フィリピン航空

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フィリピン航空
IATA
PR
ICAO
PAL
コールサイン
Philippine
法人番号 7700150000747 ウィキデータを編集
設立 1941年3月
ハブ空港 ニノイ・アキノ国際空港
マクタン・セブ国際空港
マイレージサービス マブハイ マイル
会員ラウンジ マブハイ ラウンジ
航空連合 未加盟
親会社 PAL Holdings, Inc.
保有機材数 48機
就航地 48都市 (PAL エクスプレス便含む)
本拠地 フィリピンマニラ パサイ市
代表者 Lucio Tan (Chairman and CEO)
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フィリピン航空英語: Philippine Airlines)は、フィリピン航空会社で、フィリピンのナショナル・フラッグ・キャリアである。

概要

略称PAL。本社はパサイ市マニラ首都圏内のパサイ市とパラニャーケ市に、またがるニノイ・アキノ国際空港ハブ(拠点)となっており、同航空便は第2ターミナル、子会社のPAL エクスプレス便は第3ターミナルからそれぞれ発着する(共同運航便(コードシェア便)を除く)。国内便もフィリピンでは国民の重要な交通手段になっている。

1941年3月に設立された、アジアでは最も長い歴史を持つ航空会社であり、フィリピンのナショナル・フラッグ・キャリアである。1946年7月に太平洋横断便を開設しアジア初の国際線を開設する。翌1947年5月にはマドリード線を開設しアジアの航空会社で初めてヨーロッパ乗り入れを開始。1967年には社長兼会長のベニグノ・P・トダ・Jrが、国際航空運送協会 (IATA) 会長に選任される。1946年にIATAが創設されて以来アジア人が会長となるのは3人目であった。

国際線は1954年には国の政策、1998年にはアジア通貨危機と労働争議により一時運航停止になる。特に1998年は会社更生法を申請し、組合がスト賃上げ10年凍結の会社方針に反発、経営陣は組合員の解雇及び全路線運航停止を発表したため厳密にはここで旧フィリピン航空の歴史は設立57年で途切れているが、会社側のプレスリリースではそのまま存続させていて2001年には設立60周年を祝っている。運航停止になった路線は同年内から復活するが、運航を停止した約3,4ヶ月間、香港キャセイパシフィック航空がフィリピン国内幹線を運航していた時期もあった。

航空券の座席予約システム(CRS)はSABREを利用している。 [1]

2007年には、パンパンガ州にあるアメリカ空軍基地であったマカパガル国際空港(現・クラーク国際空港)に5,000万米ドルを投入しアジア諸国のハブ空港として整備する計画を発表した。また電子航空券(e-チケット)化を2007年5月17日に全ての就航都市で完了した。

2013年7月にANAホールディングスがフィリピン航空との航空運送事業を巡る提携に向け交渉中だと明らかにし、同航空の主要株主であるサンミゲル・グループもフィリピン証券取引所の情報開示リリースで、ANA HDと提携交渉している事実を明らかにした[2][3]が、2014年1月23日の発表によると、ANA HDによる同航空への出資や提携交渉が難航しており、コードシェア提携のみとなる可能性が高いとされていた[4]が、最終的には2014年10月1日にANA HDの傘下である全日本空輸が同航空とコードシェア提携およびマイレージ提携を実施することを発表した[5]。同年10月26日よりANA運航の成田・羽田-マニラ線と国内線の19路線、PAL運航の成田・羽田・中部・関西・福岡-マニラ線とフィリピン国内線の10路線がコードシェアの対象となり、ANA・PAL間でのスルーチェックインも可能となる。

2016年、設立75周年を迎え2020年代にイギリス航空リサーチ会社スカイトラックスの5つ星評価獲得を目指す方針を打ち出し、新たなブランド・フィロソフィは「Heart of the Filipino(フィリピンの心)」とし、ナショナル・フラッグ・キャリアのブランドと強みを活かしつつ、心から暖かいおもてなし、安全性とサービスに誇りを持ち、運営するとし、特にサービス面では顧客の期待を超えるサービスを目指すとした。また新たな就航地としてサイパンに6月15日から就航し、北米のノンストップ運航と欧州の新規就航を目指すとしている[6]

