信長の忍び
信長の忍び | |
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ジャンル | 戦国4コマ漫画 |
漫画 | |
作者 | 重野なおき |
出版社 | 白泉社 |
掲載誌 | ヤングアニマル |
レーベル | ジェッツコミックス |
発表期間 | 2008年 - |
巻数 | 既刊9巻 |
アニメ | |
原作 | 重野なおき |
監督 | 大地丙太郎 |
キャラクターデザイン | 山中純子 |
音楽 | 増田俊郎 |
アニメーション制作 | トムス・エンタテインメント/V1Studio |
放送局 | |
放送期間 | 2016年 - |
テンプレート - ノート | |
プロジェクト | 漫画・アニメ |
ポータル | 漫画・アニメ |
『信長の忍び』(のぶながのしのび)は、重野なおきによる日本の4コマ漫画。『ヤングアニマル』(白泉社)において、2008年12号から連載中。
概要
日本の戦国時代を舞台に、少女忍者千鳥とその主織田信長が愉快な仲間達と共に天下統一を目指す。
後述の『尾張一統記』『軍師 黒田官兵衛伝』『政宗さまと景綱くん』『真田魂』は本作の延長線上にある作品群であり、異なる時間軸で描かれる。また、『尾張統一記』2016年3月25日現在の『真田魂』を除き信長亡き後の世界が描かれている。
基本的にはギャグ漫画だが、細かな戦国時代の逸話・蘊蓄も盛り込まれ、またストーリーラインは史実をほぼ忠実に押さえており、中学校社会科の教員免許を持つ作者の知識が存分に生かされている作品である。
作者の弁[1]によれば「『忍び漫画』ではなく『忍びの目から見た戦国漫画』」とのこと。重野の4コマ漫画専門誌以外での連載は本作品が2作目であり、同じ雑誌からの連載である。
大羽快のギャグ漫画『殿といっしょ』7巻の帯と巻末の漫画にも、コラボで登場している。
2016年2月26日にアニメ化が発表された[2]。
主な登場人物
統率・知略・政治・武術は単行本巻末の「戦国武将名鑑」のパラメーターの数値。声はテレビアニメ / 戦国大戦(登場キャラのみ)での順番で表記する。
織田家
- 千鳥(ちどり)
- 声 - 水瀬いのり / 花澤香菜
- 本作の主人公。生年は1550年(天文19年)前後[注 1]。戦災孤児となって川で溺れていたところを伊賀者に拾われ、女の忍びとして育つ。
- 1555年(弘治元年)、木曾川で溺れていたところを偶然通りかかった若き日の信長に助けられ、その際信長の野望を聞かされる。そしてそこに偶然居合わせた刺客から命を救った礼として髪結い布をもらった。5年後、念願かなって「信長の忍び」となる。褒美は信長に頭を撫でてもらうこと。身長が全く伸びない。岐阜城内に住居を構えているが、一度帰蝶に「うっかり」燃やされている(ただし直後、岡部又右衛門により再建されている)。単行本8巻の時点で22歳。
- 信条は「明るく楽しく元気よく」。出仕の際に森可成から贈られた関兼定作刀の二振りの忍び刀を得物とする。頭脳労働は苦手で考えると頭から煙が出てくるレベルのため、この点については助蔵のサポートを受けている。初登場時から泳げないままであり、7巻時点では水の近くで戦うこともできないほどの水恐怖症に悪化しており、水中に入るくらいなら舌を噛んで死ぬと言っている。そして9巻の越前大嶽砦攻防戦では戦闘中に偶然着地した水溜りすら恐怖の対象と化した。また極度の方向音痴で迷子になりやすく、任務で他国に行く時などは助蔵が付き添っている。覚悟を決めて戦ってはいるが、罪悪感を捨て切れていないため、顕如の説法を聴いた際には浄土真宗へ傾きかけた。戦闘力は一騎当千の超人クラスで、信長陣営最強の使い手。また、木下隊と行動を共にする時は裏方としても動く。真柄直隆との戦いで愛刀が折れたため、関兼定に再び新しい刀を鍛えてもらい、「風切」と名付けた。
- 忍びとしての傑出した能力と数々の功績により信長からは絶対の信頼を寄せられており、「さわると強くなれる」という御利益があることから織田軍将兵からの人気も非常に高い。また帰蝶やお市からは家族のように可愛がられており[注 2]、特にお市とは風呂で背中を流し合うほど親密度が深い。
- 初めは少しでも情が移った相手は殺せなかったが、姉川の戦いにおいて恩義ある遠藤直経に自ら止めを刺すことにより、その壁を乗り越えた。
- 信長の命がない限り人を殺めることはしないため、望月千代女との戦いでは命令の有無で殺めることができるかできないかの差が決定打となり惨敗。拷問の最中に髪結い布を焼かれ一瞬生きる事を諦めかけたが、助蔵に助けられて生還を果たし信長に信玄逝去の報を伝えることに成功する。しかしこの拷問で受けた深傷により長期の戦線離脱を余儀なくされ、早期復帰を焦るあまり体力をつけようと食べ過ぎた結果、一時期肥満してしまったことがある。
- 織田信長(おだ のぶなが)
- 声 - 羽多野渉 / 最上嗣生
- 統率9 知略9 政治10 武術8 野望10
- 千鳥の主。乱世を己の手で終わらせるという大志を持ち、技術革新と商業政策により戦国に覇を唱える戦国大名。口は普段は描かれていないが、叫ぶ時などは大きく口を開けることがある。
- 誰もが恐れる男だが、甘いものに目のない大の甘党で、柿や桃などを食べると表情が緩くなり、初めて金平糖を食べたときは一時的に昇天した。また家臣の登用についても「甘いものが好きか嫌いか」を基準に決定してしまうところがある[注 3]。千鳥曰く「甘いものを食べると全能力が跳ね上がる」とのこと。乱世の終結かつこの世の甘いものを自分のものにしようとする「天下糖一」を掲げている。反面、酒一口で酔っぱらってしまうほどの下戸でもある。帰蝶やお市を溺愛しており、彼女らをたぶらかす者に対しては容赦ない。ユーモアのセンスが無く、引かれたときや秀吉のボケに鉄砲を撃つ。
- 当初は尾張一国を治めるのみだったが、桶狭間の戦いを乗り越え、美濃に侵攻し支配下に置く。そして足利義昭を擁立し上洛し、その後も天下統一の為各地を攻めて領国とする。
- 助蔵(すけぞう)
- 声 - 村瀬歩
- 伊賀から千鳥と共に派遣された忍び。千鳥のことが好き。情報収集能力に秀でており、武将や各国の情勢にも通じているほか、天気を読むこともできる。反面、武術の腕前については千鳥にも戦力として期待されていないほどにからっきしであるにもかかわらず、千鳥に近づく男に対しては彼我の力量差を省みずに敵意を燃やしてしまう[注 4]。ただし火薬や薬の調合、知識など戦闘力以外は頼りにされている。千鳥が寝ている間に接吻をしようとしたり、露出の高い忍び装束を着せようとするスケベな一面がある。千鳥からは「助ちゃん」と呼ばれる。
- 千代女に捕えられた千鳥から「信玄が死んだと言う情報を持って逃げて欲しい」と頼まれたことで逆切れし、逃げるどころか拷問部屋を爆破して千鳥を奪還、その際に「千鳥と一緒にいたいから織田家に仕えているのであって、本音ではどうでもいい」「任務が成功しても、千鳥が死んでしまっては何の意味もない」と、作中初めてストレートに自分の気持ちを告白したが、その後のゴタゴタで有耶無耶になってしまった。
- 木下秀吉/羽柴秀吉(きのした ひでよし/はしば ひでよし)
- 声 - 山口勝平 / 小野大輔
- 統率4 知略4 政治4 武術4 意外性10
- 信長の家臣にしてパシリ。ござる口調で一人称は「拙者」。猿顔。立身出世を夢見るポジティブでお調子者な頑張り屋。他の全てが並以下の中で意外性だけは高く、不死身のようなタフネスの持ち主で「心臓以外なら(斬られても撃たれても)人は死なない」が持論。忍者に偏った知識を持つ。妻のねねを大切にしているがお市への恋心も捨てきれずにいる。
