ユスラウメ

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ユスラウメ
ユスラウメの葉
分類
: 植物界 Plantae
: 被子植物門 Magnoliophyta
: 双子葉植物綱 Magnoliopsida
: バラ目 Rosales
: バラ科 Rosaceae
: サクラ属 Prunus
: ユスラウメ P. tomentosa
学名
Prunus tomentosa
Thunb.
和名
ユスラウメ(梅桃、山桜桃梅)
英名
downy cherry, Nanking cherry

ユスラウメ(梅桃、山桜桃梅、学名:Prunus tomentosa)は、バラ科サクラ属の落葉低木の果樹。サクランボに似た赤い小さな実をつける。俗名をユスラゴともいう。

特徴

樹は開帳性の2〜3mの低木でよく分枝する。葉は楕円形で、葉脈に沿って凹凸があり、全体に細かい毛を生じる。桜に似た白色または淡紅色の花が葉腋に1つずつ咲き、小ぶりの赤または白の丸い果実をつける。果実はほぼ球形ながら、桃の実のようにかすかな縦割れがあり、表面には毛がない。

中国北西部、朝鮮半島モンゴル高原原産。主に庭木として栽培される。

栽培

性質は強健で、耐寒性・耐暑性ともに強く、病害虫にも強い。用土は過湿を嫌うので、水はけの良い土に植える。日照不足になると、株が弱ってしまうだけでなく、果実の収穫も減ってしまうため、なるべく日当たりの良い場所に植える。3月頃と果実の収穫後に化成肥料を、また11月頃には有機肥料の寒肥を施す。

普段の剪定は特に必要ないが、日当たりの悪い枝は枯れやすいので、込み合う枝の間引きと、長く伸びた枝の切り戻しを必要に応じて行う。

増やし方は、タネを採取しての実生。その他、挿し木接ぎ木で増やすことができる。1年生接木苗では植え付け後2・3年、実生でも3・4年で果実がなり始める。

備考

現在では『サクラ』を意味する漢字『櫻』は元々はユスラウメを指す字であった。ユスラウメの実が実っている様子を首飾りを付けた女性に見立てて出来た字である。

果実は薄甘くて酸味が少なく、サクランボに似た味がする。そのままでの生食、あるいは果実酒などに利用される。[1]

大分県豊後大野市清川地区では、ユスラウメにモモを接ぎ木して栽培した「クリーンピーチ」が特産品となっている。

茨城県西南地域ではユスラウメとは呼ばず「よそらんめ」と方言で呼ぶ。

画像

脚注

  1. ^ 角野栄子の童話「魔女の宅急便」の第4•6巻に、ユスラウメの果汁をジュースにしたものが主人公に供される場面がある。