ホンダ・N-ONE

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ホンダ・N-ONE
JG1/2型
前期型 G・Lパッケージ
前期型 Premium Tourer・Lパッケージ(ターボ車)
概要
製造国 日本の旗 日本
販売期間 2012年-
ボディ
乗車定員 4人
ボディタイプ 5ドア 軽トールワゴン
(LOW DOWNのみ5ドア 軽セミトールワゴン
駆動方式 FF/4WD
パワートレイン
エンジン S07A型:658cc 直3 DOHC
変速機 CVT
前:マクファーソンストラット
後(FF):車軸式
後(4WD):ド・ディオン式
前:マクファーソンストラット
後(FF):車軸式
後(4WD):ド・ディオン式
車両寸法
ホイールベース 2,520mm
全長 3,395mm
全幅 1,475mm
全高 1,545-1,630mm
車両重量 840-920kg
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N-ONE(エヌワン)は、本田技研工業が生産、販売する軽トールワゴン型の軽自動車である。

概要

N-ONEは2012年11月に発売したN-BOXから展開を開始した軽自動車シリーズ「Nシリーズ」の第3弾であり、ホンダ初の市販軽乗用車N360をモチーフに「人のためのスペースは最大に、メカニズムは最小に」の基本思想であるM・M(マン・マキシマム/メカ・ミニマム)思想を受け継ぎ、新しいベーシックカーの創造を目指して開発された[1][2]。LPLは、N BOXと同様に浅木泰昭が務め、生産もこれら同様、三重県にある鈴鹿製作所が担当する。

2011年に開催された第42回東京モーターショーに、『N CONCEPT 4』として出展された[3]モデルの市販モデルである[4]

全高は1550mmを越え、N-BOXやライフなどと同じ軽トールワゴンに分類されるが、これらの車種に比べて全高が低くなっており、個性と先進性を表現したハッチバック2ボックスセダン)風のスタイルとなっている[2]。また、2015年にはかつての軽セミトールワゴン規格に当たる低全高モデル(LOW DOWN)が追加された。

Nシリーズの関連商品を扱う「N STORE」では、N-ONEの実物大と1/9サイズのペーパークラフトを公開している[5]

メカニズム

エンジンやトランスミッションはN-BOXと同じく、S07A型エンジンとCVTを採用している。アイドリングストップシステムも搭載し、駆動方式を問わず「平成27年度燃費基準+20%」を、ターボFF車は「平成27年度燃費基準+10%」を、ターボ・4WD車は「平成27年度燃費基準」をそれぞれ達成している。エンジンはN-BOXと型式やスペック上の変化はないが、燃焼室周辺の冷却効率向上により点火時期を進めた他、クランク軸・カムジャーナル・サイレントチェーン背面の鏡面仕上げなどによるフリクション低減などの改良で、エンジン単体での燃費も向上させている[2]

また、急ブレーキ時にハザードランプを自動的に高速点滅させて後続車に注意を促すエマージェンシーストップシグナルを軽自動車としては初めて全タイプに標準装備するとともに、N-BOX同様、VSA(車両挙動安定化制御システム)HSA(ヒルスタートアシスト機能)も全タイプに標準装備している[2]

搭載エンジン

初代 JG1/2型(2012年 - )

