フランクフルト・ムゼウム管弦楽団

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フランクフルト・ムゼウム管弦楽団(Frankfurter Opern- und Museumsorchester)は、ドイツヘッセン州フランクフルト・アム・マイン市にあるフランクフルト歌劇場(Oper Frankfurt)専属のオーケストラである。 フランクフルト歌劇場管弦楽団ミュージアム或いは博物館管弦楽団等と記されることもある。

沿革[編集]

前身は、1792年に発足した劇場専属の楽団。 1808年「ムゼウム」が発足、以来主催演奏会を担う。

初期のカペルマイスタールイ・シュポーア音楽総監督クレメンス・クラウスゲオルク・ショルティロヴロ・フォン・マタチッチクリストフ・フォン・ドホナーニミヒャエル・ギーレン歌劇場支配人も兼務)、ガリー・ベルティーニシルヴァン・カンブルランパオロ・カリニャーニらが務めた。また、パウル・ヒンデミットが1915年から1923年までコンサートマスターを務めていた。2023年よりセバスティアン・ヴァイグレの後継者としてトーマス・グガイスが音楽総監督に就任。

主なレコーディングは、ショルティ指揮でブラームスの「ドイツ・レクイエム」や、ギーレン指揮でマーラー交響曲第8番など。フランクフルト歌劇場として、モーツァルト、「後宮からの誘拐」、アリベルト・ライマンリア王などがある。

「ムゼウム」[編集]

「ムゼウム(Museum)」とは、1808年3月11日創立の、フランクフルト市民による芸術振興団体の名称であり、ムゼウムという言葉の元来の意味であるギリシャ神話の「ムーサ(ミューズ:芸術や学問をつかさどる9人の女神たち)の殿堂」を起源とした固有名詞である。いわゆる「博物館」がこのオーケストラと直接関係がないため、日本語での「ミュージアム」や「博物館」の入ったオーケストラ名は、訳として適さない。また、起源は正に同じ「ムーサ」である「博物館」は、当時まだその概念として存在していなかった。

1861年以降、活動の分野を音楽に限定、社団法人フランクフルト・ムゼウム協会(Frankfurter Museumsgesellschaft)となり、コンサート主催者として現在も活動している。

ムゼウム(管弦楽団)演奏会(Museumskonzert)は、1808年以来継続して今もなお行われており、これまでにカール・オルフカルミナ・ブラーナ」や、リヒャルト・シュトラウス自身の指揮による交響詩ツァラトゥストラはこう語った」「英雄の生涯」などの初演も多く行った。指揮者としてグスタフ・マーラーヴィルヘルム・フルトヴェングラーなどを迎えたほか、ヨハネス・ブラームスクララ・シューマンがソリストとして出演したこともある。

関連項目[編集]


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