ルパン三世 ルパンVS複製人間

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ルパンvs複製人間から転送)
ルパン三世
ルパンVS複製人間
監督 吉川惣司
脚本 大和屋竺
吉川惣司
原作 モンキー・パンチ
製作 藤岡豊
出演者 山田康雄
増山江威子
小林清志
井上真樹夫
納谷悟朗
西村晃
三波春夫
赤塚不二夫
梶原一騎
音楽 大野雄二
主題歌 三波春夫「ルパン音頭」
製作会社 東京ムービー新社
配給 東宝
公開 日本の旗 1978年12月16日
日本の旗 2017年9月1日(MX4D版)
上映時間 102分
製作国 日本の旗 日本
言語 日本語
製作費 5億円[1][2]
配給収入 9億1500万円[3]
次作 ルパン三世 カリオストロの城
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ルパン三世 ルパンVS複製人間』(ルパンさんせい ルパンたいクローン)は、1978年に公開された日本アニメ映画モンキー・パンチ原作のアニメルパン三世』の劇場映画第1作である。賢者の石を巡る争奪戦を機に、ルパン三世と自らを神と名乗る謎の人物・マモーとの対決を描く。監督は吉川惣司

本来のタイトルは『ルパン三世』。ビデオソフト化の際に他の作品と区別するため、キャッチコピーの一部だった現在の副題が付いた。副題がつく以前は『マモー編』という通称があった[4]

キャッチコピーは「ルパンvsクローン<複製人間>──世界史をぬりかえるのはどっちだ!?」。

概要[編集]

当時、日本テレビ系で放送されていた『ルパン三世 (TV第2シリーズ)』(以下、『TV第2シリーズ』)の人気を受け製作された。また、当時の劇場用アニメはテレビシリーズの総集編というものが多く、その中で総製作費5億円をかけた完全新作となった[1]

本作は「初期の頃の大人向けのルパンが見たいという声にお応えします」という制作趣旨が明言され、子供も含む幅広い年齢層を対象にした『TV第2シリーズ』ではなく、アダルトでハードな世界観である『ルパン三世 (TV第1シリーズ)』(以下、『TV第1シリーズ』)初期の作風に近づけることを命題とした。このため、スタッフは『TV第1シリーズ』に参加した人物が多く起用され、公開時におけるセールスポイントの一つでもあった[1]

後年の作品で登場がほぼ恒例となる、峰不二子以外のマドンナ的な役柄となる女性オリジナルキャラクターが本作には存在しない。不二子がヒロインとしてルパンとの関係にも焦点が当てられており、その存在についても物語のキーポイントの一つとなっている。

初公開時、「世界初の長編アニメビジョン」と宣伝で謳われていた。これは、大画面(ビスタ・サイズ)での公開に合わせ、作画に通常より大きい背景やセル画を用いたアニメビジョン方式(アニメーションとビスタ・サイズを合わせた造語)が初めて採用されたことを指している[1][5]

製作時、裏テーマとして「映画を盗め」というものがあったといい、様々な映画のパロディが指摘できないほど散りばめられている[6]

本作はクローン技術をテーマにしたSF作品でもあり、細胞分裂の限界(詳細はテロメアを参照)などクローンに関する知見を盛り込んでいる。公開された1978年当時は、イギリスで「試験管ベビー」と呼ばれる世界初の体外受精児が誕生したため、クローンは旬のテーマだった[注釈 1]

特別ゲストとして、エジプト警察署長役に三波春夫、アメリカ合衆国大統領役に赤塚不二夫、ソ連書記長役に梶原一騎[注釈 2]が出演している[7]

あらすじ[編集]

ある日、一人の男が処刑された。その男が「ルパン三世」であることは、鑑識の結果、事実だった。だが、銭形という警部だけはその事実を信じなかった。

銭形は、狂気に取り付かれたかのような勢いでルパンが埋葬されているドラキュラ城へ車で赴き、「物事には、限りってものがあるんだ」とルパンの遺体に自らの手でとどめを刺そうとするが、遺体は爆発してしまう。その時、爆発の衝撃で引っくり返った銭形の目の前に、先ほど爆発したはずのルパン本人が現れた。そのルパンの言葉によると処刑されたのは偽者であるらしく、銭形はとりあえずと言わんばかりにルパンを逮捕しようとするも、逃げられてしまう。

自分が本当に本物なのか迷いつつもルパンは不二子の依頼を受け新たな仕事へ出発、次元と共にエジプトにあるピラミッドから「ある石」を盗み出した。その石は、人間に永遠の生命を与えるとの言い伝えがある「賢者の石」と呼ばれるものだった。

その頃、不二子はとある男の用意した部屋にて裸で寝ていた。起床を促す声で渋々寝起きのシャワーを浴びる不二子。入浴していた理由は声の発生源を見つけ出す事であった。しかし声はフェイクであり、不二子は男の正体に未だたどり着けずにいた。それすらも想定の範囲内であるかのように微笑んだ不二子はバイクスーツを装着、ルパンの元へと走り出す。

賢者の石を持ってきたルパンに対し、不二子はいつにも増して冷淡な態度で応対し、ルパンの隙を突いて硬化ガスを吹き付け賢者の石を持ち去ってしまう。そんな不二子もまたある人物に依頼されていたが、「マモー」と名乗るその依頼主は、ルパンを使って不老不死に関する品物を集めていた。しかし、ルパンは盗聴器付の偽物を渡したため、マモーに狙われる。

不二子はマモーの手を逃れてスペインにあるルパンの隠れ家に向かい、助けを乞うが、次元と五ェ門は不二子の密告によって痛い目に遭っていたため不二子を許さない。不二子をかばうルパンに愛想をつかした2人は、ルパンのもとを去ってしまう。ルパンと不二子は2人だけの一夜を過ごすことになったが、不二子はまたもルパンを欺き、麻酔薬でルパンを眠らせ、やって来たマモーの部下・フリンチに引き渡した。

フリンチに捕らえられたルパンは、マモーのアジトの島でナポレオンヒトラーらしき人々に出会う。彼らはマモーのクローン技術によって複製された人々だった。マモー自身も1万年前から自己を複製し続けてきた複製人間(クローン)、永遠の命を得た「神」だと自称するが、ルパンは信じない。

一方、次元と五ェ門はFBIのゴードンに拘留されてしまう。マモーはアメリカ政府をも脅迫し、医学・細胞学や生命工学の機密情報を要求していたのだ。マモーの本拠地を問い詰められるもシラを切る次元と五ェ門は、ゴードンの上司であるスタッキー大統領特別補佐官の命令により釈放され、ルパンの残したメモを元にマモーの島へ船で向かうが、船底には必死に船に掴まる銭形がいた。

