ルパン三世 カリオストロの城
ルパン三世 カリオストロの城 | |
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監督 | 宮崎駿 |
脚本 |
宮崎駿 山崎晴哉 |
原作 | モンキー・パンチ |
製作 | 藤岡豊 |
出演者 |
山田康雄 納谷悟朗 小林清志 井上真樹夫 増山江威子 島本須美 石田太郎 |
音楽 | 大野雄二 |
主題歌 | ボビー「炎のたからもの」 |
撮影 | 高橋宏固 |
編集 | 鶴渕允寿 |
製作会社 | 東京ムービー新社 |
配給 | 東宝 |
公開 | 1979年12月15日 |
上映時間 | 100分 |
製作国 | 日本 |
言語 | 日本語 |
興行収入 | 6億1000万円 |
前作 | ルパン三世 ルパンVS複製人間 |
次作 | ルパン三世 バビロンの黄金伝説 |
『ルパン三世 カリオストロの城』(ルパンさんせい カリオストロのしろ)は、モンキー・パンチ原作のアニメ『ルパン三世』の劇場映画第2作。宮崎駿の映画初監督作品。1979年12月15日公開。 公開時のキャッチコピーは、「前作をしのげないのなら 2作目を作る意味がない」、「巨大な城が動き始める! 影の軍団が襲ってくる!」、「生きては還れぬ謎の古城でついにめぐり逢った最強の敵!」。
概要
当初、東京ムービー新社は鈴木清順ら『ルパン三世 (TV第2シリーズ)』(以下、『TV第2シリーズ』)や劇場版『ルパン三世 ルパンVS複製人間』(以下、『ルパンVS複製人間』)の脚本家チームが執筆した脚本を元に大塚康生へ監督を依頼していたが、気乗りしない大塚は宮崎に監督就任を要請した。当時の宮崎は日本アニメーションで高畑勲らと『赤毛のアン』のレイアウトや場面設定を担当していたが、これを降板して1979年5月に制作準備に取りかかる。後の作品と同様、宮崎は脚本なしでイメージボードと絵コンテを描き始め、脚本は共同名義の山崎晴哉が手直しする形となった。のち山崎により集英社コバルト文庫からノベライズされている。
本来、大塚は『ルパン三世 (TV第1シリーズ)』(以下、『TV第1シリーズ』)の作画監督で、宮崎と高畑も共に「Aプロダクション[1]演出グループ」の匿名でTV第1シリーズ後半の演出を担当していた。そのため、宮崎や大塚がデザインしたキャラクターや小道具、イメージボードは『TV第1シリーズ』に準じており、『TV第2シリーズ』や『ルパンVS複製人間』では赤だったルパンのジャケットが『TV第1シリーズ』と同じ青緑色に戻され、ルパンの車も『TV第2シリーズ』のアルファロメオではなく『TV第1シリーズ』後半に登場したフィアット・500になっている。
なお、1997年に放送されたTVスペシャルの第9作である『ルパン三世 ワルサーP38』のワンシーンにて、本作の敵役であるカリオストロ伯爵に関する資料が登場しており、カリオストロ伯爵が1956年生まれで、死亡した(つまり本作のストーリーが起こった)のが1996年である事が明かされているが、『カリオストロの城』本編内で、不二子がルパンにフランスの新聞LeMonde(ル・モンド)の切り抜きを届けるシーンがあり、そこには「12 septembre 1968」と明記されているので、これが誤表記などで無い限り本作の時代設定は1968年であるのが本来は正しい(仮に作中年代が劇場公開年度の1979年だとしても、カップ麺と百円ライター及びレーザーを除けば[2]、車両をはじめ劇中のテクノロジーは1970年代以前のものである)。
興行的には前作に及ばなかったが、後のテレビ放送や上映会などが繰り返されたこともあって人気が高まっていき、宮崎の演出やレイアウト手法はその後のアニメ業界に影響を与えることとなった。構想や製作の期間はわずか半年という短さであり、宮崎は「この作品で初めて自分の体力の限界を知った」と語っている。途中で製作期間内に終わらないと考えた宮崎は下水道でのシーンの絵コンテを書き直しており、不満を語っている。最終的に、製作は予定された期間より1か月延びている。
2014年5月9日には、デジタルリマスター版が東宝映像事業部の配給で劇場公開された。原版の映像に映り込んだ汚れやゴミの除去、音声のノイズの除去、5.1chサラウンドへの再録音等のリマスター化に3年が費やされている[3][4]。
あらすじ
世界的な怪盗ルパン三世の一味は国営カジノの大金庫から大金を盗み出すが、それが真券同然の精巧さで知られる幻の偽札「ゴート札」であることに気づく。ルパンには、若気の至りでゴート札の秘密を暴こうとして痛い目に遭った過去があった。「次の仕事は決まったぞ」と札束を撒き散らすように投げ捨てたルパンは、ゴート札の出処と疑われているヨーロッパのカリオストロ公国に向かう。
入国したルパンは、ウェディングドレス姿の少女が何者かに追われているのに出くわす。少女はこの国の亡き大公の娘クラリスだった。クラリスは、父にかわって国を治めているカリオストロ伯爵が彼女との結婚を迫ってくるので、伯爵の居城から逃げ出したのだ。ルパンは追っ手を撃退したが、クラリスは別な追っ手に連れ去られてしまう。ルパンはクラリスが残した指輪を見て、彼女が昔自分を助けてくれた幼女であることに気付く。クラリスの両親は7年前の火災で亡くなったという。
ルパンは、彼の逮捕に執念を燃やす国際警察の銭形警部が城へ来るように仕向け、その銭形に変装して城に潜入する。ルパンは伯爵の狙いがクラリスの指輪に秘められた先祖の財宝だと知り、銭形とは城内にある伯爵の偽札工場を共に目撃したことによって一時的に休戦することになるが、クラリスの救出に失敗して胸を撃ち抜かれる。ルパンは銭形らに助い出され、そのまま昏睡する。偽札の証拠を持ち帰った銭形は国際警察に出動を要請するが、高度に政治的な問題であるため国際警察は動かない。
しかし、数日後に昏睡から目覚めたルパンは、クラリスと伯爵の結婚式に忍び込み、クラリスを救出する。ところが、逃げ込んだ時計塔でクラリスが伯爵に捕まり、殺されそうになったので、ルパンは伯爵を止めるために、時計塔を見て気付いた指輪の謎を伯爵に教える。時計塔の文字盤にあるヤギの目に指輪をはめ込むと財宝が現れるのだという。言われたとおりにした伯爵は、急速に動き出した時計の巨大な針に挟み潰されてしまう。そして時計塔は崩壊し、湖の底から遺跡が出現する。財宝とは先祖が隠した古代ローマの都市だった。混乱に乗じた銭形が、結婚式のテレビ中継に偽札工場を映したことで、ようやく国際警察も動き出し、輸送機の編隊から城にパラシュート降下が行われる。
クラリスはルパンについて行くことを望んで胸にすがるが、短く葛藤したルパンはクラリスを置いて去って行く。ルパンを追ってきた銭形が、ルパンがクラリスの心を盗んだと言い当てると、クラリスは顔を輝かせて「はい」と答える。ルパンと銭形たちの車は、追いつ追われつしながら地平線に消えていく。
登場人物
レギュラーキャラクター
- ルパン三世
- 声 - 山田康雄
- 泥棒。カジノから奪った大金が伝説の偽札・ゴート札であることを見抜き、その震源地と噂されるカリオストロ公国に入る。そこでかつて恩を受けた公女クラリスの境遇を知り、彼女を伯爵から救うべく奮闘する。
- 次元大介
- 声 - 小林清志
- ルパンと共に公国入りをする、狙撃手。クラリスを救った後に彼女とルパンを逃がすため、マグナムの効かない装甲を纏った伯爵の暗殺部隊に対戦車ライフルで応戦する。結婚式の襲撃時にはクラリスから冠をプレゼントされた。
- 石川五ェ門
- 声 - 井上真樹夫
- ルパン達に呼ばれて合流[5]する、侍。最初は女絡みの仕事と聞いて難色を示していたが、クラリスの立振る舞いを目にし最後は「可憐だ!」と呟く。愛刀の斬鉄剣で伯爵の暗殺部隊の装甲を斬りまくる。
- 峰不二子
- 声 - 増山江威子
- ヒロイン(?)。クラリスの召使いとしてカリオストロ城に入り込んでいた。負傷したルパンを助け出した後、一足先に撤退しつつ、ルパンや銭形の活躍のお膳立てを整える。最後は偽札の原版を手に入れて立ち去る。
