リッキー・ファウラー

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 リッキー・ファウラー 
Rickie Fowler
基本情報
名前 リッキー・ファウラー
生年月日 (1988-12-13) 1988年12月13日(35歳)
身長 175 cm (5 ft 9 in)
体重 68 kg (150 lb)
出身地 アメリカカリフォルニア州
アナハイム
経歴
プロ転向 2009年
成績
優勝回数 PGAツアー:6勝
ワンアジアツアー:1勝
初優勝 韓国オープン2011年
世界ランク最高位 5位(2015年第36週)
賞金ランク最高位 PGAツアー:4位(2015年)
2015年10月13日現在
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リッキー・ユタカ・ファウラーRickie Yutaka Fowler, 1988年12月13日 - )は、アメリカカリフォルニア州アナハイム出身のプロゴルファー。アマチュア時代の2007年から2008年にかけて世界アマチュアゴルフランキングで世界ランク1位の座を通算36週保持し[1]2009年にプロ転向。2010年にはPGAツアーの新人賞(ルーキー・オブ・ザ・イヤー)を受賞した。

生い立ち[編集]

アメリカカリフォルニア州アナハイムにて生まれる。もともとは、モトクロスのレーサーで、14歳の時にゴルフに転向する。実際、契約先のプーマCMでファウラーがオートバイに乗ってカップインさせるCMが公開されている[2]。ファウラーはドライビングレンジのみでほぼ独学で練習をしていた。後に、カリフォルニア州マリエータにあるマリエータ・バレー高校に進学する。高校の最終学年の時に、SWリーグで64-69=133のスコアで優勝する。高校を卒業後、オクラホマ州立大学に進学する。ファウラーの大学での初優勝は、2007年10月1日に行われたイリノイ大学アーバナ・シャンペーン校主催のFighting Illini Invitationalで、2位と1打差の203(70–63–70)打で優勝している[3]

2005年、夏にウェスタン・ジュニア選手権で優勝を果たし、全米アマチュアゴルフ選手権にも出場した。全米アマでは、後年に優勝するリッチー・ラムゼイ英語版に敗れている。

2006年、ファウラーは、全米ジュニアアマチュアゴルフ選手権英語版に出場して137打で2日間のストロークプレーを終え、決勝ラウンドに進んだが、マッチプレーの2回戦で敗退している。

2007年、6月にSunnehanna Amateurで優勝、7月にはPlayers Amateurで優勝を果たす。ウォーカーカップの代表選手にも選ばれ、アメリカの勝利に貢献する。

2008年、Sunnehanna Amateurで優勝し、大会2連覇を達成。全米オープンにも出場し、初日を−1 (70)でラウンドし、7位タイにつける。ファウラーは予選を通過したが、最後は60位タイまで順位を下げる。10月には、アイゼンハワートロフィーに出場し、アメリカの2位に貢献、ファウラーは個人優勝を果たしている。

2009年、2度目のウォーカーカップの代表選手に選ばれ、再びアメリカの勝利に貢献する。Sunnehanna Amateurでは、3位で終わった。

プロ入り後[編集]

ウォーカーカップの後の9月に、ファウラーはプロに転向し、ネイションワイドツアーのアルバートソンズ・ボイジオープンでデビューを果たす[4]。2009年9月に、タイトリストと道具提供の複数年契約を結んだことを発表した[5]。同様に、プーマとウェアの契約を複数年結んだ[6]。その後、ロレックスとも契約を結んだ。

ファウラーのプロ入り後のPGAツアー初出場は、ジャスティン・ティンバーレイク・シュライナーズホスピタル for チルドレン英語版で、7位タイで終わっている[7]。次戦である、アリゾナ州スコッツデールにあるグレイホークゴルフクラブで行われたフライズ・ドットコム・オープン英語版にも出場しており、この時はプレーオフの末敗れ、2位タイに終わった[8]。ファウラーは最終日に、5番ホールでホールインワンを記録しており、4日間連続でイーグルを記録している[9]