- 出世し大名になってウハウハな生活を送ると共に、領民にも笑って過ごして欲しいと思っている。実家が貧乏であったためさまざまな職業を転々とし、蜂須賀小六と今川家臣・松下之綱のもとで世話になった後に針売り商人として帰郷。織田家に出仕することを決意し、友人で織田家臣の一若の伝手を頼って信長と出会い、彼に「パシリ」としての才能を買われて採用される。過去に経験した職業から得た技術・知識や機転を活かした精勤ぶりから信長の評価も高くなり、その後ねねとの結婚時に祝儀代わりとして足軽大将、墨俣城築城成功の褒美に侍大将に任命されて出世を重ねることになるが、相変わらずパシリ兼務。「金ヶ崎の退き口」では殿(しんがり)を務め、千鳥や明智隊・池田隊、徳川軍の援軍により無事生還を果たす。そして姉川の戦いの後、横山城城番にまで出世し、箕浦の戦いでは横山・鎌刃城兵2500で浅井軍10000を破った。山本山城の守将阿閉貞征を調略して程なく「羽柴」に改姓[注 5]する。
- 帰蝶(きちょう)
- 声 - たかはし智秋 / 内田真礼
- 信長の正妻。父・斎藤道三曰く「世界史上一の美女」。千鳥を非常に気に入っており家族同様に可愛がっている。癖っ毛で、ドがつくほどの天然ボケ[注 6]だが、芯の通った気丈で心優しき女性で好奇心も旺盛[注 7]。また当時としては非常に未来的な想像をすることから[注 8]「未来人」と呼ばれることがある。信長もそのあまりの天然ぶりに頭を痛めながらも、安らがせてくれる存在として愛しあっている。夢は信長と130歳まで生きること[注 9]。また絶妙のタイミングでアドバイスを送ることにも長けており、浅井家に嫁ぐ際のお市の不安を軽減したり、お市と長政の離反から神経衰弱に陥り人間不信になりかけていた信長を立ち直らせたりしている。
- ねね
- 声 - 釘宮理恵
- 秀吉の妻。性格はドが付くほどのツンデレ。女心に鈍い秀吉に好意をなかなか気付いて貰えなかったが、桶狭間の合戦直前に意を決して求婚し、無事生還した秀吉とめでたく結ばれた。結婚当時は秀吉25歳に対し14歳であった。
- 家事全般の能力は壊滅的なひどさで、侍女達に止められている。特に料理の腕は秀吉を恐怖させ、毒物を口にする修練を積んだ千鳥たちを悶絶させたほどに壊滅的(料理は奇妙な生き物が生まれたようなものになっており、食べ続けると禁断症状が出る)であるほか服のセンスも酷い。また睡眠時も大イビキをかきながら寝ているらしい。前田利家の妻・まつとは大の仲良しだが、彼女のノロケ話には少々辟易気味。秀吉が出世することで会えない時間が長くなり、悲しんでいる。
- 柴田勝家(しばた かついえ)
- 統率8 知略5 政治7 武術9 髭10
- 織田家筆頭家老。髭面で髭型も「サラサラ風」にこだわる。「鬼柴田」「かかれ柴田」の異名を持つ猛将。同年代の森可成からは「柴田のオッサン」と呼ばれている。秀吉と同じくお市に惚れており[注 10]、浅井家に嫁いだ時や、二人目を出産したことを聞いた時は白髪・抜け毛で廃人のような風貌となった。野田・福島の戦いでは森可成の訃報を聞き悲しみ、「秀吉に負けたくない」思いで殿を務めた。
- 根っからの武人で細やかな策謀に向いたタイプではなく、『尾張統一記』では萱津の戦いで信長軍の視察という目的を忘れて奮戦した上、敵将・坂井甚介を討ち取るという武功まで立ててしまっている。
- 森可成(もり よしなり)
- 統率7 知略6 政治4 武術9 顔10
- 織田家の武将。美濃から流れてきた武士。無精ひげを生やしている美男子[注 11]。「攻めの三左」の異名を取る十字槍の達人(本人曰く「女に優しき三左が良かった」らしい)。主君である信長を「大将」と呼んでいる。性格はキザで軟派、女性が剣を手に戦うことを快く思っておらず、同時に女性までもが戦うような世の中は早く終わらせたいと心から願っている。出仕直後の千鳥に試合を申し込んで一合すら触れることもできずに敗北したため、彼女の実力は身に染みて思い知っている。美濃攻略後、二振りの忍び刀を千鳥に贈った。大勢の女性達から人気が高い。
- 宇佐山城の戦いにおいて、信長軍の背後を突こうとする浅井朝倉連合軍3万を押し留める為に寡兵で出陣。千鳥と助蔵を逃がした後も部下と共に奮戦するが、満身創痍で臨んだ山崎吉家との一騎討ちで致命傷を負い、今際に「自分の領分を守ることだけ考えているお前達には織田家は倒せない」と叫んで斃れた。
- 既婚者であり、作中には長可(可成死亡時点で嫡男)と蘭丸の2人の息子が登場している。戦死後すぐに千鳥の前に幽霊になって現れ、悲嘆に暮れていた彼女を呆れさせたが、落飾した愛妻えいの傍らに寄り添い、千鳥に別れを告げた。
- 『尾張統一記』では当初信秀に仕えていたが、信長に将来性を感じ信長の直臣となる。それから程なくして、信長の斡旋により帰蝶の侍女を務めていたえいと結婚する。
- 太田牛一(おおた ぎゅういち)
- 統率2 知略3 政治4 武術7 書記10
- 織田家の弓衆兼歴史書記愛好家。牛のような斑の肩衣を着用している。克明な歴史書を書いて名を残すのが望みで、桶狭間の戦いの様子を千鳥に聞く。詳細な歴史書を書くため各地に部下を放っており、千鳥達から「忍びになった方が」と言われてしまう。同じく歴史書を書くつもりであるルイス・フロイスを毛嫌いしている。
- 明智光秀(あけち みつひで)
- 統率8 知略8 政治9 武術8 つっこみ10
- 道三の家臣であり帰蝶の従兄弟。道三の死後は家臣を連れて各地を放浪する。一時朝倉家に仕えていたが、義景の不甲斐なさに愛想を尽かし、足利義昭を引き合わせたのを契機に織田家に仕える。鉄砲の名手で心配性の苦労人。武将としては極めて有能であり、一方で延暦寺焼き討ちの際に前線に立った千鳥を気遣うなど心優しい人物だが、とかく間が悪い上に一言多い所があり、道三や信長からたびたび折檻を食わされたり不幸な目に合ったりする幸薄い人物。信長や帰蝶からは「デコが広い」と言われており、彼自身はこのことを気にしている模様。当初はツッコミ役として重用されるが、最近はボケ・KY&不遇キャラになりつつある。得意技は、頭を下げ続ける人生の末に身に着けた、見る者を畏怖させるほど美しい土下座。
- スピンオフ作品である「軍師・黒田官兵衛伝」にも登場したが、天正9年(本能寺の変の前年)の時点で信長との間に不協和音が漂っている感があり、目の下に濃い隈が出来るなど形相が不穏なものに変わっている。
- 前田利家(まえだ としいえ)
- 統率6 知略7 政治7 武術9 愛妻10
- まつの夫兼織田家の家臣。豪快な巨漢の槍遣い。妻のまつとは同柄衣装を恥ずかしげもなく着こなすほどのバカップル。会う度に全力でハグすることが習慣で、その後も回を重ねるごとにスキンシップがエスカレートしている。信長ではなくまつの為に戦い、鎧の下にまつからの恋文を忍ばせて戦闘中でも読みふけっている。普段は閉じ目で描かれているが、超本気で戦うときと、まつと愛を確かめ合うときに、目が開く。また自身とまつとの過去を千鳥に話して感動されたことで遂には自伝を出版するまでに至った。
- 蜂須賀小六(はちすか ころく)
- 統率7 知略6 政治7 武術8 男気10
- 尾張野武士の頭領。数千の舎弟を束ねる、リーゼントヘアーのヤンキー。秀吉とは昔なじみで墨俣築城から仲間になる。戦では自慢の髪型が、雨を吸って垂れて視界を妨げたり爆発でアフロになったり兵士に斬られたりしている。新築した城に落書きをしたがる。
- 美濃三人衆
- 統率7(稲葉)5(安藤)6(氏家) 知略7(稲葉・安藤)4(氏家) 政治6(稲葉・安藤)5(氏家) 武術7(稲葉・氏家)4(安藤) 連携10
- 稲葉一鉄(いなば いってつ)、安藤守就(あんどう もりなり)、氏家卜全(うじいえ ぼくぜん)の3人。斎藤家の柱だったが、龍興の暗愚さ・道三の遺言・帰蝶の可愛さから織田家につく。三人組は自分たちだけで十分だと思っており、三好三人衆などにライバル心を燃やす。
