ヤマハ・YZR-M1
YZR-M1(ワイゼットアール-エムワン)は、2002年にヤマハ発動機が開発したオートバイ。
M1のMとは、英単語のMissionの頭文字であり、「開発技術を市販車開発へ」と「MotoGPのチャンピオンマシン」という二つの使命を表している。
概要
MotoGPに参戦するため開発されたロードレース専用車両である 。 水冷4ストローク直列4気筒エンジンを搭載。それまで使用されていた2ストロークモデル「YZR500」の後継車種にあたる。
2002年から2007年までは、ワークス・チームはミシュランタイヤ。サテライトチームはダンロップタイヤを使用していた。しかし、2006年及び2007年シーズンでのミシュランの開発力不足から、ワークスチームエースライダーのバレンティーノ・ロッシは、ブリヂストンタイヤを使用すること決定し、またサテライトであったテック3・ヤマハチームは2008年よりセミ・ワークス扱いとなり、長年開発を行ってきたダンロップからミシュランにタイヤメーカーを変更すると発表した。
これにより2008年はフィアット・ヤマハのロレンソとテック3・ヤマハのエドワーズ、トスランドの3名がミシュランを、そしてフィアット・ヤマハのバレンティーノ・ロッシ1名がブリヂストンを使用。このため同じフィアット・ヤマハのロッシとロレンソは、互いにタイヤメーカーの情報漏洩を防ぐためにチームメイトでありながら別々のピットを使う体制でMotoGPに臨み、結果的にはブリヂストン・ミシュランの両方で勝利を挙げYZR-M1のポテンシャルを証明した。
2009年はタイヤのワンメイク化があったが、2008年のシステムが上手くいったこともあり、以降もピットをパーティションで分割し使用し続けている。
主要諸元
2002年 - 2006年
- 排気量 - 990cc
- 最高出力 - 約176.52kW(約240PS)
- 最高速度 - 330km/h以上
- 車体重量 - 148kg
- 燃料タンク容量 - 22L
2007年 - 2011年
- 排気量 - 800cc
- 最高出力 - 約200PS
- 最高速度 - 320km/h以上
- 車体重量 - 148kg
- 燃料タンク容量 - 21L
2012年 -
- 排気量 - 1000cc
- 最高出力 - 約176kW(約240PS)
- 最高速度 - 350km/h以上
- 車体重量 - 157kg
- 燃料タンク容量 - 21L
- 毎年、様々な改良が重ねられており、外観などに多少の違いを見ることが出来る。
レース戦績
マニュファクチャラーズ・ランキング
ヤマハ | 優勝/レース | 優勝ライダー | |
---|---|---|---|
2002年 | ※注 | 2/16 | マックス・ビアッジ(2勝) |
2003年 | 3位 | 0/16 | |
2004年 | 1位 | 9/16 | バレンティーノ・ロッシ(9勝) |
2005年 | 1位 | 11/17 | バレンティーノ・ロッシ(11勝) |
2006年 | 2位 | 5/17 | バレンティーノ・ロッシ(5勝) |
2007年 | 3位 | 4/18 | バレンティーノ・ロッシ(4勝) |
2008年 | 1位 | 10/18 | バレンティーノ・ロッシ(9勝) ホルヘ・ロレンソ(1勝) |
2009年 | 1位 | 10/17 | バレンティーノ・ロッシ(6勝) ホルヘ・ロレンソ(4勝) |
2010年 | 1位 | 11/18 | バレンティーノ・ロッシ(2勝) ホルヘ・ロレンソ(9勝) |
2011年 | 2位 | 4/18 | ホルヘ・ロレンソ(3勝) ベン・スピーズ(1勝) |
2012年 | 2位 | 6/18 | ホルヘ・ロレンソ(6勝) |
2013年 | 2位 | 9/18 | ホルヘ・ロレンソ(8勝) バレンティーノ・ロッシ(1勝) |
2014年 | 2位 | 4/18 | ホルヘ・ロレンソ(2勝) バレンティーノ・ロッシ(2勝) |
2015年 | 1位 | 11/18 | ホルヘ・ロレンソ(7勝) バレンティーノ・ロッシ(4勝) |
※YZR500(未勝利)での獲得ポイントを含む
ライダーチャンピオン
- 2004年 バレンティーノ・ロッシ(ゴロワーズ・フォルトゥナ・ヤマハ)
- 2005年 バレンティーノ・ロッシ(ゴロワーズ・ヤマハ)
- 2008年 バレンティーノ・ロッシ(フィアット・ヤマハ)
- 2009年 バレンティーノ・ロッシ(フィアット・ヤマハ)
- 2010年 ホルヘ・ロレンソ(フィアット・ヤマハ)
- 2012年 ホルヘ・ロレンソ(ヤマハ・ファクトリー・レーシング)
- 2015年 ホルヘ・ロレンソ(モビスター・ヤマハ・MotoGP)
2015年の参戦状況
- (モビスター・ヤマハ・MotoGP)
- No.99 / ホルヘ・ロレンソ
- No.46 / バレンティーノ・ロッシ
- (モンスター・ヤマハ・テック3)
- No.38 / ブラッドリー・スミス
- No.44 / ポル・エスパルガロ