三段跳

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

これはこのページの過去の版です。美区 (会話 | 投稿記録) による 2015年8月29日 (土) 14:56個人設定で未設定ならUTC)時点の版であり、現在の版とは大きく異なる場合があります。

三段跳(さんだんとび)は、陸上競技跳躍競技に属する種目で、ホップ・ステップ(スキップ)・ジャンプと三回跳び、その距離を競う競技。助走をつける走り三段跳と助走をつけない立ち三段跳があるが通常立ち三段跳が行われることはない[1]ので本項では走り三段跳について述べる。

International University Sports Federation - Gwangju 2015 - Men's Triple Jump Final, Dmitrii SOROKIN (RUS 17.29) wins Gold.

解説

北京オリンピックにおけるフィリップス・イドウの試技

ホップとステップは同じ脚で連続的にすることになる。例えば、右足で踏み切った選手はさらにステップも右足、ジャンプを左足で行う。

多くの世界的・国内の主要な試合では、踏み切り板は砂場の手前の端から13m離れている。ただし、高校においては11m、中学においては9mなど、競技者のレベルに合わせて調節される。

日本の織田幹雄1928年アムステルダム・オリンピックで15メートル21を跳び、日本人初となるオリンピック金メダルをもたらした。

また同じく日本の南部忠平 (1904 - 1997) は、1932年に開催されたロサンゼルス・ オリンピックの三段跳に出場し、15メートル72の世界記録(当時)を樹立して金メダルを獲得。さらに、1936年ベルリンオリンピックでは田島直人が16メートル00の世界記録(当時)で金メダルを獲得し日本が三連覇、その後の競技の発展に大きく貢献した。

なお、国立霞ヶ丘陸上競技場の第4コーナーにある掲揚柱「織田ポール」の高さは、織田幹雄がアムステルダムオリンピックで記録した15メートル21センチである。

陸上競技における正しい表記は三段跳であるが、学校教育や新聞記事など陸上競技関係者以外が多く関わる場面では三段跳びと表記されることもある。

女子は1926年から日本記録として公認されてきたが、戦後一旦公認対象種目から外された。その後1986年から再度日本記録として公認されて現在に至っている。[2]

五輪・世界選手権における日本人入賞者

大会 開催国 選手名 成績 記録
1924 第8回オリンピック競技大会(パリ) フランスの旗 フランス 織田幹雄 6位 14m35
1928 第9回オリンピック競技大会(アムステルダム) オランダの旗 オランダ 織田幹雄 優勝 15m21
1928 第9回オリンピック競技大会(アムステルダム) オランダの旗 オランダ 南部忠平 4位 15m01
1932 第10回オリンピック競技大会(ロサンゼルス) アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 南部忠平 優勝 15m72
1932 第10回オリンピック競技大会(ロサンゼルス) アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 大島鎌吉 3位 15m12
1936 第11回オリンピック競技大会(ベルリン) ナチス・ドイツの旗 ドイツ国 田島直人 優勝 16m00
1936 第11回オリンピック競技大会(ベルリン) ナチス・ドイツの旗 ドイツ国 原田正夫 2位 15m66
1936 第11回オリンピック競技大会(ベルリン) ナチス・ドイツの旗 ドイツ国 大島鎌吉 6位 15m07
1952 第15回オリンピック競技大会(ヘルシンキ)  フィンランド 飯室芳男 6位 14m99
  • 1924年パリオリンピックで織田幹雄が6位入賞し、1928年アムステルダムオリンピックでは織田がこの種目で優勝し金メダルを獲得。1928年の同大会から1936年ベルリンオリンピックまで日本人男子選手が三連覇を達成した。

