マヨン山

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マヨン
Mayon
マヨン山
標高 2,463 m
所在地 フィリピンの旗 フィリピン
ビコル地方アルバイ州
位置 北緯13度15分24秒 東経123度41分06秒 / 北緯13.25667度 東経123.68500度 / 13.25667; 123.68500座標: 北緯13度15分24秒 東経123度41分06秒 / 北緯13.25667度 東経123.68500度 / 13.25667; 123.68500
種類 成層火山
マヨン山の位置(フィリピン内)
マヨン山
マヨン山
マヨン山の位置
プロジェクト 山
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マヨン山(マヨンさん、: Mayon Volcano)はフィリピン共和国ルソン島南部、ビコル地方アルバイ州にある成層火山である。標高は2,463m。一帯はマヨン山国立公園に指定されている。

概要

「マヨン」とは、ビコル地方の言葉で「美しい」という意味を持つ「マガヨン」に由来すると言われており、山体は非常に整った円錐形をしている。これは、富士山等と違って山腹に噴火口が無く、常に山頂からしか噴火しないためである。地元では富士山よりも美しいといわれており、かつて日系人移民からは「ルソン富士」と呼ばれていた。本火山はフィリピンで最も活動的な火山であるが、これはフィリピン海プレートユーラシアプレートの境界に位置しマグマの形成が盛んな場所にあるためである。

過去に何度も噴火によって死傷者を出し、現在ではハザードマップが作成され、火砕流などの恐れのある場所は土地の利用規制が行われているが、現地は貧しく、危険地帯として指定された場所で耕作せざるを得ない状況がある。

山体はレガスピ市等の複数の基礎自治体に跨る。このレガスピ市と千葉県銚子市は姉妹都市であり、銚子市の犬吠埼近くに立つ「日比友愛の碑」はマヨン山の方向に向けて建てられている。

活動史

マヨン山は17世紀から21世紀初頭までの400年に50回も噴火している。

  • 記録に残る最も破壊的な噴火は1814年2月1日に起こった。溶岩流が山から10kmのカグサワという街を埋めて1,200人以上の死者を出した。現在、当時の街があった場所には教会の鐘楼しか残っていない。
  • 1984年9月の噴火では、最初の小規模な噴火で住民が避難してから数週間後に大噴火が起きたが犠牲者は出なかった。避難していた住民たちが帰宅を望んだが、フィリピン火山地震研究所 (PHIVOLCS) のレイモンド・ブノンパヤンとアメリカ地質調査所 (USGS) のクリス・ニューホールという2人の火山学者が噴火はまだ終わっていない可能性があるとして避難解除を認めず、結果的に多くの人々を救った。この2人は1991年ピナトゥボ山噴火でも協力している。
  • 1993年には突然の大噴火による火砕流で70余名[1]の犠牲者を出した。
  • 2000年、および2006年8月にも噴火を起こした。2006年の噴火では、11月の台風とあいまってラハールという現象が発生し、死者620名、行方不明710名、倒壊家屋約9000戸という被害を出している[2]
  • 2013年5月7日に起きた噴火では、マヨン山を登っていた観光客ら計20人のうち、5人(観光客4人、ガイド1人)が落ちてきた岩に当たり犠牲となっている[4][5]
  • 2014年9月15日、警戒レベルを上から3番目に引き上げ、1万人に避難指示が出た。9月17日に溶岩が流れ出し、5万人に避難勧告が出た。

脚注

参考文献

関連項目

外部リンク