京王吉祥寺駅ビル

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キラリナ京王吉祥寺
Kirarina Keio Kichijoji
キラリナ京王吉祥寺外観
店舗概要
所在地 180-0003
東京都武蔵野市吉祥寺南町2-1-25
座標 北緯35度42分10.05秒 東経139度34分48.02秒 / 北緯35.7027917度 東経139.5800056度 / 35.7027917; 139.5800056 (京王吉祥寺駅ビル)座標: 北緯35度42分10.05秒 東経139度34分48.02秒 / 北緯35.7027917度 東経139.5800056度 / 35.7027917; 139.5800056 (京王吉祥寺駅ビル)
開業日 2014年(平成26年)4月23日
正式名称 京王吉祥寺駅ビル
建物名称 京王吉祥寺駅ビル
施設所有者 京王電鉄株式会社
店舗数 98
営業時間 10:00 - 21:00
(7階のみ10:00 - 22:00)
前身 ユザワヤ吉祥寺店
最寄駅 吉祥寺駅
外部リンク キラリナ京王吉祥寺
京王
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京王吉祥寺駅ビル(旧)
ターミナルエコー時代の外観
(1993年頃撮影)
情報
旧名称 吉祥寺エコービル
用途 商業施設
管理運営 京王電鉄株式会社
延床面積 9,870 m²
階数 地上8階・地下2階
着工 1967年昭和42年)
竣工 1970年(昭和45年)
開館開所 1970年(昭和45年)11月
改築 2010年平成22年)11月 - 2014年(平成26年)3月
所在地 180-0003
東京都武蔵野市吉祥寺南町2-1-25
座標 北緯35度42分10.05秒 東経139度34分48.02秒 / 北緯35.7027917度 東経139.5800056度 / 35.7027917; 139.5800056 (京王吉祥寺駅ビル(旧))
備考 2010年(平成22年)3月31日時点の情報
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京王吉祥寺駅ビル(けいおうきちじょうじえきビル)は、東京都武蔵野市吉祥寺南町にある駅ビルである。吉祥寺駅南口側にあり、京王電鉄井の頭線のほか、JR中央線および駅ビルアトレにも直結する。

現在の駅ビルは2014年(平成26年)4月に竣工。キーテナントは京王電鉄運営のショッピングセンターキラリナ京王吉祥寺」で、2014年4月23日に開業した。1970年昭和45年)に完成した旧駅ビルは老朽化により2010年平成22年)に取り壊され、その後改築工事を経て、2014年4月に新駅ビルが完成した。本項では旧駅ビル「ターミナルエコー」についても併せて記述する。

歴史[編集]

ターミナルエコー時代の看板
ターミナルエコー時代の看板
ユザワヤ初代店舗時代の外観(2007年2月撮影)
ユザワヤ初代店舗時代の外観(2007年2月撮影)
京王吉祥寺駅南口入口 フレンテ吉祥寺(2009年5月14日撮影)
京王吉祥寺駅南口入口
フレンテ吉祥寺(2009年5月14日撮影)
京王吉祥寺駅南口入口 ビル改築工事中(2011年1月4日撮影)
京王吉祥寺駅南口入口
ビル改築工事中(2011年1月4日撮影)
京王吉祥寺駅南口入口 キラリナ京王吉祥寺開業後(2014年4月27日撮影)
京王吉祥寺駅南口入口
キラリナ京王吉祥寺開業後(2014年4月27日撮影)
キラリナ京王吉祥寺の開業時に運行された広告ラッピングバス。小田急バスの車両。 京王バス東(当時)も同デザインのラッピングバスを運行していた。 吉祥寺通り・井の頭恩賜公園前にて(2015年4月4日撮影)
キラリナ京王吉祥寺の開業時に運行された広告ラッピングバス小田急バスの車両。
京王バス東(当時)も同デザインのラッピングバスを運行していた。
吉祥寺通り井の頭恩賜公園前にて(2015年4月4日撮影)

ターミナルエコー時代[編集]

1960年代、吉祥寺駅南口にあった旧多摩青果市場の跡地を「富士ビルディング株式会社」が取得。中央線井の頭線吉祥寺大通りに挟まれた三角地帯にショッピングビルを建設する予定だった。しかし、中央線の高架化に合わせて、京王帝都電鉄と提携し、国鉄の余剰地を買収してビルを建設する計画に変更した[1]

1970年昭和45年)11月、「ターミナルエコー」(Terminal ECHO、ビル名称:吉祥寺エコービル)の名称で、地上8階・地下1階からなるテナントビルとして開業した。主に中・高層階を専門店レストランなどで構成しており、屋上には遊戯施設も兼ね備えていたほか、夏季にはビアガーデンも開設されていた。