そのころルパンは賢者の石と不二子を奪い、島中を逃げ回っていた。そこへ助けに来た次元の手によってマモーは射殺され、フリンチも五ェ門に倒され、ルパンたちは逃げ出すことに成功する。そして、島はアメリカ軍の空爆によって葬られた。空爆を命じたスタッキーは「この世で神がいるのだとすれば、それは我々だ」と言い放つ。

コロンビアの田舎町にあるホテルへ逃れたルパン一行だったが、そこへ死んだはずのマモーが現れて不二子を連れ去り、「処刑されたルパンはマモー自身が作ったクローン、いやあるいは処刑されたルパンが本物では?」と挑発する。ルパンの「お前が神なら、奇跡を起こせ」との反発に答えるようにコロンビアの街を大地震が襲い、街は廃墟と化す。

地震のカラクリを見破ったルパンは、心が折れた次元の制止を振り切り、単身マモーの本拠地へ乗り込む。マモーは本拠地で核ミサイルのボタンを押してアメリカ政府を挑発するが、ルパンの工作により核ミサイルはその場で爆発し、マモーの秘密基地は崩壊。戦いの末、自らのクローンを失ったマモーはロケットで宇宙に逃げようとするが、ルパンに阻まれ、最後の時を迎えた。

マモーとの対決が終わり、ルパンを追って来た銭形の前で、ルパンが不二子にキスをしながら服をめくり乳首を押した瞬間、全ての秘密を揉み消すため各国からマモーの秘密基地へミサイルが発射される。不二子は次元に救出され、残されたルパンと銭形は手を取りあって逃げ出すのであった。

登場人物[編集]

メインキャラクター[編集]

ルパン三世(ルパンさんせい)
- 山田康雄
本作の主人公。かの名高き怪盗アルセーヌ・ルパンの孫で、自らも世界的な大怪盗かつ変装の達人。
自分が処刑されたという訳のわからない話を聞き、厳正な鑑識の結果も「間違いなく処刑されたのはルパン三世本人」と断定されたため困惑している。
峰 不二子(みね ふじこ)
声 - 増山江威子
本作のヒロイン。ルパン一味とは付かず離れずの紅一点で、時にはルパンを利用したり裏切ったりすることも多い。
相変わらずルパン達を振り回す行動を見せるが、ルパンに対する本当の想いも垣間見せる。
次元 大介(じげん だいすけ)
声 - 小林清志
コンバットマグナムを使う射撃の名手でルパンの相棒。義理堅く頼りになる男。
不二子の度重なる裏切り行為に堪忍袋の緒が切れて、意見が対立したルパンと喧嘩別れをしてしまうが、その後もルパンの危機を見過ごせずに駆け付ける。
石川 五右ェ門(いしかわ ごえもん)
声 - 井上真樹夫
古の大泥棒・石川五ェ門の末裔。最強の刀「斬鉄剣」を武器に戦う居合い抜きの達人。
銭形警部
声 - 納谷悟朗
インターポール所属のルパン三世専任捜査官で、階級は警部。専任捜査官である故、ルパンに関係する事件なら世界中どこでも捜査権が認められている。
ルパンに対する捜査権の行使でエジプトの警察署長と対立し、さらにマモーが全人類規模の重要人物である事から、事件への介入を中止するようインターポールを通じて警視総監から辞令を受けるが、辞職を宣言して個人の資格でルパンを追う矜持を見せた。また、妻帯者である事が判明した(娘の名前は「トシ子」)。
本作では警視総監から渡された、内閣総理大臣からの報奨金の封筒に「銭形平次殿」と書かれている。

ゲストキャラクター[編集]

