は翔の曽祖父、ハル、翔の3人(翔の母や大叔母は話に聞く程度)。
- 牧 貞子(まき さだこ)
- 声 - 竹下景子(英 - フィリダ・ロー Phyllida Law / 北米 - グレイシー・ポレッティ Gracie Poletti)
- アリエッティの家族が暮らす屋敷の主人。68歳。彼女の屋敷にはニーヤという猫がいる。愛車は劇中の特徴から、多摩ナンバー・シルバーのベンツ190E(メルセデス・ベンツ W201)。翔の祖母の妹で、いわゆる大叔母にあたる。ドールハウスは、『いつか小人が現れた時にプレゼントするため父(翔の曽祖父)がイギリスの職人に作らせたもの』である事を翔に話した。自分も父の願いを叶えたかったが自分では見たことが無く、この家にはもう小人は居ないのかもしれないと発言している。
- ハル
- 声 - 樹木希林(英 - ジェラルディン・マキューアン Geraldine McEwan / 北米 - キャロル・バーネット)
- 長年住み込みで働いている貞子の屋敷の家政婦。65歳。愛車の赤い軽自動車の駐車マナーを主人の貞子に度々注意されている模様。小人を捕まえようと試みるが、捕獲を一般の業者に依頼しようとするなど思慮の浅い点も見られる。老眼で少々目が悪い。『ロマンアルバム 借りぐらしのアリエッティ』によると、彼女が小人を捕まえることに執着する理由は、金や名声のためではなく「かつて小人を見たが、それを誰にも信じてもらえなかった悔しさを晴らすため」であるらしい。
- その他の声優
- 声 - 羽鳥慎一、吉野正弘
制作
メアリー・ノートンのファンタジー小説『床下の小人たち』が原作となっている[3]。この作品は1952年に出版され、この年のカーネギー賞を受賞している。
元々は、約40年前にアニメーション監督の宮崎駿と高畑勲によって考えられた企画であり、2008年初夏になって宮崎駿によって改めて企画された。当初は『小さなアリエッティ』という題であった[4]。監督に米林宏昌が起用されたのはプロデューサーの鈴木敏夫の提案である[4]。
翔の声は、キャラクターデザインの段階から神木隆之介に依頼する予定であった。そのため、作画スタッフは作画ルームにも神木のポスター等を貼り、動作・表情の研究をしたとされ、神木は翔の声だけでなく、翔のキャラクター自体のモデルとなっている。
本作に登場する和洋折衷の屋敷や庭園は、2008年にスタジオジブリの社員旅行[5]で訪問した青森県平川市の盛美園がモデルとなった[6]。宮崎駿によれば屋敷の所在地は東京都小金井市の辺りという設定である[4]。
主題歌
- 「Arrietty's Song」
- 作詞 - セシル・コルベル / 作曲 - サイモン・キャビー(Simon Caby)、セシル・コルベル / 日本語訳詞 - 伊平容子
- ジブリ作品では初の、海外の音楽家による主題歌である。
- コルベルは2009年4月「私はずっと昔からジブリ映画の大ファンで、私の音楽のすべてはジブリ映画から大きな影響を受けています」という手紙と自身のCDをジブリに送付したのがきっかけで、本作の主題歌を担当した。[7]彼女は作詞作曲のほか、ハープ演奏と歌(日本語版の他、英語・フランス語・ドイツ語・イタリア語でも歌っている)も担当している。
公開に向けて
2010年5月8日より全国約20箇所の劇場で、テント生地で作られた縦1.8m×横10.5mの超パノラマサイズポスターが張り出された。[8] 公開に先立つ7月11日の試写会には、ギャルママ雑誌『アイラブママ』の人気モデルとして知られる日菜あこと野田華子が出席。[9]
2010年7月17日より10月3日まで東京都現代美術館で『借りぐらしのアリエッティ×種田陽平展』を開催[10]。1200m²を超える展示室に巨大なセットが組まれた。8月17日には来場者が10万人を突破する程の大好評となっている[11]。この美術展はその後愛媛(愛媛県美術館)、神戸(兵庫県立美術館)、新潟(新潟県立近代美術館)と全国を回っている。