- 銭形警部
- 声 - 納谷悟朗
- 警察官。ルパン犯行予告の報[6]を受けて、ICPOから埼玉県警の機動隊(通称「銭形突撃隊」)を率いて公国入りをする。
- 伯爵に邪険に扱われ、ルパンの巻き添えを食らう形ではまった落とし穴から脱出する一方、城の地下でゴート札の秘密を知り、真相を暴露するためにルパンと共闘する。ラストの「いや、奴はとんでもないものを盗んでいきました。あなたの心です。」は、この作品を代表する名台詞として知られる。
ゲスト
- クラリス・ド・カリオストロ
- 声 - 島本須美
- 実質のヒロイン。ヨーロッパ・カリオストロ公国の公女で、大公家最後の姫。大公家に伝わる「銀の山羊の指輪」の所有者。7年前の火事[7]により両親を亡くして以来、長らく修道院に入っていたが、両家を統一し国を手中に収めようとする伯爵に結婚を強いられる。非道な行為を続ける伯爵に反発し、婚礼衣装の仮縫いの隙を突いて脱走する。伯爵の部下達が運転する特殊車から逃げていた際にルパンと出会い、一時は助けられるが、再び捕らわれる。
- 幼少時、カリオストロ城からの逃亡中に負傷し行き倒れていた駆け出し当時のルパンを助けた。
- カリオストロ伯爵(グラフ・ラザール・ド・カリオストロ)
- 声 - 石田太郎
- カリオストロ公国の事実上の支配者。伯爵家当主[8]で、表向きは傲岸不遜ながらも紳士的だが、本性は冷酷非道。裏では本物以上といわれた偽札「ゴート札」の製造を取り仕切っており、世界各国の闇の部分と深くつながっている。7年前の火事で大公が死亡したため、それ以降は摂政としてカリオストロ公国の実権を握っている。
- 伯爵家に伝わる「金の山羊の指輪」の所有者であり、それに対する「銀の山羊の指輪」を持つクラリスとの政略結婚により、2つの指輪に秘められたゴートの秘宝を手に入れようと目論む。一旦はルパンを撃退するが、再度侵入してきた彼に指輪を奪われ、時計塔の文字盤上で最後の対決を迎える。指輪の秘密とクラリスを交換しようと持ちかけてきたルパンを騙し討ちにし、クラリスと共に湖へ叩き落として2つの指輪を手に入れたが、先祖の残した財宝の実態と指輪が時計塔の仕掛けの作動スイッチとなっていることを知らなかったため、動き出した時計の短針と長針の間に挟まれ死亡する。
- 劇中ではほぼ一貫して「伯爵」と呼ばれ、ファーストネームは劇中では呼ばれない。
- ジョドー
- 声 - 永井一郎
- カリオストロ公国伯爵家に仕える執事。裏の顔として、各国情報機関からも恐れられる公国の特殊部隊「カゲ」の長官も兼務している。秘宝を手に入れようとする伯爵をサポートし、一度はルパンに瀕死の重傷を負わせる。伯爵への忠義心は厚く、伯爵の死後、“これで公国も終わりだ”と運命を共にすべく五右ェ門に自分を斬らせようとするが、「無益な殺生はせぬ」の温情で救われる。
- グスタフ
- 声 - 常泉忠通
- 城内の警備とカリオストロ伯爵の身辺警護を務める、衛士隊隊長。融通の利かない軍人気質で、ルパンの変装を見抜けなかった。
- 園丁(庭師の老人)
- 声 - 宮内幸平
- カリオストロ大公家公邸の庭師。大公家の没落後も焼失した公邸の庭園を管理し続けている。クラリスのことは誕生当時から見守っており、彼女からカールを託されている。無愛想だが根は優しく、一時撤退したルパン達を匿った。
- カール
- 庭師の老人が面倒をみている老犬。もとはクラリスの飼い犬であり、大公夫妻の焼死後にクラリスが修道院へ入る時、園丁の老人に預けられた。クラリスが幼かった頃、カリオストロ城からの逃亡中に負傷し行き倒れていた駆け出し当時のルパンを発見した。クラリス以外には懐かないが、ルパンのこともちゃんと覚えていた。人一人を押し倒すほどの力がある大型犬だが種類は不明。
- カゲ
- カリオストロ伯爵家の特殊部隊。ルパン曰く「暗殺のプロ」集団。防弾の鎧を纏っており、鋭い爪が特徴。水中任務を司る、通称「水カゲ」も存在する。
- 衛士隊
- カリオストロ公国の警護部隊。伯爵は「我が国にも警察はある」と同部隊を紹介していたが、活動範囲は国境の検問を除けば城外までは至らぬ模様。プロシア陸軍風の制服と鉄帽。サーベルを腰に下げた大時代的なスタイルが特徴。
- 水兵
- カリオストロ公国水軍の兵士。水雷艇に乗って短機関銃で武装し水兵服を着ている。終盤の時計塔では外壁にいるルパン達へ探照灯を浴びせたり、内部へ侵入してルパンに返り討ちにあっていた。
- 銭形突撃隊
- 軍用トラック2台に分乗し、銭形の部下として埼玉県警から出向して来た機動隊。ジュラルミンの大盾と警棒を装備している。劇中では衛士隊と激しく渡り合った。
声の出演
- ルパン三世 - 山田康雄
- 次元大介 - 小林清志
- 石川五ェ門 - 井上真樹夫
- 峰不二子 - 増山江威子
- 銭形警部 - 納谷悟朗
- クラリス・ド・カリオストロ - 島本須美
- ラザール・ド・カリオストロ - 石田太郎
- ジョドー - 永井一郎
- 園丁 - 宮内幸平
- グスタフ - 常泉忠通
- 大司教 - 梓欽造
- 大司教の運転手、機動隊員、酔っ払い客、同代表(国籍不明) - 峰恵研
- インターポール長官 - 平林尚三
- 同日本代表、パラソルの男 - 野島昭生
- 同西ドイツ代表、水兵B - 寺島幹夫
- 同イギリス代表 - 阪脩
- 同ソ連代表 - 鎗田順吉
- 埼玉県警察本部警機動隊隊長 - 松田重治
- 召使い、同アメリカ代表 - 緑川稔
- 印刷主任、同フランス代表、水兵A - 加藤正之
- レストランのウェイトレス、パラソルの女 - 山岡葉子
スタッフ
- 製作 - 藤岡豊
- 原作 - モンキー・パンチ(週刊漫画アクション、パワァ・コミックス(双葉社刊))
- 監督 - 宮崎駿
- プロデューサー - 片山哲生
- 脚本 - 宮崎駿、山崎晴哉
- 音楽 - 大野雄二
- 選曲 - 鈴木清司
- 作画監督 - 大塚康生
- 美術 - 小林七郎
- 助監督 - 吉田茂承
- 録音 - 加藤敏(東北新社)
- 効果 - 倉橋静男(東洋音響)
- 原画 - 篠原征子、友永和秀、河内日出夫、富沢信雄、丹内司、山内昇寿郎、丸山晃二、真鍋譲二、田中敦子、新川信正
- 制作協力 - テレコム・アニメーションフィルム
- 配給 - 東宝株式会社
- 製作 - 東京ムービー新社
音楽
主題歌
- 「炎のたからもの」[9](コロムビア・レコード)
- 作詞 - 橋本淳 / 作曲・編曲 - 大野雄二 / 唄 - ボビー
BGM制作と選曲
主題歌である「炎のたからもの」の曲の旋律による編曲バリエーションBGMが多数作成されている。またBGM選曲は、本作のために録音された楽曲のほか、TVシリーズや劇場版前作、サウンドトラックアルバムなどから幅広く選び出された。
結婚式の場面で流れるバッハのパストラーレ・ヘ長調・BWV590は既存のレコード音源の流用ではなく、本作の音楽録音の際にエレクトーンで録音、音に広がりを出すために、スピーカーで鳴らせた音をマイクで拾っていると大野雄二はインタビューで語る[10]。
銭形警部とカリオストロ伯爵の面会シーンである、朝食の場面に使用されているBGMはバッハの管弦楽組曲四番第四楽章Menuett。 城の舞踏会とその外で銭形隊がカップラーメンをすすっている場面のBGMは、ヨハン・シュトラウス2世作曲のウィーン気質(かたぎ)の第二ワルツである。
評価
興行成績は配給収入10億円の成功を収めた前作『ルパンVS複製人間』より下回ったが、関係者間での評価は公開当時から高く、商業アニメ作品が受賞することが少なかったアニメーション賞大藤信郎賞を受賞している。同時代の関係者からは、宮崎の演出手法やレイアウト、場面設計に注目が集まり、当時出された絵コンテ集はアニメ制作現場での教科書として使用されていた。
