乾草沼

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乾草沼(ひぐさぬま)は、千葉県山武郡横芝光町宮川にあるである。

概要

現在の九十九里平野玉の浦と呼ばれた入り江海岸線の後退により平野となったものであり、多くの海跡湖が残されていた。これらの海跡湖は昔から新田開発の対象であり、椿海干拓に代表されるような開発が行われた。そして、明治以降ますますさかんになった開発により、九十九里平野にあった多くの海跡湖は姿を消し、乾草沼は残された数少ない海跡湖のひとつである。

生態系

湿地人間にとっては生産性が低い土地であるが、植物昆虫などの小動物にとっては生命の宝庫である。人間が生産性を求め、開発によって多くの湿地が姿を消し、そのようななかで絶滅が危惧される湿地植物や昆虫などの生育地域として乾草沼は貴重な存在となった。

植物

かつては豊かな水辺と湿地が広がっていた乾草沼周辺であるが、新田開発が行われ、それとともに農業用水としての整備が進められ、さらに住宅地としての開発もあって、沼の水面は狭まりモウセンゴケなどの食虫植物群は消滅した。しかし、現在も全国的に絶滅が危惧される植物も生息している。

昆虫

乾草沼には昆虫類、特にトンボ類が多く関東周辺では珍しくなった6科25種が生息している。このような多種類のトンボの生息は全国的にも珍しい。また東日本では絶滅したとみられていたトビケラの一種がみつかるという発見もあった。

関連項目

座標: 北緯35度40分0秒 東経140度31分0秒 / 北緯35.66667度 東経140.51667度 / 35.66667; 140.51667