プリスキラとアクラ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

プリスキラ英語など:Priscilla)は、新約聖書に登場する人物である。プリスキラはルカ使徒行伝に記す愛称で[1]、正式にはプリスカ(Prisca)という。

ポントス生まれのユダヤ人アクラの妻である。夫のアクラよりも初代教会で影響があったために、「プリスキラとアクラ」の順番で記されていると言われる。これは後の西方教会系写本(とりわけD写本)において、ほとんど例外なく「アクラとプリスキラ」のように順序を逆転させる改変を受けた[2]

49年にクラウディウス帝が出したユダヤ人退去命令によりローマからコリントに移り、天幕作りをしていた。これらは、伝道旅行でコリントに来たパウロを迎え入れ、パウロの伝道活動を助け共に天幕作りを行った。パウロがエペソに移ったときも、共にエペソに移った。そして、「ローマ人への手紙」に名前が登場するので、最終的にはローマに帰還したと見られている[3]

脚注[編集]

  1. ^ 使徒行伝18章2節
  2. ^ 荒井献『新約聖書の女性観』岩波書店〈岩波セミナーブックス〉、1988年、209頁。 
  3. ^ ローマ16章3節

参考文献[編集]