しかし、駅に直結する一等地にもかかわらず、駅周辺からのアクセスが不便だったことや、競合する商業施設の開業が相次いだことなどにより苦戦を強いられる。さらに1970年代中・後期(昭和50年代前期)には、エコービル側の家賃値上げに対して当時入居していたテナントが抗議して店舗が順次退去し、ビルの大部分が長らく空白の状態となっていた。

1980年代後期までは食品スーパーのシヅオカヤが地下1階で営業していたほか、フロアの一部はゲームセンターとしてひっそりと営業していた。

ユザワヤ開店から京王電鉄所有へ[編集]

1995年平成7年)、ターミナルエコー跡に手芸ホビー用品の専門店、ユザワヤの出店が決定。翌1996年(平成8年)5月1日、手芸・ホビー専門店としては当時最大級の店舗ユザワヤ吉祥寺店が開店した。

ユザワヤの出店により、長い空白の時代にようやく終止符が打たれ、20年以上掲げられていた「ターミナルエコー」の看板が消滅した。またこれにより、長年にわたりシャッターが閉められていた2階連絡口も再開され、かつてシヅオカヤがあった地下1階はユザワヤの玩具売場となった。核テナントとなったユザワヤ吉祥寺店は、延べ9,780m2と、当時のユザワヤ全店の中で最大の売り場面積を有し、手芸ファンやラジコン愛好家らに重宝され、ユザワヤのブランドネームを全国に轟かせるきっかけともなった。

2003年(平成15年)3月20日には、地上2階・地下1階の駅直結専門店フロア「京王クラウン街吉祥寺」が名称を「フレンテ吉祥寺」と改めリニューアルオープン。翌2004年(平成16年)8月6日には地下1階部分を改装し、京王グループ啓文堂書店がオープンした。同年9月30日には京王電鉄が約120億円で全館を取得(ユザワヤが引き続き貸借)、駅ビルは京王電鉄が所有する形となり、ビル名称も京王吉祥寺駅ビルに改称した。

2009年(平成21年)にはビル完成40年目を迎えて老朽化も著しくなったため、翌2010年(平成22年)から4年近くかけて改築工事が行われることになった。

ユザワヤの閉店と駅ビル改築[編集]

工事着手の時点で、京王吉祥寺駅ビルには地上1 - 8階にユザワヤ、下層階にフレンテ吉祥寺、地下1階に啓文堂書店がそれぞれ入居していた。また、現在の駅ビルが開業する前の井の頭線吉祥寺駅は地上2・3階部分に相当し、3階が改札・ホーム、2階が券売機を設置した吹き抜けの広場という特殊な形態だった。この広場はJRの公園口改札やJR側の駅ビルである「アトレ吉祥寺」に直結していたものの、構造が複雑になっていた。また、JR側も京王に間借りする形でこの広場部分に券売機等を設置し、JRと京王の券売機が並ぶ形になっていたため、切符の誤購入が絶えなかった。

ユザワヤは2010年2月28日をもって閉店し、丸井吉祥寺店7・8階へ縮小移転して4月2日より営業を開始した。啓文堂書店も同年3月15日をもって閉店し丸井へ移転した。そしてフレンテ吉祥寺は同年3月31日を最後に閉業した[2]。工事期間中は2階・3階の一部を除き、すべて閉鎖されていた。

ユザワヤ時代の屋上にはユザワヤのラジコンサーキット場があり、ユザワヤのマスコットキャラクターである金色のクマ「ゆう太」の像が置かれていた。これはユザワヤ開店時に浦和店から譲り受けたものであり、2010年(平成22年)2月25日にはテレビ東京空撮紀行番組空から日本を見てみよう 中央線沿線スペシャル』にて紹介された。「ゆう太」像はユザワヤ移転後の行先が決まっておらず、同番組放送後も引き取り手を募集していた[3]。なお、2010年5月6日放送の同番組特番にて「ゆう太」の引き取り手が現れず、撤去することが決まった旨を発表し、結局ビル解体と同時に撤去された。また、2011年3月3日放送の同番組で当ビルが改築工事中であることを紹介した際に「ゆう太」の撤去前後も紹介された。

京王電鉄はビル南側の井の頭線高架下の買収も進めており、武蔵野市主導による駅南口周辺の再開発と連携して一体的な整備が行われてきた。旧駅ビルは2010年(平成22年)秋から解体に着手、改築工事に入った。

同時期の2010年(平成22年)3月30日吉祥寺ロンロンも閉店し、同年4月1日に一部が「アトレ吉祥寺」として生まれ変わった。アトレはリニューアル工事を終えて同年9月21日に全面開業し、現在の形となった。同時にJR吉祥寺駅も京王と足並みをそろえる形で改築工事を進めた。

2007年(平成19年)から行われてきた井の頭線高架橋の改築工事は2011年(平成23年)春に完了し、ホーム・壁面ともリニューアルされた[4]

2010年3月31日のフレンテ吉祥寺閉業時に出店していたテナントは以下のとおり。

新駅ビルの完成、キラリナ京王吉祥寺開業[編集]