公開当時は『宇宙戦艦ヤマト』や『銀河鉄道999』といったSF作品全盛期だったが、テレビでの放送が繰り返されたり、地方の学校や集会所、ファンの集まりなどへフイルムが借り出されて上映会が開催され、1981年にはアニメージュ誌が宮崎の特集を組んで取り上げた。同誌のアニメグランプリの歴代作品部門で1位を連続受賞し、情報雑誌『ぴあ』の年間アワード企画「もあてん」(もう1度見たい過去作品ランキング)では2年連続ベストワンといった成績を残す。2011年に実施された「ルパン三世アニメ40周年記念 マイ・ベストエピソード投票」の「劇場版・OVA部門」では本作が第1位になり、宮崎作品のルパンではTV第2シリーズ部門の『さらば愛しきルパンよ』とともに2冠を達成している。
日本テレビ系列では数年に一度放送されており、安定した視聴率を記録している。初放送は『水曜ロードショー』時代の1980年12月17日。宮崎駿監督作品ということもあり、他の数あるルパン映画と比べてもテレビ再放送される回数が極めて多く、2015年1月16日の放送で14回を数える[11]。以前は庭園でのプロレスごっこや大司教の車を止めるシーンなど7分間をカットしたバージョン(宮崎駿自身がカットを行った)が放送されることが多かったが、1991年10月4日の5回目の放送では100分間のノーカット放送が初めて行われ、以後は毎回ノーカット放送が行われている。1984年3月14日の『水曜ロードショー』では宮崎、山田康雄、増山江威子がスタジオに招かれ、解説の愛川欽也と対談を行っている。更に山田と増山に関しては、その前週の3月7日に放送された『刑事コロンボ/策謀の結末』の終了後にも次回番宣ゲストとしてスタジオに登場し、声優経験もある愛川にカリオストロ伯爵役を担当してもらい、3人でクライマックスの1シーンを実演してみせている。
1999年2月26日に『金曜ロードショー』で放送された際は視聴率23.4%を記録した。これは同作がテレビ放送された中で最高で、劇場版作品としては1位である[12]。
- 宮崎自身の評価
- 宮崎本人は自著『出発点』で、「この作品は『ルパン1stシリーズ』や、東映時代にやってきたことの大棚ざらえで、だから昔からぼくの仕事を見てた人は失望したというのはよくわかるんです。汚れきった中年のおじさんを使って、新鮮なハッとする作品は作れないですよ。こういうことは2度とできないなって、思ってやりました。」と語っている。また公開当初から、本作に対して「鬱屈がある」とアニメ誌やムック誌で発言しており、『風の谷のナウシカ』公開時の『コミックボックス』(1984年5・6月号)の対談では、第二次世界大戦でモスクワを前にして撤退せざるを得なかったドイツ軍を例に挙げ、「独ソ戦のドイツみたいだといつも思うんですよ」と比喩している。制作スケジュールの問題で、本作のDパートでは仕上げに手間がかからないよう絵コンテを切ったとも述べており、ルパンがクラリスを誘拐した後にはオートジャイロによる空中戦も予定されていたが、本編では割愛された。その画像は映画公開前に東京ムービーの宣伝材料として配られた後にムック誌などにも収録されており、その名残は共同脚本名義の山崎晴哉によって書かれたノベライズ版にもある。
- 原作者の評価
- 原作者のモンキー・パンチは、「日本国外のルパン三世ファンの95%は「ファンになったきっかけ」として本作を挙げる」と述べながらも、2007年7月「ルパン三世シークレットナイト(新文芸坐)にて「(試写会で見た後の取材で)『これは僕のルパンじゃない』って言ったんですね。『僕には描けない、優しさに包まれた、宮崎くんの作品としてとてもいい作品だ』って。でもこの後半の部分が削られて、最初の一言だけが大きく取り上げられちゃいましてね(苦笑)。僕のルパンは毒って言うか、目的のためなら手段を選ばないところとか、欲望とか人間の汚いところとか持ったキャラクターですからね。あんなに優しくは描けないなぁ」と、原作と映画の違いも述べている。
- 後年、自身が監督を務めた劇場映画第6作『ルパン三世 DEAD OR ALIVE』では、本作で確立された原作者の意図とは違うルパン像への反発があったことを述べている。その一方、銭形のキャラクターに関しては「銭形は凄腕の刑事である」というのが原作の設定かつ作者のイメージであるため、アニメにおいてドジ刑事扱いされることには不満を述べており、本作については、「銭形警部は宮崎さんの解釈が一番正しい」と語った。『ルパン三世 DEAD OR ALIVE』でも、銭形を凄腕の刑事として描いている。
- 日本国外での評価
- 映画監督スティーヴン・スピルバーグはカンヌ国際映画祭で本作を「史上最高の冒険活劇の1つ」と評し、特に冒頭のカーチェイスを「映画史上最も完璧なカーチェイス」と評したとの噂が存在する。スピルバーグ自身がインタビュー等で発言した記録が無く事実関係が不明だったが、北米版のDVDをリリースしたMANGA社は記載に足ると判断し、DVDパッケージ及びDVDに収録された予告編で、このスピルバーグの発言に言及している。
エピソード
- 山田康雄について
- 宮崎は、アフレコの際山田康雄に、おちゃらけたセリフを控え、クリント・イーストウッドを吹き替える時のような抑えた声での演技をするよう指示したが、自身でキャラクターを確立していた山田は「今さらごちゃごちゃ言われたくねーよ、ルパンは俺が決めてるンだ」と横柄な態度で吐き捨てた。これを目にした作画監督の大塚康生は「生意気だ、降ろしてしまえ」と宮崎に耳打ちしている。しかし、試写を見終わった山田はそのレベルの高さに態度が一変。「先ほどは大変失礼なこと言いまして申しわけございません。どんなことでもおっしゃってください、何百回でもやり直します」と宮崎に頭を下げたという[13]。ただし、山田の近くに位置していた小林清志は「そんな記憶はない」と話している[14]。
- 後にTVスペシャル第5弾『ルパン三世 ルパン暗殺指令』を監督したおおすみ正秋が同じ指示をした際、山田は「宮崎さんにも同じことを言われたよ」と嬉しそうに語ったという。
- 『TV第2シリーズ』に不満があったとされる山田は、本作を指して「こういうのを映画と言うんだ」とも後に語っている。また、「とにかく決定的に面白い。オープニングも話の展開も信じられないくらいだ。構成といい、絵といい、とても質の高いもので、こんなの見たこと無い。各所でギャグがちりばめられており、じつに楽しい」と評し、「宮崎さん、大塚さん、バンザイだ」との讃辞も贈った。
特色
- 古典からの下敷き
- 多くの古典的冒険活劇を下敷きにしたDamsel in distress(囚われの姫君)というストーリーとなった。監督の宮崎も『アニメージュ』のインタビューで、『緑の目の令嬢』に出てくる湖とローマ遺跡、そして『幽霊塔』の時計塔や地下室をモチーフにしたと答えている。
- 絵コンテ
- キャラクターのアクションや建築物の崩壊、車、メカ、武器、水の透明感、モブシーン、建物の構造を利用して垂直方向への移動と、ドラマの進行を重ね合わせた演出など、他作品でも宮崎駿が用いる表現が使われている。登場人物の性格も、宮崎独自の解釈で肉付けされている。
- 写実的な設定
- 劇中に登場する車や銃器類は、ほとんどが実在のものであり、宮崎駿や大塚康生の趣味が活かされ、支配階級であるカリオストロ伯爵のヨーロッパ貴族としての生活ぶりや振る舞いも考証されている。
- 計算されたアクション構成
- ルパンが崖から落ちて失神し、クラリスが手当てをしようとして手袋を脱いだ時に指輪が外れ、彼女が走り去った後に残された手袋の中から指輪が出てきて、それを見たルパンが記憶をよみがえらせる、といった具合に、「偶然」を積み重ねてストーリーが進行するような段取りがなされている[15][16]。
- 歳をとったルパン
- 宮崎は「善人ルパン」を描くため、ルパンの年齢をそれまでのイメージよりかなり高く設定し、「ファンの知っているルパンよりも人生経験を積んできたのだから、当然これまでのイメージと異なっていても不思議ではない」とした。物語の中盤あたりから、16歳のクラリスがルパンを「おじさま」と呼んでおり、ルパンを演じた山田自身もこの作品でのルパンに「歳をとったおじさんルパン」という認識で臨んでいた。
