中華民国空軍
中華民國空軍 | |
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空軍旗 | |
活動期間 | 1929年~ |
国籍 | 中華民国 |
軍種 | 空軍 |
兵力 | 35,000 人 |
上級部隊 | 中華民国国防部 |
基地 | 中華民国(台湾) 台北市中山区北安路387号 |
標語 | 忠勇 |
彩色 | 藍色 |
行進曲 | 空軍軍歌 |
主な戦歴 | 北伐 日中戦争 国共内戦 |
指揮 | |
現司令官 | 劉震武 |
著名な司令官 | 周至柔 |
識別 | |
空軍の章 | |
中華民国空軍(ちゅうかみんこくくうぐん、中:中華民國空軍)は中華民国国防部に属する中華民国(台湾)の空軍である。台湾空軍とも呼ばれる。
歴史
創設から日中戦争まで
1912年の辛亥革命の後、中華民国が建国された。各地に残っていた軍閥を殲滅する為に、中華民国は軍事力の整備の一環として航空部隊を創設した。1929年11月、陸軍と海軍から独立し、中国空軍が設立した。日中戦争(支那事変)では、SBやI-15・I-16などのソ連機やB-10やP-26などのアメリカ合衆国製の機体に加え、レンドリース法成立後にアメリカから供与されたP-40で日本陸海軍に挑み、初めて日本本土空襲を行なったのも、中華民国空軍のB-10である。ただし、爆弾を積めば往復の燃料が積めないので、ビラを散布しただけだった。1937年5月に顧問となったアメリカ空軍のクレア・リー・シェンノートの提案により、アメリカ空軍出身者による義勇軍部隊「フライング・タイガース」が創設され、日中戦争から太平洋戦争にかけて戦力を補った。
第二次世界大戦後
第2次世界大戦終結後は共産党を相手に内戦を戦い(国共内戦)、アメリカから供与されたP-38やP-51を運用したが、政権内の共産主義シンパの影響を受けたハリー・トルーマン大統領が中華民国軍への支援縮小を決定したために支援が減少し、ソ連に支援された共産党の人海戦術に圧倒されて敗北。中華民国政府とともに台湾へ移動する。
1960年代までは「大陸反攻」を前提とした編制を行ってきた。しかし、本格的な上陸侵攻能力に乏しい海軍が悩みの種であり、そのため空軍はより守勢な形での防空を主任務をせざるを得なかった。その後、U-2撃墜事件でアメリカ空軍のU-2が本国帰還を余儀なくされる一方で、供与されたU-2を運用して中国本土を偵察する黒猫中隊が編成され、1970年代には超音速戦闘機であるF-104がアメリカより供与されるなど、空軍として充実した体制を整えた。しかし、1972年の米中国交樹立・国府の国連議席喪失などもあり台湾は国際的孤立を深め、そのため装備面では旧式の航空機を闇市場で武器商人から通常の3~4倍もの高価格で調達せねばならないといった苦境も味わった。1990年代以降、最新鋭のAMRAAM空対空ミサイルを装備するF-16や、E-2が供与されるなど、ある程度の近代化も図られたほか、F-CK-1の開発により戦闘機の国産化を実現した。
現状
現在の中華民国空軍では、アメリカ製やフランス製をはじめ規格の異なる多種類の機体を運用することによるコストの増大や整備の煩雑さ、また人手不足が稼働率を脅かす課題となっている。大量の第4世代ジェット戦闘機に加え、近未来の戦闘機といわれる第5世代ジェット戦闘機の開発を敢行して急速な近代化を進める中国人民解放軍空軍への対策も急務である。日本政府の発表した防衛白書によれば、諸外国が有する空軍力の指標である第4世代ジェット戦闘機の数では、台湾は2006年前後に人民解放軍に追いつかれ、2008年前後には追い抜かれており、2013年現在では少なくとも300機の格差をつけられている。