- 7巻において氏家が伊勢長島の戦いで自分の出番の少なさを嘆きつつ討死しているが、実はちゃっかり9巻に「美濃三人衆」として登場している。
- 竹中半兵衛(たけなか はんべえ)
- 統率7 知略10 政治8 武術5 病弱10
- 天才軍略家かつ強烈な自信家で、自身の指揮する城を落とすには10万の軍勢が必要とまで豪語する。細身で女性的な外見をしており、常に敬語で喋る。生来の虚弱体質で体が脆くやたらと吐血しており[注 12]、髪の色も若くして総白髪である。このため基本的には作戦立案が主な役目であり、戦に出ることはない。7巻の時点では吐血しかけた血を飲み込む技を覚えた。
- 自分を暗殺しに来た千鳥を正体を知らぬまま介抱する。その後「助けてもらった人は殺せない」と千鳥が言ったため、かねてより考えていた稲葉山城の乗っ取りを千鳥と組んで行なった。その後は隠棲していたが、秀吉と千鳥の説得で秀吉の参謀となる。
- 秀吉からは絶対の信頼を寄せられているが、彼自身も秀吉の将器を見込んでおり、秀吉が死ねば水風呂に入って後を追うと公言するほど主君として入れ込んでいる。
- 木下秀長/羽柴秀長(きのした ひでなが/はしば ひでなが)
- 統率3 知略6 政治6 武術4 補佐10
- 秀吉の弟。千鳥と助蔵の間で「秀吉不要論」が囁かれてしまうほどの良くできた名補佐役。
- 本人は兄を慕っており、秀吉が調略のため山本山城に出向いた時、なかなか帰って来ない彼を泣きながら心配していた。
- スピンオフ作品である「軍師 黒田官兵衛伝」では、但馬国を平定し引き続き兄を補佐している。
- 滝川一益(たきがわ かずます)
- 統率8 知略8 政治6 武術8 忍び嫌い10
- 織田家の武将。伊勢方面を任されていたため、劇中に正式に登場して千鳥に会ったのは49話と遅め。白い鉢巻きに頬の傷が特徴。
- 甲賀出身ゆえに忍びを嫌い、忍びが近くに居るのはもちろん、「し」「の」「び」と連なる言葉を聞いただけで発疹が出る体質。伊勢攻略以後は千鳥の気持ちを理解し、態度を改めたが、体質は変わっていない。
- 佐久間信盛(さくま のぶもり)
- 統率7 知略5 政治5 武術5 逃走10
- 織田家武将。柴田勝家と並ぶ筆頭家老ではあるが、実力というよりもキャリアの長さでその地位に就いている。
- 「退き佐久間」の異名を持つ退却戦の名手だが常に逃げ腰で、何かにつけて退却しようとする。
- 細川藤孝(ほそかわ ふじたか)
- 統率6 知略7 政治9 武術9 歌道10
- 足利家家臣。当代随一の武人かつ教養人で万能に達するが、いちいち一首詠む面倒くさい男で戦の最中でも筆を手放さず、良い和歌が出来ると戦闘力が増加する。我が侭な義昭に頭を痛ませている。嘘がつけない性格で、信長包囲網の黒幕を探っていた千鳥の誘導尋問で義昭が黒幕であることを明かしてしまった。1572年時点では愛想を尽かしており密かに信長と連携を取り始める。そして同年、義昭が「乱世を終わらせることより、自身の将軍の地位が揺らいでいることが問題であり、将軍を辞めることより乱世のほうがまし」だったということに激怒し、脇差と烏帽子と礼服を返上し、別れの一首を詠んで足利将軍家を出奔、荒木村重と共に信長に正式に仕えた。
- 荒木村重(あらき むらしげ)
- 詳細は『軍師 黒田官兵衛伝』を参照。
- 堀秀政(ほり ひでまさ)
- 統率7 知略8 政治8 武術7 油断大敵10
- 信長の側近。光秀が坂本城主に就任した後、新たなツッコミ役として取り立てられる。
- 「油断しない」が座右の銘であり、その点において過剰な指摘をするのが玉に瑕。
- 服部小平太(はっとり こへいた)・毛利新助(もうり しんすけ)
- 信長の馬廻衆。桶狭間の戦いでは今川義元を討ち取るという大功を上げているのだが、千鳥とは離れた場所で戦っていたらしく本編で登場するのは162話での大嶽砦を落とすための戦いから。
- 信長がまだ吉法師と名乗っていた頃からの古参のようで、『尾張統一記』でも彼ららしき人物が登場している。
徳川家
- 徳川家康(とくがわ いえやす)
- 初登場時は松平元康(まつだいら もとやす)。三河の領主。狸顔で食いしん坊。辛抱強い性格。緊張すると便意をもよおす脱糞癖がある。恐妻家の一面もあり、姉川の戦いに参戦した理由の一つが「妻の目から少しでも解放されたいから」。信長とは幼馴染。
- 織田家・今川家と人質として長い年月を送っていたが、義元亡き後の今川家に見切りをつけ清洲同盟を結ぶ。
- 三方ヶ原の戦いでは武田軍に完膚なきまでに自軍を叩き潰され、夏目吉信の犠牲もあって恐怖のあまり脱糞しながらも命からがら逃げのびた。
- 服部半蔵(はっとり はんぞう)
- 家康の家臣。上顎の両犬歯が八重歯[注 13]。伊賀の上忍の家系に生まれた武士。千鳥にとって服部家は憧れの対象だったため、当代が忍びではないことを千鳥は大変残念がった。声が大きく忍ぶことが嫌いで、おおよそ忍び向きではない性格ながら、幼少の頃から父より忍びの英才教育を受けていたため、忍術の実力は相当高い。
- 本多忠勝(ほんだ ただかつ)
- 徳川家家臣、後の徳川四天王の一角。戦で常に最前線に立つも傷ひとつ負ったことがないと言われるが、戦以外ではつまらない理由でよく負傷しており、しかもそのことごとくをノーカウントにしたがる面倒臭い猛将。また繊細な性格らしく精神攻撃にも弱い模様[注 14]。三方ヶ原の戦いの最中、戦傷を負った時の言い訳を考えていた。鹿の角をあしらった兜を被っている。
- 戦の後は兵の前で鎧を脱ぎ、無傷の姿を見せるのが恒例になっている。
- 酒井忠次(さかい ただつぐ)
- 徳川家家臣、後の徳川四天王の筆頭。ドがつくほどの頑固者で、千鳥(女性)が軍事に関わることを嫌っている。筆頭家老であるが「海老すくい」という踊りが得意で、披露して将兵の士気を高めている。
- 瀬名(せな)
- 徳川家康正室。今川義元の姪だが、伯父を討った信長に対しては特に恨みなどの感情は持っていない。反面、家康に近づく女を容赦なく斬り捨てるとまで豪語し、千鳥をして本気で殺されかけたほどの狂気を持つ。一言で言うとヤンデレ。
- ちなみに家康は「あんなに性格が病んでても、ワシに近付く女を全て抹殺したがる女でも、ワシは妻を愛してる」と公言している。
- 徳川信康(とくがわ のぶやす)
- 家康の嫡男。りりしい若武者であるが、瀬名の嫉妬深さを家の恥としており、他言しようとする者は容赦なく斬り捨てる苛烈な性格。
浅井家
- 浅井長政(あざい ながまさ)
- 統率8 知略6 政治6 武術9 筋肉10
- 近江国大名浅井家当主。お市の夫になる。筋骨隆々でよくトレーニングをしており、筋肉について褒められるとテれる。純情で小心なところもあり、お市との関係はベタ甘である。またドがつくほどの子煩悩で、娘の茶々が生まれてからは常に抱いている。信長が朝倉領に攻め入った際は、久政を抑えられず結果的に織田家を裏切ってしまうが、信長よりも自らを選んだお市を守るため、信長と決別する。
- お市(おいち)
- 声 - 三森すずこ
- 信長の妹。人見知りで世間知らずな美少女。信長に溺愛されており、秀吉・勝家をはじめ織田家臣たちや浅井家臣たちのアイドル。千鳥とは姉妹のように仲良しで、風呂で背中を流し合うほど親密度が深い。初登場時点のスリーサイズは上から70・50・72(秀吉談)[注 15]。
- 浅井長政に嫁ぎ、仲睦まじく暮らしている。その可愛さで無意識のうちに浅井家の反織田派の戦意を抑えていたが、1570年の両家の決裂の際には浅井家に殉じる覚悟を決めた。また浅井家と朝倉家の関係を筋肉で表したり、戦の情勢を見るために屋根の上でジャンプしたり、朝晩腕立て腹筋するなど性格・行動が長政に似てきている。
- 浅井久政 (あざい ひさまさ)
- 統率5 知略6 政治7 武術2 口出し10