2009年12月に、クオリファイイング・スクールを受け、15位タイで通過し、2010年のPGAツアーのシード権を獲得した。

2010年、2月に行われたウェストマネジメント フェニックスオープンで2位で終わる。6月には、メモリアル・トーナメントで最終日首位でスタートするが、スコアを伸ばせず、2位に終わった。しかし、これがきっかけで世界ゴルフランキングで50位以内にランクインする。9月には、ライダーカップのアメリカ代表にキャプテン推薦でメンバー入りする。21歳9か月でメンバー入りしたファウラーは、アメリカ代表としては最年少で選ばれた。なお、ヨーロッパ代表では、1999年セルヒオ・ガルシアが19歳で代表に選ばれており、ライダーカップの中で最年少で選ばれた代表となっている。しかし、ファウラーは第2セッションのフォーサム競技でルール違反を犯してしまった。1ダウンを喫した後の4番ホールで、ぬかるみにつかまったボールの救済を受け、ルール上はぬかるんだボールをそのままドロップすることになっているが[10]、ファウラーは誤ってポケットの中にあったボールをドロップして、そのまま打ってしまったため、アメリカチームは罰を受け2ダウンとなってしまった。しかし、1ダウンで迎えた最終ホールでペアであるジム・フューリクが3打目をピンに寄せてファウラーがバーディーパットを決め、引き分けに持ち込んだ。ファウラーのミスに関して、アメリカのキャプテンコーリー・ペイビンは、「ファウラーの経験不足が原因」と言っている[11]。その一方で、最終日のシングルマッチで、エドアルド・モリナリに対して、12番ホールを終わった時点で4ダウンだったが、残りの6ホールで引き分け持ち込んだ。特に、最後の4ホールで連続バーディーを奪うなど、キャプテンのペイビンも「信じられない」と言っている[12]

ファウラーは2010年のトーナメントでトップ10に7回入った実績などが評価され、2010年のアメリカPGAツアーの新人賞を受賞した[13]。これに対して、北アイルランドローリー・マキロイの方が新人賞に相応しいという意見が出た[14][15]

2011年、メジャー第3戦の全英オープンでは5位タイに入る活躍を見せた[16]

2011年10月、ワンアジアツアー韓国オープン英語版でプロ初優勝を果たした[17]

人物[編集]

ファウラーのミドルネームの「ユタカ」は、母方の祖父が日系2世のため、そこから来ている[1]。また、母方の祖母はナバホ族の人物である[18]

派手な服装が特徴だが、最終日には必ず出身大学であるオクラホマ州立大学のスクールカラーであるオレンジ色のウェアを着るという[19]

ラウンド前には、必ずTwitterで「Go Time!(さぁ、行くぞ!)」と呟く[1]

同世代の石川遼 (Ryo Ishikawa) 、ローリー・マキロイ (Rory McIlroy) そしてリッキー・ファウラー (Rickie Fowler) の3人のファーストネームの頭文字をとって3Rと呼ぶことがある[20][21]

ザ・プレーヤーズ選手権の開幕前に米ゴルフ雑誌等が選手を対象に「最も過大評価されている選手」は誰であるかとアンケート調査を行ったところ、イアン・ポールターと並んで同率1位の24%の票を獲得してしまった。しかし直後のこの大会で見事に優勝を果たした。

通算成績 (10勝)[編集]

PGAツアー (6勝)[編集]