質量ともに拡大しつつある格差への対策として、中華民国空軍は2011年から向こう10年前後の時間をかけて人民解放軍に対する対抗措置を実施することとなった。具体的には、空軍のレーダーサイト1か所において弾道ミサイル早期警戒システム(アメリカ製フェーズドアレイレーダー)を1基導入し、2012年に導入された直後には、同年12月に北朝鮮がフィリピン東方沖の太平洋に向けて発射した「飛翔体」が1段目と2段目のブースターを分離しながら飛んだ様子をレーダーで確認した。また、F-16が装備するAMRAAMミサイルの能力を最大限に発揮するための機材として、AESAと電子戦関連機器をアメリカから輸入すると共に、空軍の地対空ミサイル部隊への指揮命令系統の改善を通じて、空軍力の向上が図られる予定である。その代わり、アメリカに要望していた60機のF-16C/Dの輸入や、弾道ミサイル早期警戒システムの2基目の配備は見送られることとなった。
組織
空軍の作戦、戦力維持の責任は、空軍総司令部にあり、下位の司令部全てに、監督権を持つ。傘下の司令部には政治作戦部、作戦司令部、防空砲兵司令部、訓練司令部、後勤司令部等がある。2008年現在、45,000人が所属。主に防空任務を担当する。主な作戦単位は、以下に書す。
- 6個戦術航空団(台湾軍での名称:戦術戦闘機聯隊)
- 1個輸送対潜航空団(上記と同じ:運兵反潜混合聯隊)
- 1個戦術指揮団
- 1個通信管制団
- 1個気象団
- 1個防空歩兵団
台湾空軍では、1飛行連隊は3個飛行大隊、3個飛行大隊は9個飛行中隊という3個単位で編制される。航空機の定数は1個飛行隊で20機と定められている[1]。3個飛行隊に基地警備、補給、対空部隊を指揮する部隊を統合し、聯隊となるようになっている。
編成
桃園飛行場 - 滑走路3,350m。
- 海軍航空隊
新竹南寮飛行場 - 滑走路3,600m。
- 第499戦術戦闘機連隊(第2大隊)
- 第41中隊 - ミラージュ2000
- 第42中隊 - ミラージュ2000
- 第48中隊 - ミラージュ2000(訓練機として使用)
嘉義(水上)飛行場 - 滑走路3,335m。
台中清泉崗飛行場 - 滑走路3,600m。
- 第427戦術戦闘機連隊(第3大隊)
- 第7中隊 - IDF
- 第28中隊 - IDF
- 測試基評価中隊 - IDF
岡山飛行場 - 滑走路2,350m。主として空軍軍官学校が使用。
台南飛行場 - 滑走路3,356m。
- 第443戦術戦闘機連隊(第1大隊)
- 第1中隊 - IDF
- 第3中隊 - IDF
- 第9中隊 - IDF
屏東飛行場 - 滑走路2,400m。
花蓮(佳山)飛行場 - 滑走路2,700m。
- 第401戦術戦闘機連隊(第5大隊)
- 第17中隊 - F-16
- 第26中隊 - F-16
- 第27中隊 - F-16
- 第12偵察中隊 - RF-16、RF-5E
防空砲兵司令部は、桃園に位置し、4個(北部、中部、南部、東部)警衛指揮部、8個防砲団を管轄している。
旗
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軍旗
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司令官旗
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上級大将旗
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大将旗
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中将旗
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少将旗
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大佐旗
参考・脚注
- ^ ただし、パイロット養成に掛かる時間や航空機の価格の高騰などで、航空機の定数は満たせず、実質は1個聯隊は1個大隊程となっている
関連項目
参考文献
- 『別館宝島 自衛隊VS中国軍』宝島社 ISBN 9784796664639
外部リンク
- 中華民国空軍公式サイト(中国語)
- 日本周辺国の軍事兵器 台湾空軍(日本語)