マフェトン理論

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マフェトン理論(マフェトンりろん)とは、フィリップ・マフェトンが提唱する、マラソントライアスロンなどの持久力スポーツトレーニング方法である。 有酸素運動(ペース走)の運動強度を明確に示したのが最大の業績といわれる。

エアロビック重視[編集]

マフェトン理論では、有酸素運動の比重を、無酸素運動よりも大きくとる。

時間ベースで

  • 有酸素運動 - 85%~90%以上
  • 無酸素運動 - 10%~15%以下

の比重を理想とする。

マラソンにおいては、有酸素運動がペース走、無酸素運動がスピード練習にあたる。

マフェトン自身は、明確には、無酸素運動の導入の仕方を明記していないが、上記の配分に基づくと、一例としては

という配分になる。

ただし、上記の比重は、エアロビックの基礎ができている人のみが対象である。エアロビックベースができていない人は、練習時間の100%を有酸素運動に割り当てるべきである。エアロビックベースを作るには、一般には3~4ヶ月かかる。

180公式[編集]

エアロビックトレーニングは、心拍数を基準とする。心拍数が「170-年齢」~「180-年齢」に収まるようにする(ただし自分の体力により上下加減を行う)。これを、180公式という。

つまり、最大心拍数が「220-年齢」であるとすると、目標心拍数を「最大心拍数-45」に設定するともいえる。年齢20歳で、最大心拍数200、安静時心拍数60とすると、運動強度64%HRR~71%HRRにあたる。

ただし、エアロビックトレーニングにおいて、最初の12分~15分はアップとして、徐々に目標心拍数まで上げていく。そして、最後の12~15分は、徐々に心拍数を落としていく。

MAFテスト[編集]

MAFテストとは、180公式の心拍数にて、決められたコースのタイム計測を言う。距離としては、1600m(1マイル)くらいで行う。

MAFテストのタイムを記録することで、練習の成果と推移を判定する。

MAFテストは、ジョギングペースでのテストなので、体への大きな負担はないので、頻繁に行えるのが利点である。

安静時心拍数[編集]

安静時心拍数をオーバートレーニングの目安として使う。普段よりも5~6以上安静時心拍数が高ければ、オーバートレーニングである。

食事[編集]

炭水化物蛋白質脂肪を40:30:30に。また植物油などの不飽和脂肪を積極的にとり、加熱した油やマーガリンなどの摂取は極力避ける。

ストレッチ[編集]

ストレッチを、もし、運動前に行う場合は、アップの後、体が温まってから行うべきである。ストレッチはアップとは目的が異なるので、アップの時間には含めてはいけない。ただし、マフェトンは、ストレッチにより可動範囲が広がり、故障が増えることを懸念している。

参考文献[編集]

  • 『マフェトン理論』で強くなる! 革命的エアロビックトレーニング - ISBN 4947537493