中国共産党の指導者世代
中国共産党の指導者世代とは、1949年に中華人民共和国が中国共産党により建国されて以来の政治指導者の世代である。2013年現在の習近平体制は第五世代にあたる。
第一世代
1949年から1976年まで毛沢東が核心にいた。他に周恩来、劉少奇、朱徳、任弼時、陳雲が第一世代の重要な人物たちである。
後に林彪と四人組と呼ばれる人物たちが第一世代の人物となっている。
第二世代
文化大革命終結後、華国鋒が毛沢東の後継者となったがすぐに失脚、鄧小平が実権を握った。1976年から1992年までの指導者が第二世代にあたる。
鄧小平を中心に、陳雲、胡耀邦、葉剣英、趙紫陽、宋平などが第二世代の人物にあたる。鄧小平は、1978年に改革開放を提唱し、以降中国経済は近代化が始まることとなった。
また、1980年代には、八大元老と呼ばれる人物たちが政治で力を持っていた。
第三世代
1992年から2002年までの指導者が第三世代にあたる。江沢民を中心に、李鵬、朱鎔基、喬石、李瑞環らが第三世代の人物にあたる。
この時期からは江沢民が提唱した「3つの代表」思想が中国で重要な政治思想になっている。またこの時期には、江沢民の地盤である上海市関係者による「上海閥」と呼ばれる派閥が出来ている。
第四世代
2002年から2012年までの指導者が第四世代にあたる。胡錦濤(党総書記兼国家主席)、呉邦国(全国人民代表大会常任委員長)、温家宝(国務院総理)、賈慶林(全国政治協商会議主席)、李長春らが第四世代の人物にあたる。
第四世代の体制は、胡温体制と呼ばれ、科学的発展観を重要な思想とし、和諧社会の実現などを目指している。2008年には北京オリンピックも開催され、中国の改革開放政策は加速している。
この時期は、江沢民を領袖とする「上海閥」と、胡錦濤がかつて第一書記を務めた中国共産主義青年団(共青団)の出身者(共青団派)との権力闘争が起きている。現在は上海閥の影響力が低下し、共青団派が有力になってきている。
第五世代
2012年からスタートした新体制が第5世代にあたる。習近平(党総書記)、李克強(国務院総理)らが中心人物である。
習は、「大衆は歴史を作る原動力であり、大衆とは腹を割って話すべきだ」という趣旨の発言をするなど、中国の政治家の中において比較的リベラルな政治姿勢で知られている。習と李を中心とした新たな政治体制が、今後の中国をどのような方向へ導くのかが注目されている。