マモー
声 - 西村晃
クローン技術によって己自身を生み出し育むことで1万年を生き抜き、歴史を影から動かしてきたと自称する天才科学者[注釈 3]。表向きは世界一の大富豪「ハワード・ロックウッド」として鉄鉱造船運輸報道などに関与する多国籍企業財団)を経営、世界の富の3分の1を支配しており、近年では考古学発掘も手がける。ただしルパンは神の名を騙って世界中を騙そうとしたペテン師と見なし、最後まで信じなかった。
子供のような低い頭身、薄灰色の肌、カールした頭髪と、人間離れした不気味な姿が特徴[注釈 4]念動力を使うが、次元との戦闘では、拳銃も使用する。
性格は極めて傲慢かつ独善的で、自身を「預言者」「神」と言って憚らず、たとえ相手が大国の大統領であろうと尊大に振る舞い、加えて優れたものや美しいものなど自分が選んだ者のみ生きていれば良いという強い選民思想の持ち主。取り分け不二子をいたく気に入っており、彼女を手元に置こうとする。
部下には科学者やフリンチら多数の大男、自身のクローンの不良品達がいる。
完全な不老不死を実現するために、不二子に賢者の石を渡すよう依頼した。他にも、米ソ政府に両国が持つ生命工学の情報を全て供与するよう要求したり、北京故宮博物院からは始皇帝の正薬、ドラキュラ城からはマンドラゴラの根と不老不死の伝説にまつわる品々を不二子を通じてルパンに盗ませていたが、自分が利用されていることを悟ったルパンに賢者の石の偽物をつかまされたことで敵対。ルパン一味に幾度も刺客と罠を差し向け、パリで武装ヘリやトレーラーで追撃する、先んじてアジトを潰す、砂漠でヘキサンのデモンストレーションで脅すなどして追い詰め、不二子の手引きでルパンを捕らえる。
本体は130代目にあたる巨大な脳で、クローン技術に目覚めた当初は通常のクローン連鎖によって生き続けてきたが、劣化コピーの問題が無視できなくなったことから、この代において脳だけを取り出し、特殊なリンゲル液の中で永久保存することとし、生物個体としての自身のクローン、つまり「コピーのコピー」を電子装置で遠隔操作していた。劇中に登場するマモーの1体目は次元に射殺され、2体目はルパンに発射したレーザーを斬鉄剣の破片で反射され、逆にレーザーの直撃を受けたことで焼死する。
賢者の石をもってして不老不死を実現できなかったことに絶望し、自分の要求を拒否した米ソへの報復も兼ねて全世界にミサイル攻撃を仕掛けようとするが、基地に忍び込んだルパンにミサイルを破壊され失敗。最後は自らのオリジナルとなる脳をロケットに乗せて、宇宙の彼方へ送る事で逃亡を図る[注釈 5]が、発射前にルパンが仕掛けた爆弾でロケットを大気圏離脱直後に爆破され、1万年の生涯に終止符を打つ事となった。その後、ロケットの発射に巻き込まれて土の中から盛り上がって出てきたルパンから「マモー、感謝しな。やっと死ねたんだ。」とはなむけの言葉を贈られる。
キャラクターのイメージはポール・ウィリアムズから。名前の由来は原作と『TV第1シリーズ』に登場する魔毛狂介で、脚本の大和屋が「ルパンを追い詰める宿敵」という理由から付けた仮名がそのまま採用されたとのこと[8]
スタッキー
声 - 大平透
アメリカ合衆国大統領特別補佐官で、次元曰く「世界で一番偉い男を操っているおっちゃん」。
米国へのマモーの脅迫に対し、極秘裏に対応を進めていた。ホットラインに割り込んできたマモーの本拠地を探るために次元と五ェ門を拘束。拷問までちらつかせて取調べをするが、2人がマモーについて何も知らないことがわかると、2人を釈放。だがその裏で偵察衛星からしっかりと2人の動向を監視していた。
一見冷静な知性派に見えるが、「この世で神がいるのだとすれば、それは我々だ」と言い放つなど、傲慢な面も持ち合わせている。
ハワード・ロックウッドの正体がマモーだと判明すると、マモーの本拠地への空爆を開始。その後はコロンビア高山にあるマモー最後の基地へのミサイル攻撃も指揮したが、最後は自らが率いた作戦基地を爆破してゴードンもろとも証拠隠滅するよう米国本部に進言し逃亡した。
ゴードン
声 - 柴田秀勝
スタッキーの部下。
スタッキーと共に次元、五ェ門を取り調べた。フリンチと体格が似ていたことから次元に間違えられる。
典型的なアメリカ第一主義者であるようで、マモーの基地へのミサイル攻撃をスタッキーと共に指揮した際は「殺せ!殺せ!秘密を知っている者は1人も残らず抹殺するんだ!」と狂喜する横暴な面も見せている[注釈 6]
フリンチ
声 - 飯塚昭三
マモーの部下の大男。ヘリや巨大トレーラー、セスナ機を駆使してルパン一味を襲い、ルパンのアジトの一つを破壊し、マモーのアジトへルパンを連れていった。
サーベルを武器とするだけでなく、スーツの下にレーザー光線以外では切断できない特殊合金製の防弾チョッキを着用しており、格闘能力も高い。
防弾チョッキで五ェ門の斬鉄剣を刃毀れさせたものの、無防備だった頭部を輪切りにされ、そのまま海に転落して死亡した。
なお、マモーの基地の1つがあるカリブ海の孤島では、フリンチと似たような外見の大男たちが島の警備を行っている。その中の1人「ゴーレム」はルパンを檻に閉じ込めて見張っていたが、ルパンいわく「最も原始的な手」に引っかかり逆に閉じ込められてしまうなど間抜けな一面もあり、あまり賢くはない。
警視総監
声- 富田耕生
警視庁警視総監。銭形がインターポールへ出向する前から着任している。
これ以上の事件への介入を中止するよう銭形を説得したが、辞職も覚悟の銭形に拒否される。
科学者
声 - 村越伊知郎
マモーの部下。賢者の石の分析の結果をマモーに伝えている最中、背後からルパンに木槌で殴り倒され、石を奪われた。
マモーの粗悪品
声 - 西村晃
コピーを繰り返し不完全さが増したことで発生したマモーの劣化クローン。名前はルパンが命名。
青いローブを着用しており、ルパンや次元に倒されたクローンと比較して、頭髪はボサボサで肌もより皺が多く歯がほとんど抜けており、体力なども非常に脆弱である。武器は大鎌。
最期はクローン技術の限界と欠点、自身がコピーを繰り返した結果作り出された不完全なクローンであることをルパンに告げて事切れた。また、自身と同じ青いローブを着用し、自動小銃を武器にした数名の仲間も登場したが、ルパンの手製爆弾によって撤退した。
コピールパン
マモーが密かに作り出したルパンのクローンで、いかなる経緯かは不明だが本作冒頭で絞首刑となって死亡している。作中では明確な呼称はなく、便宜上「コピールパン」と記す。
作中では絞首台へ向かう際と執行時のシーンにて姿がシルエットで描かれているが、姿形はおろか鑑識ですら本物と断定する程にオリジナルに遜色ない性質を持っている。作中ではこの事とマモーの2体目のクローンからの挑発によって、ルパンは今いる自身と処刑された方のどちらが本物(オリジナル)なのかというジレンマに苛まれる事となるが、後にこのマモーから処刑された方がコピーであると明言された。
職員
声 - 嶋俊介
警官
声 - 宮下勝
エジプト警察署長
声 - 三波春夫
大統領
声 - 赤塚不二夫
アメリカ合衆国大統領。
本編で姿は見せず、ホットラインで書記長と会話している。ホットラインの通話内容の録音の他、マモーが米国に核ミサイル発射の宣戦布告をした際の会話時に声のみ登場。
書記長
声 - 梶原一騎
ソビエト連邦共産党書記長。
本編で姿は見せず、声のみ登場。

スタッフ[編集]

製作[編集]

企画[編集]

企画は、東京ムービー(現トムス・エンタテインメント)の社長だった藤岡豊によって立ち上げられた。1977年に劇場版『宇宙戦艦ヤマト』をプロデュースし、大ヒットさせた西崎義展に対抗意識を燃やした藤岡が「ルパンの映画をやるぞ!」と声をかける形だったという[10]。監督は、『TV第1シリーズ』で絵コンテなどを担当したことが縁で吉川惣司が起用された[8]

吉川曰く、当時はテレビもマンガも「血と汗と涙」のスポ根一色の時代であり、本作のようなアダルトな雰囲気の「洋画風」アニメが当たるわけがないとされていた。そのため、企画は最初からやりたいようにできたといい、ほぼ自由な体制での制作だったという[6][10]。これにより、当時放送中の『TV第2シリーズ』と異なる『TV第1シリーズ』初期の作風に近づけることとなった。吉川は後年「(『TV第2シリーズ』は)あまりにお茶の間向けの演出で、スタッフの間に不満が高まっていた」「もっとアダルトな内容にしようという機運も高まっていた」と回想している[8]

脚本[編集]

