交響曲第3番 (モーツァルト)

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交響曲第3番 変ホ長調 K. 18 (Anh. A 51) は、かつてヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトが作曲したと考えられていた交響曲。現在ではこの楽曲はモーツァルトの作品ではなく、ドイツの前期古典派作曲家であるカール・フリードリヒ・アーベルの作品であることが判明している。

概要[編集]

カール・フリードリヒ・アーベル

本作がモーツァルトの作品であるとされていた理由は、モーツァルトが所有していた手稿譜が『交響曲第3番』として分類され、そのままブライトコプフ・ウント・ヘルテル社の最初のモーツァルト作品全集中の1曲として出版されてしまったからである。後になって研究が進み、楽譜は1764年ロンドン滞在中だった幼少期のモーツァルトが学習目的で写譜したものではないかと考えられるようになった。曲は元々カール・フリードリヒ・アーベルのもので、『6つの交響曲 作品7』の第6曲として1767年出版されていたものであった。ただし、モーツァルトはアーベルのオリジナルに一部手を加えており、出版譜のオーボエのパートをクラリネットに置き換えている[1]

楽器編成[編集]

クラリネット2、ファゴットホルン2、弦楽器[2]

楽曲構成[編集]

曲は3つの楽章からなる。演奏時間は約11分から15分。

音楽・音声外部リンク
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第1楽章第2楽章第3楽章
エーリヒ・ラインスドルフ指揮ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団による演奏。
第1楽章第2楽章第3楽章
ニコラス・ウォード指揮ノーザン室内管弦楽団による演奏。
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以上の演奏は何れもYouTubeアートトラック公式収集による。

脚注[編集]

出典

  1. ^ H. C. Robbins Landon, "Doubtful and spurious" The Mozart Compendium, ed. H. C. Robbins Landon. London: Thames & Hudson, Ltd. (1990): 353
  2. ^ IMSLP Symphony WK.18 Abel, Carl Friedrich”. 2013年10月8日閲覧。

外部リンク[編集]