- ヒロイン
- 作中に登場するクラリス姫は、宮崎駿の作品に登場するヒロインの典型である。清楚でいじらしく、主人公による救出を待つ受動的な立場にありながら、自ら積極的に行動する気丈さと勇気も持ち合わせている。島本須美は、後に宮崎が脚本・監督を手がけた『TV第2シリーズ』最終話「さらば愛しきルパンよ」や、映画版『風の谷のナウシカ』でもヒロイン役を演じている。
ルブラン由来の物
登場人物の名前の一部には、モーリス・ルブランの『怪盗アルセーヌ・ルパン』シリーズに由来するものがある。
「カリオストロ」はモーリス・ルブランの小説『アルセーヌ・ルパン』シリーズ『カリオストロ伯爵夫人』に登場するルパンの仇敵の名前であり、「クラリス」は同作品に登場する、産まれた男の子をカリオストロ伯爵夫人に誘拐されるルパンの恋人の名前である。また、もともとカリオストロとは近世フランス史に登場した自称錬金術師で、後世のフィクションにも多く取り上げられている人物[17]であり、これを宮崎が『ルパン三世』の映画化にあたり題材としてとりあげた。
クラリスはカリオストロ家の人物ではなく、デティーグ男爵の令嬢だった。誘拐された息子は二十数年後を描いた作品『カリオストロの復讐』で好青年へと成長し再登場する。『緑の目の令嬢』(『青い目の少女』とも)には、本作と同様に湖底から遺跡が出現するシーンがあり、ルパンとカリオストロ伯爵の対決の場となった時計塔は黒岩涙香・江戸川乱歩の『幽霊塔』をモチーフにしている。
『TV第1シリーズ』からのアイデア
- 服装、愛車
- 当時赤ジャケットの新ルパンが放送されていたが、『TV第1シリーズ』の緑ジャケットで登場する。フィアット 500Rも『TV第1シリーズ』後半から登場したもので、前作で登場したメルセデス・ベンツSSKは回想シーンのみでの登場。『TV第1シリーズ』のエンディングで不二子がバイクに乗るシーンがあるが、映画での不二子の移動手段も全てバイクだった。
- 偽札
- 偽札をばらまいて捨ててしまうシーンが、第10話「ニセ札つくりを狙え!」でも登場している。
- 掃除機
- 過去の回想シーンに掃除機を使って宝石店の商品を吸い取るシーンがあるが、同様の強奪手段を第16話「宝石横取り作戦」でバキュームカーを用いて行っている。
- サーチライト
- 黒の全身スーツ、拳銃入りショルダーホルスターを締めた姿でサーチライトに追われるシーンで、初期オープニングや第4話「脱獄のチャンスは一度」で描かれたルパン三世のイメージを描いている。
- TVスタッフに偽装
- 第18話「美人コンテストをマークせよ」で、ルパンたちがTV局レポーターに偽装して会場に侵入している。乱入した五ェ門が暴れるハプニングでテレビに秘密が映ってしまうのを狙うなど、作戦も同じ。
- 大時計
- 時計塔のメカニズムが第10話「ニセ札つくりを狙え!」で登場して、大時計の針が侵入者を襲うシーンもある。ラストでやはり時計塔は破壊されてしまうが、崩壊前に機構が突然激しく動き出す演出などの共通点がある。
カリオストロ公国
本作の主な舞台であるカリオストロ公国の人口は3,500人で、世界で一番小さな国連加盟国と設定されている。壮麗な塔を持つカリオストロ城と城下町、古代ローマ時代に作られた水道橋を持ち、美しい山々と湖に囲まれている。また、劇中の新聞やルパンが伯爵に送った予告状から、フランス語が公用語のようである。
その一方で、世界中で流通する紙幣を精巧に真似た偽札を製造しているとされ、東西冷戦下においては国際的に無視できない影響力を与えていた。世界最高レベルの偽造技術を誇り、時に本物以上と称されるその幻の偽札は「ゴート札」と呼ばれている。劇中のルパンの台詞によれば、古くはブルボン王朝を破滅させ、ナポレオン軍の資金源となり、1927年の世界恐慌[18]の引き金となるなど、中世以降の世界情勢の裏に常にその影を見せていたという。劇中の静止画では、第二次世界大戦当時、ゴート札が連合国軍の資金源になっていたような描写がみられる。ルパンが某国の国営カジノから盗んだ金がこのゴート札だった事が彼が再びカリオストロ公国に目をつける理由となった。「偽札界のブラックホール」の通り名で知られる通り、400年もの間、偽札製造の秘密を守るため世界中の政府機関、諜報機関、軍部の調査をかいくぐってきた。調査に訪れた者は一人として生きて戻ってきた者はおらず、その者たちは証拠隠滅のために「地下」に葬られ、大量の死骸として今も残っている。日本の明治政府もこの偽札を調べていたようで、偵察任務を任せられた日本軍の軍人が「地下」で自害していた(因みに「地下」に葬られて生還したのはルパンと銭形の二人だけである)。しかし、現代ではその偽札製造の技術力は往年に比べて落ちているとされ、完成したサンプルも伯爵から「いい出来ではない」と品質の低下を指摘されていた[19]。
カリオストロ家の紋章は下半身が魚になったヤギをモチーフにしており、大公家では青地に浮き彫りにされた左向きの銀のヤギ、伯爵家では赤地に、彫り込まれた右向きの金のヤギが用いられている(左右対称)。指輪の表面には現在では使われていないゴート文字で「光と影、再び一つとなりて蘇らん」と彫られており、さらにこの2つの指輪を合わせると、その継ぎ目には「光と影を結び、時告ぐる高き山羊の、日に向かいし眼に我を収めよ」という大公家に伝わる詩が浮かび上がるギミックが施されている。
カリオストロ大公家が代々の統治を務め、カリオストロ伯爵家は公国の影の部分である暗殺等の謀略を司っていたが、大公夫妻が謎の火災によって死亡し、摂政を務めていたラザール・ド・カリオストロ伯爵が、大公家最後の姫であるクラリス・ド・カリオストロ姫を統治権を大公家に戻すためという名目で強制的に婚約者として迎え、公国の独裁を狙っていた。
伯爵とクラリス姫の結婚式の当日、ルパンが引き起こした混乱に乗じて城に突入した銭形の活躍により幻の偽札「ゴート札」の製造元と思われる巨大な印刷工場が城の地下から発見され、インターポールの査察が入る事になった。
かつてこの地には古代ローマ人達が住んでいたとされ、やがてローマ人はこの土地を離れる際に自分達が住んでいた都市を水門を使って湖の中に沈め、それを大公家が代々守っていた。そして結婚式典の翌日、湖の水が引いた後の湖底から古代ローマの大規模な都市遺跡が良好な保存状態のまま発見された。
登場する乗り物・武器
乗り物
自動車の中には、実物には存在するドアミラーが描かれていないものがある。
- スーパーチャージャーつきフィアット・500[20]
- ルパンたちの愛車。イタリア製の小型大衆車。改造が施してあり、レバーを引くとスーパーチャージャーが起動して高速で走れる。カリオストロ伯爵の手先が放った手榴弾でフロントガラスやヘッドライトなどを破損したが、エンディング前には綺麗に補修されている。塗装は黄色。パンクしてタイヤ交換するシーンがあるが、スペアタイヤは丸坊主だった。余談であるがイタリアで上映されたおり事前に申告しておけばフィアットから宣伝料が出たのにと言われたが、それを聞いた宮崎は『イタリアで上映すると知っていたら別のメーカーにしただろう』と述べている。これは馴染みの無い車両の方が観客は楽しめると考えての事。
- メルセデス・ベンツSSK
- ドイツ製の高級車。ルパンがクラリスとの出会いを思い出す際の回想シーンに登場。
- シトロエン・2CV[21]
- クラリスが城からの逃走に使用したフランス製の小型大衆車。カーチェイスの末にバラバラになり、湖に落下して水没。塗装は小豆色。
- ハンバー・スーパー・スナイプ
- クラリスを追うカリオストロ伯爵の手下が運転していたイギリス製リムジン。塗装は茶色。銃弾も通用しない特殊タイヤを履いているが、次元の徹甲弾の一撃を食らってパンクし、大破。
- 水雷艇[22]
- 川を遡行してクラリスの追跡に現れたカリオストロ公国水軍の小艦艇。塗装は白。動力はディーゼルではなく、古式ゆかしい蒸気機関で煙突から黒煙を吐いていた。終盤の時計塔崩壊に巻き込まれて沈没する。
