ポル・エスパルガロ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ポル・エスパルガロ
2022年
国籍 スペインの旗 スペイン
生年月日 (1991-06-10) 1991年6月10日(32歳)
カタルーニャ州グラノリェース
現在のチーム ガスガス・ファクトリーレーシング・テック3
ゼッケン 44
レースでの経歴
ロードレース世界選手権 MotoGPクラス
活動期間2014年-
マニファクチャラーヤマハKTMホンダガスガス
チャンピオン0
2022年 順位16位 (56 pts)
出走回数 勝利数 表彰台 PP FL 総ポイント
154 0 8 3 1 881
ロードレース世界選手権 Moto2クラス
活動期間2011年-2013年
マニファクチャラーFTR, カレックス
チャンピオン1 (2013年)
2013年 順位1位 (265 pts)
出走回数 勝利数 表彰台 PP FL 総ポイント
51 10 23 14 10 609
ロードレース世界選手権 125ccクラス
活動期間2006年-2010年
マニファクチャラーデルビ, アプリリア
チャンピオン0
2010年 順位3位 (281 pts)
出走回数 勝利数 表彰台 PP FL 総ポイント
71 5 21 3 5 708.5

ポル・エスパルガロ・イ・ビリャ (Pol Espargaró i Villà, 1991年6月10日 - ) は、スペインカタルーニャ州グラノリェース出身のオートバイレーサー。2006年よりロードレース世界選手権125ccクラスに参戦し、2011年からMoto2クラス、2014年からはMotoGPクラスに参戦する。2013年のMoto2クラスチャンピオンである。

兄のアレイシもグランプリライダーとして活動している。

経歴[編集]

125cc[編集]

2010年 ダッチTT

2006年第7戦カタルニアGPにおいて、ロードレース世界選手権125ccクラスにワイルドカード枠でデビューを果たした。そのレースでエスパルガロは13位に入賞し、史上最年少ポイント獲得記録を更新することとなった(15歳と8日)。シーズン終盤には、負傷したアンドレア・イアンノーネの代役としてカンペテーラ・レーシングから6戦に出場する機会を得て、最終戦バレンシアGPでは6位に入る活躍を見せた。またこの年には、スペイン国内のロードレース選手権125ccクラスでチャンピオンを獲得している。

2007年にはカンペテーラ・チームからフル参戦を開始し、第14戦ポルトガルGPで初表彰台(3位)に立つなどの活躍を見せ、シリーズランキング9位でルーキー・オブ・ザ・イヤーを獲得した。

2008年デルビワークスマシンを駆ることになった。第7戦カタルニアGPでは自身初のポールポジションを獲得した。決勝レースではツナギの中に蜂が入るトラブルに遭い[1]、初優勝は逃したものの、この時点で自己最高となる2位表彰台に立った。次の第8戦イギリスGPではプラクティス中の転倒で鎖骨を骨折し、2戦を欠場することになった。第14戦インディアナポリスGPではポールからスタートしレースをリード、10周目にニコラス・テロルにトップを奪われるが17周目に奪還。しかしその直後に降雨により赤旗レース中断となり、1周前の順位が採用されエスパルガロはまたも2位に終わった[2]。結局この年のシリーズランキングは、前年と同じ9位に終わった。

2009年はデルビで2年目のシーズンを迎えた。第12戦インディアナポリスGPブラッドリー・スミスとのトップ争いを制し、前年の雪辱を果たしてグランプリ初優勝を遂げた[3]。その後第14戦ポルトガルGPで2勝目を挙げ、年間シリーズランキングでは4位と大きく成績を伸ばした。

2010年、エスパルガロはデルビに残留し、125ccクラスフル参戦4年目のシーズンを戦った[4]第2戦スペインGP第3戦フランスGP第13戦アラゴンGPと3勝を挙げ、シーズン終盤までマルク・マルケスニコラス・テロルの2人とチャンピオン争いを展開、年間ランキング3位を記録した。

Moto2[編集]

2011年シーズン、ポルはルカ・ボスコスクーロ率いるスピードアップ・チームからMoto2クラスにステップアップする。この年は兄のアレイシもMotoGPクラスからMoto2に移ったため、同クラスへの兄弟参戦が実現した[5]2013年にはMoto2クラスで初の年間タイトルを獲得。

MotoGP[編集]

2022年 イギリスGP

2014年よりMotoGPクラスにステップアップしテック3所属となる。2015年2016年はシーズン途中にヤマハ・ファクトリー・レーシングチームから鈴鹿8時間耐久ロードレースにも参戦し、2015年は中須賀克行ブラッドリー・スミス、2016年は中須賀とアレックス・ローズでトリオを組んで出場し2年連続で優勝している[6][7]

