マイルチャンピオンシップ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

これはこのページの過去の版です。Mee-san (会話 | 投稿記録) による 2015年11月24日 (火) 03:50個人設定で未設定ならUTC)時点の版 (→‎歴代優勝馬: 吉田和美の内部リンク修正(吉田勝己のリダイレクトとなるため))であり、現在の版とは大きく異なる場合があります。

マイルチャンピオンシップ
第30回優勝馬トーセンラー
開催国 日本の旗 日本
主催者 日本中央競馬会
競馬場 京都競馬場
創設 1984年11月18日
2015年の情報
距離 芝1600m
格付け GI
賞金 1着賞金1億円
出走条件 サラ系3歳以上(国際)(指定)
負担重量 定量(3歳56kg、4歳以上57kg、牝馬2kg減)
出典 [1][2]
テンプレートを表示

マイルチャンピオンシップは、日本中央競馬会(JRA)が京都競馬場で施行する中央競馬重賞競走GI)である。

正賞は日本馬主協会連合会会長賞[1][2]

概要

1984年に新設されたGI競走[3]で、春に行われる安田記念とともにマイル(1600m)のチャンピオン決定戦として位置づけられている[4][3]

日本の競馬における競走体系は長い間長距離の競走が重視されていたが、近年はスピード能力が重視されるようになってきたことを受け、1984年にグレード制が導入された際に競走体系を見直し[4]、短距離競走の充実を図る目的で創設された[3]。出走馬は短距離の実績馬のほか、クラシック路線を歩んできた3歳馬や天皇賞(秋)の出走馬がここへ出走する例もみられ、多彩なメンバーがそろうレースとされている[3]

1995年から指定交流競走として行われ、指定された競走で所定の成績をあげた地方競馬所属馬にも出走資格が与えられるようになった[4][3]。1998年からは国際競走となって外国馬も出走可能になり、2004年から国際GIに格付けされた[4][3]

2008年からはジャパン・オータムインターナショナルの構成レースとしても施行されている[3]

国際的評価

世界の競馬開催国は国際セリ名簿基準委員会(ICSC)によってパートIからパートIVまでランク分けされており、2014年時点で日本は平地競走が最上位のパートI、障害競走はパートIVにランク付けされている[5]

また、各国の主要な競走は国際的な統一判断基準で評価されており、競馬の競走における距離別の区分法として定着しているSMILE区分によると、マイルチャンピオンシップは「Mile(1301m - 1899m)」に分類される。国際競馬統括機関連盟(IFHA)が公表した2012年から2014年の年間レースレーティング[注 1]の平均値に基づく「世界のトップ100GIレース」によると、マイルチャンピオンシップは全体の97位にランキングされた。「Mile(1301m - 1899m)」のカテゴリーからランクインした外国の競走との比較では、エミレーツステークスEmirates Cantala Stakes、96位)に次ぐ評価となっている[6][7]

競走条件

以下の内容は、2015年現在[1][2]のもの。

出走資格:サラ系3歳以上(出走可能頭数:最大18頭)

  • JRA所属馬
  • 地方所属馬(出走資格のある馬のみ)
  • 外国調教馬(9頭まで、優先出走)[3]

負担重量:定量(3歳56kg、4歳以上57kg、牝馬2kg減)

  • 第1 - 17回は3歳55kg・4歳以上57kg・牝馬各2kg減[3]

出馬投票を行った馬のうち優先出走権(後述)をもつ馬から優先して割り当て、その他の馬は「通算収得賞金」+「過去1年間の収得賞金」+「過去2年間のGI(JpnI)競走の収得賞金」の総計が多い順に出走できる。

優先出走権

外国馬、およびレーティング順位の上位5頭は優先出走が認められる。

JRA所属馬は、同年に行われた下表の競走のいずれかで1着となった馬に優先出走権が与えられる。

競走名 競馬場 距離
富士ステークス GIII 日本の旗東京競馬場 芝1600m
スワンステークス GII 日本の旗京都競馬場 芝1400m

地方競馬所属馬の出走権

地方競馬所属馬は同年に行われた下表の競走のいずれかで2着までに入着すると、優先出走権が与えられる[3]

競走名 競馬場 距離
スプリンターズステークス GI 日本の旗中山競馬場 芝1200m
富士ステークス GIII 日本の旗東京競馬場 芝1600m
スワンステークス GII 日本の旗京都競馬場 芝1400m
天皇賞(秋) GI 日本の旗東京競馬場 芝2000m

上記のほか、以下の条件のいずれかに該当する馬にも出走資格が与えられる[3]