- オートジャイロ(と呼称される飛行メカ)
- カリオストロ伯爵が所有する、一人乗りの架空の小型飛行メカ。後退翼の翼端に方向舵を持ち、推進式で後部にプロペラがある。伯爵が湖の上を遊覧する際に使用し、クラリス奪回作戦の時にはルパンと銭形も操縦したが、ジョドーの銃撃で炎上。その後、木に突っ込み爆散している。
- 作中でオートジャイロと呼ばれているものの、ローターブレードの先端に補助固体ロケット[23]が付いていて、これでローターを回転させることで垂直離着陸が可能。現実のオートジャイロはローターには動力は接続しないのが基本であるが、離陸時のみクラッチを繋いでエンジンでローターを駆動し、垂直離陸を可能にする方式のオートジャイロは実在する。ただし作中のようにローターを駆動するのに別エンジンを用いる形式、また着陸時にもエンジンでローターを駆動する形式のオートジャイロは実在せず、ローターの先端にロケットエンジンを付加したオートジャイロも存在しない[24]。
- 製作の都合でルパン対オートジャイロのシーンは割愛されたが、劇場公開当時に販売されたポスターでは、フィアットで逃走するルパンと対戦車ライフルで応戦する次元を、本機で追うイラストが公開されていた[25]。
- また、イメージボードでは伯爵の手下も、本機とは別形式のオートジャイロ[26]を使用し、ルパンと対決する予定であった。
- ハングライダー
- 赤い折り畳み式のグライダー。不二子がオートジャイロからの脱出時に使用。
- 日産・ブルーバード(410型)
- 銭形のパトカー[27]。白黒塗装の日本警察仕様。初登場時からカリオストロ城に突入するまでは右ハンドルだったが、エンディング前には左ハンドルに変わっている。ドアに書かれている所属県警名も左側は「埼玉県警」だが、右側は「ICPO」となっている。ナンバーは「埼玉5 た 110」
- C.M.P 15-CWTトラック(キャブ13型)[28]
- 銭形突撃隊が用いたカナディアン・ミリタリー・パターン(C.M.P)と呼ばれる、英連邦払い下げの幌付き軍用トラック。全輪駆動、右ハンドル。塗装は暗灰色。警察仕様としてサイレンと屋根上に赤色パトライトがある。
- C.M.Pはカナダフォード、カナダシボレーの両社で製造されたが、作中のC.M.Pはラジエーターグリルが斜めのダイヤ型(フォード製は四角の網目)なのでシボレー製である[29]。
- 馬車
- 干し草を満載した農家の大型荷馬車。五ェ門が公国入りする際に乗せてもらっていた。
- トライアンフ・ボンネビル
- 不二子が使用したイギリス製オートバイ。後部両サイドに物入れを付けており、最終シーンでは偽札の原版を入れていた。
- C-119フライング・ボックスカー
- 終盤、国連の空挺部隊を投下する、ツインブーム双胴双発のレシプロ輸送機。
武器
排莢アクションなどが省略されて描写されている。
- シモノフPTRS1941
- ソビエト連邦製の対戦車ライフル。「素人が撃つと肩の骨が砕ける」といわれるほどの威力と反動を持つが、劇中の1968年から見ても旧式兵器である。マグナムすら効かない鎧を着た敵部隊「カゲ」に対し、最終決戦で次元が使用した。この銃でもその装甲は貫通できず、後方へ吹き飛ばすだけだったが[30]、「カゲ」の大群を相手に獅子奮迅の活躍を見せる。
- S&W M27 .357マグナム 4インチ
- アメリカ製の拳銃。今作の次元はテレビアニメ版で愛用しているS&W M19ではなく、S&W M27を使用[31]。冒頭のカーチェイスでパンク防止タイヤを装備した追っ手の車を止めるためボトルネックケースの徹甲弾を使うシーンがあるが、実際には使用できない。今作では、「カゲ」が着込んだ鎧にダメージを与えることが出来なかったため、序盤の「カゲ」の奇襲以降は出番がなくなる。
- ルガー1900
- ドイツ製の拳銃。ルガーP08の原型となった拳銃で、当時のスイス軍などが採用した。不二子が他の作品で使用しているブローニングの代わりに使用。設定資料ではグリップ下に銃床を装着する部品がなく、これはスイスルガーの特徴となっている。当時の銃器雑誌『月刊Gun』のスイスルガーのレポート中には「不二子に使って欲しい」という記述があった。
- UZI
- イスラエル製の短機関銃。1968年当時はまだコマーシャルモデルが民間市場に出回っていない銃で、最初期の木製固定銃床を装着した型を不二子が使用している。25連ショートマガジンを装着。
- M3短機関銃
- プレス加工を多用したアメリカ製の短機関銃。正確には改良型のM3A1で、その独特な形からグリースガンとの別名がある。冒頭のカジノ襲撃シーンで用心棒達が装備していた。
- MG34
- ドイツ製の汎用機関銃。伯爵がジョドーにオートジャイロとルパンを撃たせたシーンに登場。単脚架に載せられ、ベルト給弾の50発ドラムマガジン[32]を装備していた。
- PPD-40
- ソビエト連邦製の短機関銃。冒頭のカーチェイスでクラリスを追う男達が使用。PPSh-41に酷似しているが、マガジン前方に木製ストックの先端が突き出している点で確認出来る。
- MP40
- ドイツ製の短機関銃。「カゲ」達が使用。
- PPSh-41
- ソビエト連邦製の短機関銃。時計塔に侵入した水兵が使用。
- ワルサーP38
- ドイツ製の拳銃。『TV第1シリーズ』のエンディング・テーマでも歌われる、ルパンの愛用拳銃である。今作では使おうとしてポケットから出した際、銃口がポケットに引っかかっている間に警備装置のレーザーで溶かされ、全く活躍していない。回想シーンでのみ発砲している。
- M24型柄付手榴弾
- ドイツ製の手榴弾。冒頭のカーチェイスで、クラリスを追う男達がルパンのフィアットに投擲。
- マークII手榴弾
- アメリカ製の手榴弾。その形から通称パイナップルとも言われる。劇中の1968年当時は、既に後継のM26手榴弾に米軍制式の座を譲っている旧式兵器。使用人の偽装を解いて迷彩服に着替えた不二子が使用。脱出路を開けるべく窓へも投擲したが、壁や窓は防爆仕様でびくともしなかった。
- 斬鉄剣
- 五ェ門愛用の日本刀。中盤では燃えたルパンのスーツを粉々に斬って助け[33]、最終決戦では、次元の対戦車ライフルでも破壊できないほどの耐久性を持った「カゲ」の鎧を、装甲だけを軽々と斬り裂いて「カゲ」たちの素顔を暴露する斬れ味を見せた。テレビ版ではコンニャクなど斬れない物も幾つか存在する斬鉄剣だが、本作では斬れない物は登場しなかった。
- 警備装置
- カリオストロ城の各所に設置された警備装置。しかしその実体は相手を無力化させる罠や警報の類ではなく、侵入者を抹殺する自動銃座に近い、警備の範疇を逸脱した殺人兵器である。自在に動くアームの先に箱形のレーザー発振装置が組み込まれており、警備装置発動直後に報告された銭形突撃隊員の台詞では「対人レーダーの反応もあります」とあるので、このレーダーに連動して侵入者を焼き殺す仕組みかと思われる。
- 内蔵されたレーザーの威力は絶大で、銭形が放り捨てた煙草を地面に落下する前に焼失させたり、ルパンのワルサーを溶解させる描写がある[34]。劇中では、庭園と時計塔内に登場していた。
- メイス
- 宿屋の壁に飾ってあった戦棍。設定書には「イガイガハンマー」との名称が付けられている。「カゲ」の襲撃に対してルパンが使用。柄頭から八方に棘が飛び出した形状から、別名モーニングスター(明けの明星)とも呼ばれる。
- 大斧&楯
- 同じく宿屋の壁に飾ってあった戦斧と楯。こちらは次元が使用。斧は戦闘で使い、楯は閃光弾の光を防ぐために構えた。楯の表面にはカリオストロ公国旗と同じ十字の紋章が入っている。
- スパナ
- ナットを締める工具だが、本作内では主に鈍器として活躍。宿屋からの逃走時にはフィアットにしがみつく「カゲ」を次元が殴った他、TV中継時ではリポーターに変装した不二子が、中継を中止させようとする伯爵の手下を殴っている。
- 大型レンチ
- 両手持ちの大型レンチ。時計塔の備品をルパンが打撃武器へ転用したもの。本来の工具として幾つかの機械部品を外して歯車を落下させた他、伯爵との一騎討ちに使用した。