子会社

2008年4月14日に、マクタン・セブ国際空港をハブ空港とする子会社『PAL エクスプレス』を設立し、ボンバルディア DHC-8-Q300、DHC-8-Q400でフィリピン航空のジェット機では運航できない、フィリピン国内の小規模空港へ就航を始め徐々に就航地を増やし、エアバスA320などの小型ジェット機で運航されていたフィリピン航空国内線も移管され、2009年10月27日からは、以前からチケット販売やマイレージサービスなどで営業提携関係のあったエアフィリピンに、PAL エクスプレスの運航が移管された。この移管に伴いPAL エクスプレスがマニラ発着で運航している路線は、エアフィリピンがターミナル開業から使用していた第3ターミナルビル発着へ変更された。2010年3月にPAL エクスプレスとAirPhil Expressを統合、エアフィル・エクスプレス (Airphil Express) の名称で運航していたが、2012年3月、ブランド名をPAL エクスプレスに変更した。

EU乗り入れ禁止

EUがフィリピンの航空当局の「安全確認の体制に問題がある」として、他の全てのフィリピンの航空会社とともに2010年3月30日からのEU域内への乗り入れ禁止が決定[7]。ただし、フィリピン航空は、1998年の会社更生法適用時にEU方面への運行を打ち切っており、運行上の支障は生じなかった[8]。2013年7月10日にフィリピン航空のEU域内への乗り入れ禁止が解除されたと、フィリピン大統領報道官室が確認し発表された[9][10]

EU乗り入れ禁止の解除を受け、ロンドン/ヒースロー線を2013年11月4日から15年ぶりに就航開始した[11]

機材

運用中

2016年 現在[12]

エアバス A320-200型機
ファイル:P5031647.JPG
エアバス A330-300型機
ファイル:PB031012.JPG
エアバス A340-300型機
ボーイング B777-300ER型機
フィリピン航空 保有機材
機種 運用機数 発注機数 座席数 投入路線 備考
エアバスA320-200
10
-
C12Y144
国内線、国際線
新インテリアコンセプト
マブハイクラスはAVOD
エアバスA321neo
-
10
未定
国内線、国際線
2012年8月28日発注
納入予定: 2017年
エアバスA321-200
20
7?
C12PY18Y169
国内線、国際線
2012年8月28日発注
2013年8月6日から納入開始
A320と違うIAE製エンジン
一部シャークレット装備機
エアバスA330-300
-
-
C48Y230
マブハイクラスはPTV装着だが、AVOD非対応
8機ストア中?
子会社PAL エクスプレス運用?
エアバスA330-300X
15
5?
PY39Y375
C18W27Y323
国際線、国内線
2012年8月28日に10機発注
さらに9月27日に10機追加発注
一部はA340の後継、最大離陸重量引き上げ型
機内Wifiサービス
エアバスA350-900
6
長距離国際線
2016年2月17日、シンガポール航空ショーで6機発注
納入予定: 2018年
さらにオプション6機契約
北米線ノンストップ運航計画
エアバスA340-300
6
C44Y220
アジア、北米、ロンドン
マブハイクラスはPTV装着だが、AVOD非対応
機内装備改修予定
A330・A350で代替予定
ボーイング777-300ER
6
2?
C42Y328
アジア、北米、豪州
新インテリア、PTV/AVOD装備、機内Wifiサービス
57

退役済

エアバスA300B4A319A340-200

BAC1-11

ボーイング727-200737-200/300/400、747-200B/400

ダグラスDC-3DC-8-30/50/60

フォッカーFokker 50

マクドネル・ダグラスDC-10-30MD-11

機内サービス

ビジネスクラス「マブハイクラス」とエコノミークラス「フィエスタクラス」の2クラス制。

ボーイング777-300ERやエアバスA330-300などの一部国際線運用機材では、最新の機内エンターテイメントシステムや機内インターネット接続サービスが提供されている。

機内食は中・長距離路線を中心に提供され、日本路線では和食の提供もある。

就航路線


コードシェア提携

現在は航空連合(アライアンス)に非加盟だが、航空連合に関係なく航空会社毎にコードシェア提携を結んでいる。

以下は自社機材運航

事件・航空事故

脚注・出典

外部リンク