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レトロニム

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

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レトロニム (retronym) とは、ある言葉の意味が時代とともに拡張された、あるいは変化した場合に、古い意味の範囲を特定的に表すために後から考案された言葉のことを指す。変化の激しい技術用語などに多く見られる。例えば、元来テレビはすべてモノクロ画面であったが、カラーテレビの登場とともに、従来のものを指すため白黒テレビというレトロニムが使われるようになった。

また、歴史などの用語で「第一次○○」と呼ばれるのはすべて、「第二次○○」が起こった後にそう呼ばれるようになったものである。例えば、現在第一次世界大戦 (World War I) と呼ばれている戦争は、第二次世界大戦 (World War II) 以前は単に「世界大戦争」(World War) と呼ばれていた。この場合「第一次世界大戦」がレトロニムである。他にも「○○朝○○帝国」など多くの例がある。

また、商品名、商標などが広く使われ、一般名詞あるいは動詞化したものをレトロニムと呼ぶことがある[要出典]。市場を独占、寡占したものの場合が多い。商標の普通名称化も参照のこと。

「レトロニム」という単語自体は、「過去」を意味するレトロ (retro) と「語」を意味する接尾語 (-onym) の合成による[1]。 1980年にナショナル・パブリック・ラジオ局長のFrank Mankiewiczが造語し、コラムニスト William Safireが、ニューヨークタイムズの中で使用したことで広まった[2][3]

主なレトロニムの例

脚注

  1. ^ "retronym", "retro", "-onym" Merriam-Webster Dictionary
  2. ^ Richard Nordquist. “retronym”. About.com Grammar & Composition. 2012年5月16日閲覧。
  3. ^ William Safire (2007年1月7日). “On Language: Retronym”. The New York Times. http://www.nytimes.com/2007/01/07/magazine/07wwln_safire.t.html 

関連項目