世界記録

  • 風速(m/s)は追い風を+で表記、向かい風を-で表記する。
男子
距離 風速 名前 所属 日付
1 18m29 +1.3 ジョナサン・エドワーズ イギリスの旗 イギリス 1995年8月7日
2 18m21 +0.2 クリスチャン・テイラー アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 2015年8月27日
3 18m09 -0.4 ケニー・ハリソン アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 1996年7月27日
4 18m08 +0.0 ペドロ・パブロ・ピチャルド  キューバ 2015年5月28日
5 18m04 +0.3 テディ・タムゴー フランスの旗 フランス 2013年8月18日
6 17m97 +1.5 ウィリー・バンクス アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 1985年6月16日
7 17m92 +1.6 フリスト・マルコフ ブルガリアの旗 ブルガリア 1987年8月31日
8 17m92 +1.9 ジェームス・ベックフォード ジャマイカの旗 ジャマイカ 1995年5月20日
9 17m90 +0.4 ジャデル・グレゴリオ ブラジルの旗 ブラジル 2007年5月20日
9 17m90 +1.0 ヴォロジーミル・イノゼムツェフ ソビエト連邦の旗 ソビエト連邦 1990年6月20日
世界陸連(IAAF)記録参照 [3]
女子
距離 風速 名前 所属 日付
1 15m50 +0.9 イネッサ・クラベッツ  ウクライナ 1995年8月10日
2 15m39 +0.5 フランソワーズ・ムバンゴ カメルーンの旗 カメルーン 2008年8月17日
3 15m34 -0.5 タチアナ・レベデワ ロシアの旗 ロシア 2004年7月4日
4 15m32 +0.9 クリソピギ・デベツィ ギリシャの旗 ギリシャ 2004年8月21日
5 15m31 +0.0 カテリーン・イバルグエン  コロンビア 2014年7月18日
6 15m29 +0.3 ヤミレ・アルダマ  キューバ 2003年7月11日
7 15m28 +0.9 ヤルヘリス・サビヌ  キューバ 2007年8月31日
8 15m25 +1.7 オルガ・リパコワ カザフスタンの旗 カザフスタン 2010年9月4日
9 15m20 +0.0 サルカ・カスパルコワ  チェコ 1997年8月4日
9 15m20 -0.3 テレザ・マリノワ  ブルガリア 2000年9月24日
世界陸連(IAAF)記録参照 [4]

男子

記録 距離 名前 所属 日付
世界 18m29 ジョナサン・エドワーズ イギリスの旗 イギリス 1995年8月7日
世界Jr 17m50 ボルカー・マイ 東ドイツの旗 東ドイツ 1985年6月23日
日本 17m15 山下訓史 日本電気 1986年6月1日
日本Jr 16m29 中西正美 日本体育大学 1977年5月22日
高校 16m10 山本凌雅 長崎県立諫早農業高等学校 2013年10月7日
中学 14m58 小栗忠 浜松市立笠井中学校 1992年10月4日

女子

記録 距離 名前 所属 日付
世界 15m50 イネッサ・クラベッツ  ウクライナ 1995年8月10日
世界Jr 14m62 テレザ・マリノワ  ブルガリア 1996年8月25日
日本 14m04 花岡麻帆 三英社 1999年10月1日
日本Jr 12m97 村山梢 中京大学 1997年7月5日
高校 12m92 村山梢 初芝高等学校 1995年11月3日
中学 12m03 剱持早紀 山梨市立山梨南中学校 2009年11月1日

日本記録

男子
距離 風速 名前 所属 日付
1 17m15 +0.9 山下訓史 NEC 1986年6月1日
2 17m02 +2.0 杉林孝法 ミキハウス 2000年7月16日
3 16m98 +1.5 石川和義 筑波大学 2004年10月10日
4 16m88 +1.2 小松隆志 高知農高教 1994年10月14日
5 16m76 +1.8 中西正美 日体大研究員 1981年4月29日
6 16m71 +1.7 植田恭史 ミズノ 1984年5月6日
7 16m67 +0.9 井上敏明 法政大学 1972年10月27日
7 16m67 +0.9 渡邉容史 筑波大学 2001年5月20日
9 16m66 +1.7 安西啓 東海大学 1991年6月1日
10 16m63 0.0 村木征人 東海大教 1972年4月23日
女子
距離 風速 名前 所属 日付
1 14m04 +1.1 花岡麻帆 三英社 1999年10月1日
2 13m50 +0.4 吉田文代 中央大学 2003年6月6日
3 13m40 +1.3 西内誠子 上分中教 1998年4月29日
4 13m39 -0.8 佐藤友香 七十七銀行 2004年10月27日
5 13m34 -0.6 桝見咲智子 九電工 2012年8月18日
6 13m31 +1.4 阿部祥子 福岡大学 1995年10月19日
6 13m31 +1.6 井原福代 中央大学 2000年9月2日
8 13m27 +1.3 宮坂楓 横浜国立大AC 2015年7月29日
9 13m25 +2.0 竹田小百合 北海道ハイテクAC 2012年8月26日
10 13m23 +1.8 橋岡直美 あさひ銀行 1993年8月1日

脚注

  1. ^ オリンピックでは1904年のセントルイスオリンピックを最後に公式種目から除外されている
  2. ^ 陸上競技マガジン1999年記録集計号329p
  3. ^ IAAF (2015年7月11日). “Toplists Triple Jump”. 2015年7月11日閲覧。
  4. ^ IAAF (2015年7月11日). “Toplists Triple Jump”. 2015年7月11日閲覧。

関連項目

外部リンク