- 長政の父親。浅井家前当主。信長が嫌いで、佐和山城での会見の折に暗殺しようとしたが、どの作戦も気が長いものばかりだった。遠藤直経からは「鼻毛隠居」と呼ばれた。体格は一見普通に見えるが長政同様筋骨隆々でいわゆる“細マッチョ”である。信長が朝倉領を攻めた際は、長政の反対を押し切り織田家との同盟を破棄、総大将として朝倉家の援軍に駆けつけた。
- 遠藤直経(えんどう なおつね)
- 統率6 知略7 政治7 武術8 忠烈10
- 浅井家家臣。信長に反感を持ち暗殺しようとするが、信長の器と大志を知り、逆に心服するようになった。信長の朝倉攻めの際には織田方に付くよう強硬に主張するも長政に容れられず、せめてもの信義にと、居合わせた織田家の使者(千鳥と助蔵)を逃がした。金ヶ崎の戦いの後、お市の覚悟を見て「お市様を見守る会」に入会、織田家と敵対する。姉川の戦いでは敗色濃厚になった後、織田兵に成りすまして信長に近寄り殺害を謀るも千鳥に見破られ、半兵衛の弟・竹中久作に深手を負わされる。恩義ある人を死なせたくないという一心で降伏を勧告してきた千鳥に、戦場で敵同士として相対したならば甘さも迷いも振り捨てろと、最早助からぬ身で「乱世の習い」を説き自身を殺させた。
- 藤堂高虎(とうどう たかとら)
- 浅井家家臣。久政の命で千鳥と助蔵の口封じをしようとしたが、直経に殴り飛ばされた。姉川の戦いでは後述の磯野員昌に逃げるよう進言している。
- 磯野員昌(いその かずまさ)
- 統率8 知略5 政治2 武術8 突撃10
- 浅井家家臣。逆立った頭髪が特徴的。「突撃突破の磯野員昌」と呼ばれており、走り出したら止まらない。「目の前に蜘蛛の巣があっても止まらない」「水たまりを避けない」等様々な噂がある。その性格が災いし、女性によくフられる。直経と同じく元はお市を嫌っていたが、織田家と敵対後は「お市様を見守る会」に入会した。
- 姉川の戦いにて一点集中突破を試み、織田軍の陣を負傷しながらも駆け抜けるが、前田利家率いる馬廻衆に止められ、千鳥の無双で壊滅。藤堂高虎の「撤退は明日への前進」という言葉で後退した。
- その後、6ヶ月以上に亘り佐和山城を守っていたが、半兵衛が献策し千鳥と助蔵が実行した離間の策により孤立、信長への降伏に追い込まれた。
- 浅井井規(あざい いのり)
- 統率6 知略5 政治3 武術7 自信過剰10
- 浅井家一門衆。「浅井家の秘密兵器」を自称し、馬上槍をこなせるほどの武芸も持つが、尊大な性格ゆえに人望がないことから戦には出してもらえていなかった。
- 箕浦の戦いでは磯野の寝返りにより裏切りを恐れるようになった長政によって鎌刃城攻めの大将に抜擢されるが、実戦経験の差から秀吉軍に翻弄され敗れる。
足利家
- 足利義昭(あしかが よしあき)
- 統率6 知略7 政治7 武術2 うざさ10
- 室町幕府元将軍足利義輝の弟。なのだ口調。わがままでとても鬱陶しい。
- 朝倉家を頼っていたが、光秀の仲介で織田家を頼ることになる。室町幕府第15代将軍に就任したが、信長を差し置いて勝手に政治を執ろうとする。現在では信長を敵視し、遂には顕如と共に信長包囲網を画策する。しかし頼みの綱であった武田信玄の死を契機に信長が包囲網の打開に動き出すと、自身が立てこもっていた槇島城を圧倒的な兵力差で落とされ降伏。戦後、京を追放されたことで実質的に幕府は滅ぶが、それから半月ほどすると再び信長打倒の書状を西国の大名たちに送り始めている。
朝倉家
- 朝倉義景(あさくら よしかげ)
- 統率5 知略7 政治7 武術2 臆病10
- 越前国大名朝倉家当主。ネズミ顔。優柔不断な臆病者だが、内政に限っては高祖父・英林に匹敵する優れた手腕を持っており、家臣からも理解され敬われている。また、久政宛に使者を送るなど謀略にも長ける。一時期義昭を匿い、光秀が仕えていた。戦を好まず、恐怖心から戦場に出向かないが、顕如の依頼から負の連鎖に加わり、戦場で徐々に成長、吉家曰く一人で夜中に厠へ行けるようになったらしい。結果的に志賀の陣の講和の席で信長を土下座させる。
- 天正元年に信長が近江に侵攻すると長政の救援に向かうが、信長の奇襲により大嶽砦を奪われたことで撤退を決意。だがこれを察知していた信長勢の追撃で家臣のほとんどを失う。最後は筆頭家老である景鏡の裏切りもあり賢松寺で自害。史実は不明だが作中での最期の言葉は「一度でいいから織田信長と正々堂々正面から戦いたかった」であった。
- 山崎吉家(やまざき よしいえ)
- 統率8 知略7 政治7 武術7 引用10
- 朝倉家家老。戦術を重んじる知将で、常に朝倉宗滴の名言集を携え、様々な場面や状況で収録されている言葉を活用している。額に古傷がある。こんもりとした白髪のアフロヘアー[注 16]が特徴で、矢を防いだり数々の小物を収納したりできる。宗滴が生きていた頃は黒髪のアフロだった。今までに10回「爆発頭」と呼ばれたらしいが、直隆からは「山崎のとっつぁん」「受け売り大将」と呼ばれている。
- 刀根坂の戦いにて殿軍を務め、追撃してきた織田軍との激闘の末、頭部に銃撃を受け討死。しかし所持していた宗滴の名言集は助蔵に拾われ、後世に広められることとなった。
- 真柄直隆(まがら なおたか)
- 統率6 知略2 政治2 武術10 大太刀10
- 朝倉家の誇る巨漢の猛将。身の丈ほどもある巨大な豪刀「太郎太刀」を振り回し、敵味方を問わず暴れ回る一方で接近戦にも長ける。しかし「大太刀大旋風」なる技を発動して目を回したり、見栄を切るために「太郎太刀」の刀身を舐めて舌を切ったりするなどドジな面もある。鉄砲のことはよく理解しておらず、妖術と思っている。またその勇猛さからしばしば敵陣深く突撃するために山﨑からは慎むよう再三諭されているようだが、畳の上で死ぬよりも大きな戦で華々しく散りたいと望んでいるために改める気は全くないらしい。金ヶ崎の戦いで織田軍を追撃、千鳥に折れた忍び刀を脚に刺されながらも殴り潰し、斬り裂こうとしたところを光秀の狙撃で左肩に重傷を負う。そしてその傷の癒えぬまま姉川の戦いに浅井家援軍として参戦し本多忠勝と一騎討ちを繰り広げるが、その最中に前述の千鳥から受けた脚の刀傷が破れて進退窮まり、徳川軍の中に一人取り残されてしまう。しかし満身創痍となりながらなおも数多の敵を薙ぎ倒し、遂に力尽きて立ったまま絶命。
- 眼前でその最期を見届けた本多は彼に対し「最強の武将」の賛辞をもって応えた。
- 斎藤龍興(さいとう たつおき)
- 統率3→6 知略3→8 政治4→7 武術4→8 怠惰→成長10
- 元美濃国大名斎藤家当主で斎藤道三の孫。帰蝶の甥にあたる。肥満体で顔にニキビがあり、内治や戦は家臣に全て任せきりで自らは毎日のように女を囲み酒宴を行なうニート大名だった。
- 竹中半兵衛によって諫言代わりにいったん稲葉山城を追われるも生活を改めることはなく、その後美濃三人衆の織田方への内応により再び稲葉山城落城の憂き目に遭い、信長に一蹴され国を追われた。
- その後、信長を倒し自身の黒歴史を書き変えるため己を磨き、剣術・教養共に腕を上げ、スマートになった結果容貌も美形になった。三好三人衆と組み本國寺の仮御所を襲うも、細川藤孝の加勢により撤退。後に野田・福島の戦いを引き起こし、勝利する。7巻で三好三人衆に見切りをつけ、朝倉家に客将として仕える。その後、刀根坂の戦いでは殿を引き受け織田軍に突撃、信長にあと一歩まで迫るも力及ばず斃れる。最期にかつて戦国大名としての己を否定した千鳥から「あなたは立派な戦国大名だった」と声を掛けられたことで、自分が戦ってきた理由が「戦国大名として誰かに認めてもらいたかった」であることに気付き、満足しつつ絶命した。
- 朝倉景鏡(あさくら かげあきら)
- 統率7 知略7 政治6 武術5 非情10
