ボタン (服飾)

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カフスボタン。英語ではcuff links
ボタンホール

ボタンポルトガル語:botão または英語:buttonからとも、釦、鈕)とは、衣服、鞄、靴などに止め具として使用される服飾物である[1]。多くは装飾を兼ねる。語源はポルトガル語 botão が最も有力な説とされる。

「飾りボタン」としてもっぱら装飾目的のみのものもある[1]11月22日は「ボタンの日」。また、男子の制服の心臓に一番近いボタン(多くの場合は第二ボタン)を好きな女子に渡す事もある。

日本は服飾用ボタン生産量で世界第3位である(テレビ東京、「世界を変える100人の日本人」より)。

素材

ボタンの耐久力

  • 天然ボタンは割れやすく、熱に強い。
    • クリーニングに出すときは予め話しておく必要がある。割高のクリーニングの時もある。
  • プラスチックは熱に強く割れにくい。
    • 希だが2つボタンや4つボタンの金属製のボタンはプラスチックと同じで熱や衝撃に強く割れる心配がない。
  • 丸は割れにくく角や反り返ったボタンは割れやすい。

ボタンの一覧

  • 四角
  • 平型、ドーム型(金属ボタンやブレザーに多い)
  • 変り種:キャラクターもの、動物もの、ほか
  • 2つ穴、3つ穴、4つ穴、穴なし(足つき・足なし)など
  • 最初は紐で引っ掛けて固定したが、のちに南仏でボタンホールが考案され、布と布を直接固定できるようになった。
  • くるみボタン(金属を芯にして革や布でくるんだ足つきボタン。自宅で手軽に作れるくるみボタンの製作キットも販売されている)

種類

  • スタッドボタン - ワイシャツの第2・3・4ボタンに取り付ける装飾用のボタン。
  • カフスボタン - ワイシャツやブラウスの袖口に取り付けるボタン。
  • コンチョボタン - ネイティブインディアンのシルバーアクセサリーをモチーフにしたボタン。
  • タックボタン - ジーンズに用いるのボタン、フロントボタンとして用いる。
    • リベットボタン - ジーンズに用いるのボタン、鉄、真鍮、銅、洋白銅などの金属が多い。
  • トグルボタン - ダッフルコートの特徴的な円柱のボタン。木製が多い。

用途

ボタンの大きさ

  • ボタンダウンの衿先には9mm。
  • 前身頃及び手口には10mm。
  • カフス、カフリンクス、スタッドボタンには11.5mm。
  • 開衿シャツ(オープンシャツ)やイタリアンカラーシャツの前身頃には11.5mm。
  • 既製品には同じサイズで統一されることもある。
  • 背広の前面のボタンは20mm、袖や内ポケットのボタンは15mm。
  • 外套の前面のボタンは男性用は23mmから25mm、女性用は28mmから30mm。
  • ズボンのボタンは18mmや20mm。
  • スラックスサスペンダーのボタンは15mmから18mm。
  • ボタンの厚さは2mm~4mm程。

縫い方

  • 平行縫い
    • 真っ直ぐにボタンを縫う方法。
  • クロス縫い
    • 糸を重ねてボタンを縫う方法。ボタンが落ちにくい。
  • 鳥足縫い(鳥足がけ)
    • 鳥の足のように縫う方法。ボタンが落ちにくい。

洋服デザイン

洋服のデザインの中で、ボタンの数や配置は重要である。

歴史・語源

  • 十字軍によって、イスラム社会から西欧社会に伝わった。
  • 語源は、古ラテン語の"bottare"もしくは古ゲルマン語で『蕾』という意味の"boton"と言われている。後者の方の由来は、鋳造、または、打ち出しで作られた金属製のそれが、シワが付いているために蕾のように見えることから、とか、昔は本当に花の蕾を使っていたから、という説がある。
  • 西欧の王侯貴族はボタンの装飾に凝り、金銀宝石までも使って豪奢なボタンを作らせ身につけた。それを一般市民も真似て、ついに奢侈禁止令が出たこともある。
  • 日本では大陸で見られる青銅製ボタンの出土例があるものの、衣服のつなぎ止めには古来から結びが一般的で、埴輪の服装にも見られる。明治維新前後にポルトガル語の"botao"が伝来し、上からの洋装化に従って「ボタン」という言葉が普及していったと考えられる。ボタンが日本に入ってきた当初、一般民衆はボタンを根付として珍重していた。
  • 日本で「ボタン」という名が用いられたのは、江戸時代中期だといわれている。故実家・伊勢貞丈(1717~1784)の「安斎随筆」に"和蘭国にてはコノブと言ふ、ポルトガル国にてはブタンと言ふ、それを言ひたがえて日本にてボタンと言ふなり"と記されている。

ボタン・メーカー

関連語句

  • 「ボタンの掛け違い」

出典

関連項目

外部リンク