前売り券は2010年6月17日時点の発売後約2か月で54,000枚を超える売り上げを記録。これは前作『崖の上のポニョ』より約3倍の記録となった[12]。
2010年8月10日にはNHKで、映画完成までの舞台裏を密着したドキュメント『ジブリ 創作のヒミツ 宮崎駿と新人監督 葛藤の400日』が放送されている[13]。
興行成績
全国447スクリーンで公開され、2010年7月17,18日初日2日間で興収約9億円、動員は約68万人になり映画観客動員ランキング(興行通信社調べ)で初登場第1位となった。更に公開3日間(17-19日)では動員103万8,138人、興収13億4,979万8,700円を記録し100万人超えを達成している[14]。客層の6割が女性で占められ、ぴあ初日満足度ランキング(ぴあ映画生活調べ)でも第4位となっている。更に公開第2週目で累計動員が206万2,166人となり早くも動員200万人を突破[15]。公開第3週には累積動員は300万人を突破、公開第4週には興収が50億円を突破しランキング連続第1位に[16]、公開第6週には動員600万人を突破している[17]。
最終興収は92.5億円になり2010年度興行収入邦画第1位となっている[1]
海外での公開
フランスでは2011年1月12日、台湾では2011年1月14日から公開[18]。イギリスでは『The Borrower Arrietty』のタイトルで2011年7月29日に公開、北米では『The Secret World of Arrietty』のタイトルで2012年2月17日よりディズニー配給で公開[2]、吹き替えもアリエッティ役をイギリス版ではシアーシャ・ローナン、北米版ではブリジット・メンドラーと別に配役がされている。
北米では当時最高だった『崖の上のポニョ』を上回る全米1522館一斉封切りが行われ、オープニング興収640万ドル、最終的な興行収入は約1900万ドルを記録[19]。いずれもジブリ作品としては『崖の上のポニョ』を上回り、最高記録となっている。
テレビ放送
2011年12月16日、日本テレビ『金曜ロードショー』にて初放送を行った。
回数 | 放送日 | 番組名 | 視聴率 |
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1 | 2011年12月16日 | 金曜ロードショー | 16.5% |
2 | 2014年 | 7月18日金曜ロードSHOW! | 17.2% |
視聴率はビデオリサーチ関東地区調べ。
スタッフ
- 原作 - メアリー・ノートン『床下の小人たち』(林容吉訳、岩波少年文庫刊)
- 監督 - 米林宏昌
- 企画 - 宮崎駿
- 脚本 - 宮崎駿、丹羽圭子
- プロデューサー - 鈴木敏夫
- 音楽 - セシル・コルベル
- 作画監督 - 賀川愛、山下明彦
- 作画監督補佐 - 中村勝利、小野田和由、横田匡史、廣田俊輔、山形厚史
- 美術監督 - 武重洋二、吉田昇
- 色指定 - 森奈緒美
- 映像演出 - 奥井敦
- 音響演出・整音 - 笠松広司
- アフレコ演出 - 木村絵理子
- 製作担当 - 奥田誠治・福山亮一・藤巻直哉
- 特別協賛 - MS&ADホールディングス[注釈 1]
- 特別協力 - ローソン・読売新聞
- 配給 - 東宝
- 制作 - 星野康二
エンディングのエンドロールは『崖の上のポニョ』と同じように、この映画の製作に関わった全ての出演者・スタッフの氏名が役名や肩書なしに50音順で表記されているだけで、誰が何を担当したのか全く判らない珍しい様式となっている。
脚注
注釈
- ^ 正式な社名はMS&ADインシュアランスグループホールディングスだが、「MS&ADホールディングス」としてクレジット表記されている。
出典
- ^ a b 2010年興行収入10億円以上番組 (PDF) - 日本映画製作者連盟
