ブラウス

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花柄のブラウス
テニスのためにブラウスを着用した女性 (1890年-1900年頃)

ブラウス (: Blouse) は、肩から胴回り線、あるいはp腰まわり線辺りまでの、主に女性子供用胴衣類の総称。JIS L0215では「中衣又は外衣」とされている。欧米では、男性用の作業着軍服の上衣もそう呼ばれている[1][2]

特徴

基本的には男性向けのワイシャツと同様の形状で、丈は腰のあたりまでのものが多い。素材は綿、絹風の化繊が使われる。語源が「ゆったりした」という意味で、いわゆる「ワイシャツ」にくらべやわらかい素材が多い。女性向けのためデザインは多岐にわたり、袖や襟の有無や形状にもバリエーションが多い。刺繍ビーズレース女らしさを強調した装飾がされていることもある。

裾をスカートズボンの中に入れた時にできる膨らみや、そうした着方を、「ブラウジング」と言う。

ボタンは、男性用のシャツと逆に取り付けられている(左手側にボタン、右手側にボタン穴。ちなみにブラウスに限らず、全ての女性向け衣類がこのように仕立てられている)。これには以下のような理由が唱えられている。

  • 服屋が男性用と女性用のデザインに区別を付けることで、ブラウスの料金を吊り上げるため
  • 身分の高い者、特に女性は衣服の着替えをメイドにさせていたため、他人が脱ぎ着させやすいようにボタンが逆になった
  • 乳児に授乳させる際、右乳房をはだけやすくするため

歴史

ブラウスの起源については、1万年以上前の原始時代に着られていた衣類の中にブラウス型のものが発見されており、これを起源とする説もある。また、中世の西ヨーロッパで男女ともに着られていたものが起源という説もある。しかし、非常に広い地域で、あらゆる階級の人々に着用されていたことから、特定の起源を持たないとも考えられている。

19世紀の終わり頃に欧米の女性の間で、刺繍やレースの装飾が施されたハイネックで袖に膨らみを持たせたブラウスを、長めのスカートと組み合わせるのが流行した。当時、女性の社会進出という背景があり、テーラードスーツの下にブラウスを着るなど、活動的な2部式の衣服(ツーピース)が着られるようになった事も、女性の間でブラウスが広まった原因として挙げられる。この頃に、日本でもブラウスがシャツの発展型として次第に広まっていき、20世紀に入ると女性の代表的な衣類として定着して、季節を問わずに着られている。

脚注

  1. ^ 例:Army Regulation 670–1(アメリカ陸軍服装規定)
  2. ^ 田中

参考資料

  • 田中千代『田中千代 服飾辞典』 新増補第2刷、同文書院、1982年3月。 

関連項目