中国鉄路高速

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中国铁路高速 (CRH)
概要
種類 高速鉄道
地域 中華人民共和国の旗 中華人民共和国
運行開始 2007年 (2007)
運営者 中国鉄路総公司
技術
軌間 1,435 mm (4 ft 8 12 in) 標準軌
運行速度 350 km/h(最高運転速度)
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中国鉄路高速
各種表記
繁体字 中國高速鐵路
簡体字 中国高速铁路
日本語読み: ちゅうごくこうそくてつろ
英文 China Railway High-speed(CRH)
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中国高速鉄路(ちゅうごくこうそくてつろ、簡体字中国語: 中国高速铁路繁体字中国語: 中國高速鐵路英語: China Railway High-speed、CRH)は、中国鉄路総公司が運営している中華人民共和国高速鉄道システムである。車両和諧号(わかいごう、簡体字中国語: 和谐号繁体字中国語: 和諧號英語: Hexie Hao、CRH)と復興号(ふっこうごう、簡体字中国語: 复兴号繁体字中国語: 復興號英語: Fuxing Hao、CR)が運用されている。

概要[編集]

中国鉄路高速(以下CRHと称す)は第6次鉄道高速化計画として運行を開始した。2017年時点では34の一級行政区のうち29で運行されており、総延長は全世界の高速鉄道の総延長の3分の2にあたる25,000 kmに達した[1]。2017年の旅客輸送量は17億1,300万人に達し、2008年8月1日京津都市間鉄道の開業から2017年までの旅客輸送量は延べ70億人を記録している[2]

車両は和諧号と復興号が運用されている。2010年9月CRH380Aが最高速度を416.6 km/h記録し、2011年1月にはCRH380BLが487.3 km/hを記録した[3]。2017年にCR400AFCR400BF(CR型)が復興号として運用を開始した[4]

路線[編集]

「四縦四横」旅客専用線[編集]

「四縦四横」高速鉄道網
四縦(南北方向)
四横(東西方向)

「八縦八横」旅客専用線[編集]

「八縦八横」高速鉄道網
八縦(南北方向)
  • 沿海通道:丹東-大連-秦皇島-天津-東栄-濰坊-(煙台)-青島-連雲港-塩城-南通-上海-寧波-福州-廈門-深圳-湛江-北海(防城港)
  • 京滬通道:北京-天津-済南-徐州-南京(合肥)-上海(杭州)、(北京-天津-東栄-)濰坊-臨沂-淮安-揚州-南通-上海
  • 京港(台)通道:北京-衡水-菏沢-商丘-阜陽-合肥(黄岡)-九江-南昌-贛州-深圳-香港(西九龍)、合肥-福州、南昌-福州(莆田)
  • 京哈~京港澳通道:ハルビン-長春-瀋陽-北京-石家荘-鄭州-武漢-長沙-広州-深圳(珠海)-香港
  • 呼南通道:フフホト-大同-太原-鄭州/洛陽-襄陽-常徳-益陽-邵陽-永州-桂林-南寧
  • 京昆通道:北京-石家荘-太原-西安-成都-昆明
  • 包(銀)海通道:包頭-延安-西安-重慶-貴陽-南寧-湛江-海口
  • 蘭(西)広通道:蘭州(西寧)-成都-貴陽-広州
八横(東西方向)
  • 綏満通道:綏芬河-牡丹江-ハルビン-チチハル-ハイラル-満洲里
  • 京蘭通道:北京-フフホト-銀川-蘭州
  • 青銀通道:青島-済南-石家荘-太原-銀川
  • 陸橋通道:連雲港-徐州-鄭州-洛陽-西安-蘭州-西寧-ウルムチ
  • 沿江通道:上海-南京-合肥-武漢-宜昌-重慶-成都、南京-安慶-九江-武漢、万州-達州-遂寧-成都
  • 滬昆通道:上海-杭州-南昌-長沙-貴陽-昆明
  • 廈渝通道廈門-竜岩-贛州-長沙-常徳-張家界-黔江-重慶
  • 広昆通道:広州-南寧-昆明