2021年は、念願のレプソル・ホンダ所属となる。しかし目立った成績はなく、第16戦エミリア・ロマーニャGPで2位を獲得したのみである。

2022年も同チームから参戦。開幕戦カタールGPで3位表彰台に立ったが、ホンダ・RC213Vと相性が合わず予選を突破しても不満を漏らしていた。そのこともあり年間ランキングは17位へと下降するようになる。第13戦オーストリアGPには、2023年からガスガスと共に戦うテック3に復帰することが発表された[8]

2023年は開幕戦ポルトガルGPのFP2レース中に激しい転倒を起こし、肺挫傷、顎や脊椎に骨折を負う[9]。このため、シーズン前半戦は欠場し、第9戦イギリスGPからの復帰となった。

2024年はレース活動を休止し、KTMのテストライダーに就任することとなった[10]

ロードレース世界選手権 戦績[編集]

シーズン クラス 車両 チーム 出走数 勝利数 表彰台数 PP FL ポイント ランキング
2006年 125cc デルビ Campetella Racing Junior/Racc Derbi 7 0 0 0 0 19 20位
2007年 125cc アプリリア・RS125R Belson Campetella Racing 17 0 1 0 0 110 9位
2008年 125cc デルビ Belson Derbi 14 0 3 2 1 124 9位
2009年 125cc デルビ Derbi Racing Team 16 2 5 1 1 174.5 4位
2010年 125cc デルビ Derbi Tuenti Racing 17 3 12 0 3 281 3位
2011年 Moto2 FTR-ホンダ HP Tuenti Speed Up 17 0 2 0 1 75 13位
2012年 Moto2 カレックス-ホンダ Pons HPTuenti40 17 4 11 8 5 269 2位
2013年 Moto2 カレックス-ホンダ Pons HPTuenti40 17 6 10 6 4 265 1位
2014年 MotoGP ヤマハ・YZR-M1 モンスター・テック3 18 0 0 0 0 136 6位
2015年 MotoGP ヤマハ・YZR-M1 モンスター・テック3 18 0 0 0 0 114 9位
2016年 MotoGP ヤマハ・YZR-M1 モンスター・テック3 17 0 0 0 0 134 8位
2017年 MotoGP KTM・RC16 レッドブルKTMファクトリーレーシング 18 0 0 0 0 55 17位
2018年 MotoGP 18 0 0 0 0 51 18位
2019年 MotoGP 18 0 0 0 0 100 11位
2020年 MotoGP 14 0 0 0 0 135 5位
2021年 MotoGP ホンダ・RC213V レプソル・ホンダ・チーム 17 0 1 1 0 100 12位
2022年 MotoGP 18 0 1 0 0 56 16位
2023年 MotoGP ガスガス・RC16 ガスガス・ファクトリーレーシング・テック3 12 0 0 0 0 15 23位
合計 288 15 52 20 16 2213.5
クラス シーズン 初GP 初表彰台 初勝利 出走数 勝利数 表彰台数 PP FL ポイント タイトル
125 cc 2006-2010 2006年カタルーニャGP 2007年ポルトガルGP 2009年インディアナポリスGP 71 5 21 3 5 708.5 0
Moto2 2011-2013 2011年カタールGP 2011年インディアナポリスGP 2012年スペインGP 51 10 23 14 10 609 1
MotoGP 2014- 2014年カタールGP 2018年バレンシアGP 166 0 8 3 1 896 0
合計 2006-現在 288 15 52 20 16 2213.5 1
  • 凡例
  • ボールド体のレースはポールポジション、イタリック体のレースはファステストラップを記録。
クラス 車両 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 順位 ポイント
2006年 125cc デルビ SPA QAT TUR CHN FRA ITA CAT
13
NED GBR GER --- CZE
Ret
MAL
14
AUS
16
JPN
19
POR
12
VAL
6
20位 19
2007年 125cc アプリリア QAT
7
SPA
4
TUR
11
CHN
9
FRA
11
ITA
9
CAT
5
GBR
Ret
NED
11
GER
Ret
--- CZE
6
SMR
5
POR
3
JPN
Ret
AUS
11
MAL
Ret
VAL
10
9位 110
2008年 125cc デルビ QAT
8
SPA
14
POR
13
CHN
4
FRA
4
ITA
3
CAT
2
GBR
DNS
NED GER
17
--- CZE
8
SMR
Ret
IND
2
JPN
Ret
AUS
5
MAL
6
VAL
DNS
9位 124
2009年 125cc デルビ QAT
4
JPN
3
SPA