コンセプトカー『N CONCEPT 4』
グレード体系はスタンダード仕様の「G」と上級仕様の「Premium」の2本立てで、それぞれにNA車の標準タイプ、スーパーUVカット・フロンドドアガラスやサイドカーテンエアバッグシステムを追加装備した「Lパッケージ」、フロントベンチレーテッドディスクブレーキを装備したターボ車「Tourer」、NA車「Lパッケージ」の追加装備内容に加え、クルーズコントロールとパドルシフト(7スピードモード)を追加した「Tourer・Lパッケージ」の全8タイプが設定された。さらに、N BOX+同様に、ボディカラーとルーフカラーが異なる「2トーンカラースタイル」も全タイプに設定している。尚、この「2トーンカラースタイル」のルーフ部分は、専門の技術工員が専用ブースにて手作業で塗装をおこなう[10]
  • 2013年
    • 6月14日 - リコールを発表した(不適切な油圧制御プログラムにより、CVTの動力伝達装置(ドライブプーリーシャフト)が折損する恐れ[11])。
    • 9月17日 - 「2トーンカラースタイル」に新パターンを追加し、「G」系・「Tourer」系には「チェリーシェルピンク・メタリック&ホワイト」を、「Premium」系・「Premium Tourer」系には「クリスタルブラック・パール&シルバー」、「ポリッシュドメタル・メタリック&ホワイト」、「プレミアムディープロッソ・パール&ホワイト」の3種類をそれぞれ追加した。
  • 2014年
    • 5月15日 - マイナーチェンジを発表した(翌5月16日販売開始)[12]。Nシリーズで唯一採用されていなかったシティブレーキアクティブシステム、サイドカーテンエアバッグシステム、前席用i-サイドエアバッグシステム(容量変化タイプ)をひとまとめにして安全性能を高めた「あんしんパッケージ」を「G」にオプション設定、その他のグレードに標準装備されたほか、フリクション低減や熱効率改善などエンジンの改良を行ったことで燃費を向上し、「Tourer・Aパッケージ」のFF車は「平成27年度燃費基準+20%」を、ターボ・4WD車は「平成27年度燃費基準+10%」をそれぞれ達成した。装備面ではプラズマクラスター技術搭載フルオート・エアコンディショナーを全車に、IRカット(遮熱)/UVカット機能付フロントウインドウガラスとIRカット(遮熱)/スーパーUVカットフロントドアガラスを「G」を除く全車にそれぞれ標準装備された。ボディカラーは大幅な入れ替えが行われ、「G」系・「Tourer」系専用色の「チェリーシェルピンク・メタリック(ホワイトと組み合わせた「2トーンカラースタイル」仕様を含む)」を廃止する替わりに、新色の「フレッシュライム・メタリック(「G」系・「Tourer」系専用色)」と「ホライゾンターコイズ・パール(「Premium」系・「Premium Tourer」専用色)」を追加したほか、黒系の「クリスタルブラック・パール」を「スマートブラック」に、銀系(「G」系・「Tourer」系専用色)の「アラバスターシルバー・メタリック」を「カトラリーシルバー・メタリック」にそれぞれ差し替え、「プレミアムディープモカ・パール(オプションカラー)」は設定タイプを「G」系・「Tourer」系から「Premium」系・「Premium Tourer」に変更した。メーカーオプションの「2トーンカラースタイル」も入れ替えが行われ、「G」系と「Tourer」系は2種類から4種類に、「Premium」系・「Premium Tourer」は7種類から9種類に拡大した。また、インテリアパネルはボディカラー同色となった。なお、グレード体系が変更となり、「G・Lパッケージ」は「G・Aパッケージ」に、「Tourer・Lパッケージ」は「Tourer・Aパッケージ」にそれぞれ改名したほか、「Tourer」、「Premium・Lパッケージ」、「Premium Tourer・Lパッケージ」が廃止され5タイプに整理された。
    • 11月17日 - 特別仕様車「SS(Suzuka Special:鈴鹿スペシャル)パッケージ」を発表した(翌11月18日販売開始)[13]。「G・Aパッケージ」・「Tourer・Aパッケージ」・「Premium」・「Premium Tourer」の4タイプをベースに、共通装備でリアワイドカメラ、照明付オーディオリモートコントロールスイッチ、リア2スピーカー、マイクロアンテナ(ワンセグTV対応)の4点をひとまとめにした「ナビ装着スペシャルパッケージ」、オートリトラミラー、運転席&助手席シートヒーター(「G・SSパッケージ」と「Tourer・SSパッケージ」のFF車を除く)を特別装備。さらに、「G・SSパッケージ」と「Tourer・SSパッケージ」にはブラックインテリアを、「Premium・SSパッケージ」と「Premium Tourer・SSパッケージ」には通常、4WD車のみに装備されている親水/ヒーテッドドアミラー+フロントドア撥水ガラスをFF車にも装備した。
  • 2015年