脚本は大和屋竺と吉川の連名であるが、実際は吉川単独での執筆である。大まかなアイデアなどの打ち合わせは2人で重ねていたものの、会議に間に合わせるため吉川が一人で書き上げた脚本が初稿としてプロデューサーに提出された。その後、吉川は大和屋に修正を打診したが「そのままでいい」と了解を得たため、吉川の大和屋への敬意から連名でクレジットすることとなった[9]

吉川は脚本や演出について、「ちょっと変わった殺し屋を出すとか、ワンアイデアに集中するところがルパン」との考えから劇場で持ち味が消えないかという不安があったといい、逆に「劇場用でしかできないものを」と開き直る気持ちで制作したという[11]。また、「ルパンは日常性からつきぬけた人物だから、人間くさい話にはしたくなかった。それに泥棒ルパンはテレビでもう充分。それよりも、同じアウトサイダーでもルパンと対極をなすような人物・壮大な敵と、観念の上だけでいいから戦わせる話にしたかった」と話すほか、「人類を救うようなことをしても、ルパンは周りの世界と気持ちの上で関わりあいをもたず、泥棒として追われる。結局、ルパンにとっては“コップの中の嵐”で、ルパンのスケールの大きい人間性に皆が飲み込まれていたという話にしたかった」という発言もし[11]、後に「マモーとルパンの対立も米国とソ連の対立構造の前ではかなわない、という物語がやりたかった」と明かしている[8]

製作[編集]

キャラクターデザインは、それまでのシリーズ(大塚康生北原健雄)と異なり椛島義夫によって新たに描き起こされた。このデザインは顔が細長いことから「馬面ルパン」との俗称で呼ばれている。なお、マモーのキャラクターデザインに関しては、吉川によるものである[9]

椛島と共に作画監督を務めた青木悠三は、カーチェイスの作画も担当している[4]

レイアウトには、パイロットフィルムに参加した芝山努が起用された。芝山は「ルパンは手足が細い。だから劇場の広い画面で、手足をさげていると左右がスケスケになる」と語り、手をあげたり斜めに寝かせる場面を作るなど気を使ったという。

『TV第1シリーズ』の作画監督である大塚康生は“監修”とクレジットされているが、先行して参加した『未来少年コナン』の製作が遅れたため参加した時点で作画の80%が終了しており、関わったのは作画チェックの手伝いのみとなった[12][13]。ただし、難波日登志によると実際はヘルプとして多くの原画も担当していたといい「そのまま大塚さんのキャラで描かれていたが、なぜか作画監督による修正がなかったため、担当したパートは観ていたら気づくのではないか」と述べている[14][15]

『TV第1シリーズ』から続く、車や拳銃などのメカや小道具にリアリティを重視し事細かに設定する「実証主義」は本作でも行われ、取り寄せた資料は1万8000点以上となった[1]

ルパンの愛車には、『TV第1シリーズ』初期で使用されたメルセデス・ベンツSSKが採用されている[16]。不二子の愛車であるミニ・クーパー(オースチン)は、監督の吉川の愛車だったことから採用され、吉川は「ルパン達の誰かに乗せたかった。誰に合うか考え、結局不二子に乗せることにした」としている[11]

公開時に「世界初のアニメビジョン方式」と宣伝で謳われた。これは、画面アスペクト比が当時主流だったスタンダード・サイズではなく当初からビスタ・サイズを想定しており、通常より大判のセル画を用いて制作された最初の作品であることを指している[5]。なお、使用したセル画は約6万2000枚となった[1]

三波春夫によるエンディング曲「ルパン音頭」は、プロデューサーの藤岡による指示で挿入されたものである。当初、藤岡はベイ・シティ・ローラーズの起用を希望しており、実際にオファーもされたが、交渉が難航すると「じゃあ、三波春夫で盆踊りだ!!」と突然転向、三波の起用を強引に押し通したという[17]。この一件は、経緯を承知していなかった吉川が降板すると言い出す騒ぎとなった[13]。ただし、吉川本人は後年、ルパン音頭について「もう素晴らしかったですね」と述べ、「トリッキーな作りとして最後まで意表を衝きたいが方法がなくて困っていたんで。誰もあの歌がくるとは夢にも思わないでしょう。正直『やったぜ!』です」と当時を振り返っている[10]

製作日数は約1年3か月。参加スタッフは1315人ほどであった[18]

カットされたシーン[編集]

公開時、上映時間の都合でカットされた箇所が2つある(約15分)。どちらも制作時には映像が完成しているが、映像自体が公開されたことは予告編に一部が流用されたこと除き一度もない。

当時のパンフレット内のあらすじや後年の関連書籍で紹介されている。また、DVDの特典でこの場面に登場する住職(声: 槐柳二)や寺男デザインの銭形などの設定画が収録されている。

  • 本編冒頭、ルパンが死刑になったことで目的を達成した銭形が警官を退職し山寺の寺男になるも、訪れた警視総監からルパンの生存を知らされ、山寺を飛び出す場面。冒頭でルパンの検死報告が流れるシーンの背景が仏像なのは、この山寺のシーンに直結していた名残である。なお、この山寺のアイディアは後に『ルパン三世 風魔一族の陰謀』に流用されている[19]
  • 賢者の石を調べるため、パリ市内の古本屋へ入ったルパンが古本屋の親父(声: 北村弘一)とやり取りする場面。

プロモーション[編集]

ポスターイラストは、原作者のモンキー・パンチが担当した。

配給は、東宝洋画系で行われた。東宝宣伝部は本作を『007シリーズ』のアニメ版という位置付けにし、ポスターと本編にヌードや性的表現を登場させるなど、ターゲットとする観客層は大人を想定していた。地方での同時上映作品は『ナイル殺人事件』という大人向けの作品であり、こちらがメインであった[20]

公開当時、本作は味の素ゼネラルフーヅ(現・味の素AGF)とタイアップ契約を結んでいた。ゼネラルフーヅはこの時、新製品の炭酸入りキャンディー「テレパッチ[注釈 9]」を発売したばかりであり、劇中ではルパンがテレパッチを食べるカットが挿入された。

公開当時、マモーの容姿はメディアに公開せず[注釈 10]、実際に映画を鑑賞するまで分からないようにしていた。

評価[編集]

次作『ルパン三世 カリオストロの城』と並んで人気の高い作品である[8]。また、『カリオストロの城』は宮崎の個性や作風が色濃く反映されていることから、原作や『TV第1シリーズ』初期を意識した本作が「『ルパン三世』らしい作品」としてファンを中心に高く評価されることが多い[21][22]