No. 年月日 トーナメント スコア パー 打差 2位(タイ)
1 2012年5月6日 ウェルズ・ファーゴ選手権 66–72–67–69=274 −14 プレーオフ 北アイルランドの旗 ローリー・マキロイアメリカ合衆国の旗 D.A・ポインツ
2 2015年5月10日 ザ・プレーヤーズ・チャンピオンシップ 69-69-71-67=276 −12 Playoff スペインの旗 セルヒオ・ガルシア, アメリカ合衆国の旗 ケビン・キスナー
3 2015年9月7日 ドイツ銀行選手権 67-67-67-68=269 −15 1打差 スウェーデンの旗 ヘンリク・ステンソン
4 2017年2月26日 ザ・ホンダ・クラシック 66-66-65-71=268 −12 4打差 アメリカ合衆国の旗 モーガン・ホフマン, アメリカ合衆国の旗 ゲリー・ウッドランド
5 2019年2月3日 ウェイスト・マネジメント・フェニックス・オープン 64-65-64-74=267 −17 2 strokes 南アフリカ共和国の旗 ブランデン・グレース
6 2023年7月2日 ロケットモーゲージクラシック 67-65-64-68=264 −24 Playoff カナダの旗 Adam Hadwin, アメリカ合衆国の旗 コリン・モリカワ


プレーオフ記録 (3勝2敗)
No. 大会 対戦相手 内容
1 2009年 フライズドットコムオープン アメリカ合衆国の旗 トロイ・マットソン英語版, アメリカ合衆国の旗 ジェイミー・ラブマーク英語版 プレーオフ2ホール目、マットソンがバーディーで勝利
2 2012年 ウェルズ・ファーゴ選手権 北アイルランドの旗 ローリー・マキロイ, アメリカ合衆国の旗 D.A.ポインツ英語版 プレーオフ1ホール目、バーディーで勝利
3 2015年 ザ・プレーヤーズ・チャンピオンシップ スペインの旗 セルヒオ・ガルシア, アメリカ合衆国の旗 ケビン・キスナー英語版 3ホールによるプレーオフでガルシアが脱落後、キスナーとのプレーオフ1ホール目、バーディーで勝利
3 2016年 フェニックス・オープン 日本の旗 松山英樹 プレーオフ4ホール目、松山に敗れる(松山:パー、ファウラー:ボギー)
5 2023 ロケットモーゲージクラシック カナダの旗 Adam Hadwin, アメリカ合衆国の旗コリン・モリカワ プレーオフ1ホール目、バーディーで勝利

ヨーロピアンツアー(2勝)2023年[編集]

No. 日時 大会 優勝スコア パー 打差 2位(タイ)
1 2015年7月12日 スコティッシュ・オープン 66-68-66-68=268 −12 1打差 フランスの旗 ラファエル・ジャクリン, アメリカ合衆国の旗 マット・クーチャー
2 2016年1月24日 アブダビHSBCゴルフ選手権 70-68-65-69=272 −16 1打差 ベルギーの旗 トーマス・ピータース

ワンアジアツアー(1勝)[編集]

No. 日時 大会 優勝スコア 打差 2位
1 2011年10月9日 韓国オープン -16 (67-70-63-68=268) 6打差 北アイルランドの旗 ローリー・マキロイ

その他(1勝)[編集]

メジャー大会での成績[編集]

大会 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018
マスターズ DNP DNP DNP T38 T27 T38 T5 T12 CUT T11 2
全米オープン T60 CUT DNP CUT T41 T10 T2 CUT CUT T5 T20
全英オープン DNP DNP T14 T5 T31 T117 T2 T30 T46 T22 T28
全米プロ DNP DNP T58 T51 T104 T19 T3 T30 T33 T5 T12

DNP = 不出場
CUT = 予選落ち
"T" = タイ
黄色の背景で示されているのは、トップ10入り。

世界ゴルフ選手権での成績[編集]

大会 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018
メキシコ DNP 8 T45 T35 T44 T12 T8 T16 T37
マッチプレー選手権 DNP R16 R32 R32 3 R16 T38 DNP DNP
ブリヂストン T33 T2 T60 T21 T8 T10 T10 9
HSBC T25 DNP DNP T55 T3 T17 T6 DNP

DNP = 不出場
QF, R16, R32, R64 = マッチプレーでのベスト入り順位
CUT = 予選落ち
"T" = タイ
黄色の背景で示されているのは、トップ10入り。