- 朝倉家筆頭家老。義景の従兄弟でもあり、彼が幼少の頃から頼りにしていた人物であったが、刀根坂の戦いで義景が敗北すると織田家への寝返りを決意する。さらに高い地位を得るため、一乗谷へ敗走した義景を自身の領地である越前大野へおびき寄せて襲撃し、その首級を取ろうとした。その卑劣な行ないに激怒した千鳥に殴られると少々思い直し、義景の切腹を認めた上で織田家に投降する。
- 鳥居景近(とりい かげちか)・高橋景業(たかはし かげなり)
- 統率4 知略6 政治4 武術7 献身10
- 義景の側近。忠誠心は高く刀根坂の戦いで朝倉軍が壊滅した後も義景に付き従う。織田家に寝返った景鏡が賢松寺を包囲すると鳥居が使者となり切腹の意志を伝えるがそのまま景鏡に鉄砲で射殺される。その後切腹が認められると高橋が義景の介錯を務めた。
本願寺
- 本願寺顕如(ほんがんじ けんにょ)
- 声 - (未発表) /菅沼久義
- 統率9 知略8 政治10 武術5 照射10
- 石山本願寺を拠点とする一向宗の宗主。剃髪した頭部が光を反射して常に輝いている(こまめに剃髪しないとカリスマ性が落ちる)。
- 「王法為本」の教えに従い、時の権力者に従うことを旨としているが、信長が石山本願寺を退去する要求を出したことに反発。信長と争うことと王法為本との無矛盾(信長と義昭の不和)を知ると、信長に対して反旗を翻し、雑賀衆・浅井家・朝倉家・比叡山延暦寺等からなる負の連鎖を作り信長を追い込んだ。
- 妻の如春尼からは何かと言動について突っ込まれることが多いが、夫婦仲そのものは非常に良好。
- 下間頼廉(しもつま らいれん)
- 統率9 知略7 政治6 武術9 傷10
- 本願寺坊官。頭部に無数の傷(失敗したときに木や壁に打ち付ける)があり厳つい顔をしている。平時において顕如の補佐をする一方で本願寺の最高軍事責任者でもあり、常に重い数珠を首に下げて鍛えている。自ら「本願寺に仇なす者は極楽浄土ではなく地獄に送る」と宣言。
- 下間頼竜(しもつま らいりゅう)
- 統率5 知略8 政治8 武術4 交流10
- 本願寺坊官。本願寺の外交を担当する。多くの文化人と親交を持っており「顕如の知恵袋」と評されている。
- 雑賀孫市(さいか まごいち)
- 統率9 知略8 政治7 武術9 金銭欲10
- 独立小勢力の集合体であり一向宗門徒の多い、鉄砲傭兵集団・雑賀衆の頭領。金の亡者で、銭さえ積めばどんな仕事でも引き受ける。また音だけで銭が幾つか分かり、夢は銭風呂に入ること。浄土真宗の門徒ではあるが、投げられた賽銭を盗ろうとするなど、罰当たりな男である。斎藤龍興・三好三人衆らに雇われて野田城・福島城の戦いに加わる。後には顕如に大金で雇われる。
- 岡吉正(おか よしまさ)
- 統率6 知略7 政治3 武術8 鉄砲愛10
- 雑賀衆武将。顔の右側に大きな痣がある。「鉄砲だけが友」と語るほど幼少から鉄砲に慣れ親しんでおり、狙撃と得意としている。
武田家
- 武田信玄(たけだ しんげん)
- 統率10 知略10 政治9 武術8 温泉愛10
- 甲斐国大名武田家当主。ドがつくほどの温泉好きであり[注 17]、温泉につかりすぎて体調を崩すこともある。温泉のない場所に対しての攻撃は容赦ないがある場所には寛容。信長の「天下糖一」に対して、この世の温泉を自分のものにする「天下湯一」を掲げている。
- 織田家とは同盟を結んでいたが、比叡山焼き討ちで九死に一生を得た覚恕を保護する。信長包囲網の参加要請に応じて同盟を破棄し、上洛を目的とした西上作戦を開始する。三方ヶ原の戦いで家康に大勝するが、冬の寒さで持病(胃癌)を悪化させ野田城攻めでは中途離脱、勝頼らに城攻めを任せて療養するも重篤に陥り、死期を悟って最後の温泉入浴を所望する。家臣団の反対に会うも千代女の計らいで実現し、入浴した瞬間驚異的な一時回復を果たす。自身の死後、自らの死を三年隠し馬場、高坂、内藤、山県の四臣による合議制で内政を進めるよう遺言、「厳しくも温かい人生だった」と言い遺し、湯に浸かったまま安らかに永眠した。
- 望月千代女(もちづき ちよめ)
- 声 - (未発表) / 田村ゆかり
- 統率1 知略7 政治5 武術10 巨乳10
- 「歩き巫女」と呼ばれる武田の忍び集団の頭領で、数少ない武田家中の良きツッコミ役。またの名を信玄の忍び。諜報活動の一環として巫女の姿で諸国を渡り、信玄のために温泉の情報も収集する。
- いついかなる時も決して変わらないポーカーフェイスがトレードマーク。武器は仕込み杖で抜き手を見せないほどの居合術の名手であるが、千鳥の子供じみた技に引っかかったり、自分の手裏剣に塗った痺れ薬を舐めて動けなくなったり、助蔵の口車を馬鹿正直に信用するなど、少々ドジっ娘で単純な性格をしている。千鳥とは対照的に信玄の命がなくとも少しでも必要とあれば相手を斬り捨てるほどの冷徹さを持つ。
- ケシとトリカブトを使った毒を撒いたり、ハンミョウの粉を目潰しのために使い、また千鳥の拷問の際に口を割らない彼女に業を煮やし、全ての爪の間に竹串を貫き通すなど、目的達成のためには手段を選ばず冷酷。シイタケが苦手。
- 武田信廉(たけだ のぶかど)
- 信玄の弟。兄信玄と瓜二つということから影武者を務める。瓜二つなだけに黙っていれば何も問題はないのだが、口下手かつ演技下手なことなどから、実際影武者として機能しているのかはかなり疑わしい様子。
- 武田勝頼(たけだ かつより)
- 信玄の嫡男。父と違って温泉には興味がない。父の死後は家督を継ぎ、父を越えようと奔走する。本来ならば母親の実家である諏訪家の家督を継ぐ予定だった。
- 山県昌景(やまがた まさかげ)
- 統率8 知略7 政治5 武術9 低身長10
- 武田四名臣の一人。戦国最強の騎馬隊「赤備え」を率いる。非常に小柄(身長130㎝台)で年齢[注 18]に不相応な童顔が特徴。一人称は「僕」。西上作戦では別働隊を指揮する。小柄であることを非常に気にしており、時には自虐ネタにすることも。
- 高坂昌信(こうさか まさのぶ)
- 統率8 知略9 政治8 武術7 退却戦10
- 武田四名臣の一人。撤退戦が得意で逃げ弾正の異名を持つ名将。信玄の寵愛深く、衆道の関係にあった。
- 馬場信春(ばば のぶはる)
- 統率9 知略8 政治7 武術8 不死身10
- 武田四名臣の一人。「不死身の鬼美濃」の異名を持つ猛将。本多忠勝と同じく、戦傷を負ったことがない。顔と口調に似合わず、残忍な性格をしている。
- 内藤昌豊(ないとう まさとよ)
- 統率8 知略8 政治7 武術6 地味10
- 武田四名臣の一人。特に特徴がなく、下っ端のようで目立たない風貌をしていて、自身もそれを認めている。昌豊が指揮する部隊を攻撃されても、敵からは伏兵や奇襲攻撃だと思われており、比較的損な役割をしている。
- 秋山信友(あきやま のぶとも)
- 武田二十四将の一人。西上作戦においては岩村城攻略を担当。岩村城を守っていたおつやの方に対して、降伏条件として妻になることを要求し、それを飲ませている。
- 小山田信茂(おやまだ のぶしげ)
- 武田二十四将の一人。三方ヶ原の戦いでは先陣として投石部隊を率いた。野球のヘルメットのような形状の兜を被っており、投手のようなフォームで投石する。
- 「投擲武器を得意としている」ということから、本編では千鳥が、『真田魂』では昌幸が密かにライバル視している。
- 跡部勝資(あとべ かつすけ)・長坂長閑斎(ながさか ちょうかんさい)
- 武田家臣。家督を継いだ後の勝頼の側近。
- 真田昌幸(さなだ まさゆき)
- 詳細は『真田魂』を参照。
その他の人物
- 百地丹波(ももち たんば)
- 声 - 大川透
- 千鳥の師匠である伊賀の上忍。登場は第1話からだが、名前が出たのは第24話[注 19]。本人の希望とはいえ、うつけとの評判がある信長からの忍び派遣要請に千鳥を応じさせることに不安を抱いていた。織田軍の動向を危ぶむ一方で、千鳥の(専ら肉体的な)成長を気にかけている。