新築された京王吉祥寺駅ビルは2014年(平成26年)4月に完成し、4月23日に商業施設「キラリナ京王吉祥寺」を開業した。新駅ビルの規模は地上1 - 10階・地下1 - 2階、高さ53m、延床面積28,000m2と、旧駅ビルよりさらに大きいものとなり、テナントとしてはユザワヤ吉祥寺店が丸井から再移転したほか、啓文堂書店も再出店している。

なお8・9階に出店した現在のユザワヤ吉祥寺店は3代目で、大型店舗だった初代より規模は小さいものとなったが、現在もユザワヤの主要店舗として重きをなしている。

かつて、ユザワヤ→啓文堂書店だった地下フロアには、現在は京王ストア運営の食品スーパーであるキッチンコートと、100円ショップザ・ダイソーが入っている。キッチンコートの出店により、シヅオカヤ以来の食品スーパー復活となった。

沿革[編集]

  • 1967年昭和42年)頃 - 吉祥寺駅南口駅ビル(仮)着工。
  • 1970年(昭和45年) - 吉祥寺エコービル竣工。11月、ターミナルエコーとして開業。
    • その後、入居していた店舗などが、ビル側の家賃値上げに抗議して退去したため、長期にわたり閉業状態となる。
  • 1995年平成7年) - ユザワヤがターミナルエコー跡に出店を決定。
  • 1996年(平成8年)5月1日 - ユザワヤ吉祥寺店開店。
  • 2003年(平成15年)3月20日 - 京王クラウン街を改装し、フレンテ吉祥寺開店。
  • 2004年(平成16年)
  • 2008年(平成20年) - 京王電鉄が新駅ビルの基本設計・施工計画を策定。
  • 2010年(平成22年)
    • 2月28日 - ユザワヤ吉祥寺店(初代店舗)が閉店。
    • 3月15日 - 啓文堂書店(初代店舗)が閉店。
    • 3月31日 - フレンテ吉祥寺が閉店。
    • 4月2日よりユザワヤ・啓文堂書店が丸井吉祥寺店にて新店舗オープン。
    • 11月 - 京王吉祥寺駅ビルの改築工事に着手。
  • 2011年(平成23年)春 - 井の頭線高架橋の改築工事が完了。
  • 2014年(平成26年)
    • 4月 - 新京王吉祥寺駅ビルが完成。
    • 4月23日 - 新商業施設「キラリナ京王吉祥寺」開業。

フロア構成[編集]

キラリナ京王吉祥寺[編集]

フロア詳細は公式サイトを参照。

フロア 主な店舗
9 Hobby & Craft
ホビー&クラフト
ユザワヤ
キラリナテラス(屋上)
8 ユザワヤ
7 Culture & Service
カルチャー&サービス
京王百貨店(サテライト店)[5]啓文堂書店
ABCクッキングスタジオコンタクトのアイシティ
吉祥寺駅おき眼科眼科)、椿屋カフェ
6 Stylish Life
スタイリッシュライフ
GUJINSドコモショップ
ヨギボーストア、保険見直し本舗
5 Trend Casual
トレンドカジュアル
アートマン アートマン
ジーナシス、オリエンタルトラフィック、KBF、ファストネイル、イェッカヴェッカ
4 Stylish Casual
スタイリッシュカジュアル
ジャーナルスタンダード、アーバンリサーチ
スピック&スパン、フレッドベリー
ニールズヤードレメディーズ(コスメ)、フルーツギャザリング(コスメ)
キラリナ広場
3 Select Style
セレクトスタイル
ビームススターバックスコーヒー
カシラ(帽子店)、A LoT駅売店
2 Food & Fashion Variety Gate
フード&ファッション バラエティゲート
ジェラート ピケ、コレックス、サボン
やわらかシロコッペ・KOMEDA'S STAND
1 Convenience Gate
コンビニエンスゲート
ベーカリー&カフェ ルパ吉祥寺店、おむすび権米衛
スープストックトーキョーカレーショップC&C、ピカール
フラワーショップ京王
B1 Food & Valiety
フード&バラエティ
キッチンコートザ・ダイソー
ルートートギャラリー
ハッピーレモン、金子園ミスターミニット
三井住友銀行セブン銀行ATM
B2 駐車場

京王井の頭線吉祥寺駅[編集]

駅ビルが登場する作品[編集]

  • ろくでなしBLUES』 - 吉祥寺を舞台にした学園漫画。エコービルが劇中に登場する[6]
  • GTO』 - 吉祥寺を舞台にした学園漫画。ユザワヤ時代の本ビルが登場する(コミックス第7巻など)。
  • 真・女神転生』 - 物語序盤で吉祥寺が舞台となるRPG。ゲーム中で、魔物が登場するビルという設定としてエコービルが登場する。

関連項目[編集]

脚注・出典[編集]

外部リンク[編集]