脚注・出典[編集]

  1. ^ a b c リッキー・ファウラー プロフィール 選手情報”. ゴルフダイジェスト・オンライン. 2011年7月20日閲覧。
  2. ^ PUMA公式CM
  3. ^ Cowboy Golf Picks Up First Victory At Fighting Illini Invitational”. Golf Oklahoma (2007年10月1日). 2011年7月20日閲覧。
  4. ^ Rickie Fowler ends amateur career with Walker Cup win. thegolfchannel.com.[リンク切れ]
  5. ^ Rickie Fowler signs equipment deal”. titleist.com (2009年9月15日). 2011年7月20日閲覧。
  6. ^ Rickie Fowler signs clothing deal[リンク切れ]
  7. ^ Rickie Fowler - 2009 Stats”. PGATOUR.COM. 2011年7月20日閲覧。
  8. ^ T.マッテソン、プレーオフを制す! フライズ・ドットコム・オープン【米国男子】”. ゴルフダイジェスト・オンライン (2009年10月26日). 2011年7月20日閲覧。
  9. ^ The Daily Wrap-up, Round 4: Frys.com Open”. PGATOUR.com (2009年10月25日). 2009年10月29日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年7月20日閲覧。
  10. ^ ゴルフ規則25-2「1ホールのプレーを終えるために他の球をプレーしたりドロップやプレースすることがプレーヤーに許される規則に基づいて処置する場合、プレーヤーは球を取り替えることができる。その場合、取り替えられた球がインプレーの球となる。 規則上球を取り替えることが許されていないのにプレーヤーが球を取り替えた場合、取り替えられた球は誤球ではなく、その球はインプレーの球となる。誤りが規則20-6の規定に従って訂正されずプレーヤーが誤って取り替えられた球をストロークしたときは、プレーヤーは該当する規則に基づいて、マッチプレーではそのホールの負け、ストロークプレーでは2打の罰を受け、ストロークプレーでは取り替えられた球でそのホールを終えなければならない。」
  11. ^ Late Ryder redemption for Fowler”. トロント・サン (2010年10月2日). 2011年7月20日閲覧。
  12. ^ Fowler's spectacular late burst in vain for U.S.”. ロイター (2010年10月4日). 2011年7月20日閲覧。
  13. ^ Fowler named PGA TOUR's Rookie of the Year”. PGATOUR.COM (2010年12月5日). 2010年12月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年7月20日閲覧。
  14. ^ Graeme McDowell backs Rory McIlroy in US rookie row”. BBCニュース. 英国放送協会 (2010年12月8日). 2011年7月20日閲覧。
  15. ^ Graeme McDowell up to seventh in rankings after US win”. BBCニュース. 英国放送協会 (2010年12月6日). 2011年7月20日閲覧。
  16. ^ ゴルフ=全英オープン、米国勢は優勝逃すも上位占める”. ロイター (2011年7月18日). 2011年8月12日閲覧。
  17. ^ R.ファウラーが待望のプロ初勝利!/韓国オープン”. ゴルフダイジェスト・オンライン (2011年10月10日). 2011年10月11日閲覧。
  18. ^ America's poster boy Fowler sparkles on debut to prove Pavin's instincts right”. アイリッシュ・インディペンデント (2010年10月5日). 2011年7月20日閲覧。
  19. ^ Golf-Open-Striking orange bears fruit for Fowler”. ロイター (2010年7月18日). 2011年7月20日閲覧。
  20. ^ R.ファウラー悪夢の最終日 首位タイスタートも初Vお預け”. NIKIGOLF ONLINE (2011年7月4日). 2011年8月12日閲覧。
  21. ^ 石川遼特集 ブリヂストン招待トップ10の顔ぶれに見る“世代交代””. ゴルフ情報ALBA.Net (2011年8月8日). 2011年8月12日閲覧。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]