フェナキストスコープ

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エドワード・マイブリッジによる
フェナキストスコープ用円板 (1893)

フェナキストスコープ: Phenakistoscope)またはフェナキスティスコープ: Phenakistiscope)は、回転のぞき絵(ゾートロープ)に先駆けて登場した初期のアニメーション機器。1831年ベルギージョゼフ・プラトーオーストリアジーモン・フォン・シュタンプフェルがほぼ同時に発明した。日本語では「おどろき盤」という呼称もある[1]。これは、1970年代日本でフェナキストスコープを復元した古川タクが、「驚き盤」として命名したものとされている[2]

一般的なフェナキストスコープは、軸に垂直に取り付けられた回転する円板である。円板にはアニメーションのコマに相当する絵が順に描かれており、コマとコマの間にスリットがある。この円板を回転させ、絵を鏡に映し、動くスリットから透かして見る。仮現運動を利用し、スリットを通すことでブレがなくなり、絵が動いているように見えるのである。別の形状としては、絵を描いた円板とスリットのある円板を別々にしたものがある。こちらは鏡が不要という利点はあるが、扱いにくい。ゾートロープやプラキシノスコープなどとは異なり、フェナキストスコープは1度に1人しか楽しめない。

名称の由来は、: φενᾱκῐστῐκός (phenākistikós)「騙す」 + : ὄψ(óps) 「目」である。眼を騙して絵が動いているように見せることから来ている。

Flanders International Film Festival では、映画製作に貢献した人物に Special Honorary Joseph Plateau Award としてプラトーのオリジナルのフェナキストスコープの複製品を贈呈している。

脚注[編集]

  1. ^ フェナキスティスコープ”. 富士フイルム. 2015年8月15日閲覧。
  2. ^ 山村浩二 (2005年12月8日). “驚き盤”. 山村浩二. 2015年8月15日閲覧。

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