ベランダ

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ガラス戸がはめ込まれたベランダ

ベランダ英語: verandaverandah)は、家屋母屋から外接して張り出した部分で、で囲まれることがありや軒下に収まるもの、屋根がかかっているものをいう。

概要[編集]

室内とは窓やドアなどで隔てられており、戸外である。日本家屋にある縁側や下屋もこれに当たる。

日本の集合住宅においては、洗濯機を置くための蛇口と排水口を備え、さらに物干し竿をかけるなど、洗濯関連の機能が重視されている。

家庭用エアコンの普及が始まった当初、室外機は人の立ち居と干渉しない外壁面に固定されることも多かったが、取付の不備や経年劣化などによって高所からの落下事故が相次いだことで、上層階の室外機は主にベランダ部分に設置されるようになった。

バルコニーなどとの違い[編集]

2階以上に設けられたものをいうことが多いが、庇や軒がかかっていなければバルコニーという。ガラスがはめ込まれた屋内環境のベランダも多く存在する。

日本では、部屋囲いがなされたものはサンルーム英語版と称されることもある[1]

1階部分に設けられたものを一般的にはテラスともいうが、庇が覆っていれば本来はベランダである。玄関先であればポーチである。他に1階に造られるウッドデッキがある。

語源[編集]

ベランダを表す英語などの外国語表記の「veranda(h)」は、元々はポルトガル語露台を表す「varanda」で、それがインドに渡り、ヒンディー語の「बरामदा」となり、そこから世界に広まったと言われている[2]

ギャラリー[編集]

非常時の機能[編集]

ベランダは非常階段と連絡していたり、脱出口や避難ばしごなどが設置されていることも多く、火災などの非常時には大きな役割を果たす[3]マンションアパートなどのベランダは、各部屋ごとに珪酸カルシウム板(ケイカル板)やフレキシブル板(フレキ板)などで隔てられていることが多く、火災などの非常時にはこれらの板を突き破って非常階段や脱出口へ避難できる。

地域における特色[編集]

廈門市中山路の骑楼

中華圏[編集]

中国南方でよくみられるベランダは、騎楼、広東省の潮州人からは五脚砌閩南語では亭仔跤亭仔腳客家語では店亭下と記述される。

1階部分が歩行者用の街道を兼ね、2階以上はそのベランダ部の上にまでせり出す「騎」の形となっている。

出典[編集]

  1. ^ "サンルーム". 日本大百科全書(ニッポニカ). コトバンクより2021年5月13日閲覧
  2. ^ これはオックスフォード英語辞典でのこの語の説明にあるものである。
  3. ^ 消防法施行令第25条

関連項目[編集]