- 今川義元(いまがわ よしもと)
- 統率9 知略8 政治10 武術7 公家かぶれ10
- 駿河国の大名今川家当主。東海三国を領し「海道一の弓取り」と呼ばれ、信長もその政治面においては高く評価していた。嫡男・氏真の出来の悪さへの危惧から、領地拡大と上洛を焦っていた。また家臣もボケキャラが多く何かにつけてツッコミを入れており、統率には非常に苦労している模様。
- 尾張攻めにおいては決して油断していなかったが、千鳥に行軍を発見されたことと、一時滞在した桶狭間の地形で自軍の行動を封じられ、己を見放した天運を呪いつつ討死した。
- その後は二回だけ幽霊としてわずかながら登場している。
- 今川氏真(いまがわ うじざね)
- 統率3 知略3 政治5 武術1 蹴鞠10
- 義元の嫡男。大変出来が悪く、義元にとっては最大の悩みの種となっている。趣味は蹴鞠で超一流の技術を持っており、それで天下を取る夢があった。義元没後は領土を追われ、諸勢力を渡り歩き、最終的には江戸幕府の幕臣となった。一応塚原卜伝の弟子。
- 松永久秀(まつなが ひさひで)
- 統率7 知略9 政治9 武術6 好色10
- 大和国の大名だったが、千鳥の言葉と天下の情勢から信長に降伏し、傘下に入る。派手な服を身に付け、常に腹に一物ありそうな薄笑いを浮かべている。東大寺の焼き討ちや将軍の暗殺などを行ない梟雄として知られるが、一方で文化人としての教養や当代一の建築技術を持つ人物。ただし義理と人情と忠誠心に欠け、謀反に関してはもはや趣味の領域らしい。モットーは「裏切りは計画的に」。
- 策士かつ野心家で、腹の読めぬ油断ならない男。好色家で千鳥にはセクハラ三昧をしている。比叡山焼き討ちの後に信玄が上洛するという情報をいち早く手に入れており、千鳥に信玄上洛を示唆する言葉を残して織田勢から離反、信長包囲網に参加する。千鳥にとっては(セクハラ行為を別にすれば)「戦や政治の事を色々教えてくれる尊敬できる人」であり、彼が離反したことを知った時には動揺していた。
- 六角承禎(ろっかく じょうてい)
- 統率6 知略5 政治7 武術7 弓術10
- 南近江大名六角家当主。目が六角形。配下に甲賀忍軍がいる。時勢に疎く、あっという間に織田家に制圧され逃げ出した。それ以降はひどく落ちぶれてしまい、志賀の陣では一向宗門徒の力を借り挙兵するも秀吉に一蹴された。
- 杉谷善住坊(すぎたに ぜんじゅうぼう)
- 統率1 知略7 政治1 武術8 狙撃10
- 六角家配下の腕利きの甲賀忍者で鉄砲撃ちの名手。南近江に侵攻した織田軍を探っていたところ千鳥に見つかり負傷して敗走。後に金ヶ崎の戦いに敗れて千草越えをする信長を狙撃するも、千鳥が身を挺して庇ったため失敗した。
- ルイス・フロイス
- 統率2 知略8 政治5 武術1 日本好き10
- ポルトガルの宣教師。「でうす」の教えを広めるために信長の元を訪れてきた。ノリは外国人観光客で、やたら日本の文化について詳しい。自分のことを「ウザイ人間」と自覚しているが、足利義昭のウザさには負けた。キリスト教を信仰する人間を好印象とする傾向にある。ビスケットやカステラなど大量の西洋菓子を献上することから信長には非常に気に入られている。
- 北畠具教(きたばたけ とものり)
- 統率7 知略5 政治5 武術10 好戦10
- 南伊勢の大名北畠家前当主。鬼神の如き剣腕を誇る「剣豪大名」で塚原卜伝第一の弟子。性格はまさに武人で、常に強者との戦いを求めている。その圧倒的な戦闘力故に将の装束では判別されやすく誰も近づかないため、戦闘時はあえて足軽の装備を着用して自身の存在を消し、常に最前線で戦う。圧倒的な軍事力を持つ織田軍に一歩も退かずジリ貧になるが、秘密裏に行なわれた千鳥との一騎討ちに惜敗し、織田家に降伏した。
- 北畠具房(きたばたけ ともふさ)
- 統率3 知略3 政治5 武術6 大食い10
- 具教の子で北畠家現当主。大食漢で、乗った馬が潰れるほどの肥満体。信長が兵糧攻めをしても構わず大食いする。加工して食する松の木を生のまま食べる。千鳥に瞬殺されるほど弱いが、食事の邪魔をされた時の怒りは凄まじく「餅が出た!」の声が上がるほど。
- 三好三人衆(みよしさんにんしゅう)
- 統率5 知略5 政治5 武術5 なれ合い10
- 三好長逸・三好政康・岩成友通の三人。3人とも顔のデザインが塗りつぶされた目にひょっとこ口で統一されている。紹介と敗戦を同時にやらされ、一人1コマで信長に敗れる。その後も織田軍を襲う度に負け続けるが、野田城・福島城の戦いでは雑賀衆の活躍と本願寺挙兵により勝利を修めた。巻末の「戦国武将名鑑」では各キャラが一人ずつ紹介されているが、彼らだけ3人一組になっている[注 20]。また一族の三好政勝、三好康長も同じ顔をしている。彼等と一緒に居続けると顔が同じになるらしく、龍興も同じ顔になる寸前だったらしい。
- 淀城の戦いで友通が死ぬと長逸・政康も消息不明となる。が、政康らしき人物が「三好清海」として大坂夏の陣において豊臣方で戦った逸話も紹介されている。
- 覚恕(かくじょ)
- 統率3 知略7 政治8 武術1 権威10
- 元延暦寺座主。宇佐山城の戦いの後に浅井・朝倉軍を比叡山に匿う(志賀の陣)。発言が聞いた相手を強い不安に陥れることが多く、信長の「焼き討ちも辞さず」との脅迫をまるで本気にしていなかったが、翌年の外出中、本当に焼き討ちを実行されてしまい、武田信玄の下へ落ち延びた。
- 関兼定(せき かねさだ)
- 統率1 知略5 政治1 武術4 鍛冶10
- 美濃の高名な刀鍛冶。森可成の知り合いで、千鳥に贈られた忍び刀が折られたため、千鳥は新しい刀を打ってもらうため直接彼を訪れた。刀に深い愛着があり、共に風呂に入ったり寝たりしている。
- 戦場において、刀が武器としては重要性の低いものであることを承知の上で、名刀が贈答品・下賜品として死蔵されるよりはボロボロになるまで実用されることを望んでいる。
番外編
千鳥仕官以前の話や、千鳥が登場しない回を描いた話に登場する人物。
- 織田信秀(おだ のぶひで)
- 統率8 知略7 政治7 武術8 雷親父10
- 信長の父。顔に浮かぶ怒りマークが特徴。怒りっぽい性格だが、スケベな一面があり、『尾張統一記』では病床にあっても多くの側室を侍らせていたため、信長や土田御前を呆れさせた。1551年に病死。
- 平手政秀(ひらて まさひで)
- 統率6 知略8 政治8 武術4 世話焼き10
- 信長の少年時代の教育係かつ織田家の(自称)敏腕外交官。信長と帰蝶の縁談をまとめ上げる。気弱な性格で、度々汗を掻いているが武術の技量は抜群。信長に振り回されながらも彼の成長を楽しみにしていたが、3人の息子が信友らの離間の計にかかり信友側に走りかけたことに対し父親としての責任を果たせなかった自責の念から村井貞勝に信長の行く末を託して1553年に自害。
- 沢彦宗恩(たくげん そうおん)
- 統率1 知略8 政治7 武術1 命名10
- 『尾張統一記』に登場。信長の教育係の一人。何かにつけて命名することが大好きで、信長の元服の際に「信長」の名を命名したのも彼である。信長がうつけのふりをしていることを見抜き、下克上や楽市・楽座など様々なことを教える。信長に一発芸をさせるなど、おちゃめな性格をしている。
- 織田信広(おだ のぶひろ)
- 統率7 知略6 政治4 武術5 後継者願望10
- 『尾張統一記』に登場。信長の兄。庶子のため家督継承権は無いが、野心家で自身が継承者となるべく信秀に働きかけている。
- それを疎ましく思った信秀は、信広を安祥城の城主に任命して厄介払いする。だが、雪斎に城を落とされ捕虜となってしまい、家督相続の僅かな可能性が潰えてしまった。
- 織田信行(おだ のぶゆき)
