中村青司

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中村 青司(なかむら せいじ、1939年5月5日 - 1985年9月20日)は、綾辻行人推理小説作品『館シリーズ』に登場する架空の人物。建築家

建築家として[編集]

著名かつ優れた建築家として知られる一方できわめて異端な存在であり、中村青司の手掛けた館には、必ず「なんらかの隠し部屋・隠し通路・隠しギミック」などが設置されている。それが要因となって、シリーズを通して数々の連続殺人事件が起こっている。

館シリーズでは一貫して、「中村青司の手掛けた館には、必ずなんらかの仕掛けがある」という設定を前提としてストーリーが進行するが、『ノックスの十戒』における「秘密の抜け穴が2つ以上あってはならない」には当たらず、推理をしていく上でアンフェアとされる事はない。[1]

経歴[編集]

9月17日から18日頃、妻・和枝、死亡。同月20日、青司、死亡。享年46。(「十角館の殺人」参照)

建築に携わったもの[編集]

家族[編集]

  • 父・保治
  • 母・暁子
  • 弟・紅次郎
  • 妻・和枝
  • 娘・千織

弟の紅次郎からは「変わり者」だと言われており、「妻の和枝への執着は尋常ではない」「若くして島に引きこもったのは、妻を自分だけの傍に置きたかったからだ」と語られている。

娘の千織が生まれて以降は、弟の紅次郎との関係が悪くなり、弟が島に訪れることもなくなったという。その娘についても、あまり可愛がってはいなかった。この事から「妻と弟が不倫をしていたと考えた青司が、嫉妬から事件を起こしたのではないか?」と、島田に推理されているが真相は不明である。

出典[編集]

  1. ^ この点については作者の綾辻は、「現代本格ミステリーでは禁じ手とされていた『秘密の抜け道』を、あえて『存在するのが当たり前』としたことで、既存の設定(=常識的なルール)を少しズラしてみた」と語っている。

関連項目[編集]

  • 探偵学園Q - 天才芸術家の九頭龍匠は、中村青司がモチーフと思われる。