- 十手
- 銭形愛用の捕り具。格闘武器としての他に指揮杖代わりとしても使用された。先祖伝来の物であるのかは不明[35]。今作では設定書こそあるが、愛銃のコルト・ガバメントは使用されていない。
- サーベル
- 騎兵用の片手刀。衛士隊の標準装備。終盤の時計塔では伯爵も使用。
- 大楯&警棒
- 主に暴徒鎮圧に使われる機動隊の標準装備。覗視孔付きの楯はジュラルミン製で軽いが防弾には役に立たない。銭形突撃隊員が使用。
- 閃光弾
- 宿屋で「カゲ」から逃げる際に使用した手製の手榴弾。殺傷力はないが、凄い光を出す。ルパンはこれを使う際、目を守る為、サングラスを使用していた。
- ロケット弾
- 大司教に化けたルパンのマント裏に多数仕込まれており、結婚式会場で一斉発射された。弾頭は花火であり、殺傷よりも混乱を狙った武器である。
- 指ロケット
- 伯爵の隠し武器。ガントレットの指先が五連装の小型ロケット弾になっている。時計塔でルパンへ向けて発射された。
- 銛
- 回想シーンに登場。かつてのカリオストロ城にあった警備装置。大量の銛を無音で侵入者に放つ射撃武器であり、前述のレーザー同様に標的の捕獲よりも抹殺に重点が置かれている。逃走しようとしたルパンの背中へ突き刺さり、重傷を与える。
VHS・DVD・BD
日本国内
- 1980年頃に『ルパンVS複製人間』と共に東宝ビデオから初のビデオソフト(VHS・β:3万8000円、U規格:5万円)が発売[36]され、1981年11月にはVHSとβが1万9800円に値下げされた[37]。この最初のビデオ版では収録時間が90分に短縮されており[38]、ルパンが塔から塔に飛び移るシーンなどがカットされている[39]。後に『ルパン三世 カリオストロの城 完全版』としてノーカット版が発売された。なおLD版は発売当初よりノーカットだった[40]。
- 2001年に「ジブリがいっぱい COLLECTION スペシャル」ブランドでDVD版が発売された。2枚組で、英語版(後述)や劇場公開時の予告編、またマルチアングルで絵コンテなどの特典が収録されている。なお、本編の音声は劇場公開時のモノラル音声を擬似ステレオ化したものである[41]。2003年に発売された「劇場版ルパン三世 DVD Limited BOX」には収録されなかった。
- 2012年現在、単体DVDは生産を中止しているが、2007年3月に発売されたDVDBOX『LUPIN THE BOX -TV & the Movie-』に収録されている。
- 2008年12月3日には、HDリマスター版としてブルーレイソフトが発売された[42]。
- 市販化にあたり、ビデオやLD、DVDなどに予告編が収録されたが、冒頭部分の宮崎のコメントが削除されている。劇場で使用された予告編では、冒頭に、黒い画面に白抜き文字で「前作をしのげないのなら 2作目を作る意味がない。 宮崎駿」というコメントがある(主に上映された劇場の前上映作品『がんばれ!! タブチくん!!』にて使用)。なお、このコメントはキャッチコピーとして同時期に配布されたチラシでも確認可能。削除された理由については不明。いずれにせよ市販されている媒体での「予告編完全収録」という表記は、実際には一部削除されているため不適切な表記となっている(2010年現在)。
- 2014年8月には上述のデジタルリマスター版を使用したブルーレイ[43]とDVDが[44]リリースされた。
日本国外
- 北米では、1992年にストリームライン・ピクチャーズ (Streamline Pictures) が『The Castle of Cagliostro』のタイトルで翻訳し、メトロ・ゴールドウィン・メイヤーから発売された。日本でも1994年にリンガフォン・ジャパンより英語教材としてVHSソフトが発売されたほか、「ジブリがいっぱいCollection」として発売されたDVDにも収録されており、ルパンの名前は Wolf に変更されている(参考)。ストリームライン・ピクチャーズは、ルパンシリーズでは『ルパン対複製人間』『死の翼アルバトロス』『さらば愛しきルパンよ』も翻訳している。イギリスとオーストラリアではこのストリームライン・ピクチャーズの吹き替え版を用いてManga Entertainmentが発売した。
- 2000年にManga Entertainmentは上記のストリームラインとは別の吹き替えを用いたDVDを発売した。Mangaは2006年8月に、特別版DVDを発売。この特別版にはレコードのようにA面とB面があり、一枚のディスクの裏表両方が記録面となっている。A面には本編が、B面には大塚康生へのインタビューなどの特典映像が収録されている。
- フランスでは翻訳版が3つ存在し、『Vidocq contre Cagliostro』のタイトルで発売された第1バージョン、Manga Entertainmentが『Le Château de Cagliostro』のタイトルで発売した第2バージョン、IDPが同じく『Le Château de Cagliostro』のタイトルで発売した第3バージョンがある。Manga Entertainment による第2バージョンは、上記の Streamline Pictures による英語版を基にした重訳で、ルパンの名はやはり Wolf となっている。
賞歴
- 第34回毎日映画コンクール・大藤信郎賞受賞(1979年)[45]
- アニメージュ アニメグランプリ歴代ベストワン作品1位(1982年 - 1984年)、2位(1980年下半期、1981年、1985年 - 1986年)
- キネマ旬報創刊85周年オールタイムベスト・テン アニメーション部門1位(2004年)
- 日本のメディア芸術100選 アニメーション部門 専門家選出4位、一般選出5位(2006年)
- キネマ旬報オールタイム・ベスト 映画遺産 アニメーション篇1位(2010年)
売上記録
(日本国内)
内容 | 記録 | 補足 |
---|---|---|
興行収入 | 約6.1億円[46] | 推測 |
配給収入 | 約3.05億円[47] | |
地方動員 | 65万8386人[47] | 2本立て(主に『Mr.BOO! ギャンブル大将』と) |
首都圏・関西動員 | 約24.2万人[47] | 単独 |
全国動員 | 約90万人[47] | |
『オリジナル・サウンドトラック ルパン三世・3』 | 約1万枚出荷[48] | 1994年発売のCD |
『ルパン三世 カリオストロの城 ドラマ編』 | 約1.5万枚出荷[48] | 1986年発売のCD |
『ルパン三世 カリオストロの城 完全収録盤』 | 約1万枚出荷[48] | 1994年発売のCD |
『カリオストロの城 オリジナル・サウンドトラック BGM集』 | 約2万枚出荷[48] | 1994年発売のCD(再発) |
『ルパン三世 宮崎駿作品集』 | 約1万枚出荷[48] | 1997年発売、CD |
『ルパン三世クロニクル ルパン三世 カリオストロの城 ミュージックファイル』 |
約1万枚出荷[48] | 2003年発売、CD |
DVD | 約40万枚出荷[49] | 2001年発売 2003年6月現在 |
テレビ放送日
放送は全て日本テレビ系列。
回数 | 放送日 | 番組名 | 視聴率 |
---|---|---|---|
1 | 1980年12月17日 | 水曜ロードショー | 21.2% |
2 | 1982年9月22日 | 水曜ロードショー | 21.8% |
3 | 1984年3月14日[50] | 水曜ロードショー[51] | 20.3% |
4 | 1985年7月3日 | 水曜ロードショー | 14.7% |
5 | 1991年10月4日 | 金曜ロードショー | 13.7% |
6 | 1994年9月2日 | 金曜ロードショー | 22.4% |
7 | 1996年1月2日 | 12.1% | |