上記の通り、ターゲットとする観客層は大人を想定していたが、いざ公開が始まると、実際の観客層は『TV第2シリーズ』を視聴中の中高生が中心だった。そのため、次作『ルパン三世 カリオストロの城』の製作が決定すると、ターゲットとする観客層は15~16歳中心に改められた[23]

配給収入は9億1500万円で、1979年に公開された邦画としては第9位であった[3]。また、キネマ旬報ベスト・テンでは第26位を記録した[3]

吉川自身の評価[編集]

吉川惣司自身は本作について後年、スケジュール的に不満の残る仕上がり部分が多かったと明かしている[6]。また、公開当時の周囲の反応は今一つであり「ほめてくれた人はほとんどいなかった。敗北感でいっぱいでした」と語っている。そのため、インターネットが普及し始めた1990年代後半に高評価されていることを知った際は「何で今さら、という感じ」だったといい「もっと後で発表していたら仕事も増えたかなあ」と語っている[8]

原作者の評価[編集]

原作者のモンキー・パンチは製作時、本作について「台本はルパン三世の感じがよく出ていた」と評し、少し解釈違いはあったものの「原作とアニメは違う」との考えからあまり口出しはしなかったという。キャラクターデザインに関しては「最初、ルパンがちょっとジジむさかったりしたけど、最終的にできたものを見ると、なかなか都会的センスにあふれていました」とし「劇画の原作を、線を少なくしてアニメ化する場合、デッサンがしっかりしていないとできませんが、東京ムービーのスタッフは絵がうまいので、いい映画になると、ボクも期待しています」とコメントしている[11]

批評家・研究者による評価[編集]

  • 吉川惣司によると公開当時、映画評論家の荻昌弘は本作を絶賛したという[9]
  • 映画評論家の河原畑寧は、1978年の読売新聞にて「近来最も良く出来たアニメーション映画で、『イエロー・サブマリン』『フリッツ・ザ・キャット』と肩を並べてもおかしくない傑作といってもいい」と評し、「天才超人こそが生きるに価する存在だと主張するマモーの理想主義に対し、ルパン三世は、あくまでも通俗と常識を振り回し屈服しない。ツァラトゥストラ熊さん八つぁんの対決という基本構造がはっきりしていて、その上で優れたアイデアに基づく入念な絵作りとアニメ化がなされているから面白いのである」と述べている。また、作画に関しては「マモーの宮殿がキリコデルボーダリといった超現実主義絵画で構成され、ルパンと銭形がその中で追いかけっこするかと思うと、マモーの居間の壁にミケランジェロフレスコ画が広がる。日本映画に珍しいゼイタクな遊びの趣向である。それも、いたずらにハイブローぶるのではなく、しゃれとイキの感覚で凝っているから楽しくなる」と評した[24]
  • 唐沢俊一井上伸一郎との対談で「本作が全然語られないのがちょっと困るんですよね」とコメントしており、井上は「本作は非常に良い出来で、これこそ大人っぽくハードなルパンでコレはコレでいい」と評している[25]
  • 小黒祐一郎は本作について「満足だった。完全に『旧ルパン』的だったわけではないのだけれど、『新ルパン』で物足りなく思っていたものの全てがそこにあった。『マモー編』は、別々だったアニメブームと『ルパン三世』人気がクロスした作品だったと思う。パワーのある作品だったし、全体にお祭り気分があったと思う[26]。」「『TV第2シリーズ』が高視聴率を維持する人気番組として放映されている中で『TV第1シリーズ』テイストの劇場作品が作られたという事が、『ルパン三世』というシリーズの複雑さ、面白さを端的に示している」と評している[27]。そのほか、『TV第1シリーズ』第2話「魔術師と呼ばれた男」との類似点が特に多いことを挙げ、同話の演出をした大隅正秋による「プライドのために戦うルパン」を継承していることから「本質的な意味において、「大隅ルパン」的と言えるのかもしれない」とする一方で、「大隅ルパン」独特のアンニュイさがなく、作品としての派手さは『TV第2シリーズ』に近いとも分析し「そのあたりも面白い」としている[28]。なお、小黒は当初、本作のやりたかったことを「ルパンとマモーの超越者同士の闘い」と考えていたが、吉川に質問したところ「むしろ、2人が何をしても、大国である米ソには敵わないという構造だった」と言われ、後に「ちょっと驚いた。最後のミサイルが降り注ぐシーンの事だろう。やはり創り手の真意というのは、聞いてみないと分からない」とコメントしている[29]。また、小黒らはアニメスタイルが選んだ「アニメファンなら観ておきたい作品50」の中の一本に本作を選出している[30]
  • 氷川竜介は本作について「巨大脳髄のシーンをはじめとする映像、そして、物語に演出と、全編で映画ならではのスケールを感じる名作です」としている[31]
  • サイエンスライターの金子隆一は本作のクローン描写に関して、コピーを重ねるとゲノムが劣化する問題を扱った作品は日本のメジャー作品では珍しいと評価している[32]

アニメ関係者の評価[編集]

  • 名探偵コナン』の原作者で、『ルパン三世』シリーズのファンである青山剛昌は「『カリオストロの城』より本作が好き」と答えている[34]
  • アニメ監督で『TV第2シリーズ』などにも参加したこだま兼嗣は、後年に「吉川惣司から借りた本作の絵コンテを何十回も読み込んで画面の作り方やテンポの出し方を学んだ」と答えている[35]
  • 神山健治は「監督をやるなら観ておきたい20本」で『TV第1シリーズ』『カリオストロの城』などと共に本作を選出している[36]。また、中澤一登は「衝撃を受けたアニメ10本」で本作を挙げ、何度も観たことを明かしている[37]
  • アニメーターの西村貴世は、デビューして最初に世話になったのが本作のキャラクターデザイン作画監督を務めた椛島義夫であったことをTwitterにて明かし「ポップで粋で大胆で。子どもの頃からずっと大好きな作品です。」とツイートしている[38]
  • アニメ監督の小池健は、本作を傑作と評している[40]
  • アニメ監督の酒向大輔は、ルパンシリーズのなかでお気に入りのエピソードの一本として本作を挙げている[41]

ランキング[編集]

  • 双葉文庫の『ルパン三世カルト 2001』では、当時のアニメ「ルパン三世」シリーズすべてを含めた面白さのランク付けで、2位となった[注釈 11][43]
  • 2003年に発売された『世界と日本のアニメーションベスト150』では、本作が119位にランクインしている。また、監督ランキングベスト100で吉川惣司は94位となった[44]
  • 2023年、ねとらぼで行われた「ルパン三世のアニメ映画・OVA人気ランキング」では第2位となった[45]