    • 2月 - 仕様変更。ボディカラーの一部変更が行われ、「G」系・「Tourer・Aパッケージ」専用色の「フレッシュライム・メタリック」、「Premium」・「Premium Tourer」専用色の「ホライゾンターコイズ・パール」を廃止し、メーカーオプションの「2トーンカラースタイル」も前述の2色をベースにした2種類を廃止し、既存色は名称を変更した。
    • 7月17日 - 2度目のマイナーチェンジを行った[14]。全タイプでフロントグリルとフロントバンパーにメッキモールを追加したほか、「Premium」・「Premium Tourer」にはドアサッシュモールを追加し、プライムスムースとジャージのコンビシートを採用。また、ルーフをセミチョップドルーフ化し、スポイラーを新デザインに変更、更にローダウンサスペンションを採用したことで全高を65mm下げ[15]、ホンダの軽自動車(4人乗り)としては1998年トゥデイ生産終了以来の、多くの立体駐車場への入庫に対応した低全高タイプ「G・LOWDOWN」、「Premium Tourer・LOWDOWN」を追加。ボディカラーも入れ替えが行われ、「Premium」・「Premium Tourer」専用色の「プレミアムディープモカ・パール(オプションカラー)」を廃止する替わりに、新色の「ブリリアントスポーティブルー・メタリック(「Premium」・「Premium Tourer」専用色)」、「ブリティッシュグリーン・パール(「Premium」・「Premium Tourer」専用色)」、「プレミアムピンク・パール(「G」系・「Tourer」専用色、オプションカラー)」を追加したほか、白系の「プレミアムホワイト・パール」を「プレミアムホワイト・パールII」に差し替え、従来からの「G」系・「Tourer」に加え、「Premium」・「Premium Tourer」でも設定できるようになった。「2トーンカラースタイル」はラインナップを整理し、「G」系と「Tourer」は新色の「プレミアムピンク・パール&ホワイト」を追加。「Premium」・「Premium Tourer」は新色2色を含む7色に集約し、「ポリッシュドメタル・メタリック&ブラック」は「Premium Tourer・LOWDOWN」専用色に移行した(なお、「G・LOWDOWN」と「Premium Tourer・LOWDOWN」は2トーンカラースタイルのみの設定となる)。また、「G・Aパッケージ」は「G・Lパッケージ」に、「Tourer・Aパッケージ」は「Tourer」にそれぞれ名称変更し、約1年2ヶ月ぶりにタイプ名を復活した。併せて、N-BOXから展開を開始したコンプリートカー「Modulo X(モデューロ エックス)」も追加。専用エアロバンパー、フロントグリル、サイドシルガーニッシュなどのエクステリアパーツに加え、高剛性バンパービーム、専用デザインマフラー、サスペンション、ブレーキパッド、アルミホイールなどを装備。さらに、EPSやCVTのSレンジを専用セッティングに変更した。
    • 11月12日 - リコールを発表した(パドルシフト搭載車において不適切なエンジン制御コンピューターにより、CVTの動力伝達装置(ドライブプーリーシャフト)が折損する恐れ[16])。
    • 12月17日 - 「G・Lパッケージ」をベースに、外観のルーフ・ドアミラー、フロントグリル・ドアサイドモール・リアライセンスガーニッシュ、サイドストライプ、内装のシートとインテリアをブラウンで統一するとともに、14インチスチールホイール+カラードディッシュホイールとホワイトウッド調インテリアパネル(インパネ、ドアパネル(フロント/リア))を特別装備。2WD車には4WD車に標準装備されている運転席&助手席シートヒーターと親水/ヒーテッドドアミラー+フロントドア撥水ガラスも装備した特別仕様車「SSブラウンスタイルパッケージ」を発表。併せて、低全高モデルの新タイプとして、既存の「G・LOWDOWN」から運転席ハイトアジャスター、ナビ装着用スペシャルパッケージ+ETC車載器(ナビゲーション連動)、ステアリングホイールのシルバー塗装ガーニッシュ、クロームメッキ加飾、フロントドアガーニッシュ、オートリトラミラー、ハーフシェイド・フロントウインドウ、クロームメッキ・アウタードアハンドルを省き、プロジェクタータイプヘッドライトをハロゲンに、フロントウインドウガラスをUVカット機能付に、フロントドアガラスを高熱線吸収/UVカット機能付に、ホイールをスチールホイール+フルホイールキャップにそれぞれグレードダウンすることで価格を抑えたベーシック仕様「G・LOWDOWN Basic」を追加し、「G・LOWDOWN」と「Premium Tourer・LOWDOWN」はボディカラーにおいて、既存の「2トーンカラースタイル」に加え、モノトーン(タイプによりバリエーションが異なり「G・LOWDOWN Basic」・「G・LOWDOWN」は5色(このうち、オプションカラーの「プレミアムディープモカ・パール」は「G・LOWDOWN」系専用色)、「Premium Tourer・LOWDOWN」は4色)が設定された(翌12月18日販売開始)[17]