- ^ a b 北米版『借りぐらしのアリエッティ』に新たな魅力!?ポスター&予告編が解禁!!シネマトゥデイ 2011年11月1日
- ^ “スタジオジブリ:新作「借りぐらしのアリエッティ」 宮崎駿脚本、36歳、麻呂こと米林監督を抜てき”. 毎日新聞社 (2009年12月16日). 2009年12月16日閲覧。
- ^ a b c 鈴木敏夫 (2009年). “借りぐらしのアリエッティ企画書”. 『借りぐらしのアリエッティ』公式サイト. 2009年12月16日閲覧。
- ^ スタジオジブリの社員旅行
- ^ スタジオジブリ広報部長 西岡純一のアリエッティ日記 物語の舞台となる庭について
- ^ 鈴木敏夫のジブリ汗まみれ 「2010/04/11 セシル・コルベルさんがれんが屋に!」より
- ^ ジブリ最新作「借りぐらしのアリエッティ」超巨大ポスタースポーツ報知 2010年4月30日
- ^ 『ギャルママモデル「借りぐらし〜」試写会で「メルヘンな気持ち」』 2010年7月11日 日テレNEWS24
- ^ ジブリ最新作“実写化”…アリエッティの部屋をセットでそのまま再現スポーツ報知 2010年7月8日
- ^ 「借りぐらしのアリエッティ×種田陽平展」来館者10万人突破日テレNEWS24 2010年8月17日
- ^ 「アリエッティ」新たに場面写真公開 前売券は「ポニョ」の3倍読売新聞 2010年6月22日
- ^ 宮崎駿と新人監督の“師弟”の葛藤を400日の密着ドキュメンタリーで追う!webザテレビジョン 2010年7月27日
- ^ 『アリエッティ』が堂々1位!『トイ・ストーリー3』『踊る大捜査線』を破り100万人超えシネマトゥディ 2010年7月21日
- ^ 今年の夏は動員ミリオン超え作品が続出!『アリエッティ』『トイ・ストーリー』『踊る』『ポケモン』『告白』【映画週末興行成績】シネマトゥデイ 2010年7月27日
- ^ 『借りぐらしのアリエッティ』が首位!! 8位には『ヒックとドラゴン』が初登場、夏休み映画が大盛況シネマトゥデイ 2010年8月11日
- ^ 『ハナミズキ』が1位で30万人動員!『特攻野郎Aチーム』もランクイン!!【映画週末興行成績】シネマトゥデイ 2010年8月24日
- ^ http://tw.movie.yahoo.com/movieinfo_main.html/id=3663
- ^ http://www.boxofficemojo.com/genres/chart/?id=anime.htm
関連項目
- ザ・ボロウワーズ: (1973年、アメリカ)The Borrowers (1973 film)
- ザ・ボロウワーズ: (1992年〜1993年、イギリス)BBCテレビシリーズThe Borrowers (TV miniseries)
- ザ・リターン オブ ザ・ボロウワーズ: (1992年〜1993年、イギリス)BBCテレビシリーズThe Return of the Borrowers
- ボロワーズ/床下の小さな住人たち(1997年、アメリカ=イギリス)The Borrowers (1997 film)
外部リンク
- 公式ウェブサイト
- 借りぐらしのアリエッティ - 金曜ロードショー(2011年12月16日放送分)
- 借りぐらしのアリエッティ - 金曜ロードSHOW!(2014年7月18日放送分)
- エラー: subst: がありません。Movielink ではなく subst:Movielink としてください。
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- 借りぐらしのアリエッティ - Movie Walker
- 借りぐらしのアリエッティ - 映画.com
- エラー: subst: がありません。Movielink ではなく subst:Movielink としてください。
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