後の作品への影響[編集]

石川五ェ門の決め台詞「またつまらぬ物を斬ってしまった」の原型となる「――斬ったか」は、本作が初出である[4]。その後『TV第2シリーズ』86話「謎の夜光仮面現わる」(1979年6月4日放送)で「またつまらぬ物を斬ってしまった」が登場する。

1989年から始まったテレビスペシャルの初期4作(『ルパン三世 バイバイ・リバティー・危機一発!』から『ルパン三世 ロシアより愛をこめて』まで)のキャラクターデザインは、本作をイメージしたものである。なお、本作でのルパン(赤ジャケット・黄色のネクタイ)と五ェ門の衣装設定(白の着物・茶色の袴)は、以後のテレビスペシャルでもほぼ全作で共通となっている。

2014年に公開された『LUPIN THE IIIRD 次元大介の墓標』では、本編の一部にマモーが登場する。

続編[編集]

2000年バンプレストから、「生きていた複製人間」の題名でテレビゲーム作品として本作の続編の制作が予定されていた。内容は、「マモーが滅んだ後も、何人もいたマモーのクローンの中の数体が生き残っていて、ルパンたちに復讐を企む」というものであり、敵キャラクターとして、マモーだけでなく、『ルパン三世 カリオストロの城』以降の劇場映画作品のキャラクターもクローンとして登場する予定であった。しかし製作が思うように進まず、ゲーム化の製作権が現在のトムス・エンタテインメントの親会社であるセガホールディングス(2015年3月まではセガ)へ移ったため没案となっている。

2020年には、平和によるパチンコオリジナル作品として『Pルパン三世~復活のマモー~』が製作された[46]

地上波テレビ放送履歴[編集]

  • 全国ネットの映画番組で放送された日を記載。放送はすべて日本テレビ系列。ローカル枠(日本テレビの『映画天国』など)やBS・CS(WOWOWなど)などでの放送については割愛。
  • 基本的に放送時間の都合でカット編集が行われている[47]。当初は監督の吉川自身によるカットが行われ、放送毎にカット箇所が異なっていたが、近年は統一され、放送禁止用語を発する場面を中心にカットされている。
  • 2016年の放送以降は、冒頭のクレジット表記が「トムス・エンタテインメント作品」に差し替えられ、エンディングも独自編集のダイジェスト映像に差し替えたものが使用されている。
回数 放送日 番組名 視聴率 備考 出典
1 1979年12月12日 水曜ロードショー
2 1982年1月6日
3 1983年9月14日
4 1984年10月24日 [注釈 12]
5 1993年2月5日 金曜ロードショー
6 1999年11月19日 19.7% [注釈 13] [49]
7 2002年2月22日 18.2%
8 2004年10月22日 13.8% [50]
9 2007年5月4日 15.8% [注釈 14] [51]
10 2009年6月19日 11.6% [52]
11 2011年9月2日 12.7% [53]
12 2014年3月28日 金曜ロードSHOW! 11.2% [54]
13 2016年10月21日 8.7%
14 2019年4月19日 8.8% [注釈 15] [55]
15 2023年4月28日 金曜ロードショー 5.9% [56]

映像ソフト[編集]

  • 最初に、大沢商会から約9分に短縮された8mmフィルムが発売された。
  • 1980年頃、東宝ビデオよりVHSベータが発売。技術的な問題から、初版ではルパンの脳内のイメージを映像化するシーンなどがカットされ87分ほどに短縮されたものだった。その後、TOHO VIDEODISCからノーカットでレーザーディスクVHDが発売され、以降のホームメディアはすべてノーカット収録となる。
  • 1995年、VHSが東宝より再販された。
  • 2003年、DVDが東宝より発売された。
  • 2008年、Blu-ray Discバップより発売され、DVDも同社から再販[57]。ジャケットイラストは、椛島義夫と友永和秀による描きおろしとなった。なお、本編映像はHDマスター仕様とされるが、実際は先述の東宝DVD版のテレシネ素材を流用している。
  • 2019年、シリーズ初となるUltra HD Blu-rayがバップよりリリースされた[58]
  • 2022年4月にDiscotek社英語版から発売された北米版Blu-rayには、特典としてアフレコ台本と絵コンテ(未商品化)がPDF方式で初収録された[59]

MX4D版[編集]

2017年、本作をMX4D化した『ルパン三世 ルパンVS複製人間 MX4D版』が9月1日から9月15日[注釈 16]の期間限定で劇場公開された[60]

「ルパン三世」誕生50周年記念企画の一環であり、シリーズとしては同年1月に公開された『カリオストロの城』に次ぐMX4Dとなった[60]

MX4D化に際しては、監督の吉川惣司自らが監修した。同時に、映像自体も4Kリマスターが行われ、当時の細かい作画ミスなどが違和感がない範囲で修正されたほか、音声もオリジナルのモノラルから5.1chデジタルサウンドに変換されている[60][47]。ただし、一般向け上映にするため、次元のセリフが一か所だけカットされた[47]

入場者特典として、ルパンとマモーが描かれた特製オリジナルステッカーが配布された[6]

関連商品[編集]

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 本作以外にもクローン人間をテーマとした小説『ブラジルから来た少年』の映画化、ノンフィクションという触れ込みの『複製人間の誕生(In His Image:the Cloning of a Man)』の刊行があった。
  2. ^ プロデューサーの藤岡豊と『巨人の星』以来親交があった。
  3. ^ 詳細は語られていないが、「1万年の記憶」という台詞から、自らの意識をクローンの体に移植していたと考えられる。
  4. ^ ルパンからは「とっちゃん坊や」、次元からは「並みの人間ではかないっこねぇ化物」とそれぞれ評されており、ルパンが本体の存在を知った際には「神様どころか薄汚ねぇ化け物」と酷評されている。
  5. ^ 自らが「神の国」と呼ぶ、不死を確立させた文明を持つ惑星に辿り着き、そこで不死を手に入れ本当の神になり何時かは必ず地球に舞い戻ると告げた。
  6. ^ だが、後に秘密を知っているゴードン自身も作戦基地諸共爆破・抹殺するようスタッキーが進言している。
  7. ^ 一部キャラクターデザインも担当。
  8. ^ クレジット無し
  9. ^ CMでナレーションを担当していたのは、ルパン役の山田康雄だった。
  10. ^ 後ろ姿やシルエットのみ公開されていた。
  11. ^ 1位は『TV第1シリーズ』第2話「魔術師と呼ばれた男」
  12. ^ ここまで「ルパン三世」として放送。
  13. ^ テレビ放送された中で最も高い視聴率を記録[48]
  14. ^ HDリマスター版で初放送。
  15. ^ 同年4月11日に死去したモンキー・パンチの追悼特別企画として放送。この日放送予定だった『名探偵コナン 天空の難破船』は同年9月6日に延期。
  16. ^ TOHOシネマズ新宿・六本木,ムービーオン山形,イオンシネマ徳島では9月14日まで上映。

