ミレニアム懸賞問題

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ミレニアム懸賞問題(ミレニアムけんしょうもんだい、: millennium prize problems)とは、アメリカクレイ数学研究所によって2000年に発表された100万ドルの懸賞金がかけられている7つの問題のことである。そのうち1つは解決済み、6つは2015年8月末の時点で未解決である。ミレニアム賞問題ミレニアム問題とも呼ばれる。

概要

これらの問題は、それぞれの分野で非常に重要かつ難しい問題である[1]

賞金を得るためには、査読つきの専門雑誌に掲載された後、二年間の経過期間を経て解決が学界に受け入れられたことが確認されなくてはならない[1]。なお、P≠NPとナビエ-ストークス方程式については、肯定的・否定的のいずれの解決に対しても賞金が与えられるが、他の問題については、否定的な解決は、それが問題の実効的な解決であるとみなされる場合に限り賞金が与えられる。否定的な解決であっても問題が修正を加えられた上で生き残る場合は、賞金は与えられない[2][3]

7つの予想のうち、ポアンカレ予想については2002年から2003年にかけてグリゴリー・ペレルマンによりこれを証明したとする3つのプレプリント(専門誌未査読の論文)が発表された。この証明は複数の数学者による4年の検証を経て正しいものと認められ、2010年3月18日にクレイ数学研究所はペレルマンの受賞を発表した[4]。ただし、ペレルマンはこの受賞を拒否しており、彼に与えられる賞金100万ドルは数学界へ貢献するかたちで使われることになると発表している。

一覧

  1. ヤン-ミルズ方程式と質量ギャップ問題 (Yang-Mills and Mass Gap)
  2. リーマン予想 (Riemann Hypothesis)
  3. P≠NP予想 (P vs NP Problem)
  4. ナビエ-ストークス方程式の解の存在と滑らかさ (Navier-Stokes Equation)
  5. ホッジ予想 (Hodge Conjecture)
  6. ポアンカレ予想 (Poincaré Conjecture) - グリゴリー・ペレルマンにより解決済。
  7. バーチ・スウィンナートン=ダイアー予想(BSD予想) (Birch and Swinnerton-Dyer Conjecture)

脚注

  1. ^ a b Jaffe 2006
  2. ^ Jaffe & Wiles (2006) の Rules for the Millennium Prizes の章を参照
  3. ^ CMI 2013
  4. ^ Carlson 2010

参考文献

関連文献

関連項目

外部リンク