- 『尾張統一記』に登場。信長の同母弟。当時うつけと呼ばれた暴れ者の兄・信長とは対照的に礼儀正しい。当初はおとなしく遠慮がちな性格であったが、父・信秀の死後も行状の改まらない信長を見かねて織田家の家督相続を決意。後に織田信賢と組んでからは野心家としての性格が前面に現れ、信長に対し毒入り菓子や刺客を送るなど家督奪取のためにさまざまな手段を用いるが、信長には子供扱いされている。言動に「思春期ならではの痛い考え」が現れており、信賢に危惧されている。
- 斯波義統(しば よしむね)
- 統率3 知略5 政治6 武術6 ブクブク10
- 『尾張統一記』に登場。尾張国守護であり名目上は尾張の支配者であるが、実権はない。大食らいの肥満体型で、沢彦は「ブクブク」と言うアダ名を付けている。
- 信長が勢力を伸ばし織田信友が弱体化したことで信友との関係が悪化したところを信長に付け込まれ、流言に引っかかった信友に謀殺される。
- 織田信友(おだ のぶとも)
- 統率7 知略6 政治6 武術6 チリチリ10
- 『尾張統一記』に登場。尾張国守護代で尾張下四郡の支配者。織田弾正忠家にとっては直属の上司でもある。縮れた頭髪をしており、沢彦の付けたアダ名は「チリチリ」。
- 野心家ではあったが決断力・行動力の面で信長に劣り、さらに信長の策にかかって斯波義統を弑逆してしまったことで信長に討伐の口実を与えてしまう。最後は女装して逃げようとしたところを森可成に見つかり、彼の手で討ち取られた。
- 坂井大膳(さかい だいぜん)
- 統率6 知略8 政治7 武術5 献策10
- 『尾張統一記』に登場。信友の家臣。信友の知恵袋として数々の献策を行うも、肝心の信友がそれを生かせず、最終的に清州城に信長の軍勢が入ったところで信友を見限り出奔する。
- 織田信安(おだ のぶやす)
- 統率6 知略7 政治7 武術4 ゲッソリ10
- 『尾張統一記』に登場。尾張国守護代で尾張上四郡の支配者。痩せ型で頬がこけており、沢彦からは「ゲッソリ」とあだ名された。本人は凡庸な人物であり、自身よりも才能のある嫡男・信賢に押され気味。
- 織田信賢(おだ のぶかた)
- 統率7 知略8 政治7 武術6 暗躍10
- 『尾張統一記』に登場。信安の子。その特徴的な頭髪から沢彦は「イカ頭」というアダ名を付けた。頼りない父に変わって信長に対する妨害工作を行い[注 21]、織田信行をも勧誘する。
- 太原雪斎(たいげん せっさい)
- 統率8 知略9 政治9 武術8 喝10
- 『尾張統一記』に登場。義元の参謀で元教育係。金剛力士の如き鋭い眼光がトレードマーク。自信過剰な義元に制裁を下すなど、とても厳しい。総大将として出陣することも多く、信秀を小豆坂の戦いで敗北させている。しかし老人性認知症と思われる行動をとっていることを語っており、義元に心配されている。安祥城攻防戦では信広を捕虜にして、竹千代との人質交換に応じさせた。その後は今川・武田・北条家による甲相駿三国同盟締結の橋渡し役を務めたがほどなく病に倒れ、義元に信長への警戒を強めるよう言い遺すも彼には真意が伝わらず、その行く末を憂慮しつつ死去。
- 斎藤道三(さいとう どうさん)
- 統率7 知略9 政治7 武術6 裏工作10
- 美濃国大名。帰蝶の父。帰蝶を溺愛している。「美濃のマムシ」の異名を持つ策士だが、首に巻いている蛇はシマヘビ(マムシは毒があるため)。鉄砲に先見の明を持っていた。
- 正徳寺の会見で信長の器を見抜く。信長に美濃国と娘を託し、長良川の戦いで嫡男の義龍と争い討死した。なおシマヘビは死ぬ前に逃がしており、『戦国雀王のぶながさん』で名前が「マム郎」と判明。
- 斎藤義龍(さいとう よしたつ)
- 統率8 知略5 政治7 武術9 反骨10
- 道三の息子で武将としての資質は非常に優秀。容貌はコワモテだがナルシストで、自分を美男子だと思っている。道三とは犬猿の仲で、謀反を起こし父を討ち取る。1561年に病死。
- 毛利元就(もうり もとなり)
- 道三死後から織田家仕官までの明智光秀の放浪生活を描いた31話にのみ登場した。光秀が仕官を求めたとされる人物。後世に知られる「三本の矢の教訓」を我ながらカッコイイと思っている。
- 光秀の才覚を正しく見抜くが、同時に彼の“内なる狼(と、目のどアップ)”を恐れ、彼の仕官を断った。
- 足利義輝(あしかが よしてる)
- 統率7 知略5 政治6 武術10 威光10
- 室町幕府第13代将軍。義昭の兄。作中名前が挙がることが多いが、直接登場するのは永禄の変を描いた47話のみ。
- 弟と違い気概溢れる人物。日々剣の稽古に励みながらも、腕を振るえないことを嘆いていた。幕府の権威復興を目指したため松永久秀に襲撃され、「剣豪将軍」として討ち死にする。
- 朝倉宗滴(あさくら そうてき)
- 統率9 知略8 政治7 武術9 名言10
- 朝倉一門の伝説的武将(義景の曽祖父・氏景の弟)。作中では彼の遺した語録が度々山崎吉家によって引用されるが、直接登場するのは義景による回想の形をとった59話のみ。
- 信長や義景が生まれる前の1506年(永正3年)に10倍以上の加賀一向一揆軍を撃退したり(九頭竜川の戦い)、1525年(大永5年)に浅井長政の祖父・亮政を六角勢から救援した上で浅井家中を鍛え直すなどの活躍をした。義景からは「宗滴じいちゃん」と呼ばれて慕われていた。晩年は、まだ小勢力だった信長の器を早くも見抜いていた。1555年に陣中にて病死。
備考
- 4コマのタイトルの書体は写研のゴナ。かつては、出版社こそ違うものの『ぼくの彼女はウエートレス』もそうであった。2015年4月以降はDTP化されたため、モリサワの新ゴに変更されている。
- 掲載ページ数は、原則的に1話につき6ページである。まれに重要な回の場合は7、8ページ(タイトルの絵は除く)のこともある。作者の前作『のの美捜査中!』も同様だった。
- 『のの美捜査中!』では8コマの漫画もあったが、当作品では全て4コマ(タイトルの部分のみ5コマ)で統一されている。
- セガ・インタラクティブのアーケードゲーム『戦国大戦』において千鳥、秀吉、顕如、信長、帰蝶、千代女がカード化され、参戦している。
派生作品
戦国雀王のぶながさん
『ヤングアニマル嵐』2010年No.7より2012年No.2にかけて連載されたスピンオフ4コマ漫画。戦国武将達が天下を争って麻雀勝負を繰り広げる。「千鳥と信長が出会っていない」設定のパラレルワールドで、本編に未登場の戦国武将たちも登場している。
信長の忍び外伝 尾張統一記
『ヤングアニマル嵐』2012年No.12より連載中のスピンオフ4コマ漫画。本編と同じ時間軸で、本編以前の時代を信長を主人公として、信長が元服した頃から描く。
軍師 黒田官兵衛伝
『ヤングアニマルDensi』にて2013年から連載中のスピンオフ4コマ漫画。2013年時点で本編には未登場の黒田官兵衛の半生を描く。千鳥は出てこないものの、作者は『信長の忍び』の延長線上にあると公言している[3]。更新は月2 - 3話程度であったが、2015年より後述の「真田魂」と並行連載のため月1話に縮小する。
政宗さまと景綱くん
真田魂
『ヤングアニマルDensi』にて2015年から「黒田官兵衛伝」と並行して連載中のスピンオフ4コマ漫画。第9話にて千鳥と助蔵が出演している。真田昌幸と山手殿、村松殿[注 22]・信幸・幸村を中心に真田の家と土地を守るために戦う戦国最強の血統真田家を描く。本作開始時点で、本編では真田家は真田信綱・昌輝が登場している。
書誌情報
- 単行本 - 白泉社より〈JETS COMICS〉として刊行。A5版で刊行される事が多い4コマ漫画作品としては珍しくB6版で刊行されている。カバー裏には、千鳥が使っていた忍者道具の解説が載っている。
- (2009年7月5日発行(6月29日発売)) ISBN 978-4-592-14494-6
