余命 (小説)

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余命』(よめい)は、谷村志穂による日本小説

週刊女性』2003年12月16日号から2004年10月5日号まで連載されていた。新潮社から書籍が発行されている。

2009年に映画化、2013年に『白衣のなみだ』のタイトルでテレビドラマ化されている。

あらすじ

医師として公私共に充実した生活を送っていた(しずく)は、結婚10年目にして子どもを授かる。諦めていたわけではないが、予想外の嬉しい出来事に心が躍る。しかし、喜びも束の間、乳がんが再発していることに気がついてしまう。夫に言えば、子どもを諦めることになるのではないか、逡巡の末、滴は乳がんであることを誰にも告げないまま、母親への道を歩み始めるが、癌もまた進行の度合いを緩めることなく、滴の身体を蝕んでいく。

登場人物

百田 滴(ももた しずく)
演:松雪泰子
外科。38歳。生まれも育ちも東京だが、母親は奄美大島出身、母親は膵臓がんで亡くなっている。24歳で医師国家試験に合格し、医師へ。ある日、若年性乳がんが発見され、右乳房を全摘出する。結婚10年目に妊娠が発覚。喜びも束の間、乳がんが再発していることに気が付く。
百田 良介(ももた りょうすけ)
演:椎名桔平
滴の夫。滴とは医大の同級生。北海道出身。医師国家試験に落ちた年に、趣味でやっていた写真が雑誌で新人賞を受賞し、そのまま写真家への道を選んだ。しかし、仕事はほとんどなく収入は不安定だった。滴が妊娠7カ月くらいの時に長期の仕事を依頼され、癌であることを知られたくなかった滴の後押しもあり、鳥島へ。
保井 きり子(やすい きりこ)
演:奥貫薫
滴の研修医時代からの唯一の友人。
吉野 晃三(よしの こうぞう)
演:二階堂智
妻の秀実と「吉」というコーヒー屋を営んでいる。百田夫妻の家は、吉野の父親がかつて所有していたものを譲ってもらった。
光(ひかる)
演:市川実和子
滴の従妹加計呂麻島在住。看護師
木梨 三千男(きなし みちお)
演:布川隼汰
脳腫瘍が再発し、小児病棟に入院中の16歳の少年。幼い子どもたちと同じ病室で苛立ちを隠せず、悪態をつく。
百田 瞬太(ももた しゅんた)
演:林遣都
滴と良介の息子。

映画

余命
監督 生野慈朗
脚本 河原れん
生野慈朗
原作 谷村志穂
出演者 松雪泰子
椎名桔平
林遣都
音楽 富貴晴美
主題歌 twenty4-7
Get A Life〜Again〜
撮影 佐光朗
編集 並木加代
配給 S・D・P
公開 日本の旗 2009年2月7日
上映時間 131分
製作国 日本の旗 日本
言語 日本語
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キャッチコピーは「君に届け いのちへの想い」。2008年東京国際映画祭にて、「日本映画・ある視点」部門で作品賞候補となった。

キャスト

主なキャストについては#登場人物を参照。

スタッフ

※生野監督の出身社であるTBSは前作『手紙』同様、製作に加わっていない。しかも製作放送局にもTBS系列はおろか、東名阪のキー局は1局もない(日本テレビ系列7局、テレビ朝日系列6局、独立局1局)。
  • 配給・宣伝:S・D・P

テレビドラマ

白衣のなみだ
ジャンル テレビドラマ
原作 谷村志穂「余命」(第二部・第三部は原案)
企画 中島資太(東海テレビ)
脚本 スタッフ項参照
演出 スタッフ項参照
出演者 キャスト項参照
製作
プロデューサー スタッフ項参照
制作 東海テレビ
国際放映
放送
音声形式ステレオ放送
放送国・地域日本の旗 日本
放送期間2013年4月1日 - 6月28日
放送時間平日 13:30 - 13:58
放送枠東海テレビ制作昼の帯ドラマ
放送分28分
回数65(第1・3部20、第2部25)
公式サイト

特記事項:
3部作のオムニバス形式
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2013年4月1日より『白衣のなみだ』(はくいのなみだ)のタイトルで東海テレビ制作によるフジテレビ系列の昼の帯ドラマ枠にて、毎週月曜 - 金曜13:30 - 13:58(JST)に放送されている。1ヶ月1シリーズの三部構成・総計65回の(広義の)オムニバス形式連作ドラマ。同枠でのオムニバス形式ドラマは1993年の秋に放送された『花の咲く家』以来、19年半ぶり。今作では『インディゴの夜』以来、3年ぶりにオープニングタイトルバックが復活した。
第一部『余命』(よめい)の主演は水野美紀、第二部『慈命』(じめい)の主演は平山あや、第三部『使命』(しめい)の主演は石黒英雄。奇しくも三人ともに昼ドラ初出演で初主演。男性が同枠主演を務めるのは『ぼくの夏休み』の綾部守人井上正大以来1年ぶり。

なお第1部は谷村の原作に沿って製作されたが、第2・3部はその原作に一部ドラマ用のオリジナル脚本を加えたものを放送したため、谷村のクレジットは「原案」に変更されている。

