ヴァイオリンソナタ第21番 (モーツァルト)

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ヴァイオリンソナタ第21番[1] ホ短調 K. 304 (300c) は、ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトが作曲したヴァイオリンソナタ新モーツァルト全集では第14番とされる。

イ短調のピアノソナタ(第8番)と同じ1778年頃の作品であり、母アンナパリで客死した時期のもので、明るい曲想の多い作曲者の作品の中では、数少ない短調の劇的なもの。

概説[編集]

簡潔な2楽章構成。ホ短調

  • 第1楽章 アレグロ
    ホ短調、2分の2拍子
    冒頭はピアノのオクターヴとヴァイオリンの力強いユニゾン。主調のアルペジョが印象的。時にヴァイオリンが持続低音をつとめるなど、簡単ながら効果的な役目を果たしている。
    通常はE-Fis-E-Dis-Eとすべきところ、E-F-E-Dis-Eという特徴的な旋律線に「モーツァルトの半音階」が巧みに生かされている。
    ヴァイオリンには重音を多く求めず、奏者の負担も軽いことから人気。
    
\relative c'' {
  \version "2.18.2"
    \key g \major
    \time 2/2
    \tempo "Allegro"
    \tempo 4 = 160
  \partial 4 e,8\p g
  b2 e
  g2. fis8 e
  dis2 e4 fis
  b,2. c8 b
  a2 b4 c
  fis,2. b8 a
  g4 a b b
  e, r8 e-.\f dis-. e-. fis-. dis-.
  b4 r8_\markup{\italic simile} fis' e fis g e
  b4 r8 g'8 fis g a fis
  g a b g a b c a
  b2 r4
  }

脚注[編集]

  1. ^ K. 55からK. 61までの偽作(K. 61はヘルマン・フリードリヒ・ラウパッハの作品)を含めると第28番となる。

外部リンク[編集]