  • JRAで施行するGI競走(2歳GIは除く)の優勝馬
  • 指定された外国の国際G1競走(2歳G1は除く)優勝馬
  • 地方競馬のダート交流GI・JpnI競走(2歳GI・JpnIは除く)優勝馬

賞金

2015年の1着賞金は1億円で、以下2着4000万円、3着2500万円、4着1500万円、5着1000万円[1][2]

褒賞金制度

ジャパン・オータムインターナショナルに含まれるようになった2008年より、指定された外国の競走における優勝馬が同年に行われる本競走で所定の成績を収めた場合、優勝賞金に加え褒賞金を交付している。

2014年現在の指定競走と金額は以下の通り[8]

歴史

第28回優勝馬エイシンアポロン

本競走の創設にあたっては、当初マイラーズカップを秋季に移設のうえ格上げとする予定がJRAから馬主サイドへ示されていたが、直前になって新設する方針に変わった[11]

  • 1984年 - 4歳以上の馬によるGI[注 2]競走として新設[3]
  • 1995年 - 指定交流競走に指定、地方競馬所属馬が出走可能になる[3]
  • 1998年 - 国際競走に指定され、外国調教馬が5頭まで出走可能になる[3]
  • 2001年 - 馬齢表示の国際基準への変更に伴い、出走条件を「3歳以上」に変更。
  • 2004年
    • 国際GIに格付け[3]
    • 外国調教馬が9頭まで出走可能となる[3]
  • 2008年 - ジャパン・オータムインターナショナルに指定[3]
  • 2012年 - 出走馬選定方法が変わり、レーティングで上位5頭に優先出走を認める[3]
  • 2015年 - 「京都競馬場開設90周年記念」の副称をつけて施行[2][12]

歴代優勝馬

コース種別を表記していない距離は、芝コースを表す。

優勝馬の馬齢は、2000年以前も現行表記に揃えている。

回数 施行日 競馬場 距離 優勝馬 性齢 タイム 優勝騎手 管理調教師 馬主
第1回 1984年11月18日 京都 1600m ニホンピロウイナー 牡4 1:35.3 河内洋 服部正利 小林百太郎
第2回 1985年11月17日 京都 1600m ニホンピロウイナー 牡5 1:35.3 河内洋 服部正利 小林百太郎
第3回 1986年11月16日 京都 1600m タカラスチール 牝4 1:35.3 田島良保 坂本栄三郎 村山義男
第4回 1987年11月22日 京都 1600m ニッポーテイオー 牡4 1:34.9 郷原洋行 久保田金造 山石祐一
第5回 1988年11月20日 京都 1600m サッカーボーイ 牡3 1:35.3 河内洋 小野幸治 (有)社台レースホース
第6回 1989年11月19日 京都 1600m オグリキャップ 牡4 1:34.6 南井克巳 瀬戸口勉 近藤俊典
第7回 1990年11月18日 京都 1600m パッシングショット 牝5 1:33.6 楠孝志 橋田満 森本忠治
第8回 1991年11月17日 京都 1600m ダイタクヘリオス 牡4 1:34.8 岸滋彦 梅田康雄 中村雅一
第9回 1992年11月22日 京都 1600m ダイタクヘリオス 牡5 1:33.3 岸滋彦 梅田康雄 中村雅一
第10回 1993年11月21日 京都 1600m シンコウラブリイ 牝4 1:35.7 岡部幸雄 藤沢和雄 安田修
第11回 1994年11月20日 京都 1600m ノースフライト 牝4 1:33.0 角田晃一 加藤敬二 (有)大北牧場
第12回 1995年11月19日 京都 1600m トロットサンダー 牡6 1:33.7 横山典弘 相川勝敏 藤本照男
第13回 1996年11月17日 京都 1600m ジェニュイン 牡4 1:33.8 岡部幸雄 松山康久 (有)社台レースホース
第14回 1997年11月16日 京都 1600m タイキシャトル 牡3 1:33.3 横山典弘 藤沢和雄 (有)大樹ファーム
第15回 1998年11月22日 京都 1600m タイキシャトル 牡4 1:33.3 岡部幸雄 藤沢和雄 (有)大樹ファーム
第16回 1999年11月21日 京都 1600m エアジハード 牡4 1:32.8 蛯名正義 伊藤正徳 (株)ラッキーフィールド
第17回 2000年11月19日 京都 1600m アグネスデジタル 牡3 1:32.6 的場均 白井寿昭 渡辺孝男
第18回 2001年11月18日 京都 1600m ゼンノエルシド 牡4 1:33.2 O.ペリエ 藤沢和雄 大迫忍
第19回 2002年11月17日 京都 1600m トウカイポイント 騸6 1:32.8 蛯名正義 後藤由之 内村正則
第20回 2003年11月23日 京都 1600m デュランダル 牡4 1:33.3 池添謙一 坂口正大 吉田照哉
第21回 2004年11月21日 京都 1600m デュランダル 牡5 1:33.0 池添謙一 坂口正大 吉田照哉
第22回 2005年11月20日 京都 1600m ハットトリック 牡4 1:32.1 O.ペリエ 角居勝彦 (有)キャロットファーム
第23回 2006年11月19日 京都 1600m ダイワメジャー 牡5 1:32.7 安藤勝己 上原博之 大城敬三
第24回 2007年11月18日 京都 1600m ダイワメジャー 牡6 1:32.7 安藤勝己 上原博之 大城敬三
第25回 2008年11月23日 京都 1600m ブルーメンブラット 牝5 1:32.6 吉田豊 石坂正 (有)キャロットファーム
第26回 2009年11月22日 京都 1600m カンパニー 牡8 1:33.2 横山典弘 音無秀孝 近藤英子
第27回 2010年11月21日 京都 1600m エーシンフォワード 牡5 1:31.8 岩田康誠 西園正都 (株)栄進堂
第28回 2011年11月20日 京都 1600m エイシンアポロン 牡4 1:33.9 池添謙一 松永昌博 平井豊光
第29回 2012年11月18日 京都 1600m サダムパテック 牡4 1:32.9 武豊 西園正都 大西定
第30回 2013年11月17日 京都 1600m トーセンラー 牡5 1:32.4 武豊 藤原英昭 島川隆哉
第31回 2014年11月23日 京都 1600m ダノンシャーク 牡6 1:31.5 岩田康誠 大久保龍志 (株)ダノックス
第32回 2015年11月22日 京都 1600m モーリス 牡4 1:32.8 R.ムーア 堀宣行 吉田和美

