フィル・テイラー
フィリップ・ダグラス・"フィル"・テイラー(Philip Douglas "Phil" Taylor, 1960年8月13日 - )は、2011年現在、史上最強と言われるダーツ・プレイヤーである。 イングランド西部ストーク・オン・トレント出身、右投げ、ニックネームは、”THE POWER”、入場曲はSnap!のThe Powerである。 プロフェッショナル・ダーツ・コーポレイション (PDC) の設立メンバーであり、当時よりPDCの第一人者として活躍している。
プロになるまで
16歳の時に高校を中退し就職。
1988年、テイラーは、80年代を代表するプレイヤーであるエリック・ブリストウのパブに訪れだす。 ほとんどの人が、ブリストウと長くはプレイできずにすぐ止めてしまうのに対し、テイラーは朝に4時間、夜に4時間、ブリストウと共に練習し続けた。
ブリストウは、テイラーをいくつかのトーナメントに出場させた。 恐れと緊張のあまり第1ラウンドでの敗退が続いたりもし、ブリストウはジョン・ロウに「なぜ、テイラーに出資し続けるのか」と問われたが、ブリストウはロウに「最後には上手くいく」と言ったという。
そして、ブリストウは、1年程かけてテイラーに『テイラーが仕事を辞めてダーツに集中するなら、ブリストウが£9,000の資金提供をする』ことを受け入れさせた。
プロになってから
ここからのテイラーの成長は、ブリストウの予想よりも早く、1990年、テイラーは、Embassy ワールド・ダーツ・チャンピオンシップの決勝において、ブリストウを6-1で打ち破り、初のワールド・チャンピオンとなる。
また、衰退し始めたダーツの人気を復活及び発展させるためにワールド・ダーツ・カウンスル (WDC)、すなわち現在のプロフェッショナル・ダーツ・コーポレイション (PDC) を歴代のワールド・チャンピオンなどと結成。 WDCのトーナメントは、テレビ放送やスポンサーが付いたりもし、ことは上手く進んでいるように見えたが、ブリティッシュ・ダーツ・オーガナイゼイション (BDO) はテイラーらを出場禁止処分とし、彼らと関わった者も出場禁止にすると脅した。 テイラーらはBDOから離れ、独自にワールド・チャンピオンシップを開催するようになり、1994年より現在まで、年に2つのワールド・チャンピオンシップが行われ、毎年2人のワールド・チャンピオンが誕生している。
しかし、PDCのワールド・チャンピオンとしてテイラーがBDOのワールド・チャンピオンと直接対決を行うと、常にテイラーの勝利となること、テイラーらが去った後に誕生したBDOのワールド・チャンピオンやWDFランキング上位プレイヤーの大半はPDCに移籍したが、PDCにおいてテイラーの勢いを止められる者がいないこと、統計値の高さやナイン=ダート・フィニッシュの多さが圧倒的であることなど、テイラーが世界最強であり史上最強と言われる所以である。
また、テイラーらPDCで活躍するプレイヤーやPDC、そしてPDCのトーナメントを放送するSky Sportsの努力や工夫により、ダーツのテレビ中継は増え、賞金も高くなり使用会場も広くなった。 さらに、テイラー自身のダーツにおける活躍により、BBCはPDCのトーナメントを放送していないのに関わらず、テイラーはBBCにしばしば出演している。
記録
ナイン=ダート・フィニッシュ
2016年現在、テイラーはテレビ放送中に12回のナイン=ダート・フィニッシュを達成している。 この記録も、他のプレイヤーと比べて群を抜いて多い。
年 | トーナメント | 方法 | 賞品 | 備考 |
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2002 | ワールド・マッチプレイ 対クリス・メイスン |
3 x T20; 3 x T20; T20, T19, D12 |
£100,000 | イギリスの生放送中初 |
2004 | UKオープン 対メァット・チャップマン |
3 x T20; 3 x T20; T20, T19, D12 |
バドワイザーのボトル501本 | 史上初の複数回達成 |
2005 | UKオープン 対ローラント・スホールテン |
3 x T20; 3 x T20; T20, T19, D12 |
バドワイザーのボトル501本 | 同一大会2年連続達成 |
2007 | インターナショナル・ダーツ・リーグ 対ライモント・ファン・バルネフェルト |
3 x T20; 3 x T20; T20, T19, D12 |
£26,000相当の車 | 同一大会複数人数達成(Tony O'Shea) |
2007 | UKオープン 対ウェズ・ニュートゥン |
3 x T20; 3 x T20; T20, T19, D12 |
£20,000 | 史上初の同一年度複数回達成 |
2008 | UKオープン 対ジェイミー・ハーヴィー |
3 x T20; 2 x T20, T19; 2 x T20, D12 |
£25,000 | |
2009 | チャンピオンシップ・リーグ・ダーツ 対ジョン・パート |
3 x T20; 3 x T20; T20, T19, D12[2] |
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2010 | プレミア・リーグ・ダーツ 対ジェイムズ・ウェイド |
T20, 2 x T19; 3 x T20; T20, T17, D18 |
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3 x T20; 3 x T20; T20, T19, D12 |
史上初の1試合2回9ダーツ達成 | |||
2011 | チャンピオンシップ・リーグ・ダーツ 対マーヴィン・キング |
3 x T20; 3 x T20; T20, T19, D12[3] |
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2014 | ワールド・マッチプレイ 対マイケル・スミス |
3 x T20; 2 x T20, T19; T20, T20, D12 |
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2015 | シドニー・ダーツ・マスターズ 対ピーター・ライト |
3 x T20; 3 x T20; T20, T19, D12 |
使用ダーツ
バレル
2011年現在のバレルはUnicorn Phase 5 26g Rossoである。 なお、既にユニコーン・ダーツは、Phase 6まで開発し販売も行っており、テイラーも、1月に行われた2011 プレイヤーズ・チャンピオンシップ・ファイナルズなどでこのダーツを使用していたが[4]、7月に行われた2011 ワールド・マッチプレイや10月に行われた2011 ワールド・グランプリなどではPhase 5を使用している。
これまでも、ユニコーンがテイラーの新しいダーツを開発及び販売後、テイラーが過去のダーツを使用することはあり、テイラーに限らず他のプレイヤーでも最新のダーツから変更することは時折見られる。
フライト
2011年現在、テイラーはDXMフライトと言うスリム・フライトよりも表面積が狭いフライトを使用している。
過去には、ティア・ドロップ、スリム、スタンダードなどのフライトを使用していた。
シャフト
2011年現在、テイラーはチタンに取り外し可能な横からフライトを差し込む特殊なシャフトを使用している。
過去には、アルミ製のフライトや100%チタン製のシャフトなどを使用していた。
エピソードなど
- 1日8時間以上の非常にシビアな練習をすることで有名。2004年からはエイドゥリアン・ルーイスを弟子としている。
- 右利きだが利き目が左目のため、構えるときにダーツを左目の前に持ってくる独特のフォームを持つ。
参照・脚注
- ^ Eric Bristow saw Phil Taylor talent in darts This is Staffordshire
- ^ Wade Wins CLD Group One PDC
- ^ Nine-Dart Taylor's CLD Glory PDC
- ^ Phase 6 Purist 97% Tungsten Unicorn Darts
外部リンク
- Players | Player Profiles | Player Profile | Phil Taylor PDC (英語)
- Phil Taylor Player Profile Darts Database
- Phil Taylor Promotions テイラーの公式サイト (英語)
- Phil Taylor Unicorn Darts (英語)