出典[編集]

  1. ^ a b c d e f 東宝 1978, pp. 2–3
  2. ^ アンク@金曜ロードショー公式 [@kinro_ntv] (2023年4月28日). "「#ルパン三世 #ルパンVS複製人間」は1978年12月に公開された「ルパン三世」の劇場用長編第1弾です🎥。本作は総製作費5億円、使用セル枚数が62,000枚の超大作でした😳。当時テレビでは1977年10月から第2シリーズが大ヒット中でした。#金曜ロードショー". X(旧Twitter)より2023年4月29日閲覧
  3. ^ a b c 『キネマ旬報ベスト・テン全史1946-1996』(第4版)キネマ旬報社、1997年、224,237頁。 
  4. ^ a b c 小黒祐一郎 (2008年). “アニメ様365日 第13回 劇場版『ルパン三世[マモー編]』”. WEBアニメスタイル. 2023年4月23日閲覧。
  5. ^ a b 小黒祐一郎 (2001年). “編集長のコラム 第6回「アニメフレーム物語 (2) 2種類のビスタサイズ」”. WEBアニメスタイル. 2023年4月23日閲覧。
  6. ^ a b c d “『ルパン三世 ルパンVS複製人間』MX4D(R)版いよいよ明日公開! 吉川惣司監督「満足な仕上がり」”. ガジェット通信 (東京産業新聞社). (2017年8月31日). https://getnews.jp/archives/1886167 2023年4月23日閲覧。 
  7. ^ 東宝 1978, pp. 17
  8. ^ a b c d e f “映画「ルパン三世 ルパンVS複製人間」 最新技術でよみがえる39年前の傑作 監督だけは「今さらほめられても…」”. 産経新聞. 産業経済新聞社. (2017年8月27日). https://www.sankei.com/article/20170904-3YLYY26JABJOTDJ5VJGOYGIWXQ/ 2021年1月11日閲覧。 
  9. ^ a b c d 「吉川惣司インタビュー」『ルパン三世officialマガジン』vol.7、双葉社、2006年2月。 
  10. ^ a b c “『ルパンVS複製人間』監督、当時は「当たるわけないと…」 MX4Dは心奪う出来”. シネマトゥデイ. (2017年8月27日). https://www.cinematoday.jp/news/N0093955 2021年1月11日閲覧。 
  11. ^ a b c d 「<誌上ロードショー> 映画・ルパン三世」『アニメージュ』第1巻第5号、徳間書店、1978年11月、73-80頁。 
  12. ^ 大塚康生『作画汗まみれ 増補改訂版』徳間書店、2001年、171-172,180頁。ISBN 9784198613617 
  13. ^ a b 大塚康生、森遊机『大塚康生インタビュー アニメーション縦横無尽』実業之日本社、2006年、218頁。ISBN 9784408612553 
  14. ^ 難波日登志 [@namimi_sanjyo] (2023年4月28日). "マモーで思い出すのが 監修の大塚さんが制作後半にヘルプで原画をけっこう描かれてたこと。". X(旧Twitter)より2023年10月9日閲覧
  15. ^ 難波日登志 [@namimi_sanjyo] (2023年4月28日). "なぜか作監修正もなく(大塚さんが描かれたからか)そのままの大塚さんキャラだった。". X(旧Twitter)より2023年10月9日閲覧
  16. ^ 東宝 1978, p. 6.
  17. ^ 大野雄二「ルパン三世 音楽誕生」『ルパン三世 Master File』(DVD・Blu-ray)バップ、2012年。 オリジナルの2014年10月16日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20141016215527/http://lupin40.com/disk/index3.html2023年4月24日閲覧 
  18. ^ 東宝 1978, p. 16.
  19. ^ 小黒祐一郎 (2010年). “アニメ様365日 第423回 ルパンマニアのための『風魔一族の陰謀』”. WEBアニメスタイル. 2023年4月23日閲覧。
  20. ^ 叶精二『宮崎駿全書』フィルムアート社、2006年、10頁。ISBN 9784845906871 
  21. ^ 大山くまお (2016年10月21日). “今夜『金曜ロードSHOW』で放送『ルパン三世 ルパンVS複製人間』を読み解く5つのポイント”. エキレビ! (エキサイト). https://www.excite.co.jp/news/article/E1477026956624/ 2023年4月23日閲覧。 
  22. ^ “ルパン三世を『カリオストロの城』だけで語るなかれ!“モンキー・パンチ寄り”の作品たち”. Business Journal. (2019年4月19日). https://biz-journal.jp/2019/04/post_27563.html 2023年4月23日閲覧。 
  23. ^ 「力を入れた『ルパン』の宣伝 東宝宣伝部・中村修」『アニメージュ』第3巻第1号、徳間書店、1980年1月、33頁。 
  24. ^ 河原畑寧 (1978年12月16日). “映画評「ルパン三世」(東京ムービー新社)”. 読売新聞夕刊 (読売新聞社) 
  25. ^ 『BSアニメ夜話 vol.01 ルパン三世カリオストロの城』キネマ旬報社〈キネ旬ムック〉、2006年。ISBN 978-4873766232 
  26. ^ WEBアニメスタイル | アニメ様365日 第13回 劇場版『ルパン三世[マモー編]』”. www.style.fm. 2024年2月3日閲覧。
  27. ^ 小黒祐一郎 (2000年). “「編集長のコラム」第13回「『ルパン三世』の話(3)フランス国旗とルパン三世」”. WEBアニメスタイル. 2023年4月23日閲覧。
  28. ^ 小黒祐一郎 (2007年). “アニメ様の七転八倒 第96回 『マモー編』と「魔術師と呼ばれた男」”. WEBアニメスタイル. 2023年4月23日閲覧。
  29. ^ 小黒祐一郎 (2005年). “アニメ様の七転八倒 第21回『マモー編』の大問題。ルパンの“夢”とは”. WEBアニメスタイル. 2023年7月16日閲覧。
  30. ^ アニメスタイル編集部 (2014年10月7日). “041 「アニメファンなら観ておきたい作品50」が決まりました(2014年10月7日) | WEBアニメスタイル”. WEBアニメスタイル | もっとアニメの話をしよう。. 2024年2月3日閲覧。
  31. ^ 「ルパン三世全解明」『Pen No.315』6月15日号、阪急コミュニケーションズ、2012年6月15日。 
  32. ^ 金子隆一『図解クローン・テクノロジー』日本書院、1997年、122頁。ISBN 9784810374292 
  33. ^ 浜岡賢次「浜岡賢次の好きなもの⑪ルパン三世」『浦安鉄筋家族 11』1996年5月17日発売、ISBN 4-253-05444-7、カバー袖。
  34. ^ 青山剛昌、唐澤和也、安部しのぶ『青山剛昌 30周年本』小学館〈少年サンデーコミックススペシャル〉、2017年。ISBN 9784091792334 
  35. ^ 『名作に学ぶアニメのつくり方』玄光社〈玄光社MOOK〉、2014年。ISBN 9784768305256 
  36. ^ もっとアニメを観よう 第21回 神山健治の「監督をやるなら観ておきたい20本」(2)”. WEBアニメスタイル (2005年). 2023年4月23日閲覧。
  37. ^ もっとアニメを観よう 第19回 中澤一登の「衝撃を受けたアニメ10本」”. WEBアニメスタイル (2005年). 2023年4月23日閲覧。
  38. ^ 西村貴世 [@nishimuratakayo] (2023年4月10日). "今月の金ローで映画一作目のルパン三世が放送されるそうですね。". X(旧Twitter)より2023年4月23日閲覧
  39. ^ 『ONE PIECE ―オマツリ男爵と秘密の島―』細田守インタビュー(3)”. WEBアニメスタイル (2005年). 2023年4月23日閲覧。
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  41. ^ 『LUPIN ZERO』監督・酒向大輔&シリーズ構成・大河内一楼インタビュー | アニメイトタイムズ”. 『LUPIN ZERO』監督・酒向大輔&シリーズ構成・大河内一楼インタビュー | アニメイトタイムズ. 2024年1月27日閲覧。
  42. ^ 『ルパン三世PART5』監督&脚本家に直撃インタビュー【最新ルパンはデジタルを使いこなす!?】 | ciatr[シアター]”. ciatr.jp. 2024年1月27日閲覧。
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  44. ^ 『世界と日本のアニメーションベスト150』ふゅーじょんぷろだくと、2003年。ISBN 9784893933676 
  45. ^ 兄じゃ (2023年4月14日). “「ルパン三世」のアニメ映画・OVA人気ランキングTOP14! 第1位は「カリオストロの城」!【2023年最新投票結果】”. ねとらぼ (ITmedia). https://nlab.itmedia.co.jp/research/articles/1435420/ 2023年4月24日閲覧。 
  46. ^ Pルパン三世 復活のマモー”. 株式会社平和. 2021年1月11日閲覧。
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  49. ^ ルパン三世 ルパンVS複製人間”. 金曜ロードショー. 2000年10月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年4月23日閲覧。
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  55. ^ 【放送作品変更のお知らせ】モンキー・パンチ先生追悼「ルパン三世 ルパンVS複製人間(クローン)」を4月19日に放送”. 金曜ロードSHOW!. 2019年5月10日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年4月23日閲覧。
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  57. ^ ルパン三世 ルパンVS複製人間 12月3日Blu-ray発売”. バップ. 2011年5月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年4月23日閲覧。
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  59. ^ 墨石亞乱 (2023年2月8日). ““LUPIN THE THIRD MYSTERY of MAMO””. AlanSmith-C Laboratory. Muuseo. 2023年4月23日閲覧。
  60. ^ a b c "NEWS RELEASE 「ルパン三世」誕生50周年記念『ルパン三世 ルパンVS複製人間』MX4D版が9月1日公開!" (PDF) (Press release). トムス・エンタテインメント. 27 July 2017. 2023年4月24日閲覧