- (2010年3月5日発行(2月26日発売)) ISBN 978-4-592-14495-3
- (2010年9月5日発行(8月27日発売)) ISBN 978-4-592-14496-0
- (2011年7月5日発行(6月29日発売)) ISBN 978-4-592-14497-7
- 巻頭に描き下ろし収録
- メイン合戦は金ヶ崎撤退戦
- 忍者道具:しころ・忍び装束 巻末の寄贈解説は金谷俊一郎。
- (2012年4月5日発行(3月29日発売)) ISBN 978-4-592-14498-4
- メイン合戦は姉川の戦い、野田城・福島城の戦い
- 巻末に大羽快による描き下ろし「殿と『信長の忍び』」を掲載(大羽は帯にも寄稿)。
- 忍者道具:五色米・三大忍術秘伝書
- (2012年12月31日発行(12月26日発売)) ISBN 978-4-592-14499-1
- (2013年10月31日発行(10月29日発売)) ISBN 978-4-592-14532-5(限定版はISBN 978-4-592-14340-6)
- メイン合戦は箕浦の戦い、比叡山延暦寺焼き討ち
- 忍者道具:水蜘蛛・仕込み杖 初回限定版として戦国大戦のEXカード「織田信長」を付属した限定版も合わせて発売。
- (2014年9月5日発行(8月29日発売)) ISBN 978-4-592-14533-2
- (2015年8月5日発行(7月29日発売)) ISBN 978-4-592-14534-9
- 戦国雀王のぶながさん
- 白泉社〈JETS COMICS〉、単巻、2012年4月5日発行(3月29日発売) ISBN 978-4-592-14550-9
- カバー下には『信長の忍び』の忍者道具解説風に麻雀道具の作中世界での用いられ方がギャグを交えて「解説」されている。
- 信長の忍び外伝 尾張統一記
- 白泉社〈JETS COMICS〉より刊行。カバー裏には信長の政策について解説が載っている。
- (2014年9月5日発行(8月29日発売)) ISBN 978-4-592-14011-5
- 信長の政策:武器開発・常備兵
- (2016年3月5日発行(2月29日発売)) ISBN 978-4-592-14012-2
- 信長の政策:本拠移転・人材登用
テレビアニメ
この節には放送または配信開始前の番組に関する記述があります。 |
2016年放送予定。これに先立ち、同年3月に公式サイトにて第0話が配信されている。スタッフの多くは同じ白泉社の漫画を原作とする『神様はじめました』と共通。
スタッフ
- 原作 - 重野なおき(白泉社『ヤングアニマル』連載中)
- 監督 - 大地丙太郎
- キャラクターデザイン・総作画監督 - 山中純子
- 美術監督 - 湖山真奈美
- 色彩設定 - 加藤里恵
- 撮影監督 - 佐々木明美
- 編集 - 藤田育代
- 音響監督 - たなかかずや
- 音楽 - 増田俊郎
- アニメーションプロデューサー - 寺島清晃
- プロデューサー - 石山桂一、山田茂樹、西村哲宣
- アニメーション制作 - トムス・エンタテインメント/V1Studio
- 製作 - 「信長の忍び」製作委員会
各話リスト
話数 | サブタイトル | 絵コンテ | 演出 | 作画監督 |
---|---|---|---|---|
第0話 | 信長と見習い忍び | 大地丙太郎 | 赤城博昭、大地丙太郎 | 山中純子 |
脚注
注釈
- ^ 「10歳の頃に織田家の忍びに就いた」と語るシーンがあり(2巻66頁)、最初の大仕事が1560年(永禄3年)の桶狭間の戦いであったこと、1567年(永禄10年)に信長が美濃国を制圧した時点で百地丹波が「千鳥ももう十六・七になるからのう」と語っている(2巻36頁)ことから推測できる。また本編ではないが、槇島城の戦い(1573年)を描いた連載150回記念回(『ヤングアニマル』2014年No.15)の企画マンガ(単行本未収録)で松永久秀が「23には見えんのう」と発言している。
- ^ 桶狭間戦の勝利報告で失神した時や武田軍潜入の際に拷問で重傷を負った時などは居城内で帰蝶やお市自らの手厚い看護を受けている
- ^ ただし登用されても「甘いものが嫌い」であることが発覚した時点で即刻馘首となる。
- ^ 稲葉山城に千鳥と共に潜入したり、織田家の密偵たちの指導をしている話があり、織田家の忍びよりは優れている可能性はある。
- ^ 筆頭家老の柴田が下になっているのは、柴羽(しばは)では語呂が悪いからとの事
- ^ 彼女について歴史書に記載が少ない理由について、この作品では信長が帰蝶の性格を後世に残さないように指示したためということになっている。
- ^ その分野は歴史書編纂、築城、作戦立案、忍術等多岐にわたり、特に宴会芸は「108の宴会芸」なるものを修得している。また忍術に興味を持った時は伊賀へ本格的に忍術修行に出ようとして信長に止められた。
- ^ 火縄銃を見て光線銃、改築された清洲城屋敷を見て地下室、ジャグジー、床暖房といった建築設備、信長の人材募集の様子を見て男女平等雇用、等
- ^ 信長が志半ばで倒れる時は、側で一緒に死ぬのが望みとも言っている
- ^ 「戦国雀王のぶながさん」では5歳の時から惚れていると発言している
- ^ 作中では史実の年齢の割(享年48歳)にとても若く描かれ、「非常に歴史を再現している」とした1巻巻末の谷口克広の解説では、唯一その点が指摘されている。但し、死後に「ああ見えて四十後半だった」と、若作りであったことが語られた。
- ^ 大声を出されただけで鼓膜が破裂、具足を着た状態でも胸を軽く叩いただけで胸部打撲、采配を振っただけで腕を疲労骨折、見栄を切ろうと指の関節を鳴らそうとして指の骨を粉砕骨折、標高171mの天筒山城に上がっただけで高山病、暑気当りで鼻血を大量出血、味方とハイタッチをして脱臼。その他虫歯・風邪・口内炎、肝臓も弱く不眠症など常にあらゆる病気にかかっている。
- ^ 作中描写では通常、左右どちらかの八重歯しか見えない。
- ^ 姉川合戦の際に真柄直隆に対し一騎討ちを挑まんと名乗りを上げたものの、真柄に「知らない」と返され精神的ダメージを受けている
- ^ 単位は不明だがおそらくcm。作内では胸・胴・尻の記述。
- ^ 9巻のあとがきによると、このようなデザインにしたのはマイナーだが覚えてもらいたい名将であるため、目立たせようとした結果であるとのこと。
- ^ 西上作戦中、長期間温泉に入れなかったために禁断症状が現れて暴力的になり、果ては池を温泉と勘違いして飛びこもうとしたことがある
- ^ 初登場時43歳
- ^ 1巻発行の段階で連載がそこまで出ていた関係で、巻末の谷口克広の解説では百地丹波と紹介されている。
- ^ 二人一組で紹介されている人物であれば、『尾張統一記』1巻で山口教継・教吉親子以降何組か存在する。
- ^ しかしその内容は「尾張国中の菓子買い占め」「尾張国中の桃栗柿伐採」「清洲城下に雀蜂を放つ」といった陳腐としか言いようのない内容。しかし「尾張国中の菓子買い占め」については成功し、信長に大きな精神的ダメージを与えている。
- ^ 第一話公開時の名称は於国
出典
- ^ 1巻P131あとがきより
- ^ “『信長の忍び』2016年TVアニメ化 戦国時代が舞台の4コマ漫画”. ORICON STYLE (オリコン). (2016年2月26日) 2016年2月26日閲覧。
- ^ 重野なおきの雑記 : 新連載「軍師 黒田官兵衛伝」のお知らせ 2013年9月4日閲覧
外部リンク
- 信長の忍び - ヤングアニマルweb
- TVアニメ「信長の忍び」 - アニメ版公式サイト
- アニメ「信長の忍び」公式アカウント (@shinobinobunaga) - X(旧Twitter)