8 | 1999年2月26日 | 金曜ロードショー | 23.4% |
9 | 2001年6月15日 | 金曜ロードショー | 21.2% |
10 | 2004年3月26日 | 金曜ロードショー | 15.8% |
11 | 2008年5月2日 | 金曜ロードショー | 16.4% |
12 | 2010年10月8日 | 金曜ロードショー | 12.1%[11] |
13 | 2012年3月30日 | 金曜ロードショー | 12.7%[11] |
14 | 2015年1月16日[52] | 金曜ロードSHOW! | 14.5%[11] |
関連作品
- 『ルパン三世 カリオストロの城』 - 集英社文庫 (1982年) / 新版:(2000年) ISBN 4086105101
- 初期シナリオに基づく小説版。山崎晴哉 著。
- 『あれから4年…クラリス回想』 - アニメージュ文庫 (1983/08) 徳間書店 /ISBN: 978-4196695127
- 『CLIFF HANGAR』 - スターン (1983年)
- 本作と『ルパン三世 ルパンVS複製人間』の映像を利用したレーザーディスクゲーム。
- 『ルパン三世 カリオストロの城』 - ムービック / 東宝 (1985年)
- パソコンPC-8801他用のロールプレイングゲーム。
- ルパン/次元/五右衛門/銭形の登場人物を一人選びカリオストロ城に潜入する。
- 一度死ぬとセーブデータが削除されるなど厳しい展開が売りだった。
- 『ルパン三世 カリオストロの城』 - 東宝 (1987年)
- MSX用のアクションゲーム。
- 『ルパン三世 パンドラの遺産』 - ナムコ (1987年)
- ファミリーコンピュータ用アクションゲーム。本作の後日談。
- 『LUPIN III CASTLE OF CAGLIOSTRO ルパン三世 カリオストロの城』 - ツクダホビー (1987年)
- テーブルトークRPGのワープスシステムを採用。
- 企画/製作ORG、ゲームプロデューサー/大貫昌幸、ゲームデザイナー/小島裕貴子
- 『ルパン三世 カリオストロの城 -再会-』 - アスミック (1997年)
- プレイステーション用アドベンチャーゲーム。映画の設定資料やムービーも収録されている。
- バーチャルの世界で、突然、記憶を失った主人公は、ルパン達と共に、自身の記憶を取り戻すために、謎を解きながらカリオストロ城のもう一つの秘密と、自身が記憶を失った理由に迫る。
- ゲーム内容は、映画版から、しばらく経過した後となっている。
- 徳間アニメ絵本『ルパン三世 カリオストロの城』 - 徳間書店 (2000年) ISBN 4198612900
補足・その他
- カリオストロ城のモデルは、サン・レーオである[53]。
- 「カゲ」達が結婚式典で被る尖った頭巾のモデルは、カピロテと呼ばれるものである。
- 草創期のコミックマーケットでは、吾妻ひでおと周辺のスタッフが、漫画同人誌『シベール』を作成し、ヒロインのクラリスをロリコンキャラクターとして取り上げている。
- 『ゼンダ城の虜』を初めとする、「近現代ヨーロッパの架空の小国を舞台にした冒険譚」を表す「ルリタニア・テーマ」というジャンル名を提唱した田中芳樹は、日本における代表例として本作と『天空の城ラピュタ』をあげた[54]。
- 本作のファンであった黒田清子(旧名:紀宮清子内親王)は、黒田慶樹との結婚式で着用する白いドレスのモチーフとして、デザイナーにクラリスの花嫁衣装を例示したという話が報道された[55]。
- 冒頭のゴート札を盗んだルパンたちを追跡しようとしていた車のボンネットの内側にルパンが張った張り紙は「ごくろうさま」から「ごくろうさん」に不自然に変わっている。
- 次元大介はこの作品では演出上3度しか目を見せていない。
脚注
- ^ 現・シンエイ動画
- ^ カップヌードルと百円ライターこと使い捨てライターの製品化は、それぞれ1971年と1975年である。ただしレーザーは1964年公開のスパイ映画『007 ゴールドフィンガー』でも登場しているので、サイズや性能はともかく、1968年に登場しても不思議ではない。
- ^ “初公開から35年!『カリオストロの城』デジタルリマスター版の劇場公開が決定!”. シネマトゥデイ (2014年4月22日). 2014年4月22日閲覧。
- ^ “『ルパン三世 カリオストロの城』デジタルリマスター版で劇場上映”. ORICON STYLE (2014年4月22日). 2014年4月22日閲覧。
- ^ 五ェ門も、映画冒頭のカジノから金を盗むシーンで登場しており、車の後部座席で札束に埋もれている
- ^ 実は城への潜入に銭形を利用するため、ルパン自身が通報した。
- ^ 伯爵の手先による放火の可能性あり
- ^ 中世からの家系のはずだが何代目かは不明。
- ^ “FIRE TREASURE (炎のたからもの) / Bobby”. レコチョク. 2016年1月17日閲覧。
- ^ COCX-32227 『ルパン三世 カリオストロの城 ミュージックファイル』大野雄二インタビュー、コロムビアミュージックエンタテインメント、2003年5月21日発売
- ^ a b c d “「ルパン三世 カリオストロの城」14.5%!根強い人気”. スポニチアネックス. (2015年1月19日) 2015年1月20日閲覧。
- ^ 『SUPER SURPRISE』 2010年2月8日(日本テレビ放送網)放送より。
- ^ 大塚康生『作画汗まみれ』(pp.185)より
- ^ 『ルパン三世よ永遠に-山田康雄メモリアル-』パイオニアLDC
- ^ 森卓也『シネマ博物誌』
- ^ 久美薫『宮崎駿の時代 1941~2008』
- ^ 別のテレビスペシャル『ルパン三世 イタリアン・ゲーム』およびアニメ『ルパン三世(アニメ第4作)』でも「カリオストロ」の名が使用されているが、こちらは自称錬金術師として実在した人物を取り上げている。
- ^ 実際には1929年だが、劇中ではそう語られている。
- ^ これは偽札の生産量が増えたことにも起因している。
- ^ 劇場公開当時、大塚康生が同型車を所有していた。
- ^ 宮崎駿が同型車を所有。また本作に先駆けて『TV第1シリーズ』第23話でも通常型(運転手は宮崎駿本人)、及びバンタイプの2CVが「だるまや弁当」の配達車として登場している。
- ^ 実質は連絡艇(ランチ)の類である艦載水雷艇の一種。内火艇と呼称する資料もあるが、描写から明らかに内燃機関を搭載してないので「内火艇」に分類するのには無理がある。
- ^ ラムジェットエンジン説もあるが、作動原理上、完全停止状態からは始動出来ず、本編内の描写と矛盾するため固体ロケットと判断。
- ^ ヘリコプターであれば、このような形式が構想され、通常のヘリコプターに必須のテールローターが不要とされる機体を、アメリカのヒラー社が1950年代にYH-32 ホーネットとして試作している。
- ^ オートジャイロはパイロットの他に、伯爵の手下が左右主翼上に乗った三人乗り状態であった。『カリオストロの城大事典』P20。
- ^ 形状はフォッケウルフFw61に酷似。ただし、Fw61はオートジャイロに限りなく似たヘリコプターである。
- ^ ファンの間では、通称「銭ブル」とも呼ばれる。宮崎が担当した『TV第2シリーズ』第145話「死の翼アルバトロス」にも銭形の愛車として登場する。
- ^ 1973年に大塚康生がマックス模型の製造企画として、同車と同じトラックの1/35模型を「C.M.P小型トラック」として製品化し、世に送り出している。
- ^ 月刊『ホビージャパン』1976年4月号P14の記事より。
- ^ 現実には、ここまでの耐久性を持つ個人着用型の防具は実在していない。また、本作では時計塔での伯爵を除き、基本的に人死にが出る生々しいスプラッタシーンは描写されなかった。
- ^ 映画パンフレットの次元プロフィールより。