参考文献[編集]

  • 東宝『映画 ルパン三世 パンフレット』東宝株式会社事業部、1978年。 
  • スタジオ・ハード 編『ルパン三世 ルパンVS複製人間』双葉社〈双葉社MOOK〉、1985年。ISBN 9784575460056 

外部リンク[編集]

ルパン三世の劇場映画
通番 題名 公開日 監督 脚本 主題歌 歌手 興行収入
実写版第1作 念力珍作戦 1974年8月3日 坪島孝 長野洋 恋のチャンス ポピーズ
ブローアップ上映 ベネチア超特急 1978年3月18日 御厨恭輔 今野鑲 ルパン三世のテーマ
ルパン三世 愛のテーマ
-
アニメ版第1作 ルパンVS複製人間 1978年12月16日 吉川惣司 大和屋竺
吉川惣司
ルパン音頭 三波春夫 9.15億円
アニメ版第2作 カリオストロの城 1979年12月15日 宮崎駿 宮崎駿
山崎晴哉
炎のたからもの ボビー 6.1億円
アニメ版第3作 バビロンの黄金伝説 1985年7月13日 鈴木清順
吉田しげつぐ
大和屋竺
浦沢義雄
MANHATTAN JOKE 河合奈保子
アニメ版第4作 風魔一族の陰謀 1987年12月18日 (不在) 内藤誠 セラヴィと言わないで 麻倉未稀
アニメ版第5作 くたばれ!ノストラダムス 1995年4月22日 白土武 柏原寛司
伊藤俊也
愛のつづき 坂上伊織
アニメ版第6作 DEAD OR ALIVE 1996年4月20日 モンキー・パンチ 柏原寛司 Damegeの甘い罠 media youth
アニメ版特別作品 ルパン三世VS名探偵コナン THE MOVIE 2013年12月7日 亀垣一 前川淳 (主題歌なし) 42.6億円
アニメ版第7作 LUPIN THE IIIRD 次元大介の墓標 2014年6月21日 小池健 高橋悠也 Revolver Fires Gary Stockdale
実写版第2作 ルパン三世 2014年8月30日 北村龍平 水島力也 (主題歌なし) 24.5億円
アニメ版第8作 LUPIN THE IIIRD 血煙の石川五ェ門 2017年2月4日 小池健 高橋悠也 SATORI Rob Laufer 7200万円
アニメ版第9作 LUPIN THE IIIRD 峰不二子の嘘 2019年5月31日 Innocent deceiver TAKUMI iwasky
アニメ版第10作 THE FIRST 2019年12月6日 山崎貴 GIFT 稲泉りん 11.6億円