都市間鉄道[編集]

車両[編集]

和諧号[編集]

  • CRH1 - ボンバルディア・トランスポーテーションReginaZefiro250がベース。
    • CRH1A - Reginaベースの8両編成。
    • CRH1A-A - Zefiro250NGベースの8両編成。CRH1Aの増備車。
    • CRH1B - ReginaZefiro250ベースの16両編成。
    • CRH1E - Zefiro250ベースの16両編成。一部車両を除き寝台車で構成される。
    • CRH1E-250 - Zefiro250NGベースの16両編成。一部車両を除き寝台車で構成される。
  • CRH2 - 日本・川崎重工業車両カンパニー新幹線E2系電車がベース。
    • CRH2A - 8両編成。
    • CRH2B - 16両編成。
    • CRH2C - 8両編成。CRH2Aと編成やデザイン、最高速度が異なる。
    • CRH2E - 16両編成。一部車両を除き寝台車で構成される。2015年以降に製造された車両はデザインが変更されている。
    • CRH2G - 8両編成。耐寒設備を備えており、それまでの車両からデザインが変更されている。
  • CRH3 - ドイツ・シーメンスヴェラロ (ICE3) がベース。
    • CRH3A - 8両編成。最高速度250km/hでCRH3Cとはデザインが異なる。
    • CRH3C - 8両編成。
  • CRH5 - フランス・アルストムペンドリーノETR600)がベース。
    • CRH5A - 8両編成。
    • CRH5G - 8両編成。耐寒設備を備えている。2017年以降の増備車はデザインが変更されている。
    • CRH5E - 16両編成。一部車両を除き寝台車で構成される。デザインが大幅に変更されている。
  • CRH6 - 都市間鉄道中距離電車として開発された車両。生産は南車集団四方機車車両と南京浦鎮車両。
    • CRH6A - 8両編成。最高速度は200km/h。
    • CRH6F - 8両編成。最高速度は160km/h。
    • CRH6S - 4両編成。最高速度は140km/h。
  • CRH380A - CRH2がベース。生産は南車集団四方機車車両。
    • CRH380A - 8両編成。
    • CRH380AL - 16両編成。
  • CRH380B - CRH3がベース。生産は北車唐山および北車長春車両。
    • CRH380B - 8両編成。
    • CRH380BL - 16両編成。
  • CRH380C - CRH3がベース。生産は北車長春車両。
    • CRH380CL - 16両編成。
  • CRH380D - ボンバルディア・トランスポーテーションのZefiro380がベース。
    • CRH380D - 8両編成。

復興号[編集]

  • CR400AF - 8両編成。生産は中国中車青島四方機車車輛。
  • CR400BF - 8両編成。生産は中国中車長春軌道客車。
  • CR200J - 9両編成(うち1両は動力車)。生産は中国中車唐山軌道客車。

国産技術で高速鉄道車両を開発しようと開発されたDJJ2型(中華之星)はトラブルが頻発し、最高速度も 160 km/h にとどまった。[5]その後の方針転換で、海外からの技術移転で自国の高速鉄道車両を開発することに軸足を移すことになるが、海外技術で製造した車両を中国国産と称している所に問題点も多くあり、海外メーカーはその技術トラブルに責任を負わなければならない面も生じる。[独自研究?]

なお、CRH4は現在のところ欠番である。将来中国で独自開発される予定の高速車両のために空けているとの説と、「4」は中国語日本語と同様に「死」の発音によく似ているため、縁起が悪いとして空けているとの説[6]がある。ただし既述の通り復興号のうち最高速度が400km/hとなっている車両は形式として「CR400」が採用されている。

重大事故[編集]

2011年7月23日午後8時半(現地時間UTC+8)過ぎ、中国東部の浙江省温州市の高架橋の上で落雷により停車中の高速列車D3115号 (CRH1B) に後続のD301号 (CRH2E) が追突し、D3115号の後尾2両とD301号の先頭4両が脱線、うち2両が橋梁より落下し複数名の死傷者を出す事故を起こした。

引用及び注釈[編集]

関連項目[編集]