- ^ と称しているが、弾倉は弾帯を詰め込んだ単なる容器である。
- ^ 前劇場版に引き続き、五ェ門は「また、つまらぬ物を斬ってしまった」と呟いている。
- ^ ただし、警備装置のサイズで、鉄をも瞬時に溶解させる高出力のレーザーは1968年当時の技術力では不可能。対戦車銃に耐える「カゲ」の鎧と同じ、漫画的な演出の一種。
- ^ TRPG『LUPIN III CASTLE OF CAGLIOSTRO ルパン三世 カリオストロの城』のルールブックでは、先祖伝来の物とされていた。
- ^ 「1981年東宝ビデオ総合カタログ」1981年、東宝株式会社、p2
- ^ 「ビデオコレクション1982」1981年、東京ニュース通信社、「週刊TVガイド」臨時増刊12月2日号、p80、p176
- ^ 宮崎駿『あれから4年…クラリス回想』徳間書店
- ^ やはり存在した90分版カリオストロの城
- ^ 当時は、多くのソフトがVHS版では90分以下にカットされ、β版でノーカットが発売されていた。
- ^ 製作:トムス・エンタテインメント、発売元:ブエナビスタホームエンターテイメント、VWDZ8032)
- ^ 本編の音声はモノラル音声と擬似5.1ch音声。
- ^ “【オリコン】公開から35年…『ルパン三世 カリオストロの城』BDが総合2位”. ORICON STYLE (2014年8月13日). 2016年1月17日閲覧。
- ^ 発売元:ウォルト・ディズニー・ジャパン
- ^ “第34回毎日映画コンクール”. 毎日新聞. 2016年1月17日閲覧。
- ^ 叶精二『宮崎駿全書』フィルムアート社、2006年、27頁。ISBN 4845906872
- ^ a b c d 叶精二『宮崎駿全書』28頁。
- ^ a b c d e f 叶精二『宮崎駿全書』25頁。
- ^ 叶精二『宮崎駿全書』30頁。
- ^ 当時、宮崎駿にとっては本作以来5年ぶりの監督作品となる長編劇場アニメ『風の谷のナウシカ』(3月11日公開)が公開中であった。
- ^ 今回で初のノーカット放送が実現し(以後ノーカット放送が定着)、この時には監督の宮崎駿、ルパン役の山田康雄、不二子役の増山江威子がスタジオに招かれ、司会の愛川欽也と対談を行っている。
- ^ “『ルパン三世 カリオストロの城』をより楽しむため、知っておきたい3つのポイント”. おたぽる (2015年1月16日). 2015年7月13日閲覧。
- ^ 日本の姫路城も!死ぬまでに行きたい“世界の名城”って
- ^ 田中芳樹『アップフェルラント物語』後書きより。また田中の最初の長篇『白夜の弔鐘』で登場する女性「クラリス」の名前は、本作のヒロインから取られている(梶尾真治による文庫版解説より)。
- ^ ウェブ報知 2005年11月15日 (Webarchive)
参考文献
- 『アニメージュ』徳間書店、1980年1月号
- 本作の特集号。東宝宣伝部から「前作より低年齢向けとして宣伝した」とコメント。
- 『アニメージュ』徳間書店、1981年1月号
- 宮崎駿とおかだえみこの対談記事。モーリス・ルブラン作品と江戸川乱歩作品をモチーフにしたこと、中年の意識で描いたことが語られる。
- 『アニメージュ』徳間書店、1981年8月号
- 宮崎駿特集号。宮崎自身による自身の作品歴における位置付けと海外での評価。
- アニメック編集部編『カリオストロの城大事典』ラポート、1982年
- 『ルパン三世カリオストロの城』双葉社、1999年 ISBN 4575471690
- ムック型資料集。
- 『作画汗まみれ 増補改訂版』大塚康生 / 徳間書店、2001年 ISBN 4198613613
- 本作の作画監督による制作の裏話。山田康雄との裏話など。
- 『スタジオジブリ絵コンテ全集第II期・ルパン三世カリオストロの城』宮崎駿 / 徳間書店、2003年 ISBN 4198616663
- 『リトル・ニモの野望』大塚康生 / 徳間書店、2004年 ISBN 4198618909
- 東京ムービー新社のアメリカでのプロモーションに本作が使用されたことなど。
- 『キネマ旬報』キネマ旬報社、2004年8月下旬号
- 創刊85周年特集として各ジャンルのオールタイムベストテンを発表。映画評論家による投票で選定。
- 『大塚康生インタビュー アニメーション縦横無尽』実業之日本社、2006年 ISBN 4408612553
- 従来、通説とされてきた本作のモチーフと見なされていた『TV第1シリーズ』のエピソードに関する新事実など。
外部リンク
- ルパン三世 カリオストロの城 - 金曜ロードショー(2008年5月2日放送分)
- ルパン三世 カリオストロの城 - 金曜ロードショー(2010年10月8日放送分)
- ルパン三世 カリオストロの城 - 金曜ロードショー(2012年3月30日放送分)
- ルパン三世 カリオストロの城 - 金曜ロードSHOW!(2015年1月16日放送分)
- ルパン三世 カリオストロの城 - 日本映画データベース
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- デジタルリマスター版公式サイト
ルパン三世の劇場映画 | |||||||
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通番 | 題名 | 公開日 | 監督 | 脚本 | 主題歌 | 歌手 | 興行収入 |
実写版第1作 | 念力珍作戦 | 1974年8月3日 | 坪島孝 | 長野洋 | 恋のチャンス | ポピーズ | |
ブローアップ上映 | ベネチア超特急 | 1978年3月18日 | 御厨恭輔 | 今野鑲 | ルパン三世のテーマ ルパン三世 愛のテーマ |
- | |
アニメ版第1作 | ルパンVS複製人間 | 1978年12月16日 | 吉川惣司 | 大和屋竺 吉川惣司 |
ルパン音頭 | 三波春夫 | 9.15億円 |
アニメ版第2作 | カリオストロの城 | 1979年12月15日 | 宮崎駿 | 宮崎駿 山崎晴哉 |
炎のたからもの | ボビー | 6.1億円 |
アニメ版第3作 | バビロンの黄金伝説 | 1985年7月13日 | 鈴木清順 吉田しげつぐ |
大和屋竺 浦沢義雄 |
MANHATTAN JOKE | 河合奈保子 | |
アニメ版第4作 | 風魔一族の陰謀 | 1987年12月18日 | (不在) | 内藤誠 | セラヴィと言わないで | 麻倉未稀 | |
アニメ版第5作 | くたばれ!ノストラダムス | 1995年4月22日 | 白土武 | 柏原寛司 伊藤俊也 |
愛のつづき | 坂上伊織 | |
アニメ版第6作 | DEAD OR ALIVE | 1996年4月20日 | モンキー・パンチ | 柏原寛司 | Damegeの甘い罠 | media youth | |
アニメ版特別作品 | ルパン三世VS名探偵コナン THE MOVIE | 2013年12月7日 | 亀垣一 | 前川淳 | (主題歌なし) | 42.6億円 | |
アニメ版第7作 | LUPIN THE IIIRD 次元大介の墓標 | 2014年6月21日 | 小池健 | 高橋悠也 | Revolver Fires | Gary Stockdale | |
実写版第2作 | ルパン三世 | 2014年8月30日 | 北村龍平 | 水島力也 | (主題歌なし) | 24.5億円 | |
アニメ版第8作 | LUPIN THE IIIRD 血煙の石川五ェ門 | 2017年2月4日 | 小池健 | 高橋悠也 | SATORI | Rob Laufer | 7200万円 |
アニメ版第9作 | LUPIN THE IIIRD 峰不二子の嘘 | 2019年5月31日 | Innocent deceiver | TAKUMI iwasky | |||
アニメ版第10作 | THE FIRST | 2019年12月6日 | 山崎貴 | GIFT | 稲泉りん | 11.6億円 |