マイルチャンピオンシップの記録

  • レースレコード - 1:31.5(第31回優勝馬ダノンシャーク)[3]

脚注・出典

注釈

  1. ^ 年間レースレーティングは、個々のレースにおける上位4頭のレーティングを年度末のランキング会議で決定した数値に置き換え算出した平均値。なお、牝馬限定競走以外のレースで、対象馬が牝馬の場合はアローワンスが加算される(日本の場合+4ポンド)。
  2. ^ 当時の格付表記は、JRAの独自グレード。

出典

  1. ^ a b c d 重賞競走一覧(レース別・関西)” (PDF). 日本中央競馬会. p. 32. 2015年11月12日閲覧。
  2. ^ a b c d e 平成27年第5回京都競馬番組” (PDF). 日本中央競馬会. 2015年11月12日閲覧。
  3. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s 今週の注目レース(第32回マイルチャンピオンシップ:プレイバック)”. 日本中央競馬会. 2015年11月12日閲覧。
  4. ^ a b c d マイルCS特集(レースガイド)”. netkeiba.com. 2015年11月12日閲覧。
  5. ^ INTERNATIONAL GRADING AND RACE PLANNING ADVISORY COMMITTEE "INTERNATIONAL CATALOGUING STANDARDS and INTERNATIONAL STATISTICS 2014"” (PDF). The Jockey Club Information Systems, Inc.. 2015年11月12日閲覧。
  6. ^ 世界のトップ100GIレースがIFHAから発表!”. 日本中央競馬会. 2015年11月12日閲覧。
  7. ^ THE WORLD'S TOP 100 G1 RACES for 3yo's and upwards” (PDF). 日本中央競馬会. 2015年11月12日閲覧。
  8. ^ 国際交流優勝馬に対する褒賞金” (PDF). 日本中央競馬会 (2014年4月1日). 2015年11月12日閲覧。
  9. ^ “Results From The 5.35 Race At Caulfield (AUS)” (英語). Racing Post. http://www.racingpost.com/horses/result_home.sd?race_id=596726&r_date=2014-02-22&popup=yes#results_top_tabs=re_&results_bottom_tabs=ANALYSIS 2015年11月12日閲覧。 
  10. ^ “ドバイデューティフリーがドバイ・ターフに名称変更”. スポーツ報知. (2015年1月16日). http://www.hochi.co.jp/horserace/20150116-OHT1T50043.html 2015年11月12日閲覧。 
  11. ^ 優駿」1983年12月号における大橋巨泉和田共弘の対談にて。
  12. ^ 京都競馬場開設90周年記念事業について - 日本中央競馬会、2015年11月23日閲覧

各回競走結果の出典

外部リンク