7
FRA
Ret
ITA
4
CAT
Ret
NED
9
--- GER
5
GBR
10
CZE
5
IND
1
SMR
Ret
POR
1
AUS
4
MAL
3
VAL
3
4位 174.5
2010年 125cc デルビ QAT
4
SPA
1
FRA
1
ITA
3
GBR
2
NED
3
CAT
3
GER
Ret
--- CZE
2
IND
3
SMR
6
ARA
1
JPN
4
MAL
2
AUS
2
POR
10
VAL
2
3位 281
2011年 Moto2 FTR QAT
22
SPA
20
POR
6
FRA
13
CAT
16
GBR
Ret
NED
Ret
ITA
28
GER
13
--- CZE
16
IND
2
RSM
9
ARA
14
JPN
15
AUS
5
MAL
3
VAL
14
13位 75
2012年 Moto2 カレックス QAT
3
SPA
1
POR
2
FRA
6
CAT
Ret
GBR
1
NED
Ret
GER
4
ITA
2
--- IND
2
CZE
3
RSM
2
ARA
1
JPN
2
MAL
11
AUS
1
VAL
8
2位 268
2013年 Moto2 カレックス QAT
1
AME
Ret
SPA
3
FRA
20
ITA
4
CAT
1
NED
1
GER
3
--- IND
4
CZE
4
GBR
8
RSM
1
ARA
3
MAL
2
AUS
1
JPN
1
VAL
29
1位 265
2014年 MotoGP ヤマハ QAT
Ret
AME
6
ARG
8
SPA
9
FRA
4
ITA
5
CAT
7
NED
Ret
GER
7
IND
5
CZE
Ret
GBR
6
RSM
6
ARA
6
JPN
8
AUS
Ret
MAL
6
VAL
6
6位 136
2015年 MotoGP ヤマハ QAT
9
AME
Ret
ARG
8
SPA
5
FRA
7
ITA
6
CAT
Ret
NED
5
GER
8
IND
7
CZE
8
GBR
Ret
RSM
Ret
ARA
9
JPN
Ret
AUS
8
MAL
9
VAL
5
9位 114
2016年 MotoGP ヤマハ QAT
7
AME
6
ARG
7
SPA
8
FRA
5
ITA
6
CAT
5
NED
4
GER
Ret
AUT
7
CZE
8
GBR
DNS
RSM
9
ARA
8
JPN
6
AUS
5
MAL
9
VAL
6
8位 134
2017年 MotoGP KTM QAT
16
ARG
14
AME
Ret
SPA
Ret
FRA
12
ITA
Ret
CAT
18
NED
11
GER
13
CZE
9
AUT
Ret
GBR
11
RSM
11
ARA
10
JPN
11
AUS
9
MAL
10
VAL
Ret
17位 55
2018年 MotoGP KTM QAT
Ret
ARG
11
AME
13
SPA
11
FRA
11
ITA
11
CAT
11
NED
12
GER
Ret
CZE
DNS
AUT
GBR
RSM
Ret
ARA
DNS
THA
21
JPN
13
AUS
Ret
MAL
Ret
VAL
3
14位 51
2019年 MotoGP KTM QAT
12
ARG
10
AME
8
SPA
13
FRA
6
ITA
9
CAT
7
NED
11
GER
12
CZE
11
AUT
Ret
GBR
9
RSM
7
ARA
DNS
THA
13
JPN
11
AUS
12
MAL
11
VAL
10
11位 100
2020年 MotoGP KTM SPA
6
ANC
7
CZE
Ret
AUT
Ret
STY
3
RSM
10
EMI
3
CAT
Ret
FRA
3
ARA
12
TER
4
EUR
3
VAL
3
POR
4
5位 135
2021年 MotoGP ホンダ QAT
8
DOH
13
POR
Ret
SPA
10
FRA
8
ITA
12
CAT
Ret
GER
10
NED
10
STY
16
AUT
16
GBR
5
ARA
13
RSM
7
AME
10
EMI
2
ALG
6
VAL
DNS
12位 100
2022年 MotoGP ホンダ QAT
3
INA
12
ARG
Ret
AME
13
POR
9
SPA
11
FRA
11
ITA
Ret
CAT
17
GER
Ret
NED
DNS
GBR
14
AUT
16
RSM
Ret
ARA
15
JPN
12
THA
14
AUS
11
MAL
14
VAL
Ret
16位 56
2023年 MotoGP ガスガス POR
DNS
ARG AME SPA FRA ITA GER NED GBR
12
AUT
16
CAT
Ret
RSM
Ret
IND
13
JPN
15
INA
Ret
AUS
18
THA
18
MAL
15
QAT
18
VAL
14
23位 15

脚注[編集]

外部リンク[編集]

タイトル
先代
マテオ・トゥネス
125ccスペイン選手権チャンピオン
2006
次代
ステファン・ブラドル
先代
マルク・マルケス
Moto2クラス世界チャンピオン
2013年
次代
エステベ・ラバト