受賞歴

コンセプトカー『Mugen N-ONE Racing Concept』
  • 2012年12月12日 - イノセントブルーメタリック×タフタホワイト(エクステリア)×ベージュ×モカグレー(インテリア)の内外装組み合わせが、オートカラーアウォード2013でプロダクツCMFデザイナーズセレクションを受賞した[18]
  • 2013年-東京オートサロン2013で行われたカスタムカーコンテストにおいて、「MUGEN Racing N-ONE Concept」がコンセプトモデル部門最優秀賞を受賞した。

車名の由来

N-BOXと同様に「N」はホンダ初の本格的量産4輪モデルである「N360」の「N」をモチーフにしている。また、「New」「Next」「Nippon」「Norimono([乗り物)」のそれぞれの頭文字も含め、「これからの新しい日本乗り物創造する」という意味合いも込められている。

「N」と「ONE」の間には-(ハイフン)が入っている。発売当時、N-BOXにはハイフンが入っていなかった(「N BOX」)が、2013年12月のマイナーチェンジに伴ってハイフンが入り、N-ONE、N-WGN、N-BOXとシリーズ内での車名表記が統一された。

モータースポーツ

ホンダでは2014年より、N-ONEによるワンメイクレース「N-ONE Owner's Cup」を運営している。トヨタネッツカップヴィッツレースなどと同様の「ナンバー付き車両」によるレースで、市販モデルの車両にロールケージ・4点式シートベルトなどのレース用装備を装着することで参戦が可能となっている。

初年度の2014年は、鈴鹿サーキットツインリンクもてぎなど全国7サーキットを転戦する形で全10戦(エキシビション2戦+シリーズ戦8戦)が行われた[19]

脚注

  1. ^ a b 新型軽乗用車「N-ONE」を発売 - Honda ニュースリリース 2012年11月1日
  2. ^ a b c d 安い! 速い! 上質! で大ヒット確定!! ホンダN-ONE(エヌワン)新車情報 プレミアムな軽自動車は、価格&安全装備、遊び心に死角なし!! - CORISM 2012年11月1日
  3. ^ 【東京モーターショー11】ホンダ N CONCEPT-4…N360 の先進感を意識 - レスポンス 2011年12月10日
  4. ^ a b 【東京モーターショー11】ホンダ峯川常務、軽の『N』シリーズを12年秋まで3車種に - レスポンス 2011年11月30日
  5. ^ N-ONE CRAFT
  6. ^ 第42回東京モーターショー Hondaブース出展概要について ~次世代電動モビリティーコンセプト 7モデルを出展~ - Honda ニュースリリース 2011年11月10日
  7. ^ 2012年9月 社長会見 骨子 - Honda ニュースリリース 2012年9月21日
  8. ^ ホンダ、新型軽自動車 N-ONE を予告 - レスポンス 2012年9月25日
  9. ^ ホンダ、Nシリーズ第3弾「N-ONE」の先行予約開始 注文した車両と同じカラーのモデルカーをプレゼント - CARwatch 2012年10月1日
  10. ^ N-ONE>スタイリングN-ONE 公式サイト内
  11. ^ N BOX、N BOX Custom、N BOX +、N BOX + Custom、N ONEのリコール (平成25年6月13日届出) - 本田技研工業リコール情報
  12. ^ 「N-ONE(エヌワン)」をマイナーモデルチェンジし発売 ~安全性を強化し、カラーバリエーションを拡充~ - Honda ニュースリリース 2014年5月15日
  13. ^ 「N-ONE(エヌワン)」に特別仕様車「SS(Suzuka Special)パッケージ」を設定し発売 - Honda ニュースリリース 2014年11月17日
  14. ^ 「N-ONE(エヌワン)」をマイナーモデルチェンジし発売 〜装備をさらに充実させ、低全高モデルを追加〜 - Honda ニュースリリース 2015年7月17日
  15. ^ 分かりにくい大変更 ホンダ「N-ONE」が車高を65ミリ下げた理由 - The PAGE(2015.08.10 18:20版 / 2015年8月11日閲覧)
  16. ^ 2015.11.12 N BOXなど5車種のリコール - 本田技研工業リコール情報
  17. ^ 「N-ONE(エヌワン)」に新タイプと特別仕様車を設定し発売 - Honda ニュースリリース 2015年12月17日
  18. ^ オートカラーアウォード2013各賞決定!!
  19. ^ N-ONE OWNER’S CUP開幕! 岸野が初のウイナーに - オートスポーツ・2014年7月13日

関連項目

外部リンク