ベッテンドルフ台車

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ベッテンドルフ台車(ベッテンドルフだいしゃ、英語: Bettendorf truck)は、米国ベッテンドルフ社が開発した鉄道車両台車の総称である。スリーピース台車インテグラル・ボックス台車等とも呼ばれる。

概説

ベッテンドルフ台車の一例

1910年代にベッテンドルフ社が開発した台車の一つであり、特許を公開したためにコモンウェルス社やゼネラルスチール社等他社でも生産され、各種改造、改良型が存在する。特に米国ではAAR標準台車に指定される等、主に貨車用として広く用いられた。日本国内では特に無蓋車、タンク車、ホッパ車での採用例が多い。

構造

側枠の形状は菱枠台車やアーチバー台車を継承しているが、軸箱を側枠と一体化した鋳鋼製となっている。また初期形の側枠は断面がT字形であったが、経年により亀裂が生ずるなど強度に問題があったため、U字形断面に改良されている。また菱枠台車とは異なり、側枠と枕梁を分解することが可能で、枕ばねを抜き、枕梁を下げると枕梁を引き抜くことができ、側枠、枕梁、枕ばねの三点に分解ができた。また車両の大型化によって3軸ボギーも製作されている。亜種として、軸箱が分離したアンドリュー台車やバルカン台車などがある。

日本での例

TR41形台車
3軸式のTR78形台車

日本でのベッテンドルフ形台車としては国鉄TR41形台車が嚆矢かつ代表的で、その後継でコロ軸受(ローラーベアリング)としたTR209形、TR214形、TR225形、TR228形がある。枕バネはTR41形、TR209形が重ね板バネ(TR41D,TR41Eはコイルばね)で、TR214形、TR225形、TR228形がコイルバネである。

平成27年現在でも新製されているホキ2000形にTR213形台車が採用されている。

参考文献

  • 吉雄長春 「ファンの目で見た台車のはなし V」1988年 レイル No.23 エリエイ出版部プレス・アイゼンバーン ISBN 4-87112-173-9