フジテレビ系列の昼の帯ドラマ枠は長らく13:30 - 14:00での放送が続いていたが、2013年4月1日から新情報番組『アゲるテレビ』を毎週月曜 - 金曜13:58 - 15:30に開始することとなったため、放送終了時刻を2分繰り上げ、当作品から28分番組となった[1][2][3]

キャスト

  • 太字は、相関図に掲載されている人物を表す[4][5][6]

第一部「余命」

放送期間:2013年4月1日-4月26日(4週・20回)。舞台設定は1985年の湘南の総合病院。

湘南清風総合病院の内科医。研修医になった途端に乳がんを患い右乳房を切除。その後良介と結婚して数年経て妊娠直後に、乳がんを再発する。
滴の夫。医大を卒業するも、カメラマンの道に進む。滴の代わりに家事をする主夫。
滴の同僚で湘南清風総合病院の小児科医。
滴の先輩で湘南清風総合病院の外科医。
喫茶店「吉」のオーナー。妻・秀実と共に店を切り盛りし、滴の親代わり的な存在。
喫茶店「吉」のオーナー晃三の妻。夫と共に切り盛りをする、滴の親代わり的な存在。
湘南清風総合病院の事務長。
湘南清風総合病院の内科部長。
湘南清風総合病院の産婦人科医。
新潟に住む滴の姑で良介の実母。
大学病院にも見放されてしまった末期がん患者。彼女の生き方が滴の成長に繋がっていく。ドラマのオリジナルキャラクター。
その他の出演者

第二部「慈命」

放送期間:2013年4月29日-5月31日(5週・25回)。舞台設定は1990年代の湘南の総合病院。

シングルマザー。病院で清掃の仕事をしながら一人娘のサヤを育てる。
  • 置田龍太郎 - 長谷川朝晴:第一部に引き続き登場
第二部では、湘南清風総合病院の外科部長になる。
ハナの娘で小学生。明るく元気な女の子。
  • 小沼義男 - 徳井優:第一部に引き続き登場
湘南清風総合病院の事務長。
サヤと仲がいい。
第一部「余命」の主人公。元湘南清風総合病院の内科医。偶然、入水自殺を図ろうとした汐見ハナに声をかける。
その他の出演者

第三部「使命」

放送期間:2013年6月3日-6月28日(4週・20回)。舞台設定は2013年6月[14](同作放送時の現代)の湘南の総合病院。

第一部の主人公・百田滴と百田良介夫妻の息子。両親同様、医師になった。
湘南清風総合病院の患者。
  • 置田龍太郎 - 長谷川朝晴:第一部・第二部に引き続き登場
2013年の時点では湘南清風総合病院の院長になる。
ガン患者。
院の事務長。
2013年時点での喫茶店「吉」のオーナー。
  • 百田良介 - 永井大:第一部・第二部に引き続き登場
瞬太の父。妻の滴が死亡後に医師免許を習得(第一部・第20話)。現在は往診専門の巡回医「はるかぜ診療所」院長。
百田滴と瓜二つの女性。脳腫瘍を患い、湘南清風総合病院に現れる。
  • 百田滴 - 水野美紀:第一部・第二部に引き続き登場
第一部「余命」の主人公で瞬太の母。元湘南清風病院の内科医。瞬太を妊娠後に乳がんが再発し、出産直後に病没してしまう。
内科医で瞬太の同僚。
その他の出演者
看護士
看護士

スタッフ

3部共通

  • 原作(第二部・第三部は原案) - 谷村志穂「余命」(新潮文庫刊)
  • 企画 - 中島資太
  • 医事監修 - 西丸與一(横浜市立大学医学部名誉教授)
  • オープニング主題歌 - BoATail of Hope
  • エンディング主題歌 - 河村隆一「七色」
  • 音楽 - 森英治
  • 音楽プロデュース - S.E.N.S. Company
  • 企画プロデュース - 市野直親(東海テレビ放送)、浦井孝之(国際放映)
  • 広報 - 渡辺秀彦、胡桃千春、山本章子(東海テレビ)
  • 制作著作 - 国際放映
  • 制作 - 東海テレビ放送

第一部「余命」

  • 脚本 - 古林実夏他
  • 演出 - 皆川智之、藤木康之
  • プロデュース - 服部宣之(東海テレビ放送)、河角直樹(国際放映)

第二部「慈命」

  • 脚本 - 金谷祐子
  • 演出 - 奥村正彦他
  • プロデュース - 松本圭右(東海テレビ放送)、河角直樹

第三部「使命」

  • 脚本 - 牟田桂子、田部俊行
  • 演出 - 星田良子
  • プロデュース - 服部宣之、河角直樹、小俣絵梨(国際放映)

放送日程

東海テレビ制作 昼ドラ
前番組 番組名 次番組
モメる門には福きたる
※13:30 - 14:00
(2013.1.7 - 2013.3.29)
白衣のなみだ
※当作品から13:30 - 13:58
(2013.4.1 - 2013.6.28)
明日の光をつかめ -2013 夏-
(2013.7.1 - 2013.8.30)

関連商品

・森英治「白衣のなみだ オリジナル・サウンドトラック」(2013年6月28日)

脚注

関連項目

外部リンク