丸山工作

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丸山 工作(まるやま こうさく、1930年6月16日 - 2003年11月19日)は、日本生化学者千葉大学名誉教授。

人物[編集]

東京府生まれ。父は作家丸山義二、弟にドイツ文学者丸山匠がいる[1]。東京府立第四中学校(現・東京都立戸山高等学校)から武蔵高等学校 (旧制)を経て、1953年東京大学理学部動物学科卒業、1956年同大学院博士課程中退。

東京大学教養学部助手、1962年理学部助手、1965年教養学部助教授、1972年京都大学理学部教授、1977年千葉大学理学部教授、1994 - 1998年学長。1998年千葉大学で全国で初めて高校からの「飛び入学」制度を導入した[2][3][4]大学入試センター所長、2001年理事長。

長男の丸山敬(1957年- )は、薬理学者埼玉医科大学教授。

受賞歴[編集]

栄典 [編集]

研究・発見[編集]

筋肉の収縮を研究し、βアクチニン(1965年)、コネクチンなどのたんぱく質を発見した。[8]

学会・学外での役職[編集]

1995年から1998年まで日本動物学会会長を務め、1991年から1994年まで日本学術会議第会員。2003年まで科学技術事業団・さきがけ21「形とはたらき」領域総括。

著書[編集]

  • 『生命現象を探る 生化学の創始者たち』中央公論社(自然選書)1972 改題「生化学の建設者たち」
  • 『生命物質』日本放送出版協会NHKブックス)1974
  • 『筋収縮の制御 調節タンパク質の役割』岩波書店(現代科学選書)1976
  • 『生化学 大学の生物学』裳華房 1977年
  • 『夢と真実 生物学者は語る』学会出版センター 1979年12月
  • 『筋肉のなぞ』岩波新書 1980年
  • 『分子生物学入門 誰にでもわかる遺伝子の世界』講談社ブルーバックス)1985年
  • アクチンと調節タンパク質』東京大学出版会 1986年
  • 『新しい生物学』培風館 1988年
  • 『生化学の黄金時代』岩波書店 1990年
  • 『新インスリン物語』東京化学同人 1992年
  • 『生体物質とエネルギー』岩波書店(生物科学入門コース)1992
  • 『生化学の夜明け 醗酵の謎を追って』中公新書 1993年
  • 『筋肉の謎を追って 岩波書店(高校生に贈る生物学)1998
  • 『遺伝子がわかる筑摩書房(ちくまプリマーブックス)1999
  • 『生化学入門 裳華房 1999年
  • 『約束されぬ地の眺め ある動物学者の歩み』学会出版センター(人と学問選書)2000
  • 『筋肉はなぜ動く』岩波ジュニア新書 2001年
  • 『生化学をつくった人々』裳華房(ポピュラー・サイエンス)2001
  • 『新・分子生物学入門 ここまでわかった遺伝子のはたらき』講談社ブルーバックス)2002年
  • 『生化学の建設者たち』学会出版センター 2004年

共編著[編集]

  • 『生化学入門演習』山本大二郎共著 産業図書 1963年
  • 『新しい生物学 生命のナゾはどこまで解けたか?』野田春彦日高敏隆共著 講談社ブルーバックス)1966年
  • 『分子生物学入門』野田春彦和田昭允共編 朝倉書店 1971年
  • 『生物学入門』野田春彦共著 培風館 1978年
  • 『筋肉』山本啓一共著 化学同人 1986年
  • 『ノーベル賞ゲーム 科学的発見の神話と実話』岩波書店 1989年2月 のち同時代ライブラリー
  • 『エネルギーの生産と運動 岩波講座 分子生物科学 7』岩波書店 1990年
  • 『動物の進化 改訂版』放送大学 1991年
  • 『細胞の運動』神谷律共著 培風館 1992年11月
  • 『生命とは何か』丸山敬共著 東京教学社 1996年11月
  • 『夢!21世紀の生命科学』丸山敬共著 丸善ライブラリー 2000年
  • 『生命科学入門』丸山敬共著 東京教学社 2003年7月

翻訳[編集]

  • ボールドウイン『生化学入門』腰原英利共訳 みすず書房 1964年
  • レッシング『DNA 二重らせんの秘密』みすず書房 1968年
  • セント・ジェルジ『生体の電子論』浅井博、吉岡亨共訳 広川書店 1973年
  • スティーヴン・ローズ『生命の化学 現代生物学の基礎』講談社ブルーバックス)1981年
  • ハンス・クレブスオットー・ワールブルク 生化学の開拓者』丸山匠共訳 岩波書店 1982年
  • N.ウェイド『ノーベル賞の決闘』林泉共訳 岩波現代選書 1984年 のち同時代ライブラリー
  • G.J.V.ノッサル『生命をつくり変える バイオテクノロジー革命』石川統共訳 岩波現代選書 1986年
  • H.ロディシュ、スコット、カイザー、クリーガー『分子細胞生物学』野田春彦石川統、三井恵津子、山本啓一共訳 東京科学同人 1989年
  • ラルフ・W.モス『朝からキャビアを 科学者セント=ジェルジの冒険』岩波書店 1989年

脚注[編集]

  1. ^ 『約束されぬ地の眺め』
  2. ^ a b c d 志を抱いて(丸山工作先生追悼編集委員会)平成15年12月16日発行。
  3. ^ 約束されぬ地の眺め 2000年5月10日発行 学会出版センター。
  4. ^ a b c 生化学の建設者たち 2004年5月20日発行 学会出版センター。
  5. ^ a b c 独立行政法人大学入試センター葬 式次第 平成十五年十二月十六日
  6. ^ これまでの動物学会賞受賞者”. 日本動物学会. 2011年2月8日閲覧。
  7. ^ 朝日賞:過去の受賞者”. 朝日新聞. 2009年11月26日閲覧。
  8. ^ 生化学辞典(第4版)2007年12月10日発行 東京化学同人。

外部リンク[編集]


先代
廣重力
大学入試センター所長
1999年 - 2004年
次代
荒川正昭